JPH0336870B2 - - Google Patents
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- JPH0336870B2 JPH0336870B2 JP11754684A JP11754684A JPH0336870B2 JP H0336870 B2 JPH0336870 B2 JP H0336870B2 JP 11754684 A JP11754684 A JP 11754684A JP 11754684 A JP11754684 A JP 11754684A JP H0336870 B2 JPH0336870 B2 JP H0336870B2
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Description
【発明の詳細な説明】
〔技術分野〕
本発明は、木質系バイオマスの液化方法に関す
るものである。 〔従来技術〕 従来、木材のような木質系バイオマスを液化
し、液体燃料とする研究は行われており、例え
ば、木材チツプをリサイクル油と混合したり、酸
で加水分解した後、これらの混合物を約290気圧
の還元性ガス（CO又はCO＋H2）で加圧し、温
度約350℃で加熱する方法は知られている。しか
しながら、このような方法では、還元性ガスが危
険なものであり、しかも高価であることから、そ
の実用化には大きな困難がある。 〔目的〕 本発明は、前記のような従来法とは異なり、還
元性ガスを用いずに、木質系バイオマスの液化方
法を提供することを目的とする。 〔構成〕 本発明によれば、木質系バイオマスを、水性媒
体の存在下、アルカリ性条件において、不活性ガ
スの加圧下で温度200〜360℃に加熱することを特
徴とする木質系バイオマスの液化方法が提供され
る。 本発明でいう木質系バイオマスとは、各種の樹
木あるいは木材から得られる物質を意味するもの
で、木材チツプ、木粉、樹皮等が含まれる。 本発明の方法を好ましく実施するには、例え
ば、木粉を、水性媒体及びアルカリ性物質と混合
し、この混合物を加圧容器に入れ、不活性ガスで
加圧し、加熱する。この場合、水性媒体としては
通常水が用いられるが、水溶性有機溶媒との混合
物で用いることもできる。アルカリ性物質として
は、水に溶けてアルカリ性を示すもの、例えば、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸
水素カリウム、酸化カルシウム等がある。不活性
ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、炭酸ガ
ス等がある。水性媒体の使用量は、一般には、木
質原料（乾燥物）１重量部に対し、２〜20重量
部、好ましくは５〜15重量部の割合であり、アル
カリ性物質の使用量は、反応系をアルカリ性条
件、例えばPH10〜14、好ましくは11〜13の範囲に
保持し得るような割合であればよく、一般には、
木質原料１重量部に対し、0.01〜0.5重量部程度
である。反応圧力は、５〜100気圧、好ましくは
20〜40気圧であり、反応温度は200〜360℃、好ま
しくは250〜350℃程度である。 前記のようにして木質系バイオマスを反応処理
することにより、その液化物を得ることができ、
この液化物は、発熱量7500〜8000kcal／Kgを有
し、液体燃料として使用することができる。 〔効果〕 本発明は前記のような構成であり、加圧用ガス
としては還元性のものではなく、窒素等の不活性
ガスを用い、また反応媒体しては水等の水性媒体
を用いることができるので、安全かつ容易に実施
し得るものである。 〔実施例〕 次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。 実施例 １ 木粉（コナラ、粒度約100メツシユ）5.0ｇを水
30ml、炭酸カリウム1.0ｇと混合し、加圧反応容
器中でアルゴン（初圧：20気圧）により加圧し、
加熱した。温度は350℃まで昇温し、この温度に
到達した直後、急冷した。内容物をアセトン抽出
した結果、1.23ｇの液状油を得た。 実施例 ２ 木粉（コナラ、粒度約100メツシユ）5.0ｇを水
30ml、炭酸カリウム0.5ｇと混合し、加圧反応容
器中でアルゴン（初圧：20気圧）により加圧し、
加熱した。温度は350℃まで昇温し、この温度で
30分間保持した。反応器を冷却後、内容物をアセ
トン抽出した結果、1.31ｇの液状油を得た。 実施例 ３ 木粉（コナラ、粒度約100メツシユ）5.0ｇを水
30ml、炭酸カリウム1.0ｇと混合し、加圧反応器
中でアルゴン（初圧：20気圧）で加圧し、加熱し
た。温度は300℃まで昇温し、この温度で30分間
保持した。反応器を冷却後、内容物をアセトン抽
出した結果、1.42ｇの液状油を得た。 実施例 ４ 木粉（コナラ、粒度約100メツシユ）5.0ｇを水
30ml、炭酸ナトリウム1.0ｇと混合し、加圧反応
容器中でアルゴン（初圧：20気圧）で加圧し、加
熱した。温度は300℃まで昇温し、この温度で30
分間保持した。反応容器を冷却後、内容物をアセ
トン抽出した結果、1.54の液状油を得た。 実施例 ５ 木粉（コナラ、粒度約100メツシユ）5.0ｇを水
30ml、炭酸カルシウム1.0ｇと混合し、加圧反応
容器中でアルゴン（初圧：20気圧）で加圧し、加
熱した。温度は300℃まで昇温し、この温度で30
分間保持した。反応容器を冷却後、内容物をアセ
トン抽出した結果、1.24ｇの液状油を得た。 以上の反応結果から、本発明によれば、セトン
可溶性の液状油を原料木粉当り23〜30重量％の収
率で得ることができる。次に、生成した液状油の
発熱量を表−１に示す。また、生成液状油の元素
分析値もあわせて表−１に示す。 実施例１、２、３で説明した液状生成物の元素
分析値と計算（デユロン式）によつて求めた発熱
量を示す。 【表】
るものである。 〔従来技術〕 従来、木材のような木質系バイオマスを液化
し、液体燃料とする研究は行われており、例え
ば、木材チツプをリサイクル油と混合したり、酸
で加水分解した後、これらの混合物を約290気圧
の還元性ガス（CO又はCO＋H2）で加圧し、温
度約350℃で加熱する方法は知られている。しか
しながら、このような方法では、還元性ガスが危
険なものであり、しかも高価であることから、そ
の実用化には大きな困難がある。 〔目的〕 本発明は、前記のような従来法とは異なり、還
元性ガスを用いずに、木質系バイオマスの液化方
法を提供することを目的とする。 〔構成〕 本発明によれば、木質系バイオマスを、水性媒
体の存在下、アルカリ性条件において、不活性ガ
スの加圧下で温度200〜360℃に加熱することを特
徴とする木質系バイオマスの液化方法が提供され
る。 本発明でいう木質系バイオマスとは、各種の樹
木あるいは木材から得られる物質を意味するもの
で、木材チツプ、木粉、樹皮等が含まれる。 本発明の方法を好ましく実施するには、例え
ば、木粉を、水性媒体及びアルカリ性物質と混合
し、この混合物を加圧容器に入れ、不活性ガスで
加圧し、加熱する。この場合、水性媒体としては
通常水が用いられるが、水溶性有機溶媒との混合
物で用いることもできる。アルカリ性物質として
は、水に溶けてアルカリ性を示すもの、例えば、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸
水素カリウム、酸化カルシウム等がある。不活性
ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、炭酸ガ
ス等がある。水性媒体の使用量は、一般には、木
質原料（乾燥物）１重量部に対し、２〜20重量
部、好ましくは５〜15重量部の割合であり、アル
カリ性物質の使用量は、反応系をアルカリ性条
件、例えばPH10〜14、好ましくは11〜13の範囲に
保持し得るような割合であればよく、一般には、
木質原料１重量部に対し、0.01〜0.5重量部程度
である。反応圧力は、５〜100気圧、好ましくは
20〜40気圧であり、反応温度は200〜360℃、好ま
しくは250〜350℃程度である。 前記のようにして木質系バイオマスを反応処理
することにより、その液化物を得ることができ、
この液化物は、発熱量7500〜8000kcal／Kgを有
し、液体燃料として使用することができる。 〔効果〕 本発明は前記のような構成であり、加圧用ガス
としては還元性のものではなく、窒素等の不活性
ガスを用い、また反応媒体しては水等の水性媒体
を用いることができるので、安全かつ容易に実施
し得るものである。 〔実施例〕 次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。 実施例 １ 木粉（コナラ、粒度約100メツシユ）5.0ｇを水
30ml、炭酸カリウム1.0ｇと混合し、加圧反応容
器中でアルゴン（初圧：20気圧）により加圧し、
加熱した。温度は350℃まで昇温し、この温度に
到達した直後、急冷した。内容物をアセトン抽出
した結果、1.23ｇの液状油を得た。 実施例 ２ 木粉（コナラ、粒度約100メツシユ）5.0ｇを水
30ml、炭酸カリウム0.5ｇと混合し、加圧反応容
器中でアルゴン（初圧：20気圧）により加圧し、
加熱した。温度は350℃まで昇温し、この温度で
30分間保持した。反応器を冷却後、内容物をアセ
トン抽出した結果、1.31ｇの液状油を得た。 実施例 ３ 木粉（コナラ、粒度約100メツシユ）5.0ｇを水
30ml、炭酸カリウム1.0ｇと混合し、加圧反応器
中でアルゴン（初圧：20気圧）で加圧し、加熱し
た。温度は300℃まで昇温し、この温度で30分間
保持した。反応器を冷却後、内容物をアセトン抽
出した結果、1.42ｇの液状油を得た。 実施例 ４ 木粉（コナラ、粒度約100メツシユ）5.0ｇを水
30ml、炭酸ナトリウム1.0ｇと混合し、加圧反応
容器中でアルゴン（初圧：20気圧）で加圧し、加
熱した。温度は300℃まで昇温し、この温度で30
分間保持した。反応容器を冷却後、内容物をアセ
トン抽出した結果、1.54の液状油を得た。 実施例 ５ 木粉（コナラ、粒度約100メツシユ）5.0ｇを水
30ml、炭酸カルシウム1.0ｇと混合し、加圧反応
容器中でアルゴン（初圧：20気圧）で加圧し、加
熱した。温度は300℃まで昇温し、この温度で30
分間保持した。反応容器を冷却後、内容物をアセ
トン抽出した結果、1.24ｇの液状油を得た。 以上の反応結果から、本発明によれば、セトン
可溶性の液状油を原料木粉当り23〜30重量％の収
率で得ることができる。次に、生成した液状油の
発熱量を表−１に示す。また、生成液状油の元素
分析値もあわせて表−１に示す。 実施例１、２、３で説明した液状生成物の元素
分析値と計算（デユロン式）によつて求めた発熱
量を示す。 【表】
Claims (1)
- １ 木質系バイオマスを、水性媒体の存在下、ア
ルカリ性条件において、不活性ガスの加圧下で温
度200〜360℃に加熱することを特徴とする木質系
バイオマスの液化方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11754684A JPS60262888A (ja) | 1984-06-08 | 1984-06-08 | 木質系バイオマスの液化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11754684A JPS60262888A (ja) | 1984-06-08 | 1984-06-08 | 木質系バイオマスの液化方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60262888A JPS60262888A (ja) | 1985-12-26 |
| JPH0336870B2 true JPH0336870B2 (ja) | 1991-06-03 |
Family
ID=14714477
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11754684A Granted JPS60262888A (ja) | 1984-06-08 | 1984-06-08 | 木質系バイオマスの液化方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60262888A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2009014225A1 (ja) | 2007-07-25 | 2009-01-29 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | バイオマスを原料とする液化燃料油の製造方法 |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6173793A (ja) * | 1984-09-20 | 1986-04-15 | Agency Of Ind Science & Technol | セルロ−ス系バイオマスの高効率液化法 |
| JPH072240B2 (ja) * | 1987-03-24 | 1995-01-18 | 工業技術院長 | 下水汚泥の油化処理方法 |
| JPH0551586A (ja) * | 1991-08-23 | 1993-03-02 | Agency Of Ind Science & Technol | 生ゴミの油化処理方法 |
| JP5060791B2 (ja) * | 2007-01-26 | 2012-10-31 | 独立行政法人森林総合研究所 | 木材の乾燥方法、木材への薬剤浸透方法及び乾燥装置 |
| US8653312B2 (en) | 2009-06-05 | 2014-02-18 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Method for producing water-insoluble liquefied fuel oil from biomass |
| TWI462778B (zh) | 2011-12-06 | 2014-12-01 | Ind Tech Res Inst | 生質物的液化方法與有機銨鹽溶液用於將生質物液化的用途 |
| CN105274890A (zh) * | 2014-06-28 | 2016-01-27 | 陈叶磊 | 一种木质纤维的制备方法 |
-
1984
- 1984-06-08 JP JP11754684A patent/JPS60262888A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2009014225A1 (ja) | 2007-07-25 | 2009-01-29 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | バイオマスを原料とする液化燃料油の製造方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60262888A (ja) | 1985-12-26 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |