JPH0335781B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業状の利用分野〕 本発明は、電気接続用端子の挿入力低減を図つ
て端子挿入作業を容易にすると共に良好な電気接
続状態を得ることのできる低挿入力端子に関する
ものである。

〔従来の技術〕

第７図は、従来の雌端子を示す斜視図である。

即ち、函状の端子本体３２の内部に、ばね性を
有する弾性接触片３３を一体に設けてあり、該弾
性接触片３３と端子接触部３４の間に図示しない
雄タブ端子を挿入して電気的接続を行なうもので
ある。図で、１２は電線接続部、１３は裸線圧着
片、１４は被覆線圧着片である。

しかしながら、上記構造にあつては、端子が大
型になればなるほど、端子挿入力が増大して接続
作業性が悪くなるという問題があつた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明は、上記した問題点に鑑み、端子が大型
化しても端子挿入が楽に行えて、しかも適切な端
子接触力を得ることのできる接続端子を提供する
ことを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本発明は、基板延
長部を折り返して基板部と一体の弾性接触部を形
成すると共に、該基板部の基端に連成された端子
本体に対し、可動支持片を該基板部に対向して該
基板部の長手方向に移動可能に設けて成ることを
基本とする。

そして、前記可動支持片に対し、基板部に当接
可能なばね部を設けて成る構造や、 前記基板部に対して交差方向に対向して位置す
る端子本体と、可動支持片のいずれか一方に対
し、該基板部の長手方向に切欠溝を設け、他方に
対し、該切欠溝に嵌合可能な突出部を設けて成る
構造、並びに、前記切欠溝と突出部のいずれか一
方に突起を設け、他方に該突起を係止可能な係止
溝を連設して成る構造、あるいは、 前記基板部に対して交差方向に対向して位置す
る端子本体と、可動支持片のいずれか一方に対
し、該基板部の長手方向に溝状屈曲部を設け、他
方に該溝状屈曲部に嵌合可能な突出部を設けて成
る構造、並びに、溝状屈曲部と突出部のいずれか
一方に突起を設け、他方に該突起を係止可能な係
止溝を連設して成る構造も可能である。

〔作用〕

相手側端子を接続する際に、可動支持片を例え
ば基板部の基端寄りに位置させれば、基板部は片
支持状態となる。そして、相手側端子の挿入に伴
い、弾性接触部は基板部と共に撓むから、端子挿
入力は小さくなる。

そして、可動支持片を適宜位置に移動して、適
切な端子接触力を得ることができる。

また、可動支持片にばね部を設ければ、さらに
端子接触力をアツプさせることができる。

〔実施例〕

第１図は、本発明に係る低挿入力端子の一実施
例を示す斜視図である。

即ち、相手側雄タブ端子（図示せず）を挿入す
る電気接触部１は、函状の端子本体２に対し、そ
の底壁の両側を切離して垂直方向に可撓性を付与
させた基板部３を形成すると共に該基板部３の先
端を折り返し延長して、ばね性を付与させた弾性
接触部４を形成し、該弾性接触部４に対向する端
子本体２の上壁に端子接触部５を形成して成るも
のである。

そして、該弾性接触部４を囲む端子本体２の両
側壁６に対し、その長手方向に切欠溝７を突設
し、該切欠溝７に対し、可動支持片８を前記基板
部３に対向して移動自在に嵌合してある。該可動
支持片８の中央部には突起９が形成され、該突起
９を基板部３に当接している。さらに、該可動支
持片８の両側には抜け止め突起１０を設けると共
に、端子挿入側端部には移動用のツマミ１１を設
けてある。

図中、１２は電線接続部、１３は裸線圧着片、
１４は被覆線圧着片である。

第２図ａ，ｂは、上記実施例における作用を説
明する断面図である。

図ａは、雄タブ端子１５挿入前の状態を示し、
可動支持片８を基板部３の基端１６寄りに位置さ
れている。即ち、基板部３を垂直方向に撓み易い
状態にしてあり、この状態では雄タブ端子１５を
挿入すれば、雄タブ端子１５は弾性接触部４に当
接して基板部３を押し下げるから、楽に挿入でき
る。尚、この際、摺接により端子表面（５、15）
の酸化膜を取り除く作用は従来同様になされるも
のである。

図ｂは、雄タブ端子１５挿入後の状態を示し、
可動支持片８を弾性接触部４の頂点４′下に移動
することにより、最大接触力を発揮させる。

即ち、第３図ａ，ｂ，ｃに、支点Ａ、Ｂ、Ｃの
位置とばね定数KA、KB、KCの関係を弾性接触
部４の長さ別に示すように、支点即ち可動支持片
８の位置を弾性接触部４の頂点４′下Ｂに位置さ
せた場合にばね定数即ち接触力が最大になるわけ
である。また、弾性接触部４の長さ（正確には基
板部３に対する頂点４′の位置）により、支点を
基板部３の基端Ａに置くか先端Ｃに置くかでばね
定数の大きさが夫々違うから、雄タブ端子１５の
挿入に際しては、可動支持片８の基板部３の基端
Ａに位置させるか先端Ｃに位置させるかを予め基
準化しておくと良い。

第４図は、第１図の実施例に対して可動支持片
８′を端子本体２′に設けた切欠溝７′に係止可能
とした例を示すものである。

即ち、両切欠溝７′の下面に鋸歯状溝１７を形
成すると共に、可動支持片８′の両側下面に該鋸
歯状溝１７に係合する突起１８を設けて成るもの
であり、可動支持片８′の位置決めが容易で、使
用中のずれも防止できる。図で、切欠溝７′の縦
幅Ｌは可動支持片８′の板厚よりも突起１８の高
さ分以上大きく設定され、上方に可動支持片８′
をリフトするクリアランスを設けてあり、可動支
持片８′の移動に際しては突起１８が鋸歯状溝１
７上をスムーズに摺接可能である。

第５図ａ，ｂ，ｃは、本発明に係る低挿入力端
子の他の実施例を示すものである。

即ち、本実施例は、可動支持片１９にばね部２
０を設けたことを特徴とするものであり、可動支
持片１９には、挿入側端部を折り返し延長してば
ね片部２０を形成すると共に、該可動支持片１９
の両側を内側に折り返して溝状屈曲部２１を形成
してある。一方、端子本体２２には、弾性接触部
２３を囲む両側壁２４の下端を外側に折り曲げて
レール状の突出部２５を形成してあり、該突出部
２５に可動支持片１９の溝状屈曲部２１を嵌合し
て適宜位置にスライドが可能である。

ここで、可動支持片１９は雄タブ端子１５挿入
前に装着しておいても良く、その場合、先の第３
図ｃに破線で示すように、ばね定数KA′〜KC′を
小さく抑えることができるから、端子挿入力をよ
り低くすることが可能である。さらに、ばね定数
の変化する割合をばね片部２０のばね定数により
任意に変えることができる（図で、ばね定数変化
率はKA′／KA＞KC′／KC）。そして、端子接触
力をアツプさせることも可能である。

第６図ａ〜ｄは、第５図ｃに示した可動支持片
１９の取付状態の変形例である。

図ａは、弾性接触部２３ａを囲む端子本体２２
ａの両側壁２４ａの下端を内側に折り曲げてレー
ル状の突出部２５ａを形成すると共に、可動支持
片１９ａの両側を内側に折り曲げ、さらに外側に
折り返して溝状屈曲部２１ａを形成し、端子本体
２２ａの突出部２５ａに該溝状屈曲部２１ａをス
ライド自在に嵌合して成る取付構造である。

図ｂは、端子本体２２ｂの両側壁２４ｂに長手
方向に溝２６を設けると共に、可動支持片１９ｂ
の両側に断面凹状の溝状屈曲部２１ｂを形成し、
該溝状屈曲部２１ｂの内側に該溝２６に嵌合可能
な突起２７を設けて成るものである。

図ｃは、端子本体２２ｃの両側壁２４ｃに対
し、切欠溝７ｃを穿設すると共に、可動支持片１
９ｃの両側２８を両側壁２４ｃの形状に沿つてテ
ーパ状に折り曲げ、可動支持片１９ｃを切欠溝７
ｃに挿通して成るものである。

図ｄは、端子本体２２ｄの両側壁２４ｄ内側に
レール状の突出部２９を設けると共に、可動支持
片１９ｄに側壁３０を延設し、該側壁３０に該突
出部２９を嵌合可能な切欠溝３１を穿設して成る
ものである。

ここで、第５図ｃ並びに第６図ｂ，ｃにおける
取付け構造は、端子本体２２，２２ｂ，２２ｃの
両側壁２４，２４ｂ，２４ｃが万一外側へ開いて
も、可動支持片１９，１９ｂ，１９ｃが外れない
という利点があり、第６図ａ，ｄにおいては、可
動支持片１９ａ，１９ｄを端子本体２２ａ，２２
ｄに取付け易いという効果がある。

〔発明の効果〕

以上の如くに、本発明は、端子が大型化しても
端子挿入が楽に行えて、しかも適切な端子接触力
を得ることができるから、端子接続作業時の作業
者の負担を軽減すると共に、電気的接続の信頼性
を向上させるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す斜視図、第２
図ａ，ｂその作用を説明する断面図、第３図ａ，
ｂ，ｃは支点位置とばね定数の関係図、第４図は
第１図の変形例を示す斜視図、第５図ａ，ｂは本
発明の他の実施例を示す縦断面図、第５図ｃはそ
の側面図、第６図ａ，ｂ，ｃ，ｄは第５図ｃの変
形例を示す側面図、第７図は従来例を示す斜視図
である。 ２，２′，２２，２２ａ〜２２ｄ……端子本体、
３……基板部、４，２３，２３ａ……弾性接触
部、６，２４，２４ａ〜２４ｄ……側壁、７，
７′，７ｃ，３１……切欠溝、８，８′，１９，１
９ａ〜１９ｄ……可動支持片、１６……基端、１
７……鋸歯状溝、１８……突起、２０……ばね片
部、２１，２１ａ，２１ｂ……溝状屈曲部、２
５，２５ａ，２９……突出部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 基板延長部を折り返して基板部と一体の弾性
   接触部を形成すると共に、該基板部の基端に連成
   された端子本体に対し、可動支持片を該基板部に
   対向して該基板部の長手方向に移動自在に設けて
   成ることを特徴とする低挿入力端子。 ２ 可動支持片に対し、基板部に当接可能なばね
   部を設けて成る請求項１記載の低挿入力端子。 ３ 基板部に対して交差方向に対向して位置する
   端子本体と、可動支持片のいずれか一方に対し、
   該基板部の長手方向に切欠溝を設け、他方に対
   し、該切欠溝に嵌合可能な突出部を設けて成る請
   求項１、２記載の低挿入力端子。 ４ 基板部に対して交差方向に対向して位置する
   端子本体と、可動支持片のいずれか一方に対し、
   該基板部の長手方向に溝状屈曲部を設け、他方に
   該溝状屈曲部に嵌合可能な突出部を設けて成る請
   求項１、２記載の低挿入力端子。 ５ 切欠溝と突出部のいずれか一方に突起を設
   け、他方に該突起を係止可能な係止溝を連設して
   成る請求項３記載の低挿入力端子。 ６ 溝状屈曲部と突出部のいずれか一方に突起を
   設け、他方に該突起を係止可能な係止溝を連設し
   て成る請求項４記載の低挿入力端子。