JPH0335111B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、サーマル印字装置のサーマルヘツド
用位置調整機構に係わり、特にサーマルヘツドと
プラテンの位置決め手段を改良したサーマルヘツ
ド用位置調整機構に関する。

〔従来の技術〕

この種のサーマル印字装置としては、サーマル
ヘツドによる印字後のラベルを含むラベル台紙の
送り出しに関して種々の形式のものがある。すな
わち、ラベル台紙に貼着されたラベルに所望の印
字項目を印字後、ラベルを剥離するとともにラベ
ル台紙を巻き取る形式、ラベルに印字項目を印字
後ラベル台紙にラベルを貼着したまま、たれ流し
の状態で送り出す形式、ラベル台紙にラベルを貼
着したまま巻取りローラに巻き取る形式、所定枚
数のラベルを貼着させた状態でラベル台紙をカツ
トする形式、ラベルなしのシートに所望の印字項
目を印字して送り出しカツトする形式等がある。
これら何れの形式のサーマル印字装置において
も、サーマルヘツドとプラテンとが一定の位置関
係になければ、ラベル等に所望の印字項目を鮮明
に印字することができない。

そこで、従来、サーマルヘツドとプラテンの位
置調整手段として、第２図に示すような位置調整
機構が使用されている。即ち、この機構は、支軸
１を中心として図イ矢印方向に回転するヘツド支
持用フレーム２の中間部分に孔部３を形成すると
ともに、この孔部３の径よりも小さい外径を有す
るねじ４を前記孔部３を通つてサーマルヘツド５
に螺入することにより、サーマルヘツド５をヘツ
ド支持用フレーム２に支持するものである。６は
ヘツド支持用フレーム２の支軸１と反対側端部を
所定の押圧力で押圧するばねである。

そして、以上のように支持されたサーマルヘツ
ド５の印字部７となるべき印字位置にプラテン８
か回転可能な状態で接するように設けられてい
る。さらに、前記サーマルヘツド５の印字部７と
プラテン８の間には例えば転写用リボン９および
ラベル１０の貼着されたラベル台紙１１が送り込
まれ、印字部７の加熱により印字内容がリボン９
を通してラベル１０に転写印字されるものであ
る。

ところで、以上のような装置においては、その
装置の出荷時及びサーマルヘツドの交換時、プラ
テン８の法線位置上にサーマルヘツド５の印字部
７が位置するようにねじ４を用いてサーマルヘツ
ド５の位置調整を行つている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、以上のようなサーマルヘツド位置調整
機構は、実際に装置を移動させてラベル１０に印
字された印字内容の濃淡度を観察しなければ、サ
ーマルヘツド５とプラテン８とが適切な位置に有
るか否かを判断することができない。しかも、こ
の位置調整は数回にわたつて印字動作を繰り返し
ながら印字の濃淡度を観察しないと、サーマルヘ
ツド５の印字位置とプラテン８とを適切な位置関
係に設定することが難しく、位置調整作業が非常
に煩雑なものとなる。また、実際に印字動作を行
なつている時に駆動源による振動や外部からの衝
撃等により位置ずれが生じる場合があるが、この
場合も位置調整を行なう必要があり、前述と同様
に位置調整作業が厄介なものである。

そこで、本発明は以上のような点に着目してな
されたもので、組み立てるだけでサーマルヘツド
の印字位置とプラテンが適切な位置になり、ヘツ
ドの交換、印字動作時の振動や衝撃等によりプラ
テン等が位置ずれを生じても、その位置ずれに追
随して自動的にサーマルヘツドを移動させてサー
マルヘツドの印字位置とプラテンを適切な位置に
設定し得るサーマルヘツド用位置調整機構を提供
することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、以上のような目的を達成するため
に、ヘツド支持用フレームに対して移動可能に移
動中継板を介してサーマルヘツドを支持するとと
もに、この移動中継板またはサーマルヘツドにサ
ーマルヘツド位置調整体を取付け、この位置調整
体をプラテンの軸に係着させるようにしたもので
ある。

〔作用〕 従つて、本発明は以上のような手段とすること
により、サーマルヘツドまたはプラテンの位置ず
れに対し、プラテンが移動すると、サーマルヘツ
ド位置調整体を介して移動中継板が移動し、この
移動に伴つて移動中継板と一体的に移動するサー
マルヘツドを移動させるために、装置に振動その
他の位置ずれ原因が生じても、サーマルヘツドの
印字位置とプラテンとを常に適切な位置関係を保
持して印字でき、長期間にわたつて鮮明な印字を
確保できるものである。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例について第１図を参照
して説明する。同図において２１は紙面奥行方向
に所定幅例えばラベル台紙２２の幅と等しいかも
しくはそれよりも大きな幅を有し、かつ、ラベル
台紙２２の移動方向に対して所望の長さに形成さ
れたヘツド支持用フレームである。このヘツド支
持用フレーム２１は、例えば紙面奥行方向（幅方
向）の両端部側に位置してねじ孔２３が形成さ
れ、その一端部は支軸２４を回転中心として図示
ロ矢印方向に回動可能に支持され、他端部はばね
等の弾性部材２５により所望の押圧力で押圧され
ている。

２６は前記ねじ孔２３の中心軸線上を中心軸と
する孔部２７を形成した移動中継板であつて、こ
れはヘツド支持用フレーム２１の面部と平行に移
動し得るように前記孔部２７につば付き受け台２
８が挿入されてねじ２９によりヘツド支持用フレ
ーム２１のねじ孔２３にねじ止めされている。す
なわち、この移動中継板２６の平行移動機構とし
ては、孔部２７の径を前記ねじ孔２３よりも大き
な径に形成し、かつこの孔部２７内に該孔部径よ
りも外径の小さなつば付き受け台２８を挿入して
間〓３０を形成するとともに、つば付き受け台２
８のつば面部を前記移動中継板２６の面部から多
少の間〓３１を有するように設定し、この状態に
おいてねじ２９をつば付き受け台２８の孔部を通
して前記ヘツド支持用フレーム２１のねじ孔２３
に螺入することにより、中継板２６が支持用フレ
ーム２１に対し遊びをもつて移動するような構成
としている。そして、この移動中継板２６に裏面
側から皿ねじ孔２３によりサーマルヘツド３３が
ねじ止めされ、移動中継板２６とサーマルヘツド
３３が一体的に移動する構成となつている。この
サーマルヘツド３３な印字面側にはリボン３４お
よびラベル３５の貼着された前記ラベル台紙２２
が図示右端側からサーマルヘツド３３の印字位置
３５に供給されるが、このとき印字位置３５にお
いてリボン３４およびラベル台紙２２をサーマル
ヘツド３３とで挟み込むようにヘツド支持用フレ
ーム２が所定の押圧力で押圧されている。３７は
プラテン位置調整体であつて、これはその基部側
あ前記中継板２６またはサーマルヘツド３３側に
固定され、かつ端部側にＵ字状の切欠き部３７ａ
が形成されている。そして、このサーマルヘツド
位置調整体３７のＵ字状切欠き部３７ａが前記プ
ラテン３６のプラテン軸３６ａに被着された軸受
３８に係着され、移動中継板２６およびサーマル
ヘツド３３と一体的に移動するサーマルヘツド位
置調整体３７によりプラテン３６を位置調整する
ものである。

従つて、以上のような構成によれば、設計時に
サーマルヘツド３３の印字位置の線上にサーマル
ヘツド位置調整体３７のＵ字状切欠き部３７ａの
中心線が位置するように設定すれば、例えば出荷
時またはヘツド交換時にはもとより、装置駆動源
の振動等によつてプラテン３６が水平方向にずれ
ても、サーマルヘツド位置調整体３７と一緒にヘ
ツド３３を追随移動させるために、サーマルヘツ
ド３３とプラテン３６の法線位置上にサーマルヘ
ツド３３の印字位置を一致させることができ、こ
れにより装置の動作時に振動等が生じてもサーマ
ルヘツド３３とプラテン３６とを適切な位置関係
を保持して印字動作を行うことができ、ひいては
鮮明で高精度に印字することができる。また、サ
ーマルヘツド位置調整体３７の切欠き部３７ａは
Ｕ字状となつているので、必要な時にサーマルヘ
ツド３３を持ち上げることができ、装置の保守、
点検やリボン３４およびラベルシート２２の交換
等を容易に行うことができる。また、プラテン軸
３６ａに軸受３８を被着してサーマルヘツド位置
調整体３７と係着するように構成しているので、
サーマルヘツド位置調整体３７及びプラテン軸３
６ａの摩耗が少ない。

なお、上記実施例ではヘツド支持用フレーム２
１と移動中継板２６とがねじ止めされているが、
ボルトとナツトを用いて両者を支持するような構
成をとつてもよい。また、サーマルヘツド位置調
整体３７はＵ字状の切欠き部としたが、Ｖ字状そ
の他の形状のものであつてもよい。。その他、本
発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して
実施できる。

〔発明の効果〕

以上詳記したように本発明によれば、サーマル
ヘツドとプラテンの相対位置を調整する必要はな
く、装置の振動等によつてサーマルヘツドおよび
プラテン等に位置ずれが生じてもサーマルヘツド
の印字位置とプラテンを常に適切な位置関係を保
持して印字でき、高精度な印字を行い得るサーマ
ルヘツド用位置調整機構を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係わるサーマルヘツド用位置
調整機構の一実施例を示す一部切欠き断面図、第
２図は従来の位置調整機構を示す一部切欠き断面
図である。 ２１……ヘツド支持用フレーム、２２……ラベ
ル台紙、２３……ねじ孔、２６……移動中継板、
２７……孔部、２８……つば付き受け台、２９…
…ねじ、３０，３１……間〓、３３……サーマル
ヘツド、３４……リボン、３５……ラベル、３６
……プラテン、３６ａ……プラテン軸、３７……
サーマルヘツド位置調整体、３７ａ……切欠き
部、３８……軸受。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ヘツド支持用フレームとサーマルヘツドの間
   に設けられ、該ヘツド支持用フレームの面部に沿
   つて前記サーマルヘツドと一体的に移動するよう
   に該ヘツド支持用フレームに取り付けられた移動
   中継板と；前記サーマルヘツドの印字位置に接す
   るように設けられたプラテンと；前記移動中継板
   またはサーマルヘツドに固定され、前記プラテン
   の移動に対応して前記サーマルヘツドの印字位置
   を常に前記プラテンと接するように追随させるた
   めにプラテン軸に係着されたサーマルヘツド位置
   調整体とを備えたことを特徴とするサーマルヘツ
   ド用位置調整機構。