JPH0335015Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はフアイリングキヤビネツト等における
抽斗のラツチ装置に関するものである。

抽斗のラツチ装置は、通常、抽斗前面板の裏板
側部にラツチ軸に取付けたラツチを同裏板側縁部
に設けた開口から後方に突出せしめて設け、この
ラツチをばねで弾発して抽斗容器本体の内面に固
設した係止具に係止しておき、上記ラツチ軸を抽
斗の前面板に設けたラツチレバーにより回動させ
て上記ラツチの係止を解除するようになつてい
る。このラツチを前面板の裏板側部に取付けるに
は、通常、裏板側縁部に軸受孔を有する断面Ｌ字
形の取付板を固着するか、裏板側部の板を切起し
取付板を形成するなどしてその軸受孔にラツチ軸
を挿通し、ラツチをこの取付板に保持せしめてい
るが、溶接、切起し、孔穴け等、加工に手数を要
している。

本考案においては軸受孔を有する上下の保持部
をその間に適当な間隔を置いて配置し、その前縁
を弾発的に可撓な連結板部で連結すると共に反対
側の後縁にはそれぞれ係止突条を形成したラツチ
受具を使用し、上記係止突条を裏板側縁部の開口
の上下縁に上記連結板部の弾性を利用して弾発的
に係止させることにより極めて簡単にラツチ保持
部が構成できるようにしたものである。

次にその詳細を図示の実施例について説明する
と、１はフアイリングキヤビネツト等の抽斗容
器、、２は抽斗、３は抽斗前面板、４は前面板３
に設けた引手開口、５は前面板裏板、６は裏板側
縁部に取付けたラツチ受具である。ラツチ受具６
は第３図〜第５図に示すように軸受孔７，８を縦
設した上下の保持部９，１０をその間にラツチを
嵌合し得るラツチ取付空間を置いて配置し、その
近接する前縁を弾発的に可撓な連結板部１１で連
結すると共に上記ラツチ取付空間に臨む後縁には
それぞれ上向の係止部を有する係止突条１２と下
向の係止部を有する係止突条１３を突設したもの
で、このラツチ受具６は適当な合成樹脂材をもつ
て一体的に形成されている。而してこのラツチ受
具６は裏板５側縁の取付板部５′に穿設した開口
１４（第８図）に、上記係止突条１２，１３をそ
れぞれ該開口１４の上下縁に弾発的に係止せしめ
て取付けられ、上下の保持部９，１０間にラツチ
１５（第６図）が回動自在に嵌合し、保持部９，
１０の軸受孔７，８に挿通せしめたラツチ軸１６
（第７図）下端部のほぼ角状の取付部１６′にこれ
に対応して設けたラツチ１５基部の縦孔１５′が
係合して取付けられ、ラツチ１５の先端部は上記
裏板側縁の開口１４から後方に突出し、抽斗２本
体側部との間に装着したばね１７に弾発されてそ
の係合孔１５″が抽斗容器本体１の側板補強板
１′に固定した係止具１８に係止され、抽斗の前
方への引出しを阻止している。（第２図）。

一方裏板５には第４図に示すようにラツチレバ
ー軸１９が軸受具２０、軸受板２１，２１等を介
し回動自在に横設され、これに固定されたラツチ
レバー２２が前面板３の引手開口４に臨ませてあ
り、ラツチレバー軸１９側端の下方折曲部１９′
が上記ラツチ軸１６上端の内方折曲部１６″に係
合している。

従つて引手開口４に差し入れた手指をもつてラ
ツチレバー２２を前方に引くことによりラツチレ
バー軸１９を介しラツチ軸１６が回動し、ラツチ
１５がばね１７に抗し内方に回動して係止具１８
から外れるので、そのまま抽斗２を引出すことが
できる。ラツチレバー２２から手を離せばラツチ
１５はばね１７により元の位置に戻るが、閉じる
際には単に抽斗２を本体１内に押込むだけで従来
のラツチ装置の如くラツチ１５の前端部が係止具
１８前面の傾斜部に係合して内方に回動し、係止
具１８の先端部がラツチ係合孔１５″の孔縁から
外れたところでラツチ１５がばね１７により元の
位置に戻り再び係止具１８に係止される。上記ラ
ツチレバー軸の軸受具２０は軸受溝２０′，２
０′とレバー軸折曲部１９′の受溝２０″が合成樹
脂等をもつて一体形成され、図示しないが背面の
取付用突起を裏板５の取付孔５″（第８図）に嵌
着して取付けてある。尚下方の軸受溝２０′はラ
ツチ装置を抽斗の反対側側部（第４図の左側）に
設けた際に使用することができる。１４′，１
４″は開口１４にラツチ１５の回動に対応して設
けた幅広部でその外側縁１４″はラツチ１５の戻
り位置のストツパーになつている。また２３はラ
ツチ受具６の１側の側縁に後向きに突設した張出
し板部で裏板取付板部５′の肩部に係合するよう
になつている。

本考案のラツチ装置は上記の如き構造であるか
らラツチ受具６の上下の保持部９，１０を手指を
もつて挟み押圧すれば連結板部１１が弾発的に撓
み、後縁の係止突条１２，１３を裏板側縁部の開
口１４から後方に通過させて各係止突条１２，１
３の溝部１２′，１３′をそれぞれ開口１４の上下
縁に係合することができ、極めて簡単に取付けで
き、その上、上記ラツチ受具６の保持部９，１０
は、開口１４の上下の取付板部５′に全面が接触
するから、ラツチ１５が係止具１８に係止した状
態で抽斗を無理にあけようとしてもラツチ受具６
は該取付板部５′に強く当接するだけであり、開
口１４から脱落するおそれはなく、強固なラツチ
保持部を構成し得る実用的な効果を有している。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は抽斗
容器の外観斜視図、以下拡大して示し、第２図は
要部の部分横断平面図、第３図は同縦断側面図、
第４図は部材の配置状態を示す裏板の斜視図、第
５図はラツチ受具、第６図はラツチ、第７図はラ
ツチ軸の各斜視図、また第８図は裏板側縁部の開
口を示す斜視図である。 １……抽斗容器本体、２……抽斗、３……抽斗
前面板、４……引手開口、５……前面板裏板、６
……ラツチ受具、１５……ラツチ、１６……ラツ
チ軸、１９……ラツチレバー軸、２０……軸受
具、２１……軸受板、２２……ラツチレバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 抽斗前面板の裏板側部にラツチ軸に取付けたラ
   ツチを該裏板側縁部に設けた開口から後方に突出
   せしめて設け、該ラツチをばねで弾発して抽斗容
   器本体の内面に固設した係止具に係止し、上記ラ
   ツチ軸を抽斗前面板に設けたラツチレバーにより
   回動させて上記ラツチの係止を解除するようにし
   た抽斗のラツチ装置において、軸受穴７，８を縦
   設した上下の保持部９，１０をその間にラツチ取
   付空間を置いて配置し、該上下の保持部９，１０
   の前縁を弾発的に可撓な連結板部１１をもつて連
   結すると共に各保持部９，１０の上記ラツチ取付
   空間に臨む後縁には上向の係止部を有する係止突
   条１２と下向の係止部を有する係止突条１３を突
   設したラツチ受具６を備え、このラツチ受具６を
   裏板５側縁部の開口１４に上記上下の突条１２，
   １３をそれぞれ該開口１４の上下縁に上記連結板
   部１１を撓ませて弾発的に係止せしめて取付け、
   上記上下の保持部９，１０の間のラツチ取付空間
   にラツチ１５の基部を回動自在に嵌合して該ラツ
   チ１５の先端部を上記開口１４から後方に突出せ
   しめると共に、上記軸受孔７，８に回動自在に挿
   通せしめたラツチ軸１６に上記ラツチ１５の基部
   を取付けてなる抽斗のラツチ装置。