JPH0334316Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は超音波洗浄機能を備えるシンクに関
する。

（考案の背景） 従来の超音波洗浄シンクは、シンク本体の底部
外面に超音波振動子を装着して成り、上記振動子
の作動によつてシンク本体内に溜めた水を微振動
させ、食器等の表面に付いた汚れを落すものであ
る。

しかし、上記した構成の超音波洗浄シンクは、
シンク内に水を入れないでカラ作動させてしまう
と、振動子が異常に加熱してしまう問題等を生じ
ていた。

現在、シンク本体を流し槽と外槽とから成る二
重構造と成し、上記両槽の間に水を収容する間隙
を設けることにより、カラ作動時において、外槽
底部外面に付設する振動子を間隙内の水によつて
冷却しようとする試みがある。

ところが、上記超音波洗浄シンクを開発するに
当つて、汚れ易い間隙内を清潔に保つ必要が生じ
た。

（技術的課題） 本考案の技術的課題は、前記した如き二重構造
のシンクに、間隙内に溜る汚れを排出する機能を
具備せしめることである。

（技術的課題を解決する為の手段） 本考案が上記した技術的課題を解決する為に講
じる手段は、シンク本体を流し槽と外槽とから成
る二重構造と成し、上記両槽の間に水を収容する
間隙を設け、且つ外槽の外面に超音波振動子を付
設すると共に、同外槽底部に上記間隙内の水を排
出する水抜き栓を設けたものである。

（作用） 以上の手段によれば、振動子を作動させると該
振動子を取付けた外槽が振動子と共に微振動し、
この振動が間隙内の水を介して流し槽に伝達され
る。そして、流し槽が振動すると該流し槽内に溜
めた水が微振動し、微振動する水によつて食器等
の表面に付着した汚水が落される。

また、振動子が生じた熱は外槽を介して間隙内
の水に放出される。

さらに、水抜き栓を開くと、間隙内に収容され
た水と、この水に含まれた汚物が同水抜き栓より
排出される。

（効果） 本考案は以上の如きものであるから、使用者が
過つて振動子をカラ作動させた際にも、振動子を
間隙内の水によつて冷却し、振動子の加熱を防止
することができる。

また、間隙内の古い水と溜つた汚物とを水抜き
栓より任意に排出することができるので、間隙内
を常に新しい水で満して清潔に保つことができる
ものである。

さらに、上記した如く間隙内を清潔に保つこと
により、外槽に付着する汚れを無くすことができ
るので、振動子に加わる負担を低減することが可
能である。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図に示した超音波洗浄シンクＡはシンク本
体A′を流し槽１と外槽２から成る二重構造と成
し、上記両槽１，２の間にオーバーフロー孔５か
ら溢れ出る水を収容する間隙３を設け、且つ外槽
２外面には超音波振動子４を付設すると共に、同
外槽２底部には間隙３内の水を抜く水抜き栓６が
設けてある。

流し槽１はステンレス板を用いて大型シンクＢ
と一体にプレス成形するものであり、各コーナー
部を大きな曲面にて構成し、その底面の中央部に
は排水金具本体８を嵌装する為の開口７を開設す
ると共に周面における上方には後述するオーバー
フロー孔５の流出口５ａを設けてある。

一方、外槽２は流し槽の外周面を所定幅の間隙
３を介して包囲する周壁板２ａと、流し槽１底面
との間に間隙３を介した状態で上記周壁板２ａ下
縁全周に溶接する平面状の底板２ｂに二部材から
成り、上記周壁板２ａの上縁を流し槽１口縁の裏
側に溶接すると共に、底板２ｂ中央の開口部口縁
を流し槽１の開口７口縁の裏面に沿つて溶接して
ある。これによつて、流し槽１と外槽２とは一体
化し、且つ両槽１，２の間に設けた間隙３内の水
密が保たれる。

第３図にて示す如く、外槽２の底板２ｂの外面
側には振動子４を取付ける為の10本の接続ボルト
１０を散在させて設け、同ボルト１０先端を下方
へ向けた状態で上端部を底板２ｂ外面に溶接して
固定してある。従つて、接続ボルト１０の溶接跡
が流し槽１表面に露呈することはない。

そして、各接続ボルト１０には振動子４を螺合
させて取付け、該振動子４上面が平面状の底板２
ｂ外面に密着するまで締め込んで固定する。

上記した様に、外槽２の底板２ｂは平面状であ
るから、各振動子４の上面を底板２ｂの外面に対
して全面的に密着させることができる。これによ
つて振動子４の振動を底板２ｂに対して有効に伝
達することができると共に、振動子４が発生した
熱を外槽２及び間隙３内の水に対して効率良く放
出することができる。

第４図乃至第６図はシンク本体A′周面におけ
る水位の上限位置に開設したオーバーフロー孔５
を示している。

オーバーフロー孔５は流し槽１の内オーバーフ
ロー孔５ａから流れ出た水を接続体５ｃより排水
するものである。接続体５ｃは、外槽２における
流し槽１の内オーバーフロー孔５ａと対応する個
所に開設した外オーバーフロー孔５ｂの外側にパ
ツキン１１介して取付ける。また、流し槽１の内
オーバーフロー孔５ａ周囲の凹部１２には目皿５
ｅを嵌め込み、該目皿５ｅ両端部と前記接続体５
ｃのフランジ５ｄ両端部との間にボルト１４，１
４を貫挿し、ナツト１５，１５を螺合して流し槽
１と外槽２とを挾む状態で共締めしてある。

また、上記したボルト１４，１４における流し
槽１と外槽２との間には所定枚数の座金１６を介
在させ、ナツト１５，１５を締め込んだ際に間隙
３の間隔が潰されずに所定の幅に保たれる様に構
成してある。

従つて、流し槽１の内オーバーフロー孔５ａよ
り流れ出た水は間隙３内に流れ込み、そして、該
間隙３内が満たされると、外槽２の外オーバーフ
ロー孔５ｂより接続体５ｃ内に流れ込むものであ
り、間隙３は内オーバーフロー孔５ａより流れ込
む水によつて常に満たされている。

そして、接続体５ｃ内に流れ込んだ排水は、同
接続体５ｃに接続されるオーバーフローホース１
７内を通過して流し槽１の開口７に嵌装した排水
金具本体８に送られる。そして、この排水は排水
金具本体８上面に開設される排水口９からの排水
と同様にホース１８を通過して大型シンクＢの排
水金具本体２１内へ流れ込み、大型シンクＢの排
水と共に下水管（不図示）へ排水される。

また、外槽２の底板２ｂのコーナー部には間隙
３内の水と汚物を排水する水抜き栓６を設けてあ
る。

水抜き栓６は第２図にて示す如く、底板２ｂに
設けた排水管１９の先端に上流側口６ｂを螺合し
て装着してあり、水抜き栓本体６ａを貫通する流
路６ｃを塞ぐ様に栓６ｄを嵌装し、この栓６ｄを
摘み６ｅでもつて90゜ずつ回動させることにより、
上記流路６ｃを開閉するものである。

上記栓６ｄを第２図に示す如く開状態にする
と、間隙３内の水及び汚物は流路６ｃ内を通過し
て同水抜き栓６下流側口６ｆに接続した連結管２
０内を落下し、前記した大型シンクＢの排水金具
本体８から排水される。

尚、上記した水抜き栓６ｄはどの様な型式のも
のを用いても良く、例えば同栓に電磁弁（図示せ
ず）を用いて外部より開閉する様にしても良いも
のである。

上記の如く構成した超音波洗浄シンクＡの各振
動子４を作動させると、該振動子４と共に底板２
が微振動し、この振動は間隙３内に満たされた水
を介して流し槽１に伝わり、該流し槽１内に溜め
られた水が微振動する。

流し槽１内に入れられた食器等に付着した汚れ
は微振動する水によつてきれいに落されるもので
ある。

上記した超音波洗浄シンクＡはオーバーフロー
孔５から溢れ出る水を間隙３内に供給する様に構
成しているので、排水を振動子４の冷却水として
利用することができる。

尚、間隙３内に供給する水は、上記した如くオ
ーバーフロー孔５から溢れる水を利用しても、若
しくは別個に設けた注水口（図示せず）より新た
な水を注水して供給しても良いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施した超音波洗浄シンクを
示す縦断正面図、第２図は水抜き栓を示す縦断面
図、第３図は第１図の−線断面図、第４図は
オーバーフロー孔部分を示す一部切欠正面図、第
５図は第４図の−線断面図、第６図は第４図
の−線断面図である。 Ａ：超音波洗浄シンク、A′：シンク本体、
１：流し槽、２：外槽、３：間隙、６：水抜き
栓。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シンク本体を流し槽と外槽とから成る二重構造
   と成し、上記両槽の間に水を収容する間隙を設
   け、且つ外槽の外面に超音波振動子を付設すると
   共に、同外槽底部に上記間隙内の水を排出する水
   抜き栓を設けた超音波洗浄シンク。