JP4420144B2 - 浴室ユニットの排水構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、バスタブの下方にタブ防水パンを配設した構造の2重パン方式と呼ばれる浴室ユニットの排水構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の排水構造としては、図7及び図8に示すように、バスタブ1の下方にタブ防水パン2を配設し、タブ防水パン2の排水開口3にエルボ4を接続し、このエルボ4に導管5を接続し、この導管5をトラップ6に接続してある。このトラップ6は洗い場7の排水部8に設けてある。また、バスタブ1の排水孔9にタブ用エルボ10を接続し、このエルボ10にホース11を接続し、このホース11にエルボ12を接続してある。前記エルボ4はL字状の筒形をなし、その受け入れ口すなわち上部内周面に雌ねじ100を形成し、この雌ねじ100にフランジ101の雄ねじ102がねじ込まれる。このフランジ101をエルボ4にねじ込むとタブ防水パン2の排水開口3の周囲部分3Aがエルボ4とフランジ101の外縁で挟まれる。前記エルボ12にはパイプ103を接続し、このパイプ103の下端はフランジ101の孔101Aに挿入され、パイプ103の外径よりもこの孔101Aの径の方が大きく形成されている。また、パイプ103の中間部には外方に張り出してフランジ101に嵌合する張出板104が形成され、この張出板104にタブ防水パン2に溜まった水を排出する孔104Aが形成されている。パイプ103の張出板104の下方にはパイプ103に緩く嵌め込まれたフロート105が設けられ、エルボ4内の水が孔101Aからフランジ101内に流れ込むと、このフロート105が浮き上がって孔104Aを塞ぐようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したフロート105の替りに可動弁を用いたものも知られているが、いずれもバスタブ内への逆流防止策は施されていなかった。例えば、洗い場からの大量排水時にバスタブの清掃後に止水栓を外した状態では、洗い場を清掃した汚れた水がバスタブ内に逆流し、バスタブを汚してしまうことがあった。
また、タブ防水パンへの逆流を防止する手段として、フロート105や可動弁を用いたものよりも構造が簡単で取付けも容易な構造が求められていた。
【0004】
そこで、この発明は、洗い場からの大量排水時にバスタブ内へ逆流せず、バスタブからの大量排水時にタブ防水パンへ逆流しないようにした浴室ユニットの排水構造を提供することを目的とする。また、バスタブからの排水時やタブ防水パンからの排水時に排水のみを可能とし、逆流を防止する構造の簡単なかつ取付けも容易な浴室ユニットの排水構造を提供することを目的とする。
【0005】
上述の目的を達成するため、この発明は、バスタブからの排水とタブ防水パンとからの排水とを行うためにタブ防水パンに形成された排水開口に排水路を接続した浴室ユニットの排水構造において、前記タブ防水パンの排水開口に底の中心に中心孔が形成されたフランジを取付け、このフランジ内にバスタブからの排水とを行う筒状部内に形成されたタブ用排水孔とタブ防水パンからの排水を行う下方に突出する突出筒部内に形成されたパン用排水孔とが形成された円筒状の逆流防止本体部を設け、前記筒状部の上端にバスタブの排水路を構成するエルボを接続するとともに、下端に排水用チューブ体が収められた管体を取付け、前記チューブ体は、弾性材料から成り、中間部から排水口まで常時内面が密着する密着部を有し、排水時の水圧により密着部の密着状態が解除される一方、チューブ体の排出口からの逆流を密着部の存在により防止するように構成され、前記突出筒部内に前記チューブ体と同様のチューブ体を収めた管体を取付けてバスタブへの逆流のみならず、タブ防水パンへの逆流も防止するようにしたものである。また、洗い場の排水部に排水筒を設け、前記排水路に設けられたトラップにこの排水筒の先端を封水面よりも下方に挿入したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の好適な実施例を図面を参照にして説明する。
【0007】
図1に示す実施例では、従来と同様にバスタブ1(図7参照)とその下方に設置したタブ防水パン2とからの排水を行うため、タブ防水パン2の排水開口3にフランジ101を設け、このフランジ101と排水路を形成するエルボ4とでタブ防水パン2の周囲部分3Aを挟んでいる。エルボ4の排水受け入れ口側の内周面に雌ねじ100を形成し、この雌ねじ100にフランジ101の雄ねじ102がねじ込まれ、タブ防水パン2の排水開口3の周囲部分3Aがエルボ4とフランジ101の夫々の外縁4A,101Bで挟まれるようになっている。この周囲部分が挟まれる個所にはパッキン3Bを設け、この個所からの水漏れを防止するようになっている。
【0008】
図1では示さないがバスタブ1の排水孔9(図7参照)には、従来と同様にタブ用エルボ10を接続し、このタブ用エルボ10にホース11を接続し、このホース11にエルボ12を接続してある。このエルボ12にチューブ体13を収容した管体14を取付けてある。この管体14の先端は、フランジ101の底15に形成された孔16に挿入されている。チューブ体13は、弾性材料から成り、中間部から排出口まで常時内面が密着し(密着部13A)、排水時の水圧によりこの密着状態が解除される一方、チューブ体13の排出口からの逆流を密着部13Aの存在により防止するようになっている。このチューブ体13の少なくとも一部は、排水開口3から排水路を構成するエルボ4に至るように配設してある。したがって、バスタブ1からの排水は、タブ用エルボ10、ホース11、エルボ12、チューブ体13を通って排水路に排出される。なお、チューブ体13を長く形成し、バスタブ1に直接取付けることも可能である。さらに、チューブ体13を管体14に収めずに、直接用いることもできる。
【0009】
図2は、フランジ101の平面図であり、底15に1つの孔16の他にタブ防水パン2の排水を行うための3つの孔17を形成してある。これらの孔17は、中央に長方形状の孔を形成し、その上下に半円形の孔を設け、各孔との間には仕切り17Aがあり、この仕切り17Aがあるために大きなゴミの排出を防止できるようになっている。
【0010】
前記エルボ4はトラップ6を形成する部分まで一体成形され、このトラップ6の個所には封水筒40を設けてある。この封水筒40は洗い場7の排水部8の個所に設けてある。この排水部8の個所もフランジ201をトラップ6の上部開口内周面にねじ込み、洗い場7の排水部8の外周縁を挟み込んである(フランジ101と同様の構成としてある)。図1において符号Mは封水面を示す。なお、エルボ4とトラップ6とを一体に成形せず、別々に成形し、両者をパイプなどで接続してもよい。
【0011】
図3は、フランジ101の底15の中心に中心孔18を形成し、この中心孔18の周縁部18A上にバスタブ1からの排水とタブ防水パン2からの排水とを行うタブ用排水孔21とパン用排水孔22とが形成された短い円筒状の逆流防止本体部20を載置したものである。タブ用排水孔21は筒状部19内に形成され、この筒状部19の上端にエルボ12を接続し、筒状部19の下端にチューブ体13が収められた管体14を取付けてある。この本体部20の外周にはシール用パッキン23が設けられ、フランジ101の内周面に圧接する。
【0012】
図4は、逆流防止本体部20の平面図であり、パン用排水孔22は、上述した孔17と同様に仕切り22Aで区画された3つの孔から成る。仕切り22Aで仕切られた3つの孔からパン用排水孔22を形成したのは、大きなゴミの排出を防止し、排水路がつまるのを防止するためである。
【0013】
図5は、逆流防止本体部20の一部破断の正面図であり、チューブ体13が収められた管体14を取付けた状態を示す。バスタブ1からの排水は、逆流防止本体部20のタブ用排水孔21からチューブ体13を通って排水路に排水される。タブ防水パン2からの排水は、逆流防止本体部20のパン用排水孔22から排水される。
【0014】
図6に示す実施例は、逆流防止本体部20のパン用排水孔22を下方に突出する突出筒部24内に形成し、この突出筒部24にチューブ体13が収められた管体14を取付けたものである。この例では、タブ用排水孔21にはチューブ体13を設けておらず、タブ防水パン2への逆流のみを防止している。タブ用排水孔21とパン用排水孔22との両方にチューブ体13を設けてもよいことは勿論である。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、バスタブからの排水とタブ防水パンとからの排水とを行うためにタブ防水パンに形成された排水開口に排水路を接続した浴室ユニットの排水構造において、前記タブ防水パンの排水開口に底の中心に中心孔が形成されたフランジを取付け、このフランジ内にバスタブからの排水とを行う筒状部内に形成されたタブ用排水孔とタブ防水パンからの排水を行う下方に突出する突出筒部内に形成されたパン用排水孔とが形成された円筒状の逆流防止本体部を設け、前記筒状部の上端にバスタブの排水路を構成するエルボを接続するとともに、下端に排水用チューブ体が収められた管体を取付け、前記チューブ体は、弾性材料から成り、中間部から排水口まで常時内面が密着する密着部を有し、排水時の水圧により密着部の密着状態が解除される一方、チューブ体の排出口からの逆流を密着部の存在により防止するように構成され、前記突出筒部内に前記チューブ体と同様のチューブ体を収めた管体を取付けてバスタブへの逆流のみならず、タブ防水パンへの逆流も防止するようにしたので、バスタブ内に水が溜まっている状況ではタブ防水パンからの排水が行われ、バスタブや洗い場を掃除する場合に、バスタブの水を排水し終えた後に、洗い場に大量の水を流したときに、この水が逆流してバスタブ内に入り込む恐れはなくなる。また、逆流防止をチューブ体で行うため、構造が極めて簡単となり、このチューブ体の取付けも容易である。
【0016】
また、タブ防水パンの排水開口にパン用排水孔とタブ用排水孔が形成された逆流防止本体部を取付け、バスタブの排水口からの排水を行うタブ用排水口に前記チューブ体を取付けたので、チューブ体を予め円筒状の逆流防止本体部に取付けておき、この逆流防止本体部を排水開口にセットするだけで逆流防止を図ることができる。
【0017】
さらに、パン用排水孔にチューブ体を取付けてあるので、タブ用防水パンへの逆流を防止できる。この発明では、パン用排水孔及びタブ用排水孔の両方にチューブ体を取付けてあるため、バスタブ及びタブ防水パンのいずれにも逆流を生じさせない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の好適な実施例を示す要部の断面図。
【図2】フランジの平面図。
【図3】逆流防止本体部を用いた他の実施例を示す要部の断面図。
【図4】逆流防止本体部の平面図。
【図5】逆流防止本体部にチューブ体を取付けた状態の正面図。
【図6】パン用排水口にチューブ体を取付けた実施例を示す要部の断面図。
【図7】従来例を示す断面図。
【図8】従来例の排水構造部分を示す断面図。
【符号の説明】
1 バスタブ
2 タブ防水パン
3 排水開口
4 エルボ(排水路)
6 トラップ
7 洗い場
9 バスタブの排水孔
13 チューブ体
13A 密着部
20 逆流防止本体部
21 タブ用排水孔
22 パン用排水孔

Claims (2)

  1. バスタブからの排水とタブ防水パンとからの排水とを行うためにタブ防水パンに形成された排水開口に排水路を接続した浴室ユニットの排水構造において、
    前記タブ防水パンの排水開口に底の中心に中心孔が形成されたフランジを取付け、
    このフランジ内にバスタブからの排水とを行う筒状部内に形成されたタブ用排水孔とタブ防水パンからの排水を行う下方に突出する突出筒部内に形成されたパン用排水孔とが形成された円筒状の逆流防止本体部を設け、
    前記筒状部の上端にバスタブの排水路を構成するエルボを接続するとともに、下端に排水用チューブ体が収められた管体を取付け、
    前記チューブ体は、弾性材料から成り、中間部から排水口まで常時内面が密着する密着部を有し、排水時の水圧により密着部の密着状態が解除される一方、チューブ体の排出口からの逆流を密着部の存在により防止するように構成され、
    前記突出筒部内に前記チューブ体と同様のチューブ体を収めた管体を取付けてバスタブへの逆流のみならず、タブ防水パンへの逆流も防止するようにしたことを特徴とする浴室ユニットの排水構造。
  2. 洗い場の排水部に排水筒を設け、前記排水路に設けられたトラップにこの排水筒の先端を封水面よりも下方に挿入したことを特徴とする請求項1に記載の浴室ユニットの排水構造。
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