JPS6329017Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は例えば集合住宅において洗濯機の排水
を処理してから放流するために用いる洗濯機の排
水処理槽に関する。

（従来の技術） 集合住宅における洗濯機の排水の処理をいかに
すべきかについては、住宅の衛生保持と住宅空間
の有効利用の面から種々の問題を含んでいるが、
従来行われている洗濯機の排水の処理としては、
次例のごときものがある。

第１例は、洗濯機の排水ホースを直接浴室の洗
い場に導き、そこに放流する。

第２例は、集合住宅専用の洗濯機パンを使用し
て、洗濯機排水をパンのホース接続口に差込み排
水管に放流する、などである。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら従来から行われている排水処理法
は以下の如き欠点がある。まず、第１例は排水の
泡が洗場に広がり不衛生化し易く改善を要求され
ている。第２例の場合は、洗濯場の床面を広く占
拠するというスペース上の問題のほか、排水およ
び泡が洗濯機パンに溢れて洗濯機パン面を汚すた
め排水管との接続精度が要求される。

本考案は洗濯場の衛生の向上とスペースの確保
および外見上の違和感の除去を目的として提案す
るものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案の排水処理槽は洗濯機置場の床面１に埋
設するために外周に取付部２を設け、排水処理槽
の内部は排水処理室３と中継室４とからなり、こ
の両室は仕切壁５によつて仕切つてある。

排水処理室３の上面に取付けてある上蓋６に洗
濯機排水の注入管７が貫設してあり、この注入管
の下端に位置する流出口には逆流防止手段である
逆流防止用フロート９がフロートガイド１１内に
上下動可能に位置してある。仕切壁５の排水処理
室３側にはこの処理室内の溜水１０の水面下に吸
込口を有するトラツプ１２が設けてあり、この仕
切壁に穿設してある穴に通じている。仕切壁５の
中継室側にトラツプ１２の出口と連通する出口管
１３が突出している。出口管１３と建物用排水管
１４との連絡用として中継室１５が形成してあ
る。

なお、中継室１５は施工、修理、点検時の便宜
のために自在管とすることが望ましい。

（作用） 排水処理槽の外周に設けてある取付部２は二重
床の床面１に懸架した状態を作り、排水処理槽を
安定した状態に支える。

次に洗濯機排水の流れに沿つて、各部の作用に
ついて述べる。洗濯機排水は上蓋６に貫設してあ
る注入管７から排水処理室３内に流入し、そこに
溜る。溜水１０の水面が仕切壁５の穴の下部より
も高くなると、排水はトラツプ１２、出口管１３
および中継室１５を経由して建物用排水管１４か
ら建物の排水口に流出する。排水処理室３内の溜
水１０は泡が多量に存在するが、トラツプ１２の
入口が溜水１０の水面下に位置するため、泡は水
面上に残溜し、泡の消えた洗濯機排水のみを排出
する。また万が一排水管が何らかの原因によつて
閉塞した場合、洗濯水以外の排水が洗濯機内に流
入することを防止するために、溜水の水面が上昇
に応じてフロート９がフロートガイド１０に導か
れて上昇し、注入管７の入口を塞ぐ。中継室１５
は出口管１３からの排水を建物の排水口へ導くた
めの働きをすると同時に排水処理槽の設置を容易
にする。なお、中継管１５を伸縮自在管とするこ
とにより、更に取付け、交換が容易となる。

（実施例） 以下本考案の実施例について図面を参照して説
明する。

第１図に示すように、排水処理槽は長方形のも
のでその大部分を二重床としてある洗濯場床面に
埋設され、床面１にこの処理槽の外周に設けてあ
る取付部２によつて設置してある。

排水処理槽の内部構造は排水処理室３と中継管
を収納する中継室４とにより構成され、この両室
は仕切壁５によつて区切つてある。排水処理室の
上蓋６の中央には洗濯機からの排水の注入管７が
貫設してあり、この注入管の周囲は内部の点検を
容易とするために透明板でできている。注入管７
の下端にゴムリング８を装着し、球形のフロート
９が接触したときに、フロートが注入管の入口を
完全に塞ぐようにしてある。注入管７には、フロ
ートが留水１０の水面の上下に対応して、注入管
の出口を開閉可能とするようにかご型のフロート
ガイド１１が取付けてある。

仕切壁５の排水処理室４側には、トラツプ１２
を水面下に吸込口が位置するように設けてあり、
仕切壁に穿設してあるトラツプの出口穴の反対側
にある中継室４に、この出口穴と連通する出口管
１３が仕切壁に突出した状態に設けてある。出口
管と建物用排水管１４との接続は伸縮自在のゴム
管から成る中継室１５を嵌装し、ステンレスバン
ド１６で締着してある。中継室１５の他端に建物
用排水管１４が嵌入してあり、ステンレスバンド
１６で締着してあり、この排水管は中継室４の側
壁を貫通して、建物排水管と接続している。建物
用排水管１４とこれを貫通させるための側壁に穿
設してある排水管用孔との隙間からの漏水防止の
ために、蛇腹状のゴム製シール１８を建物用排水
管の周囲に覆い、一端をステンレスバンドで建物
用排水管に締着し、他端を中継室側壁に密着して
ある。中継室４の内側１７は防水パンを内張りし
て、中継室内の漏水が処理槽外に漏出するのを予
防している。中継室の上蓋１９は半透明板であ
り、洗濯場床面に埋設する場合は過誤による定圧
で上蓋が破損するのを防止するため人間の体重に
耐え得る強度を有するものが望ましい。

次にこの排水処理槽の使用法を述べる。建物用
排水管１４の一端を排水口に入れ、中継室１５と
出口管１３とを接続して、洗濯場床面１に設置
し、排水処理室３の上蓋６に具備してある注入管
７に管継手２０を接続し、ステンレスバンド１６
で緊縛し、他端に洗濯機の排水ホース２１を接続
する。なお、可動容易な洗濯機を設置する場合
は、洗濯機直下の床面に埋設することが可能であ
る。乾燥機を使用する場合は、乾燥機ドレンホー
スをドレン接続口２２に接続する。

（考案の効果） 本考案は、洗濯機排水を処理してから排水口へ
放流するものであるため排水泡による不衛生化を
防止できる。とくに逆流防止用フロートの採用に
より、排水処理槽からの漏水を防ぎ、洗濯場の環
境向上に貢献する。また、この処理槽を洗濯場床
面への埋設式としたことにより、洗濯場のスペー
ス節約ができ外見を損うという問題も生じなくな
る。さらに、中継室を伸縮自在管とすることによ
り、設置時又は修理時などにおける排水処理槽の
着脱が容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が床内に埋設してある状態を示
す断面図、第２図は平面図である。 １……床面、２……取付部、３……排水処理
室、４……中継室、５……仕切壁、６……上蓋、
７……注入管、９……フロート、１０……溜水、
１１……フロートガイド、１２……トラツプ、１
３……出口管、１４……建物排水管、１５……中
継管。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 外周に床面に取付けるための取付部を設け、
   内部には排水処理室とこの排水処理室と連設し
   た排水の中継室とを有し、上記排水処理室の上
   蓋に注入管を貫設し、この注入管の出口に排水
   の逆流防止用フロートを有する逆流防止手段を
   設け、上記排水処理室内に位置し上記中継室と
   の仕切壁に水面下に入口を有するトラツプを設
   け、上記中継室内に上記トラツプと連通する出
   口管とを設け、この出口管と建物用排水管とを
   接続する中継管とを設けた洗濯機の排水処理
   槽。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項において、中
   継管が伸縮自在管である洗濯機の排水処理槽。