JPH0333902Y2

JPH0333902Y2 -

Info

Publication number: JPH0333902Y2
Application number: JP10980387U
Authority: JP
Priority date: 1987-07-16
Filing date: 1987-07-16
Publication date: 1991-07-18
Also published as: JPS6414861U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は老朽化したプールにおいて給水口，排
水口，循環口等の水周り口を含む部分を改修する
改修構造に関するものである。

〔従来技術の及びその問題点〕

従来、プールの材質はコンクリート製，金属
製，FRP製，に大別できるが、長期間の使用に
よりコンクリート製の場合はひび割れや、風化浸
食による表面の凹凸化が発生し使用不能となつた
り、金属製の場合はプールに使用される塩素滅菌
剤の影響も受け特に溶接部分で激しく局部腐蝕が
起ると共に、地面との電位差との関係で腐蝕が促
進され漏水を生じ、さらにFRP製の場合は前記
塩素滅菌剤や紫外線により表面色が退色したり、
傷や微細なひび割れが発生し、漏水はないものの
外観上見苦しいという問題がありいずれの場合も
改修が必要となる。

このプールを改修する場合、プールの全体に亘
つて不飽和ポリエステルやエポキシ系の樹脂を塗
布し、この上にガラス繊維を敷いて脱泡し、また
上記の樹脂を塗布するという作業が何回も繰り返
される方法が主として行なわれている（これによ
り形成されるものが所謂FRPである）。

しかしこのような先行技術の場合、作業が繁雑
で手間がかかり、従つて工期を要するためコスト
が高くなるという問題点がある。

この問題点を解決する為に、本願出願人は既に
特願昭61−57976号を出願している。

この先行技術は、平面四角状を呈するFRP等
の合成樹脂製シート裏面に粘着体を固設した表面
仕上パネルを、プール本体の側壁部及び底壁部に
夫々平行に粘着敷設せしめると共に、パネル相互
間の間隙にFRPのライニング材を埋め込み固定
することによつて湿式作業であるライニング材の
塗布面積を最小限度に抑え、改修作業の簡略化及
び改修完了迄の必要日数の削減を図るものであ
る。

しかし、この先行技術の場合、既設プールにお
ける給水口，排水口，循環口等の水周り口と相対
する壁面部分を改修する箇所に用いられる改修用
のパネルについては、既設プールの水周り口と相
対する部分に単にその水周り口に連通する案内口
を開口し、その案内口に目皿等の金具類を取付け
て対処しているが、この目皿等の金具類を取付け
る場合、粘着体を貫通して、既設プール壁面にリ
ベツト止め或いはボルト，ナツト止めされるが、
この粘着体は泳者のキツク圧や遊泳時の流体圧或
いはプール内部に敷設する水深調節台の落下圧等
を吸収すべくクツシヨン性のある材料で成形さ
れ、上記各種圧がかかると伸縮を繰り返す為、上
記リベツトやボルト，ナツトが緩み目皿等の金具
類が分解してしまう事例が発生した。

〔技術的課題〕

本考案の技術的課題は既設プールの水周り口と
相対する部分、即ちその水周り口と連通して開口
された案内口周囲の目皿等の金具取付部分に非変
形部を形成して、クツシヨン性を損わずにリベツ
ト止めやネジ止めによる上記金具の固定を常時初
期の状態に維持し、しかも、その金具を取付けて
もシール性を損なわず、改修作業も容易なプール
における水周り口の構造を供することにある。

〔技術的手段〕

本考案の技術的手段は、平面四角状を呈する
FRP等の合成樹脂製のシート状物裏面に周縁部
及び既設プールの水周り口と相対する部分を除い
て凹部を凹設し、該凹部内にシート状物裏面レベ
ルから若千突出する程度の厚みを有するクツシヨ
ン材を裏打し、既設プールの水周り口と相対する
シート状物部分を厚肉化して裏面をシート状物の
周縁部裏面と面一とする取付座を形成し、その取
付座に上記水周り口と連通する案内口を開孔する
ことによつて特殊パネルを構成し、該特殊パネル
を、裏面に塗布した充填材によつて前記水周り口
に案内口を対応させて既設プール壁に貼着し、目
皿を有する金具を、パツキンを介在させた状態で
その目皿を上記案内口に対応させて取付座，既設
プール壁を喰挿して縫着し、前記水周り口と、金
具との間の案内口内周面部内にコーキング材を充
填したことである。

〔実施例〕

次に、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

図中１００は、既設プールにおいて給水口或い
は循環口等の水周り口１０１を含む部分を改修す
る特殊パネルである。

この特殊パネル１００は、所望長さで且つその
巾をプールの深さに準じた所望巾とするFRP等
の合成樹脂で成形したシート状物１００′のその
上縁を除く他３縁に一段低い取付鍔部１０２を段
設すると共に、周縁部及び既設プールの前記水周
り口１０１と相対する部分を除いて凹部１０６を
凹設し、この凹部１０６内にシート状物１００′
の裏面レベルから若干突出する程度の厚みを有す
るクツシヨン材７を裏打し、更に、水周り口１０
１と相対するシート状物１００′部分を厚肉化し
て裏面をシート状物１００′の周縁部裏面と面一
とする取付座１０３を形成し、この取付座１０３
に水周り口１０１に連通してその水周り口１０１
よりも若千大径な案内口１０４を開口することに
よつて構成されている。

また、この特殊パネル１００には、上縁近傍部
分に長さ方向全長にわたつて125mm等の適当なピ
ツチ間隔をもつて逆円錐台状の凹所１０５が多数
凹設され且つ上縁裏面に上方向へ傾斜する傾斜面
１２２を形成している。

斯る特殊パネル１００は、クツシヨン材７部分
を除く裏面全面，或いは上域面裏面及び取付座１
０３裏面に充填材６を塗布し、この充填材６が固
化する前にプール側壁a₁におけるプール側面a₁−
２長さ方向に圧着し、凹所１０５内，取付座１０
３及び取付鍔部１０２をリベツト８で縫着するこ
とによつて固定する。

この時圧着行為に伴なつて特殊パネル１００の
四方から充填材６が洩れ出るか、あるいは上縁面
のみから溢れ出るが、そのまま放置しておいても
良いが、上縁面部分を残して他３縁からの洩材は
ふき取る。

この特殊パネル１００には第２図及び第３図に
示すように取付座１０３を利用して目皿１０７を
有する金具１０８を固定する。

金具１０８はドーナツ形状を呈する取付板１０
８ａの上記案内口１０４と相対する中心孔１０８
ｂ周縁に取付突部１０８ｃを適宜間隔をおいて突
出せしめ、この取付突部１０８ｃに目皿１０７を
ビス１０９によつて着脱自在に取付けることによ
つて形成されている。

金具本体１０８の取付板１０８ａには、既設プ
ールのプール側壁a₁において水周り口１０１周囲
に予め開孔されている取付孔１１０と相対する箇
所にその取付孔１１０よりも若千小さな径を有す
る通孔１１１を、また、取付座１０３には取付孔
１１０と同径の連絡孔１１２を夫々開孔し、その
取付孔１１０、連絡孔１１２に絶縁スリーブ１１
４を嵌合し、取付板１０８ａ裏面にパツキン１１
５を介在した状態でその絶縁スリーブ１１４内を
挿通させて通孔１１１から皿ネジ１１６を進入さ
せ、その螺軸部１１６′にプール側壁a₁外から絶
縁ワツシヤー１１７を介在させて、ナツト１１８
止めすることによつて固定されている。

最後に、目皿１０７を、取付板１０８ａから外
した状態で、水周り口１０１に連絡している水周
り配管１２０内面に塗装を施した後、水周り口１
０１と、案内口１０４との間に形成されている段
差部分にコーキング材１１９を充填し、水周り口
１０１部分の改修を終了する。

ちなみに１２１はシール材である。

尚、この既設プールは、特殊パネル１００を用
いて改修する部分以外の箇所は、デツキボーダー
仕上パネル１，側壁仕上パネル２，底壁仕上パネ
ル３，ライニング材５を用いて改修される。

デツキボーダー仕上パネル１は既設プールのデ
ツキa₁−１を仕上げるデツキ面部１−１と、その
デツキ面部１−１先端から垂設しプール側面a₁−
３上端部分を仕上げる上隅面部１−２とで形成さ
れたFRP等の合成樹脂製のもので、長さ数十cm
〜数ｍ，デツキ面部１−１の幅を50〜100mm，上
隅面部１−２の高さを20〜50mm程度にしてなり、
デツキ面部１−１の長さ方向に125mm等の適当な
ピツチ間隔をもつて逆円錐台状の凹所１−３を多
数凹設すると共に、デツキ面部１−１と、上隅面
部１−２とのコーナー裏面を既設プールのデツキ
a₁−１とプール側面a₁−２との境界部の曲率より
も小さくしてその部分に図示するように全長に渉
つて隙間１０が形成されるようにすると共に上隅
面部１−２裏面下縁部分にプール内方向に傾斜す
る傾斜面１１を形成している。

側壁仕上パネル２は上記デツキボーダー仕上パ
ネル１の上隅面部１−２下縁と相対する上縁を除
く他３縁に一段低い取付鍔部２−１を段設すると
共に裏面にクツシヨン材７を収容する所定高さの
凹部２−２を凹設した所望長さで且つ、その巾を
プールの深さに準じた所望巾とするFRP等の合
成樹脂で成形されたシート状物詳しくは前記特殊
パネル１００と外形を同形とするものであり、裏
面上縁部分に上記上隅面部１−２の傾斜面１１と
でハの字を形成する傾斜面２−３を形成し、上縁
近傍部分に長さ方向全長にわたつて125mm等の適
当なピツチ間隔をもつて逆円錐台状の凹所２−４
が多数凹設されている。

斯る側壁仕上パネル２はクツシヨン材７部分を
除く裏面全面あるいは、上域面裏面のみに充填材
６を塗布し、この充填材６が固化する前にプール
側面a₁−２長さ方向に必要枚、前記特殊パネル１
００に隣接して夫々平行に圧着し、更に凹所２−
４内及び取付鍔部２−１をリベツト８でプール側
壁a₁−３に縫着することによつて固定する。

この時圧着行為に伴なつて側壁仕上パネル２の
四方から充填材６が洩れ出るか、あるいは上縁面
のみから溢れ出るが、そのまま放置しておいても
良いが、上縁面部分を残して他３縁からの洩材は
ふき取る。

デツキボーダー仕上パネル１は裏面及び前記隙
間１０内にシリコン等の充填材６を充填した状態
で、この充填材６が固化する前に側壁仕上パネル
２上縁及び特殊パネル１００上縁との間に２〜３
mm程度の洩材確認間隔４を確保する位置に上縁を
位置させてデツキa₁−１長さ方向に必要枚圧着
し、更に凹所１−３内をリベツト８でデツキa₁−
１に縫着することによつて固定する。

この圧着行為に伴なつてデツキボーダー仕上パ
ネル２の四方から充填材６が洩れ出るか、あるい
は上縁面のみから溢れ出るが、洩材確認間隔４か
ら洩材が溢れると少なくともデツキボーダー仕上
パネル１と、特殊パネル１００及び側壁仕上パネ
ル２との接続部分においては完全にシールされた
ことが確認されたことになり、溢れた洩材はその
場でふき取ることとする。

底壁仕上パネル３は周縁に取付鍔部３−１を残
して裏面に所定高さの凹部３−２を設けることに
よつて周縁部に段部３−３（間隙）を間接的に形
成し、プール底a₂の短手巾に対して所望長さで且
つ所望巾とするFRP等の合成樹脂等で成形した
平面矩形状のシート状物であり、凹部３−２内に
クツシヨン材７を収容した状態で取付鍔部３−１
をリベツト８止めすることによつてプール底a₂全
面に、それぞれ平行に敷設固定されている。

クツシヨン材７は若干の弾力性を有する合成樹
脂等の発泡材料を用いて、上記凹部２−２，３−
２の高さよりやや高い高さを有するシート状に形
成したもので、凹部２−２，３−２内に粘着収容
するか或は図示するように側壁仕上パネル２底壁
仕上パネル３が敷設される位置に予め配置し、そ
のパネル２，３を敷設した際、自動的にその凹部
２−２，３−２内に収容できるようにする。

この底壁仕上パネル３，３相互間及び底壁仕上
パネル３と側壁仕上パネル２との相互間において
も側壁仕上パネル２，２相互間及び特殊パネル１
００と、側壁仕上パネル２との相互間には発泡性
のポリエチレン，ウレタン等のテープ状物９を全
長にわたつて貼着してFRP等合成樹脂のライニ
ング材５を塗布する。

尚、１２は凹所１−３，２−４，１０５内に充
填する充填材、１３はライニング材５上に塗布す
るゲルコート層であり、１４は段差をうめる為の
樹脂製パテであり、この樹脂製パテ１４を前記テ
ープ状物９の代りに充填し、その上にFRPライ
ニング材５を埋め込んでもよい。

ちなみに、本実施例においては特殊パネル１０
０，底壁仕上パネル３，側壁仕上パネル２，デツ
キボーダー仕上パネル１の全高Ｘは全て６mmと
し、改修壁を形成した際、その改修壁が面一にな
るようになつており、そして特殊パネル１００，
側壁仕上パネル２，デツキボーダー仕上パネル１
を圧着する際に、裏面の充填材６の反発圧によつ
て前記各パネル１００，２，１自体が波をうつよ
うな変形を起こすことがないように配慮され、ま
た、前記隙間１０内にも充填材６が充填されて固
化するから、永年使用によつて裏面の充填材に万
が一折損等が生じても、その隙間１０内の厚肉な
充填材６部分が堰として作用し、プール水の流出
や、デツキa₁−１に溢流した水の流入を阻止する
利点がある。

尚、プール側壁コーナーの改修については、図
面に示すように平面Ｌ形を呈するデツキボーダー
仕上パネル１，側壁仕上パネル２，特殊パネル１
００を用いること言うまでもなく、対象とするプ
ールはアルミ製，コンクリート製や、その他の金
属製プール，FRP製プール等である。

〔考案の作用効果〕

本考案は以上のように平面四角状を呈する
FRP等の合成樹脂製のシート状物裏面に周縁部
及び既設プールの水周り口と相対する部分を除い
て凹部を凹設し、該凹部内にシート状物裏面レベ
ルから若干突出する程度の厚みを有するクツシヨ
ン材を裏打し、既設プールの水周り口と相対する
シート状物部分を厚肉化して裏面をシート状物の
周縁部裏面と面一とする取付座を形成し、その取
付座に上記水周り口と連通する案内口を開孔する
ことによつて特殊パネルを構成し、該特殊パネル
を、裏面に塗布した充填材によつて前記水周り口
に案内口を対応させて既設プール壁に貼着し、目
皿を有する金具を、パツキンを介在させた状態で
その目皿を上記案内口に対応させて取付座，既設
プール壁を喰挿して縫着し、前記水周り口と、金
具との間の案内口内周面部分にコーキング材を充
填したので、下記の作用効果がある。

水周り口と連通して開口された案内口周囲の
目皿を有する金具取付部分を厚肉化して変形し
ない取付座を形成しているので、特殊パネル殆
どの部分ではクツシヨン性を具備しながら、リ
ベツトやボルト，ナツト止め部分においては非
変形部が形成されることになる。

故に、リベツトやボルト，ナツト（ネジ止め
も含む）が緩むことがなく目皿を有する金具が
離脱せず、長期にわたつて強固に給水口，排水
口，循環等の必要金具を固定保持でき、しかも
この必要金具の取付座を除く殆どの部分には裏
側にクツシヨン材が埋設されているから、キツ
ク圧，遊泳時の流水圧，水深調節台の落下圧が
作用してもその衝撃を和らげる為、改修壁とな
る特殊パネルの損傷を可及的防止できる。

特殊パネルを、裏面に塗布した充填材によつ
て水周り口に案内口を対応させて既設プール壁
に貼着し、目皿を有する金具を、パツキンを介
在させた状態でその目皿を案内口に対応させて
取付座，既設プール壁を喰挿して縫着し、水周
り口と金具との間の案内口内周面部分にコーキ
ング材を充填したから、目皿を有する金具の特
殊パネルに対する固定部及び既設プール壁に予
め開孔されている水周り口と改修用の特殊パネ
ルの案内口との当接部を完全にシールでき、漏
水の心配もない耐水性に優れたプールにおける
水周り口の改修構造を簡単な構造で供すること
ができる。

依つて、所期の目的を達成できた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案プールにおける水周り口の改修構
造の実施例を示し、第１図は特殊パネルを用いて
プールにおける水周り口部分を改修した状態を示
す斜視図で一部切欠して示す、第２図は２−２拡
大断面図、第３図は目皿を有する金具の分解斜視
図で水周り口部分に固定する前の状態を示す、第
４図は特殊パネルの縦断面図、第５図は特殊パネ
ルをプール側壁に貼着した状態を示す縦断面図、
第６図，第７図，第８図，第９図は夫々６−６，
７−７，８−８，９−９断面図である。尚、図中、１００′……シート状物、１０１…
…水周り口、１０６……凹部、７……クツシヨン
材、１０３……取付座、１０４……案内口、１０
０……特殊パネル、１０８……金具、１１５……
パツキン、１１９……コーキング材。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

平面四角状を呈するFRP等の合成樹脂製のシ
ート状物裏面に周縁部及び既設プールの水周り口
と相対する部分を除いて凹部を凹設し、該凹部内
にシート状物裏面レベルから若干突出する程度の
厚みを有するクツシヨン材を裏打し、既設プール
の水周り口と相対するシート状物部分を厚肉化し
て裏面をシート状物の周縁部裏面と面一とする取
付座を形成し、その取付座に上記水周り口と連通
する案内口を開孔することによつて特殊パネルを
構成し、該特殊パネルを、裏面に塗布した充填材
によつて前記水周り口に案内口を対応させて既設
プール壁に貼着し、目皿を有する金具を、パツキ
ンを介在させた状態でその目皿を上記案内口に対
応させて取付座，既設プール壁を喰挿して縫着
し、前記水周り口と、金具との間の案内口内周面
部内にコーキング材を充填したことを特徴とする
プールにおける水周り口の改修構造。