JPH0333658Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、合成樹脂袋の開封構造に関する。

(ロ) 従来の技術 従来、合成樹脂袋の開封構造として、本出願人
が、先に実願昭57−176931号に開示した袋構造が
ある。

同袋構造は、実質的に、イ）二枚の積層フイル
ム５１，５１′の４周縁部を熱溶着して周縁シー
ル部５２を形成し、かつ内部に密封空間１００を
有する合成樹脂袋１０１と、ロ）同袋の上部周縁
シール部５２の下方位置で、一方の積層フイルム
５１の内面に溶着され、その両端５４′，５４′を
両側周縁シール部５２によつて挟着せしめられる
切断糸５４と、ハ）一側周縁シール部５２におい
て、切断糸５４から上下に対称かつ平行に設け、
かつその外側端を同周縁シール部５２の外縁まで
伸延する一対の切欠溝５７，５７と、ニ）同切欠
溝５７の内側端から所定間隔開けて、切断糸５４
と直交する方向に穿設され、かつその長さを一対
の切欠溝５７，５７間の間隔より大とした横断長
孔５８とから形成される。

かかる構成によつて、開封時には、一対の切欠
溝５７，５７間を摘み、上方へ引つ張ることによ
つて切欠溝５７，５７を横断長孔５８に倒達させ
ることによつて摘み部を形成し、その後、切断糸
５４によつて開封作業を行うことができる。

(ハ) 考案が解決しようとする課題 しかし、かかる合成樹脂袋の開封構造は、以下
の解決すべき課題を有していた。

即ち、切断糸５４はポリエステル系の単一素材
のみからなるため、合成樹脂袋を形成する積層フ
イルムの素材への溶着性が悪かつた。

また、一対の切欠溝５７，５７は、その外側端
を同周縁シール部５２の外縁まで伸延しているた
め、切欠溝５７，５７間の部分１０３は周縁シー
ル部５２から分離された状態にある。従つて、運
送や梱包作業中に、切欠溝５７，５７が横断長孔
５８に到達し、さらに、切断糸５４にも内側に向
かう力を与えて、袋の自然に開封するおそれがあ
る。

本考案は、上記した課題を解決することができ
る合成樹脂袋の開封構造を提供することを目的と
する。

(ニ) 課題を解決するための手段 本考案は、芯糸表面に接着剤層を介して熱融着
層を被着せしめて切欠糸を形成し、同切欠糸を、
合成樹脂フイルムを積層して構成した袋体の内側
面に開封位置に沿つて熱融着状態で定着せしめる
とともに、同切欠糸の端部は、袋体の周縁に形成
した周縁シール部間に挟持せしめ、しかも、周縁
シール部には、切欠糸を横断する状態で横断溝を
形成するとともに、切欠糸は横断溝中に露出した
状態とし、さらに、同横断溝の袋端側には、袋体
の側縁と一定の離隔幅を保持してつまみ片を切取
り状に形成して、つまみ片を周縁シール部に配設
したことを特徴とする合成樹脂袋の開封構造に係
るものである。

(ホ) 作用及び効果 本考案によれば、芯糸表面に接着剤層を介して
熱融着層を被着せしめた切欠糸を、合成樹脂袋体
の内側面に開封位置に沿つて熱融着状態に定着せ
しめ、かつ切欠糸端部につまみ片を連設したの
で、円滑で正確な開封を行えると共に、接着剤層
による芯糸と熱融着層との接着強化で開封操作の
際に、熱融着層からの芯糸の抜取れ防止を図れ、
確実な開封を行いうるという効果を奏する。

また、同横断溝の袋端側には、袋体の側縁と一
定の離融幅を保持してつまみ片を周縁シール部に
配設したので、運送中や梱包中に乱暴に合成樹脂
袋を取り扱つても、つまみ片が切断糸に開封方向
の力を与えることはなく、合成樹脂袋の密封性を
顧客等による開封作業まで確実に保持することが
できる。

(ヘ) 実施例 本考案の実施例を図面にもとづき詳説すれば、
Ａは合成樹脂袋を示しており、この合成樹脂袋Ａ
は所定枚数の合成樹脂フイルム１，１…を積層し
て構成した積層フイルム２を二枚重ねて周縁をヒ
ートシールし、周縁シール部３を形成して袋状に
保形した袋体ａの一方の積層フイルム２の内側面
上部に、横方向に切欠糸４を配し、袋体ａの側方
で切欠糸４の一端側にノツチ部５を配し、袋体ａ
の前記一方の積層フイルム２の外側で、切欠糸４
より下側方位置に横方向に封着シール６を配して
構成している。

切欠糸４は、袋体ａを構成する積層フイルム２
の内側に定着した状態に配しており、後述する切
欠糸４に連設したノツチ部５のつまみ片７の引張
り操作により、積層フイルム２におる切欠糸４の
被定着部分を切欠糸４で切裂き、同部分に開封口
８が形成されるべく構成している。

かかる切欠糸４の構造を説明すれば次の通りで
ある。即ち切欠糸４は芯糸９表面に接着剤層１０
を介して熱融着層１１を被着せしめており、芯糸
９はポリエステル素材で断面円形のものを使用
し、接着剤層１０はネオプレン系素材で芯糸９周
側面に被覆状態に形成し、また熱融着層１１はポ
リプロピレン素材で熱融着層１１表面に被覆状態
に形成している。

従つて、円滑で正確な開封を行えると共に、接
着剤層１０による芯糸９と熱融着層１１との接着
強化で開封操作の際に、熱融着層１１からの芯糸
９の抜取れ防止を図れ、確実な開封を行いうると
いう効果を奏する。

また芯糸９は断面が楕円形、多角形、その他周
側面にスジの入つたスジ入り等各種のものであつ
てよく、また接着剤層１０はニトリルゴム系素
材、エポキシ、ポリアミド素材を、熱融着層１１
はポリプロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン共重合体等を用いてもよい。

ノツチ部５は、周縁シール部３における切欠糸
４の一端側に配されており、つまみ片７を主とし
て構成されている。つまみ片７は袋体ａの側縁と
離隔巾Ｓを保持して形成した切取線１２と、同切
取線１２の内側方に隣接して配した、切欠糸４を
横断する横断溝１３とで囲まれた周縁シール部３
の一部分をそのまま利用し、内部に切欠糸４の端
部を挟持した状態で、切欠糸４一端部に連設され
ている。

また封着シール６は、表面を接着面とし、かつ
同面に剥離紙１４を貼着しており、開封口８を開
封する際に、剥離紙１４を剥離せしめ、袋体ａ上
部を折返し、開封口８を封着シール６の表面に押
付けて、開封口８周縁部を封着シール６に貼着し
て容易に行いうるよう構成している。

本考案の実施例は、上記のように構成されてい
るものであり、袋体ａの開封に際しては、つまみ
片７を周縁シール部３より離脱せしめ、離隔巾Ｓ
を把持しつつ、つまみ片７を切欠糸４の定着方向
に折返し状態に引張り、切欠糸４で袋体ａを引裂
いて、開封口８を形成しうるものであり、この
際、接着剤層１０による接着強化により、芯糸９
が熱融着層１１から抜取れる恐れがなく、確実な
開封操作を行いうるものである。

また、同横断溝１３の袋端側には、袋体ａの側
縁と一定の離隔幅Ｓを保持してつまみ片７を周縁
シール部３に配設したので、運送中や梱包中に乱
暴に合成樹脂袋を取り扱つても、つまみ片７が切
断糸４に開封方向の力を与えることはなく、合成
樹脂袋の密封性を顧客等による開封作業まで確実
に保持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の全体正面図、第２図は
−断面図、第３図は−断面図、第４図は
同部分拡大図、第５図は同例の切欠糸断面図、第
６図は同例の使用状態斜視図、第７図は従来の合
成樹脂袋の全体正面図である。 図面、Ａ：合成樹脂製袋、ａ：袋体、４：切欠
糸、７：つまみ片、９：芯糸、１０：接着剤層、
１１：熱融着層、１２：切取線、１３：横断溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 芯糸９の表面に接着剤層１０を介して熱融着層
   １１を被着せしめて切欠糸４を形成し、同切欠糸
   ４を、合成樹脂フイルムを積層して構成した袋体
   ａの内側面に開封位置に沿つて熱融着状態で定着
   せしめるとともに、同切欠糸４の端部は、袋体ａ
   の周縁に形成した周縁シール部３間に挟持せし
   め、しかも、周縁シール部３には、切欠糸４を横
   断する状態で横断溝１３を形成するとともに、切
   欠糸４は横断溝１３中に露出した状態とし、さら
   に、同横断溝３の袋端側には、袋体ａの側縁と一
   定の離隔幅Ｓを保持してつまみ片７を切取り状に
   形成して、つまみ片７を周縁シール部３に配設し
   たことを特徴とする合成樹脂袋の開封構造。