JPH0333562Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、特に自動車車体等に装飾的に取付け
られるモールの固定に使用して最適なモール保持
具に関する。

自動車車体には数多くのモールが取付けられて
いるが、その使用部位によつてモール保持具の形
状も異つている。

特に第１図に示すような側面部窓枠ａにおいて
は、第２図の組付け断面図で説明するように窓ガ
ラスＧを固定するためのガスケツトＡがパネル板
Ｐに接着固定され、該ガスケツトＡの側面部には
保持金具A′を介してウエザーストリツプＣがリ
ベツトＢによつて固着保持されている。

そして装飾モールＤは、該ウエザーストリツプ
Ｃの外部端面にその一部を当接した状態で、しか
も該ウエザーストリツプＣに依り隠蔽された形で
ビスＥで固着されている。

かかる装飾モールＤのビス固着作業はウエザー
ストリツプＣの存在によつてビス組付治具の挿着
に難があり組付作業に時間工数を必要とし、著し
く不便であつた。

本考案は上記欠点に鑑みなされたものであつ
て、その目的とするところは、たとえウエザース
トリツプのような隠蔽物の存在があつてもビス組
付治具を必要とせず所定の穿設孔を利用すること
により押圧挿着工程のみで保持固着でき、しかも
モールの解離の必要の時には回転治具に依らず引
上解除部を利用することにより容易に解放できる
ような構成をもつモール保持具を提供しようとす
るものである。

以下、本考案を第３図乃至第５図による一実施
例について説明する。

こゝで第３図は、本考案になるモール保持具の
正面図、第４図は側面図、第５図は上面図であ
る。

モール保持具１０は合成樹脂材料で一体成形さ
れモールを挾持するための固定部１１と、パネル
穿設孔に挿着するための脚部１２とより成つてい
る。

固定部１１は全体的に長方形の形状でなり、基
板１１ａと基板１１ａの一方端より立上つた側壁
１１ｂと側壁１１ｂの上端面より該基板１１ａと
平行状に延出した伸延部１１ｃと該伸延部１１ｃ
が基板１１ａの端末のほヾ同一寸法上において上
方に向つて曲折した状態の引上解除部１１ｄとを
具備している。

そして該伸延部１１ｃの内面側には一方向にの
み突出した係着部１１ｅが、そしてこれに相対す
る基板１１ａの自由端には固着安定部１１ｆがそ
れぞれ形成されている。

そして、側壁にはその両側面から縦長形状の厚
さを保有する腕部１３が傾斜体となつて延出して
いる。

一方、該基板１ａの裏面１１ｇ中央部より、脚
部１２が延出し、該脚部１２は、穿設孔に対して
中心的保持力を有する挿入体１２ａと、挿入体１
２ａの自由端両側より基板１１ａの方向に間隔１
２ｃ，１２ｃを形成し末広がり状に連設された延
長部１２ｂと、延長部１２ｂの先端に穿設孔内面
を保持するためのテーパー状の嵌着部１２ｄ，１
２ｄとが形成されている。

そして延長部１２ｂ，１２ｂは、挿入体１２ａ
の自由端を中心地点として内方に撓むことが出来
るような構成となつている。

第６図は他の実施例による保持具２０を示した
ものである。

本保持具２０も固定部２１と、脚部２２とより
成り、これらの構成は上記保持具１０と同一であ
るが、該、固定部２１と該脚部２２との交接点
に、皿状の押圧部２３が形成された所が異る。

即ち押圧部２３は円形皿状をなし、先端に移動
する程肉薄となつているため、パネル板に当接す
ることによつて変形し押圧され板面上に密着する
ように形成されている。

而して、上記の構成になる保持具を使用して自
動車モールを固定する場合について第７図乃至第
８図において説明すれば、パネル板３０ａの所定
固所に穿設された穿設穴３１ａに上記モール保持
具１０の具備する脚部１２を押圧挿着する。

即ち脚部１２は、弾性的に延長した延長部１２
ｂ，１２ｂを穿設穴３１ａの内周面によつて内方
に圧縮しながら順次移動し、パネル板３０ａ面が
テーパー状に傾斜した嵌着部１２ｄ，１２ｄに至
り停止し、延長部１２ｂ，１２ｂの外方拡大力に
よつて固着される。

次いで、モール３０の周縁部にも所定個所に穿
設穴３１が設置され、該穿設穴３１は基板１１ａ
の幅寸法と同一幅とする。

即ち、上記穿設穴３１ａに固着された保持具１
０の具備する基板１１ａと伸延部１１ｃとの間に
モール３０の穿設穴３１を位置付けて押圧挿着す
る。

これによつて、固着安定部１１ｆと突出した係
着部１１ｅの抵抗を受けて伸延部１１ｃが上方に
特上りその摺動によつて係着部１１ｅがモール３
０の穿設穴３１に係着する。

この時、腕部１３，１３は、傾斜体として延出
しているため、モール３０の端面に当接して保持
具１０とモール３０のガタを防止することにな
る。

また、本モール保持具１０に固着されたモール
３０を再使用のため遊脱させるためには、第８図
に示したように、先端の曲折した治具４０を引上
解除部１１ｄに係止して引上げれば、伸延部１１
ｃが位置１１c′迄移動し、それに従つて穿設穴３
１から係着部１１ｅが脱離することになる。

以上説明した通り、本考案は穿設穴を有するモ
ールを保持するための固定部とパネル板の穿設穴
に挿着するための脚部とが可撓性材料により一体
成形されたモール保持具において、上記固定部
は、基板と、その基板の一端より立ち上がつた側
壁と、その側壁の上端より基板と平行に延出した
伸延部と、その伸延部の自由端上より上記側壁に
向けてコ字状に曲折された引上解除部とを備えて
なり、の基板と伸延部との間にモールを挿入する
ための扁平な空間が介在されており、上記伸延部
の内面には、上記モールの穿設穴に係止するため
の係着部が突設されているともに、上記側壁の両
側面には、モールの端面に当接するための腕部が
上記係着部側に向けて傾斜して突設されており、
上記脚部が上記基板の下面に突設されていること
を特徴とする。

かかる構成を特徴とする本考案のモール保持具
は、回転操作により固定するビス止め式の従来例
と異なり、パネル板の穿設穴に脚部を挿着し、固
定部に穿設穴を有するモールを挿入するだけの操
作で簡易にモールを保持することができるばかり
か、つぎのような効果も確保することができる。

すなわち、上記固定部の場合、その伸延部の内
面に係着部が突設されているだけでなく、側壁の
両側面に係着部側へ傾斜した腕部が突設されてい
るから、基板と伸延部との間に挿入されたモール
の穿設穴に係着部を係止し、二つの腕部をモール
の端面に当接させた際、これら係着部、両腕部を
介した三点挟持により、モールの動きをより高度
に拘束することができ、振動による異音の発生を
防止することができる。

しかも、上記固定部には、伸延部の自由端上よ
り側壁に向けてコ字状に曲折された引上解除部が
設けられているから、この引上解除部に治具を引
つかけて保持具全体を引き上げることにより、わ
ずかの隙間でも、パネル板、モール、保持具など
を損傷することなく、当該モールを離脱すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、モール保持具の使用個所を示す自動
車の斜視図、第２図は従来使用になるビス止め状
態を説明する断面図、第３図乃至第５図は本考案
になるモール保持具で第３図は正面図、第４図は
側面図、第５図は上面図、第６図は他の実施例を
示す正面図、第７図は本モール保持具を使用して
モールを取付ける場合の組立分解斜視図で第８図
は組付け後、取りはずす時の状態を示す正面説明
図である。 １０……モール保持具、１１ａ……固定部、１
１ｂ……側壁、１１ｃ……伸延部、１１ｄ……引
上解除部、１１ｅ……係着部、１２……脚部、１
３……腕部、３０……モール、３１……モールの
穿設穴、３０ａ……パネル板、３１ａ……パネル
板の穿設穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 穿設穴を有するモールを保持するための固定部
   とパネル板の穿設穴に挿着するための脚部とが可
   撓性材料により一体成形されたモール保持具にお
   いて、上記固定部は、基板と、その基板の一端よ
   り立ち上がつた側壁と、その側壁の上端より基板
   と平行に延出した伸延部と、その伸延部の自由端
   上より上記側壁に向けてコ字状に曲折された引上
   解除部とを備えてなり、その基板と伸延部との間
   にモールを挿入するための扁平な空間が介在され
   ており、上記伸延部の内面には、上記モールの穿
   設穴に係止するための係着部が突設されていると
   ともに、上記側壁の両側面には、モールの端面に
   当接するための腕部が上記係着部側に向けて傾斜
   して突設されており、上記脚部が上記基板の下面
   に突設されていることを特徴とするモール保持
   具。