JPH0333039A - 合せガラス用中間膜組成物とそれを用いた合せガラス用中間膜 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、合わせガラス用中間膜組成物と、この中間膜
組成物にてシート状に形成される合せガラス用中間膜に
関する。

（従来の技術） 安全合せガラス用中間膜として、可塑化ポリビニルブチ
ラール膜を使用することは広く知られており、耐貫通性
、耐光性に優れていることから自動車、航空機、建築用
の安全合せガラスに広く利用されている。しかし、可塑
化ポリビニルブチラール膜は常温における膜表面の粘着
性が強過ぎるために、ガラスとの接着加工性が劣る欠点
がある。

可塑化ポリビニルブチラール膜の欠点を解消した合せガ
ラス用中間膜として、塩化ビニル系樹脂を含有する中間
膜組成物にて中間膜を作成する技術が提案されている（
特開昭５５−１６２４５１号公報、特開昭５６−３７２
５２号公報）。

（発明が解決しようとする課Ｂ） 上記塩化ビニル系樹脂は、接着性を付与する成分として
メタクリル酸グリシジルと、柔軟性を付与する成分とし
てエチレン系炭化水素、脂肪酸ビニル、アクリル酸エス
テル、ビニルエーテル等の少なくとも一つのモノマーと
、塩化ビニルとを共重合体させた熱可塑性樹脂であるが
、この樹脂は耐光性及び熱安定性が悪い、つまり光照射
あるいは加熱によって黄変するという欠点がある。

従って、この中間膜組成物にて形成された中間膜はその
成膜時及びガラスへの貼付は加工時に、熱による着色を
受は易いものである。加熱による着色を抑えるために、
上記中間膜組成物に熱安定剤（例えば、脂肪酸のアルキ
ル錫含有硫黄系の安定剤）を多く添加することも考えら
れるが、熱安定剤の添加量を多くすると耐光性を低下さ
せる原因となる。

また、特開昭６０−２７６３０号公報には、塩化ビニル
−エチレン−メタクリル酸グリシジルの三元共重合体と
、塩化ビニル−エチレン共重合体とを含む中間膜組成物
にて合せガラス用中間膜を作成する技術も提案されてい
る。

しかしながら、この中間膜においても耐光性が悪く、建
築用等の長期間使用される安全ガラスとしての利用は困
難であった。さらに、この中間膜は上記した一般の塩化
ビニル樹脂系の中間膜に比べて熱安定性にも劣っている
ものであった。

本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その
目的とするところは、ガラスとの接着性、接着加工性及
び耐貫通性に優れているのはもちろんのこと、建築用安
全合せガラス中間膜などに要求されている耐光性と耐熱
性に優れた合せガラス用中間膜組成物とその中間膜組成
物を用いた合せガラス用中間膜を提供することにある。

（課題を解決するための手段） すなわち、本発明の合せガラス用中間膜は、（Ａ）塩化
ビニルとメタクリル酸グリシジルとを共重合して得られ
、メタクリル酸グリシジルが１．５〜１ｏ重ｆｆｉ％含
有されている塩化ビニル共重合体１０〜５０重量％と、
（Ｂ）エチレン系炭化水素、脂肪酸ビニル、アクリル酸
エステル及びビニルエーテルからなる群から選ばれた少
なくとも一種のモノマーと塩化ビニルとを共重合して得
られる塩化ビニル共重合体９０〜５０重量％と、からな
る共重合体混合物を含有しており、そのことにより上記
目的が達成される。

また、本発明の合せガラス用中間膜は、上記合せガラス
用中間膜組成物にて形成されており、そのことにより上
記目的が達成される。

本発明で使用される塩化ビニル共重合体（Ａ）のメタク
リル酸グリシジルの含有量は、１．５〜１０重量％とす
るものであり、メタクリル酸グリシジルの含有量が１．
５重量％未満では得られる合せガラス用中間膜の熱安定
性及び耐光性を向上する効果が小さい。メタクリル酸グ
リシジルの含有量が１０重量％を超える場合には、得ら
れる塩化ビニル共重合体（Ａ）と塩化ビニル共重合体（
Ｂ）との相溶性が悪くなり中間膜の透明性が低下する。

尚、共重合体（Ａ）には、本発明の目的を阻害しない範
囲内で、塩化ビニル及びメタクリル酸グリシジル以外の
モノマーが少量共重合されていてもよい。

本発明において使用される塩化ビニル共重合体（Ｂ）は
、エチレン系炭化水素、脂肪酸ビニル、アクリル酸エス
テル及びビニルエーテルからなる群から遺ばれた少なく
とも一種のモノマーと塩化ビニルとを共重合して得られ
る。これらのモノマーは柔軟性を付与するために用いら
れるものである。

ここで、エチレン系炭化水素としては、例えばエチレン
、プロピレン、インブチレン等があげられ、脂肪酸ビニ
ルとしては、例えば酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、ペ
ラルゴン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビ
ニル、パルミチン酸ビニル等があげられ、アクリル酸エ
ステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸２−エチルヘキシル、アクリル酸２
−ヒドロキシエチル等があげら、ビニルエーテルとして
はメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イン
ブチルビニルエーテル、ｎ−ブチルビニルエーテル、セ
チルビニルエーテル等があげられる。

塩化ビニル共重合体（Ｂ）における上記各モノマーの含
有量は特に限定されないが、この共重合体（Ｂ）の重合
時の収率が低下するのを防止し、また塩化ビニル共重合
体混合物に柔軟性を付与し、透明性の低下を防止するた
めに、１．５〜１５重量％が好ましい。

尚、共重合体（Ｂ）には、本発明の目的を阻害しない範
囲内で、上記以外のモノマーが少量共重合されていても
よい。

上記した各塩化ビニル共重合体（Ａ）及び（Ｂ）の重合
方法は、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等を用いること
ができるが、熱安定性及び経済性の面より懸濁重合が好
ましい。

本発明において使用される塩化ビニル共重合体（Ａ）及
び（Ｂ）の混合割合は、塩化ビニル共重合体（Ａ）が１
０重量％〜５０重量％（塩化ビニル共重合体（Ｂ）が９
０〜５０重量％）が好適である。塩化ビニル共重合体（
Ａ）の混合割合が１０重量％未満ではガラスとの接着性
が不足する。５０重量％を超える場合には塩化ビニル共
重合体量（Ａ）が多くなり、得られる合せガラス用中間
膜の柔軟性が低下したり、この中間膜を用いて作製され
た合せガラスの耐貫通性が不足する。

さらに、共重合体混合物中における接着性付与成分とし
ての上記メタクリル酸グリシジルの含有量は０．５〜５
重量％が好ましく、柔軟性付与成分としての上記モノマ
ーの含有量は１〜１５！量％が好ましい。

本発明の中間膜組成物には、上記共重合体（Ａ）、（Ｂ
）及び、必要に応じて可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤
、酸化防止剤、着色剤等が含まれる。これらの成分が含
有されていればよく、混合順序は特に限定されるもので
はない。

上記熱安定剤としては、脂肪酸のアルキル錫含有硫黄化
合物、脂肪酸のアルキル錫ラウレート、脂肪酸のアルキ
ル錫マレート等が使用される。

脂肪酸のアルキル錫含有硫黄化合物を例示すると、ジメ
チル錫ビスイソオクチルグリコール酸エステル、ジブチ
ル錫ビスイソオクチルチオグリコール酸エステル、ジオ
クチル錫ビスイソオクチルチオグリコール酸エステル、
ジメチルまたはジブチル、ジオクチル錫メルカプトエタ
ノールトジメチルヘキソイン酸塩等があげられる。脂肪
酸のアルキル錫ラウレートを例示すると、ジブチル錫ラ
ウレートがあげられる。脂肪酸のアルキル錫マレートを
例示すると、ジピチル錫マレート、ジオクチル錫マレー
ト等があげられる。

これら熱安定剤の添加量は塩化ビニル共重合体混合物１
００重量部に対して０．５〜５重量部が好ましい。

上記した可塑剤は、一般の塩化ビニル樹脂用の可塑剤が
使用でき、可塑剤の添加量は塩化ビニル共重合体１００
重量部に対して２０〜６０重量部が好ましい。可塑剤量
が上記範囲より多すぎると、耐貫通強度等の中間膜の機
械的強度が低下し、少なすぎると可塑性や耐光性等が低
下する。

本発明の合せガラス用中間膜は、上記した共重合体混合
物、熱安定剤、可塑剤、及び必要に応じて紫外線吸収剤
、酸化防止剤、着色剤等を混合して得られる中間膜組成
物を、従来公知の成形方法、例えば、カレンダーロール
法、押出シート法、インフレーション法、キャスティン
グ法等により底膜することができる。

この合せガラス用中間膜を用いて安全合せガラスを作製
するには、２板のガラス板間にその中間膜を挟み、加熱
加圧下で熱溶融、圧着すればよく、従来より可塑化ポリ
ビニルブチラール膜に使用される貼付は装置を使用する
ことができる。この場合、加熱温度は８０〜２００℃、
通常１００〜１８０℃が好適である。圧力は中間膜とガ
ラス板間の密着及び界面と中間膜内に存在し得る気泡を
除去するのに必要な圧力であればよく、５〜１５Ｋｇ／
ｃｍ２が好適である。

このようにして得られた合せガラス用中間膜は、接着性
付与成分としてのメタクリル酸グリシジルを共重合して
得られた塩化ビニル共重合体と、柔軟性付与成分として
の上記各モノマーを共重合して得られた塩化ビニル共重
合体とを混合して共重合体混合物を得、この共重合体混
合物を主成分として含む中間膜組成物からなるので、膜
成形性、ガラスとの接着性、接着加工性に優れ、また耐
光性及び熱安定性に優れ、さらにこの中間膜を用いて合
せガラスを作製した際の耐貫通性及び遮音性に優れてい
る。

（実施例） 以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。

なお、以下に部とあるのは、重量部を表すものとし、ま
た得られた合せガラス用中間膜及び合せガラスの物性は
以下のようにして測定した。

物性測定法 （ａ）熱安定性・・・厚さ０．５ｍｍの中ｒｊＪ膜の一
片を雰囲気温度１９０℃のギヤオーブンに入れ、６０分
間放置後取り出して、中間膜の着色の度合を目視により
判断した。

（ｂ）耐光性・・・厚さ０．５ｍｍの中間膜を厚さ２．
５ｍ＋＋ｍのパイレックスガラスと板ガラス間に挟み、
加熱加圧して合せガラスを作成した。東芝製高圧水銀灯
Ｈ−４００Ｆのランプを用いて、ランプより２５ｃ＋ｎ
の所にパイレックスガラス側を照射方向にして合せガラ
スを置き、５００時間照射した後、スガ　カラーコンピ
ューター５Ｍ−４を用いて、白色標準板に貼付は測定し
、白色標準板との黄色度差ΔＮで表した。

（Ｃ）１８０’剥離強度・・・２本ロールで混練して厚
さ１．５ｍｍの中間膜を得、このものを幅３０ｍｍ、長
さ６０＋ｕ＋に切断した短冊状の中間膜と幅２．５１１
１１１１％　長さ５０關、厚さ１ｍｍの脱脂処理した板
ガラスとを積層し、これを１６０℃に加熱されたプレス
機に入れて４分間予熱し、３　Ｋｇ／ａｍ２で４分間加
圧後、冷却してテストピースを作成した。

テストピースの端面に出ている中間膜組成物はナイフで
カットした後、接着された中間膜の一端を剥し、１８０
’方向に曲げた後、引っ張り試験機で中間膜と板ガラス
の遊端部をつかみ、２００＋ａｍ／分の引っ張り速度で
引っ張り剥離強度を測定した。数値は接着幅当りの強度
で示す。

（ｄ）耐貫通性・・・厚さ０．７６ｍ＋＊の中間膜を、
３０．５ｃＩＸ　３０．５ｃ嘗、厚さ２．５０の板ガラ
ス間に挟み、加熱加圧して合せガラスを得、この合せガ
ラスの平面の中心部に１．０２Ｋｇの鋼球を所定の高さ
から落下させ、鋼球が合せガラスを貫通する割合が５０
％となる高さを測定した。測定温度は２０℃とした。

及凰鮭よ二重 塩化ビニル−グリシジルメタクリレート共重合体（ＶＣ
−ＧＭＡ）と塩化ビニル−エチレン共重合体（ＶＣ−Ｅ
ｔ）とを表１に示す割合で混合して共重合体混合物を得
た。

次に、得られた共重合体混合物と表２に示す各種添加剤
とを混合し、１２０℃の６インチ２本ロールで混練して
中間膜組成物を得、このものを油圧プレス装置にて１７
０℃、　１００Ｋｇ／−・５分間プレスして中間膜を得
た。さらに、この中間膜を板ガラスとパイレックスガラ
スとの間に張り合わせ、１５０°Ｃ・１２Ｋｇ／ａｍ２
・２０分間加熱加圧して合せガラスを得た。

得られた中間膜及び合せガラスの物性を測定した結果を
表４に示す。

塩蝮皿上 塩化ビニル９１重量％、エチレン７重量％、グリシジル
メタクリレート２重量％含有される塩化ビニル−エチレ
ン−グリシジルメタクリレート三元共重合体１００重量
部に、表２に示した添加剤を加え、実施例１と同様にし
て中間膜と合せガラスを得た。

得られた中間膜及び合せガラスの物性を表４に示す。

里較」ＬＬ二± 表３に示す塩化ビニル−グリシジルメタクリレ−）　共
重合体（ＶＣ−ＧＭＡ　）と塩化ビニル−エチレン共重
合体（Ｗｅ−Ｅｔ）を用いて表３に示す割合で混合して
得られた共重合体混合物（比較例４では、塩化ビニル−
グリシジルメタクリレート共重合体のみ）を用いた以外
は、実施例１と同様にして合せガラス用中間膜及び合せ
ガラスを得た。得られた中間膜及び合せガラスの物性を
表４に示す。

（以下余白） 表２ 表３ （重量部） （発明の効果） このように、本発明によれば、耐光性及び熱安定性に優
れ、更にガラスとの接着性、接着加工性、膜成形性の良
好な合せガラス用中間膜を得ることができるものであり
、またこの中間膜を用いて遮音性に優れた合せガラスを
得ることができる。従って、本発明の合せガラス用中間
膜組戊物及びそれを用いた合せガラス用中間膜は、例え
ば、建築用の合せガラスをはじめ、長期の耐光性、耐熱
性が要求される分野に好適に使用することができる。

以上

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、（Ａ）塩化ビニルとメタクリル酸グリシジルとを共
   重合して得られ、メタクリル酸グリシジルが１．５〜１
   ０重量％含有されている塩化ビニル共重合体１０〜５０
   重量％と、 （Ｂ）エチレン系炭化水素、脂肪酸ビニル、アクリル酸
   エステル及びビニルエーテルからなる群から選ばれた少
   なくとも一種のモノマーと塩化ビニルとを共重合して得
   られる塩化ビニル共重合体９０〜５０重量％と、 からなる共重合体混合物を含有する合せガラス用中間膜
   組成物。 ２、請求項１記載の合せガラス用中間膜組成物にて形成
   される合せガラス用中間膜。