JPH0332249Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の分野） 本考案は組合わせ釦に関し、詳しくは釦部材の
シエルの補強に関する。

（従来技術の説明） 従来から、組合わせ釦は、第１図に示すように
中央に突出部分１を有し該突出部分の付根付近か
ら半径方向に伸延する円板状フランジ部分２を有
する釦バツク部材３と前記フランジ部分２の周縁
２′を抱き込む事によつて前記釦バツク部材に固
着されるシエル部材４とによつて成立つている。
然しながら、こうした構造の組合わせ釦に於て
は、前記シエル部材４の前記フランジ抱き込み部
分のかぶり長さl₁は、フランジ抱き込み状態での
加締時に該部分の曲げつけによる引張力で前記シ
エル部材表面に第２図番号５のごとき変形を来た
さぬ様且つ少い加締力によつて前記シエル部材の
止着が達成される様、一般に少な目に設定されて
いる。しかし、前記の如き少い加締力及び少いか
ぶり長さは前記シエル部材を前記フランジ部分に
確実に固着するには不十分であり、従つてシエル
部材は僅かな外力でもつて前記フランジ部分周縁
に沿つて第２図矢印ａの如くバツク部材に対して
廻動してしまう可能性が高く、こうした事はシエ
ル表面の装飾が方向性を有する場合都合が悪い。

（考案の目的） 従つて、本考案の目的は組合わせ釦におけるシ
エル部材４及び釦バツク部材の一体性を高める事
である。

本考案の他の目的は、組合わせ釦のシエル部材
周縁に補強部材を付設し、シエル部材の変形を招
く事無くフランジ部分とシエル部材周縁とを十分
な加締力でもつて加締得る様にする事である。

（考案の概要と作用効果） 本考案に於ては、フランジ部分を具備する釦バ
ツク部材と、前記フランジ部分をその周縁に沿つ
て抱き込んで前記フランジ部分に対して固着され
て成るシエル部材とによつて成立つ組合わせ釦
に、前記シエル部材の周縁に沿つて環状に補強部
材が付設される。前記補強部材は前記シエル部材
周縁に及び釦バツク部材のフランジ部分周縁に沿
つて両者を抱き込むようにして加締られ、前記シ
エル部材の前記フランジ部分への固着力を補強す
る。

前記補強部材は、シエル部材周縁で加締られた
状態に於てシエル表面及び釦バツク部材の夫々前
記補強部材と当接する部分を押圧するだけである
為、該補強部材のフランジ部分へのかぶり長さを
長くしてもシエル表面に横方向への引張り力が発
生せず、従つてシエル表面のゆがみ及び変形が回
避される。そしてシエル部材の釦バツク部材への
固着力が高められる為、組合わせ釦におけるシエ
ル部材の廻動も又回避されシエル表面の装飾の方
向性が損われる事が無い。一方、前述の如く、シ
エル表面の変形が回避される事から、補強部材の
肉厚を増大し且つシエル部材の肉厚を薄くする事
が可能となり、シエル部材の総体的な材料量を低
減する事が出来る。この場合、補強部材を軟質金
属材料性とすれば小さい加締力で十分な加締が達
成できる。

（好ましい実施例の説明） 第３図を参照されたい。本考案の組合わせ釦に
於ては、中央突出部７′及びフランジ部分８を具
備する従来からの釦バツク部材７と、同様に従来
から使用されているシエル部材６とが、図示の如
く前記シエル部材６の周縁９が釦バツク部材７の
フランジ部分８の周縁８′を抱き込んだ状態で組
合わされる。そして前記シエル部材の周縁部外側
及び釦バツク部材のフランジ部分８の周縁８′の
外側を包囲して好ましくは軟質金属製の環状の補
強部材１０が付設される。本考案の組合わせ釦の
製造に際しては、前記釦バツク部材７及びシエル
部材６が通常の組立て工程によつて組合わされ、
前記釦バツク部材７のフランジ部分８の周縁８′
とシエル部材６の周縁９とが従来通りの比較的弱
い加締力でもつて加締られる。然る後、該組合わ
せ釦は好ましくは第４図に示すダイ１２上に配置
され中央にシエル部材の外径以下の開口を有する
平円盤状の補強部材上に配置され、次いで上方か
らプレスされて前記補強部材１０の前記シエル部
材６と当接する縁辺がシエル部材の周縁部９に概
略沿つて曲折せしめられる。次に、前記シエル部
材の周縁９に沿つての曲折によつて上方に起立さ
れた方の縁辺にパンチ１１の面１０′を当接押圧
しこれを第４図の如く釦バツク部材のフランジ部
分８の周縁８′に対接せしめる。該他方の縁部は
好ましくは第３図の如くシエル部材の周縁部９を
越えるかぶりながさl₂を有する。引続いてのパン
チ１１の下方への押圧により前記補強部材の各縁
辺は十分な力で加締られるが、前記各縁辺は夫々
シエル部材及びフランジ部材を押圧するだけであ
る為、特にシエル部材表面を横方向に引張る力が
発生せず、従つてシエル部材表面の変形が防止さ
れる。

以上、本考案を具体例に基き説明したが本考案
の内で多くの変更を為し得る事を銘記されたい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の組合わせ釦の断面図である。第
２図は従来の組合わせ釦の斜視図である。第３図
は本考案の組合わせ釦の断面図である。第４図は
本考案の組合わせ釦の製造状況を示す断面図であ
る。 尚、図中主な部分の名称は以下の通りである。
６……シエル部材、７……釦バツク部材、８……
フランジ部分、１０……補強部材、１１……パン
チ、１２１２……ダイ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ フランジ部分を具備する釦バツク部材と前記
   フランジ部分をその周辺に沿つて抱き込んで前
   記フランジ部分に対して止着されて成るシエル
   部材とによつて成り立つ釦部材に於て、 前記シエル部材の、前記釦バツク部材のフラ
   ンジ部分の周辺を抱き込む部分に沿つて且つそ
   こを完全に覆つて環状に補強部材を配設し、該
   補強部材周縁を加締ることを特徴とする組み合
   わせ釦。 ２ 補強部材は金属製の円環部材である実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の組み合わせ釦。