JPS6244652Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、合成樹脂製の飾りホツク体に保持さ
れると共に、基布を挾む状態で雄型又は雌型嵌合
体を取付けるための一体成型された金属製の嵌合
体取付部材の改良技術に関する。

かかる従来の嵌合体取付部材は、第１図に示す
ように、中央部に孔ｄを有するドーナツ状の基材
６と前記孔ｄまわりから基材６の一側に突出する
筒状突起７とから成るものであり、この嵌合体取
付部材A′を合成樹脂製の飾りホツク体B′に保持
させてリベツト体C′を作製している。

而して、該リベツト体C′の筒状突起７を基布
D′の一側から刺通させると共に、その突起７を
雄型（又は雌型）嵌合体F′の中心孔に貫通さ
せ、かつ、当該貫通突起部分を中心孔の縁部側に
巻き返えさせることにより、雄型嵌合体F′を基
布D′に止着させるものであるが、前記貫通突起
部分の巻き返えしに際しての打撃等による応力
が、筒状突起７の基端部を通して飾りホツク体
B′の内面側に集中して局部的にかかり、この結
果、合成樹脂製の飾りホツク体B′がナイロン等の
軟質性のものである場合、ホツク体B′の外面側に
環状の歪な膨らみｅを生じたり、あるいは、硬質
性の場合はホツク体B′がひび割れを生じたりする
ことがあり、商品価値を損う危険性が大であつ
た。

本考案は、簡単な改造によつて上記の欠点を解
消せんとするものであり、而して本考案による嵌
合体取付部材は、基布突刺用の筒状突起と、この
筒状突起の一端側を蓋する状態で該突起を中央部
から一側に突出させる基材とから成ることを特徴
とする。

次に、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第３図にホツクの嵌合体取付部材Ａを示し、第
４図には、前記嵌合体取付部材Ａを飾りホツク体
Ｂに保持させたリベツト体Ｃを示す。

前記嵌合体取付部材Ａは、基布Ｄに刺通させる
筒状突起１と、この筒状突起１の一端側を蓋する
状態で該突起１を中央部から一側に突出させる円
板状の基材２とから成り、例えば次の如き工程を
経て作製される。

即ち、第５図イに示すように、金属製の線材３
Ａから所定長さの素材３を切り出し、この素材３
を、同図ロ，ハ，ニに示すダイス４ａとハンマー
４ｂとによつて順次プレス加工し、而して、所定
の形状並びに寸法を有する金属製の嵌合体取付部
材Ａが一体成型される。

この製作手段によれば、素材３の直径と長さを
適切に設定することによつて、材料を全く無駄に
することなく嵌合体取付部材Ａを得られるもので
あり、これに対して、第１図に示す従来の嵌合体
取付部材A′の作製においては、多くの材料を無
駄にするものであり、即ち従来は、第２図イに示
すように、先ず帯板５Ａから円板状の素材５を打
ち抜き、次いで同図ロ〜ホに示すように、前記素
材５に複数回のプレス加工を施しており、而して
同図イから明らかなように歩留りが極めて悪く、
現状では製品の占める材料が全体の45〜50％程度
であり、然るに、上記の線材３Ａから加工する手
段によれば、従来に比べて材料コストを半減でき
るものであり、かつ、加工手段は従来と変りがな
く、嵌合体取付部材Ａ自体のコストダウンが図れ
る。

前記飾りホツク体Ｂは、ナイロン等の軟質性の
合成樹脂製であり、外面Ｓがやや球面を呈する円
形で、周部には基布相当側に突出する縁部ａを有
し、更に、内面側には、前記嵌合体取付部材Ａの
基板２を凹入する環状のリブ状体ｂを突出してお
り、而して該リブ状体ｂ内に前記基板２を凹入さ
せて、そのリブ状体ｂの端部を内方に向けて塑性
変形させることにより、リベツト体Ｃが作製され
る。

上記のリベツト体Ｃの作製手段に代えて、飾り
ホツク体Ｂの成型時に嵌合体取付部材Ａをインサ
ートする手段をとるも良い。

尚、前記飾りホツク体Ｂをナイロン製にすると
きは、製作後においてこれに任意の色を後染めす
ることができるも、これを他の硬質性の合成樹脂
製とするも良い。

また飾りホツク体Ｂにおいて、リブ状体ｂで囲
まれた部分の内面S₁を、嵌合体取付部材Ａの基板
２の外面S₂に面当接する形状にしてあり、かつ、
その当接部におけるホツク体Ｂの厚さをほぼ一定
にしてある。

さて、上記構成のリベツト体Ｃと、飾りホツク
体Ｂを有しないリベツト体（嵌合体取付部材Ａそ
のものに相当し、あるいは、第１図に示す取付部
材A′の構造であつても良い。）Ｅ、及び、一対の
雄型と雌型の嵌合体Ｆ，Ｇを用意し、而して、リ
ベツト体Ｃの筒状突起１を基布Ｄの一側面から刺
し通し、これを基布Ｄの他側面に位置する雌型
（雄型であつても良い。）嵌合体Ｇの中心孔に貫通
させると共に、該貫通突起部分に打撃等を施して
これを前記中心孔の縁部側に巻き返えさせ、か
つ、他のリベツト体Ｅと雄型（雌型であつても良
い。）嵌合体Ｆ、及び、基布Ｄについても同様の
手順を踏むことにより、第６図に示すように、雄
型嵌合体Ｆとリベツト体Ｅ、及び、雌型嵌合体Ｇ
とリベツト体Ｃを、それぞれ結合一体化させ、も
つてホツクを構成するものである。

以上説明したように本考案によるホツクの嵌合
体取付部材は、従来のものが基材の中央部に孔を
有するものであつたに対し、本考案のものは前記
孔を設けない構造にした点に特徴を有し、而し
て、筒状突起を雄型又は雌型嵌合体の中心孔に貫
通させて、これを打撃等によつて前記中心孔の縁
部側に巻き返えさせるに際しての応力が、前記基
材の中心孔を埋めた状態の基材部分にも分散され
ることとなり、この応力の分散によつて飾りホツ
ク体の歪な変形やひび割れを抑制できるようにな
つた。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来構造の嵌合体取付部材の断面図で
あり、第２図イ〜ホはその製作手順の説明図であ
る。第３図以降が本考案に係り、第３図は嵌合体
取付部材の斜視断面図、第４図はリベツト体の断
面図、第５図イ〜ニは嵌合体取付部材の製作手順
の一例を示す説明図、第６図はホツク構成状態を
示す断面図である。 Ｂ……飾りホツク体、Ｄ……基布、Ｆ，Ｇ……
嵌合体、１……筒状突起、２……基材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製の飾りホツク体に保持されると共
   に、基布を挾む状態で雄型又は雌型嵌合体を取付
   けるための一体成型された金属製の嵌合体取付部
   材であつて、基布突刺用の筒状突起と、この筒状
   突起の一端側を蓋する状態で該突起を中央部から
   一側に突出させる基材とから成ることを特徴とす
   るホツクの嵌合体取付部材。