JPH0325605Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の分野） 本考案はくるみ釦に関し更に詳しくは被覆材を
固定するワツシヤーを備えたくるみ釦に関する。

（従来技術の説明） 従来、くるみ釦に於ては、第１図の如く天丸形
状の釦主体２をくるみ布等の被覆材１で包被し、
更に該釦主体の頭部の周縁部内面に前記被覆材１
を巻込み、それを前記頭部の周縁部内面に形成さ
れた凸条５とワツシヤ３の外周面全周に渡つて形
成された凹部とを噛合わせることによつて、前記
凸条とワツシヤの凹部との間で挟持固定する様に
したもの及び第２図の如く金属板で作られた組立
用シエル６を使用し、被覆材７で包被した該組立
用シエル６の外周縁を矢印方向に押圧変形せしめ
て前記被覆材を固定するもの、更に第３図に示す
様に、表座板８を被覆するくるみ布１２を下向き
周縁９の端縁に於て内方に折込み、裏座板１０の
上向き周縁１１を表座板８の下向き周縁内方に嵌
合して両周縁９，１１間にくるみ布１２の端縁を
挟着し、周縁９を内方に屈曲することによりくる
み布を固定するもの等が知られている。

しかるに、前述の従来のくるみ釦は、いずれも
構造上被覆材を巻込む外周縁部が高く形成される
為、生地等に取付けた状態で釦の厚みが大きくな
り、外観を損ねがちである。又、特に第２図に示
したものに関しては、組立用シエルを押圧変形せ
しめる為に比較的大きな力が必要であり、これを
手押又は足踏プレス等の簡単な装置によつて行う
場合、作業者の負担が増加し、作業効率上の不利
益を生じる恐れも有している。

（考案の目的） 本考案はこうした従来のくるみ釦の欠点を改良
し、生地等に取付けた状態で外観の優れた、然も
作成上の労力負担の少いくるみ釦を提供すること
にある。

（考案の概要） 本考案によれば、被覆材で包被された拡大頭部
の内側に管状柱部が形成された取付け部材と、該
管状柱部に嵌装され、前記被覆材の端縁部を押圧
固定するワツシヤとより成るくるみ釦であつて、
前記ワツシヤが、円盤状平坦部と、該円盤状平坦
部から半径方向内側に向つて徐々に上方に伸延し
て終端する複数の板ばね状突起とを有し、該板ば
ね状突起の縁部が、押圧固定された被覆材の反発
力によつて前記取付け部材の管状柱部と楔状に歯
合する様にしたことを特徴とするくるみ釦が提供
される。

（考案の作用効果） 本願考案によれば釦の取付け部材頭部の周囲部
分にワツシヤを嵌着させる為の下方突出部分を設
ける必要性が排除され、それにより取付け部材材
料が削減され、一方、生地に取付けた状態に於て
取付け生地面からの釦の全体高さを低めることが
可能となり、それによつて釦の外観が改善される
作用効果を奏する。

（実施例の説明） 第４図は本考案に於て使用するワツシヤの斜視
図である。ワツシヤ１３は、被覆材を押圧固定す
る為の円盤状平板部１６と、該平板部から半径方
向内側に向つて除々に上昇し且つ一定の長さに伸
延して終縁する複数の板ばね状突部１５を有し、
該複数の板ばね状突部１５の前記終縁部は取付部
材の第５図に１９で示される管状柱状部の外径寸
法より僅かに小径の開口部１４を形成している。
本考案のくるみ釦製作に際し、ワツシヤ１３は第
５図に概略示される様な装置ａの上方部分ｂに板
ばね状突部１５を上にして装填され、下方に置い
た取付部材１８の管状柱状部１９と前記ワツシヤ
の開口部１４とが相対峙する様位置決めされる。
下方の取付部材は被覆材１７上に截置され、装置
ａの下方部分ｄと圧縮ばね２１により上下動自在
に支持されたリンク２２によつて支持されてい
る。次いで装置ａの上方部分ｂが降下され、前記
被覆材の、前記取付部材の外周縁部より外の部分
即ち端縁部１７′が装置ａの上方部分ｂに設けら
れたガイド面ｃによつて半径方向内側へと折込ま
れる。そして続けての降下により、前記ワツシヤ
が前記取付部材の管状柱状部１９の外表面をガイ
ド面として該柱状部１９に嵌装され、次いで前記
半径方向内側へ既に折込まれた被覆材１７の端縁
部１７′とワツシヤの平板部１６とが係合する。
前記ワツシヤは尚、設定位置迄降下され、ワツシ
ヤの前記平板部１６が被覆材１７の端縁部分１
７′を強く押圧し該部分を固定する。

ワツシヤ１３の複数の板ばね状突部１５は、ワ
ツシヤ１３の開口１４の内径が前述の如く取付部
材の管状柱状部１９の外径より僅かに小径である
為、該管状柱状部１９への嵌装時に夫々僅かに半
径方向外方へ拡張される状態で該管状柱状部の外
表面と係合しつつ押込まれる。従つて、第６図に
示されるワツシヤ嵌装完了時に於て、ワツシヤ１
３の開口部、即ち板ばね状突部１５の縁部２０
が、押圧されている被覆材の反発力によつて前記
柱状部１９の外表面に食い込む為、特に固定手段
を追加することなく設定位置で、然も被覆材を強
く押圧固定した状態でワツシヤ及び被覆材を固定
し得る。

前述の説明で明らかな如く、本考案に於ては、
被覆材１７はワツシヤ１３を管状柱状部１９に嵌
装し、設定位置迄押込むだけで強く押圧固定さ
れ、然も前記ワツシヤ１３には前記管状柱状部１
９の外表面をガイド面とすべく板ばね状突部が設
けられている為、極めて僅かな押込力によつて前
記設定位置に押込むことが可能である。

一方、本考案に於ては被覆材１７はその端縁部
１７′が前記ワツシヤの平板部１６だけで十分に
強く押圧固定されるので、取付部材頭部の周縁部
２３を何ら特定の形とする（例えば第１図の如く
下方に伸延させる）必要が無い。その為、第７図
に示す如く、生地に取付けた状態に於て、取付け
生地面よりの高さｈを低くすることが出来るの
で、従来、生地面より不必要に突出し、衣服等の
外観を損ねがちであつたくるみ釦を高さの低いも
のとし、以つて外観を改善する事が出来る。

以上具体例に基き説明したが本考案の内で多く
の変形を為し得る事を銘記されたい。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は従来のくるみ釦を例示する
断面図、第４図は本考案に係るワツシヤの斜視
図、第５図は本考案のくるみ釦を作成する為の装
置と該装置での釦部材の位置関係を示す概略断面
図、第６図は本考案のくるみ釦の取付部材側の断
面図、そして第７図は生地に取付けた状態の本考
案のくるみ釦を例示する断面図、である。 図中主な番号の名称は以下の通り、１３：ワツ
シヤ、１４：開口部、１５：板ばね状突部、１
６：円盤状平板部、１７：被覆材、１８：取付部
材、１９：管状柱状部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 被覆材で包被された拡大頭部の内側に管状柱
   部が形成された取付け部材と、該管状柱部に嵌
   装され、前記被覆材の端縁部を押圧固定するワ
   ツシヤとより成るくるみ釦であつて、前記ワツ
   シヤが、円盤状平坦部と、該円盤状平坦部から
   半径方向内側に向つて徐々に上方に伸延して終
   端する複数の板ばね状突起とを有し、該板ばね
   状突起の自由縁部が、押圧固定された被覆材の
   反発力によつて前記取付け部材の管状柱部と楔
   状に歯合する様になつていることを特徴とする
   くるみ釦。 ２ 被覆材で包被された拡大頭部の厚さが減厚さ
   れている実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   くるみ釦。