JPH0330882B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明はエンジンの電子制御装置に関する。

〈従来の技術〉 従来、例えば自動車用エンジンの電子制御装置
は、該エンジンを搭載する車種や車型の相違、そ
の車の変速機が自動か手動かの相違、車速センサ
の形式等の相違によりそれぞれ別個に制御装置を
用意し、これらを正しく装着するように管理され
てきている。

しかしながらこのような制御装置を多少の入力
情報の相違によりそれぞれ別個に用意すること
は、管理上多種の在庫を用意しなければならず不
利であり、また生産上でも数量効果によるコスト
ダウンが図れないという欠点がある。さらに、上
記のように入力情報を相違により制御装置を別個
に用意して、その記憶装置（以後メモリと言う）
にそれぞれ異なつたデータを記憶させても、制御
装置の主要部ある中央処理装置（以後CPUと行
う）や入出力装置（以後Ｉ／Ｏと行う）の大部分
は元来共通であるので、このように別個に制御装
置を製造して管理することは非常に無駄なことで
あり、管理上製造極めて大きな障害となつてい
る。

そこでCPUに各種の異なる動作をさせる先行
技術として、例えば、織機に各種のオプシヨヨン
制御をさせるに際し、その各オプシヨン制御に対
応する制御回路を備えたプリント基板を差し換え
ることによつて行う特開昭52−132283号発明があ
る。しかし、この先行技術の制御装置は、各オプ
ションに対してはある意味では未完成の制御装置
であり、上記の如く各オプション制御に対応する
制御回路を備えたプリント基板を差し換えて、制
御内容を変える度に制御装置自体を完成させるよ
うなものであり、秒単位で作業する組立ライン各
機種毎にこのような作業をすることは事実上不可
能であり、又誤組立のおそれがあり、更に電子機
器である制御装置内部にホコリが付着する等、各
種の問題を引き起こす危険があり採用することが
できない。

したがつて、前記した各機種毎に制御装置を用
意することの無駄をなくすという目的に適合しな
い。

要するに、組立ラインでは通常の自動車用電気
機器への接続と同様にコネクタの接続作業程度の
作業で実現できることが望まれているのである。

特開昭55−146506号公報には、起動初期に入力
ポートから読込んだ情報によつて実行プログラム
を変更し、或いは該実行プログラム中から所要の
実行プログラムを選択して制御内容を変更する車
載用マイコンの発明がみられる。

〈発明が解決しようとする問題点〉 しかしながら、上記特開昭公報においてもＩ／
Ｏポートにスリースバツフアを使用することが述
べられているのみで、具体的な入力手段として前
記の如く簡単な作業で入力せしめる点の配慮はな
されていない。

そこで本発明の目的は、上述のように従来技術
の欠点を解消し、一種類の制御装置の入力情報が
相違しても簡単な接続手段によつて、それに対応
できる優れた制御装置を提供せんとする。

〈問題点を解決するための手段〉 上記目的を達成するための本発明のエンジンの
電子制御装置は、エンジンの用途に対応した信号
発生源類及びセンサ類を、該用途に対応して選択
的に接続された複数の入力端子を有する複数の送
り接続器に対して結合可能な受け接続器と、前記
用途に対応した全ての制御プログラムを記憶する
記憶装置と、前記受け接続器と接続した入出力装
置と、前記入出力装置及び前記記憶装置と接続
し、前記複数の入力端子の内所定の端子からの入
力する入力信号の有無に応じ、前記記憶装置に記
憶された所定の制御プログラムを選択し、該プロ
グラムに基づいて演算処理及び制御信号の出力を
実行する中央処理装置とからなるものである。

〈作用〉 前記エンジンの電子制御装置のメモリに用途に
対応した複数の制御プログラム（後記Ｍ／Ｔ用プ
ログラム２３、Ａ／Ｔ用プログラム２２等）を記
憶させておき、前記エンジンの用途に対応した信
号類（後記アイドル信号兼Ｍ／Ｔ車信号９等）及
びセンサ類（後記４パルス車速センサ１５等）を
選択的に特定端子に接続した送り接続器５′，
５′の一つ５″を前記エンジンの電子制御装置の
Ｉ／Ｏ２に連結された受け接続器５に接続する
と、一つの端子Ｂから前記アイドル信号兼Ｍ／Ｔ
車信号９がＩ／Ｏ２に入力され、他の端子Ｅから
はエンジン１回転あたり４パルスの信号がＩ／Ｏ
２に入力され、CPU３はこの自動車はＭ／Ｔ車
で４パルスの車速センサを装備すると判断する。
従つて他の信号、例えば後記ニユートラルスイツ
チ１０またはクラツチスイツチ１１がON、かつ
後記アクセルオフスイツチ１３がONのアイドル
状態を示す信号が端子ＢからＩ／Ｏ２に入力され
るとCPU３はメモリ４からＭ／Ｔ用プログラム
２３を呼び出し、さらに端子Ｅから入力される４
パルス車速センサ１５からの信号によりメモリ４
から後記パルス用プログラム２５を呼び出し、こ
れらとその他のセンサからの入力信号とを総合的
に判断し、その状態に最適にの制御信号をＩ／Ｏ
２から出力してアイドル回転数を制御する。

〈実施例〉 以下図面を用いて本発明を電子制御エンジンを
とする実施例により説明するが、この実施例の制
御装置は変速機の違いと車速センサの違いのみに
対応できるものとして説明する。

尚、本発明において前記機種を判別しうる前記
入力端子とは、１個又は複数個の端子からの入力
信号の組合せによつて機種を判別する端子を意味
するものとする。

第１図は本発明エンジンの電子制御装置１の構
成を示す概略ブロツク図であつて、制御装置１内
にはＩ／Ｏ（入出力装置）２、CPU（中央処理装
置）３、メモリ（記憶装置）４が内蔵されてい
る。上記Ｉ／Ｏ２には入力端子Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ…
を有する受け接続器５が設けられており、後記送
り接続器５′，５″と接続されて上記端子から入力
信号をＩ／Ｏ２に入力し、CPU３によりそれぞ
れの信号にプログラムをメモリ４から呼び出し、
CPU３により例えば、空燃比６、EGR（排気ガス
再循環装置）７、アイドル回転数８等の制御信号
としてＩ／Ｏ２から出力するものである。

第２図は本発明エンジン本体に設けられ、送り
接続器５′に接続された各種センサや信号発生機
等の構成を示すブロツク図であつて、この場合は
手動変速機（以後Ｍ／Ｔと言う）を装備する自動
車のものである。この実施例ではアイドル信号兼
Ｍ／Ｔ車信号９を送り接続器５′の端子Ｂに接続
されているが、この信号はニユートラルスイツ
チ、１０のON信号（ギヤがニュートラルに入つ
ている状態で出力）またまはクラツチ１１のON
信号（クラツチが踏まれている状態で出力）が
OR回路１２に入力され、その出力とアクセルオ
フスイツチ１３のON信号（アクセルが踏まれて
いない状態で出力）がAND回路１４の入力端子
に同時に入力された時の出力となつている。

またこの場合、端子Ａ，Ｃ，Ｄは空であり、端
子Ｅには４パルス車速センサ１５、端子Ｆにはク
ランク角センサ１６、端子Ｇには水温センサ１７
が接続されている。この他にも通常は図示しない
Ｈ，Ｉ、…端子に各種のセンサを接続するのであ
るが、ここではその説明は省略する。

第３図は自動変速機（以後Ａ／Ｔと言う）を装
備する自動車に設けられ、送り接続器に接続され
た各種センサや信号発生機等の構成を示すブロツ
ク図であつて、この実施例では送り接続器５″の
端子Ｃにアイドル信号兼Ａ／Ｔ車信号１８が接続
されているが、この信号はインヒビタスイツチ１
９のON信号（自動車変速機がニュートラルレン
ジがパーキングレンジにシフトされている状態で
出力）とアクセルオフスイツチ１３のON信号
（前述）が同時に入力された時のAND回路２０の
出力である。

また、この例では端子Ａ，Ｂ，Ｅが空であり、
車速センサとなる25パルス車速センサ２１は端子
Ｄに接続されている。クランク角センサ１６、水
温センサ１７その他は第２図の実施例と同じく端
子Ｅ，Ｇほかに接続されている。

そしてＭ／Ｔ車の場合は第２図の送り接続器
５′が第１図の受け接続器５に端子記号が同じに
なるように接続され、Ａ／Ｔ車の場合は第３図の
送り接続器５″が第１図の受け接続器５に接続さ
れるのである。

従つて本発明の電子制御装置を備えたエンジン
の製造時には、第１図に示す電子制御装置１をあ
らかじめ全てのエンジンに装着しておき、そのメ
モリ４にはＡ／Ｔ車にもＭ／Ｔ車にも対応できる
ように、Ａ／Ｔ用プログラム２２とＭ／Ｔ用プロ
グラム２３を記憶させてあり、さらに車速センサ
の種類にも対応できるように25パルス用２４と４
パルス用プログラム２５を記憶させてある。メモ
リ４にはこれらの他にも各種センサからの信号に
対するプログラムを記憶させてあるが、ここでは
その説明は省略する。

このように構成した本発電子制御装置１を装着
するエンジンが、Ｍ／Ｔ車で４パルス車速センサ
を有する自動車に搭載される場合には、前述のよ
うに第２図に示す送り接続器５′を第１図に示す
受け接続器５に結合する。この状態で端子Ｂから
アイドル信号Ｍ／Ｔ車信号９がＩ／Ｏ２に入力さ
れ、端子Ｅからはエンジン１回転あたり４パルス
の信号がＩ／Ｏ２に入力されると、CPU３はこ
の自動車はＭ／Ｔ車で４パルスの車速センサを装
備すると判断する。従つてニユートラルスイツチ
１０またはクラツチスイツチ１１がON、かつア
クセルオフスイツチ１３がONのアイドル信号状
態を示す信号が端子ＢからＩ／Ｏ２に入力される
とCPU３はメモリ４からＭ／Ｔ用プログラム２
３を呼び出し、さらに端子Ｅから入力される４パ
ルス車速センサ１５からの信号により、メモリ４
から４パルス用プログラム２５を呼び出し、これ
らとその他の信号、即ちクランク角センサ１６、
水温センサ１７等からの入力信号とを総合的に判
断し、その状態に最適の制御信号をＩ／Ｏ２から
出力してアイドル回転数８を制御するのである。

次に前記電子制御装置１を装着するエンジンが
Ａ／Ｔ車で225パルス車速センサを有する自動車
に搭載される場合には、今度は第３図の送り接続
器５″を第１図の受け接続器５に結合する。これ
によりCPU３は、端子Ｃ、端子Ｄからの入力信
号によりこの自動車はＡ／Ｔ車であり、25パルス
車速センサを装備すると判断する。そしてインヒ
ビタスイツチ１９がON、アクセルオフスイツチ
１３がONのアイドル信号状態を示す信号が端子
Ｃから入力され、端子Ｄからは25パルス車速セン
サ２１からの信号が入力されると、CPU３はメ
モリ４からＡ／Ｔ用プログラム２２、25パルス用
プログラム２４を呼び出し、これらとその他のセ
ンサからの入力信号とに基づいて、その状態に最
適の制御信号をＩ／Ｏ２から出力して、アイドル
回転数８を制御するのである。

以上、Ｍ／Ｔ車に４パルス車速センサがある場
合とＡ／Ｔ車に25パルス車速センサがある場合に
ついて説明したが、Ｍ／Ｔ車に25パルス車速セン
サ、Ａ／Ｔ車に４パルス車速センサがあつても、
本発明の電子制御装置は上記と同様にそれに正し
く対応できる。

次に、本実施例の制御装置の動作を、第６図に
に示すフローチヤートにより説明する。尚、図に
おいて〜はフローチヤートの各ステツプを表
わし、また、各ステツプを実行する前に、端子
Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅの各端から入力信号が読込まれる
が、説明を簡略するために省略した。

このフローチヤートが実行されると、 前記接続器５，５′，５″の端子Ｂから信号パ
ルスが出ているかを確認する。

yesならに移行し、メモリ４からＭ／Ｔ車
用プログラムを読込み、その後にに移行す
る。noならに移行する。

同じく前記接続器５，５′，５″の端子Ｃから
信号パルスが出ているかを確認する。

yesならに移行しメモリ４からＡ／Ｔ車用
プログラムを読込み、その後に行する。

noならに戻る。

同様に端子Ｄから信号パルスが出ているかを
確認する。

yesならに移行し、メモリ４から25パルス
用プログラムを読込む noならに移行する。

同様に端子Ｅから信号パルスが出ているかを
確認する。

yesならに移行してメモリ４から４パルス
用プログラムを読込む。

noからに戻る。

以上のようにして中央処理装置は、適確に接続
された装置の機種を判別し、必要とする制御を行
うことができる。

また、第２図、第３図におけるアクセルオフス
イツチ１３からの信号は第４，５図にように単独
でそれを送り接続器５a′，５a″の端子ＡからＩ／
Ｏ２に入力し、CPU３のプログラム処理により
演算時にニユートラルスイツチ１０またはクラツ
チスイツチ１１からの信号、あるいはインヒビタ
スイツチ１９からの信号とのANDをもつても同
じである。

〈発明の効果〉 以上述べた如く、本発明はエンジンの用途に対
応した信号発生源類及びセンサ類を、該用途に対
応して選択的に接続された複数の入力端子を有す
る複数の送り接続器に対して結合可能な受け接続
器と、前記用途に対応した全ての制御プログラム
を記憶する記憶装置と、前記受け接続器と接続し
た入出力装置と、前記入出力装置及び前記記憶装
置と接続し、前記複数の入力端子の内所定の端子
からの入力する入力信号の有無に応じ、前記記憶
装置に記憶された所定の制御プログラムを選択
し、該プログラムに基づいて演算処理及び制御信
号の出力を実行する中央処理装置から構成したこ
とにより、本発明エンジンを搭載する自動車の車
種、車型、変速機等が異なつても電子制御装置が
一種類で良いので、数量によるコストダウンが図
れてその管理費を安くなり、またサービスパーツ
として整備工場等の在庫管理も容易になるという
効果がある。さらに製造工程においても前記電子
制御装置の受け接続器にその車型用の送り接続器
をそのまま結合させればよいので、生産ラインに
おいて工数の削減が達成できるという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の受け接続器を備えたエンジン
側の電子制御装置の構成を示すブロツク図、第２
図は手動変速機付自動車に搭載した本発明に係る
各種センサ等と接続した送り接続器のブロツク
図、第３図は自動変速機付自動車に搭載した本発
明に係る各種センサ等と接続した送り接続器のブ
ロツク図、第４図および第５図は本発明の別の実
施例を示すブロック図、第６図は第２図及び第３
図に示した実施例を実行するフローチヤートであ
る。 １……電子制御装置、２……入出力装置、３…
…中央処理装置、４……記憶装置、５……受け接
続器、５′，５″，５a′，５a″……送り接続器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ エンジンの用途に対応した信号発生源類及び
   センサ類を、該用途に対応して選択的に接続され
   た複数の入力端子を有する複数の送り接続器に対
   して結合可能な受け接続器と、前記用途に対応し
   た全ての制御プログラムを記憶する記憶装置と、
   前記受け接続器と接続した入出力装置と、前記入
   出力装置及び前記記憶装置と接続し、前記複数の
   入力端子の内所定の端子から入力する入力信号の
   有無に応じ、前記記憶装置に記憶された所定の制
   御プログラムを選択し、該プログラムに基づいて
   演算処理及び制御信号の出力を実行する中央処理
   装置とからなるエンジンの電子制御装置。