JP3517969B2 - 車両用電子制御装置 - Google Patents

車両用電子制御装置

Info

Publication number
JP3517969B2
JP3517969B2 JP20080794A JP20080794A JP3517969B2 JP 3517969 B2 JP3517969 B2 JP 3517969B2 JP 20080794 A JP20080794 A JP 20080794A JP 20080794 A JP20080794 A JP 20080794A JP 3517969 B2 JP3517969 B2 JP 3517969B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
communication
line
subordinate
analog
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20080794A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0865756A (ja
Inventor
伸次 平岩
克尚 辻
昌弘 三好
友久 岸上
千昭 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP20080794A priority Critical patent/JP3517969B2/ja
Publication of JPH0865756A publication Critical patent/JPH0865756A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3517969B2 publication Critical patent/JP3517969B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Selective Calling Equipment (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジン及びトランス
ミッションからなるパワートレイン系を初めとする車両
各部の制御を行う車両用電子制御装置であって、特に、
車両の運転状態を検出するためのセンサや車両を制御す
るためのアクチュエータを所定の制御装置に通信線を介
して接続した車両用電子制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両用電子制御装置において
は、車両内配線(ワイヤハーネス)の削減や機器の標準
化を目的として、機能単位で分けられた複数の装置を通
信線で接続し、その各装置間にて各種信号(デジタル信
号)をやり取りすることにより車両を制御する、といっ
た多重通信技術を利用したシステムの構築が行われてい
る。
【0003】そして例えば、特開平3−149337号
公報には、インジェクタ,エアフローメータ,及び水温
センサ等にコンピュータや通信装置を搭載してモジュー
ル化した装置(モジュール)を、通信線で接続すること
によりLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)を形
成し、各モジュールが個別に持つプログラムの組み合わ
せを変更することで、システムの仕様変更に伴うセンサ
やアクチュエータの増減に対応するようにした自律分散
型のエンジン制御装置が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように多重通信技術を利用したシステムでは、通信装置
として高速通信の可能なものが要求されるため、センサ
やアクチュエータに通信装置を搭載してモジュール化す
ることが困難であり、しかも、システム全体として高コ
ストなものになってしまうという問題がある。
【0005】そこで以下、この理由について説明する。
まず、インジェクタやエアフロメータ等といった車両走
行に直接関わる制御系のアクチュエータやセンサに通信
を適用する場合には、例えばSAE(アメリカ自動車技
術会)規格にてクラスCに分類されるリアルタイム用高
速ネットワークが必要となる。そして、このクラスCに
属する通信方式では、100キロビット/秒から1メガ
ビット/秒といった高速の通信速度が要求されるため、
通信装置には、エラー訂正機能や複数装置間の調停機能
等といった様々な機能を持たせなければならず、必然的
に大規模なものとなってしまう。
【0006】例えば、クラスCの代表的な通信プロトコ
ル(規約)である、西独ボッシュ社のCAN(コントロ
ーラ・エリア・ネットワーク)プロトコルを用いた場合
には、通信装置として、膨大な数のトランジスタで構成
される通信用IC(プロトコル制御用IC)及び送信・
受信用のドライバ/レシーバ回路が必要となる。
【0007】従って、このような通信装置をコンピュー
タと共にセンサやアクチュエータへ搭載した場合には、
モジュール自体が必然的に大型化してしまい、車両内で
の搭載スペースを考えるとモジュール化することが容易
にできなくなってしまうのである。
【0008】また、センサやアクチュエータの夫々に上
記のような通信用ICやコンピュータ等を搭載すると、
システム全体として重複する部品や素子が増えてしま
う。即ち、水温センサやO2センサ等のように検出信号
としてアナログ信号を出力するセンサをモジュール化す
る場合には、各センサ(モジュール)毎にアナログ/デ
ジタル(A/D)変換器を搭載しなければならず、複数
のセンサからのアナログ信号を主要な制御装置に個々に
入力し、その制御装置側にて各アナログ信号を一括して
A/D変換する、といった多重通信を用いない基本的な
従来システムと比較すると、A/D変換器の数が重複し
てしまうこととなり、コストが高くなってしまう。そし
て更に、コンピュータや通信用ICは、制御システム中
でも比較的コストが高い部品であるために、システム全
体でのコストアップは相当量なものになる。
【0009】一方、上記従来のシステムでは、センサや
アクチュエータを増減しようとする場合に、各モジュー
ルでのプログラム変更等により通信データのフォーマッ
トを調整しなければならず、システムの仕様変更に容易
に対応することができないという問題もある。
【0010】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、簡単な構成の通信装置で高速制御系における
通信を可能にすると共に、システム全体でのコストを低
減することができ、しかもシステムの仕様変更に簡単に
対応することのできる車両用電子制御装置を提供するこ
とを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の本発明は、車両各部の運
転状態を検出して該検出結果を表す検出信号を出力する
複数の検出手段と、車両を制御するためのアクチュエー
タを駆動信号に応じて夫々駆動する複数の駆動手段と、
前記検出手段からの検出結果に基づいて、前記駆動手段
に前記アクチュエータを駆動させる制御手段と、を備え
た車両用電子制御装置において、前記複数の検出手段及
び前記複数の駆動手段の少なくとも一部を、前記制御手
段からの信号を受けて動作する従属手段として、前記制
御手段に所定の通信線を介して接続すると共に、前記各
従属手段に前記通信線を介して前記制御手段と信号のや
り取りを行うための通信手段を夫々設け、更に、前記通
信手段が、前記通信線と前記従属手段とを接続して、当
該従属手段と前記制御手段との間で、デジタル値を有し
ない非データの信号であって前記検出信号及び前記駆動
信号の何れかであるアナログ信号を直接やり取り可能に
する接続手段と、前記通信線を介して伝送されてきた伝
送信号が自己を選択する選択信号であるか否かを識別
し、前記伝送信号が自己を選択する選択信号である場合
に、前記接続手段の動作を許可する許可手段と、を備え
たこと、を特徴とする車両用電子制御装置を要旨として
いる。
【0012】また、請求項2に記載の本発明は、請求項
1に記載の車両用電子制御装置において、前記通信線が
1本の信号線からなり、前記通信手段の許可手段が、前
記通信線を介して伝送されてきた伝送信号が自己を選択
する選択信号であると識別した場合に、前記接続手段の
動作を予め定められた所定時間だけ許可し、前記制御手
段が、前記通信線に前記選択信号を送出した後、前記所
定時間が経過するまでの間に当該選択信号に対応する従
属手段と前記アナログ信号のやり取りを行うこと、を特
徴とする車両用電子制御装置を要旨としている。
【0013】そして、請求項3に記載の本発明は、請求
項1に記載の車両用電子制御装置において、前記通信線
が2本の信号線からなり、前記通信手段の許可手段が、
前記2本の信号線のうち、一方の信号線を介して伝送さ
れてきた伝送信号が自己を選択する選択信号であるか否
かを識別すると共に、前記通信手段の接続手段が、前記
2本の信号線のうち、他方の信号線と前記従属手段とを
接続し、制御手段が、前記一方の信号線に前記選択信号
を送出すると共に、前記他方の信号線を介して当該選択
信号に対応する従属手段と前記アナログ信号のやり取り
を行うこと、を特徴とする車両用電子制御装置を要旨と
している。
【0014】次に、請求項4に記載の本発明は、請求項
1ないし請求項3の何れかに記載の車両用電子制御装置
において、前記通信線の両側に1対の電源供給線を並設
すると共に、当該電源供給線と前記通信線とを絶縁材に
てモールドすることにより1本のワイヤハーネスを形成
し、前記制御手段から前記各従属手段へ前記1対の電源
供給線を介して直流電源を供給すること、を特徴とする
車両用電子制御装置を要旨としている。
【0015】また、請求項5に記載の本発明は、請求項
4に記載の車両用電子制御装置において、前記各従属手
段の前記ワイヤハーネスとの接続部分に、4つのダイオ
ードからなる全波整流用のダイオードブリッジ回路を設
け、該ダイオードブリッジ回路における前記ダイオード
同士の4つの接続点のうち、ダイオードのカソード同士
が接続された接続点とダイオードのアノード同士が接続
された接続点とから前記従属手段へ直流電源を供給し、
他の2つの接続点を前記ワイヤハーネスの前記1対の電
源供給線に接続したこと、を特徴とする車両用電子制御
装置を要旨としている。
【0016】そして、請求項6に記載の本発明は、請求
項4又は請求項5に記載の車両用電子制御装置におい
て、前記従属手段が、前記制御手段との間で前記選択信
号及び前記アナログ信号のやり取りを行うと共に前記直
流電源の供給を受けるための第1コネクタと、該第1コ
ネクタと嵌合可能に形成され、前記各信号及び前記直流
電源を他の従属手段へ出力するための第2コネクタと、
を備えたこと、を特徴とする車両用電子制御装置を要旨
としている。
【0017】
【作用及び発明の効果】上記のように構成された請求項
1に記載の車両用電子制御装置においては、複数の検出
手段が、車両各部の運転状態を検出してその検出結果を
表す検出信号を出力し、制御手段が、検出手段からの検
出結果に基づいて、複数の駆動手段にアクチュエータを
夫々駆動させことにより車両を制御するのであるが、複
数の検出手段及び複数の駆動手段の少なくとも一部を、
制御手段からの信号を受けて動作する従属手段として、
制御手段に所定の通信線を介して接続すると共に、各従
属手段に通信線を介して制御手段と信号のやり取りを行
うための通信手段を夫々設けるようにしている。
【0018】そして、各従属手段に設けられた通信手段
は、接続手段と許可手段とを備えており、接続手段が、
通信線と従属手段とを接続して、その従属手段と制御手
段との間で、デジタル値を有しない非データの信号であ
って検出信号及び駆動信号の何れかであるアナログ信号
を直接やり取り可能にし、許可手段が、通信線を介して
伝送されてきた伝送信号が自己を選択する選択信号であ
るか否かを識別して、その伝送信号が自己を選択する選
択信号である場合に、接続手段の動作を許可する。
【0019】ここで、このような車両用電子制御装置に
おいて、制御手段が、通信線に接続された従属手段(検
出手段又は/及び駆動手段)のうち何れかの駆動手段に
アクチュエータを駆動させる場合には、まず、通信線
に、その駆動手段に対応する選択信号を送出する。
【0020】すると、その駆動手段に設けられた通信手
段の許可手段が、通信線を介して伝送されてきた伝送信
号が自己を選択する選択信号であるか否かを識別して、
接続手段の動作を許可するため、接続手段が、通信線と
その駆動手段とを接続して、その駆動手段と制御手段と
の間でアナログ信号を直接やり取り可能にする。
【0021】つまり、この状態では、制御手段と対象と
なる駆動手段とが通信線により直接接続されることとな
るため、制御手段は、駆動すべきアクチュエータの駆動
信号を通信線へ直接出力して、アクチュエータをダイレ
クトに駆動することができるようになる。
【0022】一方、制御手段が、通信線に接続された従
属手段(検出手段又は/及び駆動手段)のうち何れかの
検出手段から検出信号を受ける場合にも、まず、通信線
に、その検出手段に対応する選択信号を送出する。する
と、この場合にも、その検出手段に設けられた通信手段
の許可手段が、通信線を介して伝送されてきた伝送信号
が自己を選択する選択信号であるか否かを識別して、接
続手段の動作を許可するため、接続手段が、通信線とそ
の検出手段とを接続して、その検出手段と制御手段との
間でアナログ信号を直接やり取り可能にする。
【0023】つまり、この状態では、制御手段と対象と
なる検出手段とが通信線により直接接続されることとな
るため、制御手段は、その検出手段から出力された検出
信号を通信線からダイレクトに入力することができるよ
うになる。そして、その検出信号がアナログの電圧信号
の場合には、制御手段側にて、通信線から入力した検出
信号をA/D変換器によりデジタル信号に変換して、制
御演算等に用いる。
【0024】尚、既述しているように、本発明でいうア
ナログ信号とは、「1」と「0」によるデジタル値を有
しない信号、即ちデータでない信号(非データの信号)
を意味しており、駆動手段へ直接出力してアクチュエー
タを駆動することのできる駆動信号、及び検出手段から
直接出力された検出信号を指している。例えば、駆動手
段がトランジスタである場合に、そのトランジスタに出
力する駆動パルス信号もアナログ信号である。
【0025】このように、請求項1に記載の車両用電子
制御装置によれば、制御手段が、何れかの従属手段(駆
動手段又は検出手段)を選択するための選択信号を通信
線に送出すれば、駆動手段を直接動作させることがで
き、また検出手段からの検出信号を直接入力することが
できるようになる。
【0026】従って、請求項1に記載の車両用電子制御
装置によれば、数十キロビット/秒程度の低速通信を用
いてシステムを構築することができる。つまり、上述し
た従来のシステムにおいて、何れかのアクチュエータを
駆動する場合には、例えば、所定の制御装置(本発明で
いう制御手段)側から、そのアクチュエータのモジュー
ル(本発明でいう従属手段)を示すアドレスデータ(本
発明でいう選択信号)とON或いはOFFを示す駆動デ
ータとをシリアルに並べた通信信号を送出し、モジュー
ル側が、通信信号中のアドレスデータから自己が選択さ
れたことを検出すると共に、通信信号中の駆動データに
基づきアクチュエータを駆動する、といった手順で通信
処理が行われることとなる。
【0027】よって、従来のシステムでは、アクチュエ
ータの駆動タイミングの精度は、制御装置からの通信信
号(通信データ)がモジュールへ到着するタイミングの
正確さ、延いては通信信号の通信速度に依存する。そし
て、駆動タイミングの精度が通信データの1ビット以下
と考えても、通常、インジェクタやイグナイタでは、駆
動に必要とされる分解能が例えば4マイクロ秒と高速で
あるため、このような高速制御が必要なアクチュエータ
を駆動する場合には、数百キロビット/秒以上の通信速
度が必要となってしまう。
【0028】これに対して、請求項1に記載の車両用電
子制御装置によれば、制御手段から、何れかの従属手段
を選択するための選択信号を送出すれば、駆動手段を通
信によらず直接且つ正確に動作させることができ、また
検出手段からの検出信号を通信によらず直接且つ正確に
入力することができるため、選択信号を伝送するためだ
けの数十キロビット/秒程度の低速通信を用いて高速制
御系のシステムを構築することができるのである。
【0029】そして、請求項1に記載の車両用電子制御
装置によれば、上記のように低速通信でシステムを構築
することができるため、従来システムのように、大型の
通信用ICは必要とせず、各従属手段(モジュール)を
小型化することができ、また、システム全体のコストア
ップを最小限に抑制することができる。また、従属手段
(駆動手段又は検出手段)側で行われる動作が簡単とな
るため、そこで必要とされていたコンピュータは不要と
なるか或いは簡素な構造となる。
【0030】そして更に、従属手段のうち複数の検出手
段からの検出信号を、制御手段側にて一括してA/D変
換することができるため、各検出手段に夫々A/D変換
器を搭載する必要がなく、システム全体として重複する
部品や素子を減少させて、コストアップを抑えることが
できる。
【0031】しかも、請求項1に記載の車両用電子制御
装置によれば、制御手段側が送出する選択信号の種類を
増加するだけで、通信線に接続する駆動手段又は検出手
段を増加することができる。よって、システムの仕様変
更による駆動手段又は検出手段の増減に対して、容易に
対応することができるようになる。
【0032】次に、請求項2に記載の車両用電子制御装
置では、請求項1に記載の車両用電子制御装置におい
て、通信線が1本の信号線からなり、通信手段の許可手
段が、通信線を介して伝送されてきた伝送信号が自己を
選択する選択信号であると識別した場合に、接続手段の
動作を予め定められた所定時間だけ許可し、制御手段
が、通信線に選択信号を送出した後、上記所定時間が経
過するまでの間に、送出した選択信号に対応する従属手
段と通信線を介してアナログ信号のやり取りを行うよう
にしている。
【0033】つまり、請求項2に記載の車両用電子制御
装置では、1本の信号線において、制御手段から選択信
号を送出する期間と、制御手段から駆動手段へアクチュ
エータの駆動信号を直接出力する期間或いは検出手段か
ら制御手段へ検出信号を直接出力する期間と、を交互に
設ける、所謂タイムシェアリング方式を採用しており、
これにより通信線の配線数を最小限に抑えてシステムを
構成することができる。
【0034】一方、請求項3に記載の車両用電子制御装
置では、請求項1に記載の車両用電子制御装置におい
て、通信線が2本の信号線からなり、通信手段の許可手
段が、その2本の信号線のうち、一方の信号線を介して
伝送されてきた伝送信号が自己を選択する選択信号であ
るか否かを識別すると共に、通信手段の接続手段が、2
本の信号線のうち、他方の信号線と従属手段とを接続
し、制御手段が、上記一方の信号線に選択信号を送出す
ると共に、上記他方の信号線を介して、その選択信号に
対応する従属手段とアナログ信号のやり取りを行うよう
にしている。
【0035】つまり、請求項3に記載の車両用電子制御
装置では、制御手段から各従属手段(駆動手段又は/及
び検出手段)へ選択信号を送出するための信号線と、制
御手段から駆動手段へアクチュエータの駆動信号を直接
出力するか、或いは、検出手段から制御手段へ検出信号
を直接出力するための信号線(即ち制御手段と各従属手
段との間でアナログ信号のやり取りをするための信号
線)と、を別個に設けるようにしており、これにより各
従属手段の通信手段を複雑な構成とすることなくシステ
ムを構築することができ、低コストなシステムにするこ
とができる。
【0036】次に、請求項4に記載の車両用電子制御装
置では、請求項1ないし請求項3の何れかに記載の車両
用電子制御装置において、通信線の両側に1対の電源供
給線を並設すると共に、その電源供給線と通信線とを絶
縁材にてモールドすることにより1本のワイヤハーネス
を形成するようにしており、そのワイヤハーネス内の1
対の電源供給線を用いて、制御手段から各従属手段へ直
流電源を供給するようにしている。
【0037】つまり、請求項4に記載の車両用電子制御
装置では、1本の信号線からなる通信線の両側に電源線
とGND線と並設した3本の導線、或いは、2本の信号
線からなる通信線の両側に電源線とGND線とを並設し
た4本の導線を、絶縁材で1本にモールドしたワイヤハ
ーネスを使用して、制御手段と各従属手段との通信及び
制御手段から各従属手段への電源供給を行うようにして
いる。
【0038】そして、このように構成された車両用電子
制御装置によれば、制御手段と各従属手段とを接続する
ワイヤハーネスにおいて、1対の電源供給線としての電
源線とGND線との間に通信線が存在することとなるた
め、ワイヤハーネスにコネクタを取り付ける際に異物が
入り込んでも、電源線とGND線とが短絡してしまう危
険性を極めて低くすることができる。
【0039】次に、請求項5に記載の車両用電子制御装
置では、請求項4に記載の車両用電子制御装置におい
て、各従属手段の上記ワイヤハーネスとの接続部分に、
4つのダイオードからなる全波整流用のダイオードブリ
ッジ回路を設け、そのダイオードブリッジ回路における
ダイオード同士の4つの接続点のうち、ダイオードのカ
ソード同士が接続された接続点とダイオードのアノード
同士が接続された接続点とから従属手段へ直流電源を供
給し、他の2つの接続点をワイヤハーネスの1対の電源
供給線(電源線,GND線)に接続するようにしてい
る。
【0040】そして、このように構成された車両用電子
制御装置によれば、従属手段に対して、ワイヤハーネス
が逆向きに接続された場合、即ち、ダイオードブリッジ
回路に1対の電源供給線(電源線とGND線)が入れ違
いに接続されても、ダイオードブリッジ回路におけるダ
イオードのカソード同士が接続された接続点とダイオー
ドのアノード同士が接続された接続点とからは、常に一
定方向の直流電圧が従属手段に供給されることとなるた
め、従属手段内の各回路を破壊することなく動作させる
ことができる。
【0041】尚、通信線が1本の信号線からなる場合に
は、請求項5に記載の構成を採ることにより、ワイヤハ
ーネスを従属手段へ逆向きに接続しても、従属手段を全
く異常なく動作させることができるため、組み付け作業
を効率化することができる。また、通信線が2本の信号
線からなる場合には、ワイヤハーネスを従属手段へ逆向
きに接続すると、選択信号用の信号線とアナログ信号用
の信号線とが入れ替わってしまうので正常な動作はでき
なくなるものの、従属手段へは電源が正常に供給される
ため、従属手段内に、例えば誤組み付け報知機能を組み
入れて動作させることが可能となり、システムの信頼性
を向上させることができる。
【0042】次に、請求項6に記載の車両用電子制御装
置では、請求項4又は請求項5に記載の車両用電子制御
装置において、各従属手段に、制御手段との間で選択信
号及びアナログ信号のやり取りを行うと共に直流電源の
供給を受けるための第1コネクタと、その第1コネクタ
と嵌合可能に形成され、上記各信号及び直流電源を他の
従属手段へ出力するための第2コネクタと、を設けるよ
うにしている。
【0043】このように構成された請求項6に記載の車
両用電子制御装置によれば、何れかの従属手段の第2コ
ネクタに、他の従属手段の第1コネクタを嵌合し、更
に、その従属手段の第2コネクタに上記とは異なる他の
従属手段の第1コネクタを嵌合する、といった具合い
に、従属手段を順次接続して簡単にネットワークを形成
することができる。
【0044】そして、このような車両用電子制御装置に
よれば、コネクタの差替えを行うだけで、システム仕様
の変更による従属手段の追加・変更・削除に容易に対応
することができるようになる。また、各従属手段を、制
御手段を含めて環状に接続することにより、ネットワー
ク中の何処か1カ所が断線等により接続を断たれた場合
においても、制御手段と各従属手段との通信が可能とな
るため、システムの信頼性を向上させることができる。
【0045】尚、第1コネクタと第2コネクタとは、一
方を従属手段と一体に設け、他方を従属手段から引き出
した所定長のワイヤハーネスの先端に設けるようにして
もよいし、また、両方共に従属手段と一体に設けるよう
にしてもよい。そして、前者の場合には、車両内での広
範囲のネットワーク形成に有利であり、後者の場合に
は、各従属手段をブロック状に密集して接続することが
できるようになる。
【0046】
【実施例】以下に本発明が適用された実施例の車両用電
子制御装置を図面を参照して説明する。まず、図1は、
第1実施例のパワートレイン制御装置のシステム構成を
表す構成図である。ここで、パワートレイン制御装置と
は、車両のエンジン及びトランスミッション(自動変速
機)を制御する装置である。
【0047】図1に示すように、第1実施例のパワート
レイン制御装置は、各種センサからの検出信号や予め設
定された制御プログラムに基づき、エンジン及びトラン
スミッションを制御するための制御演算を行う、制御手
段としてのパワートレインECU(以下、単にECUと
いう)1と、インジェクタや点火コイル等、高速駆動制
御が必要な高速アクチュエータの夫々に通信回路や駆動
回路を付加して一体化した、複数の高速スマートアクチ
ュエータ3と、バキュームスイッチングバルブ(以下、
単にVSVという)のようなソレノイドバルブやステッ
プモータ等、高速駆動制御が必要のない低速アクチュエ
ータの夫々に通信回路や駆動回路を付加して一体化し
た、複数の低速スマートアクチュエータ5と、スロット
ル開度を検出するスロットルセンサ,吸入空気量を検出
するエアフロメータ,及び吸気温センサ等、検出信号と
してアナログ信号を出力するアナログセンサの夫々に通
信回路を付加して一体化した、複数のアナログスマート
センサ7と、トランスミッションの変速位置を検出する
ニュートラルスタートスイッチ(以下、単にNSWとい
う),アイドル域か出力域かを検出するアイドルスイッ
チ,及びダイアグ設定端子等、検出信号としてON/O
FF信号を出力するON/OFFセンサの夫々に通信回
路を付加して一体化した、複数のON/OFFスマート
センサ9と、を備えている。
【0048】そして、複数の高速スマートアクチュエー
タ3は、図1におけるA部に示すように、複数のグルー
プに分けられており、各グループ毎に夫々1本のワイヤ
ハーネス11を介してECU1に接続されている。ま
た、複数のアナログスマートセンサ7も、図1における
B部に示すように、複数のグループに分けられており、
各グループ毎に夫々1本のワイヤハーネス13を介して
ECU1に接続されている。
【0049】ここで、上記ワイヤハーネス11,13
は、その端面を図2(A)に示すように、所定間隔に並
設した4本の導線15,17,19,21を絶縁材23
にてモールドすることにより1本に形成されている。そ
して、内側2本の導線17,19のうち、一方の導線1
7が、ECU1が高速スマートアクチュエータ3又はア
ナログスマートセンサ7の何れか1つを選択するための
選択信号としてのアドレス信号を送出する信号線として
使用され、他方の導線19が、後述するように、ECU
1が高速スマートアクチュエータ3にアクチュエータの
駆動信号を出力するか、或いは、ECU1がアナログス
マートセンサ7からアナログ信号を受けるための信号線
として使用されている。
【0050】また、ワイヤハーネス11,13の外側2
本の導線15,21は、ECU1から各高速スマートア
クチュエータ3又は各アナログスマートセンサ7に直流
電源を供給するための電源供給線であり、一方の導線1
5がプラス側の電源線として使用され、他方の導線21
がマイナス側のGND線として使用されている。
【0051】尚、以下、導線17を選択信号線17とい
い、導線19をアナログ信号線19という。また、導線
15を電源線15といい、導線21をGND線21とい
う。そして、本実施例では、高速スマートアクチュエー
タ3とアナログスマートセンサ7が従属手段に対応して
おり、選択信号線17とアナログ信号線19が通信線に
対応している。
【0052】一方、複数の低速スマートアクチュエータ
5も、図1におけるC部に示すように、複数のグループ
に分けられており、各グループ毎に夫々1本のワイヤハ
ーネス25を介してECU1に接続されている。また、
複数のON/OFFスマートセンサ9も、図1における
D部に示すように、複数のグループに分けられており、
各グループ毎に夫々1本のワイヤハーネス27を介して
ECU1に接続されている。
【0053】ここで、ワイヤハーネス25,27は、そ
の端面を図2(B)に示すように、所定間隔に並設した
3本の導線29,31,33を絶縁材35にてモールド
することにより1本に形成されている。そして、中央の
導線31が、ECU1と各低速スマートアクチュエータ
5との間、又は、ECU1と各ON/OFFスマートセ
ンサ9との間におけるデータ通信に使用され、外側2本
の導線29,33が、ワイヤハーネス11,13の場合
と同様に、ECU1から各低速スマートアクチュエータ
5又は各ON/OFFスマートセンサ9に直流電源を供
給するための電源供給線(電源線,GND線)として使
用される。尚、以下、導線31を信号線31といい、導
線29を電源線29といい、導線33をGND線33と
いう。
【0054】そして、図1において、37は、クランク
角センサ,エンジン回転数センサ,及び車速センサ等か
らのパルス信号をECU1に伝える複数の個別配線であ
る。また、39は、車室側にある各種スイッチからの信
号を、シリアル信号に変換した後、多重通信ハーネス4
1を介してECU1に送信するSWモジュールである。
【0055】次に、高速スマートアクチュエータ3の構
成について、インジェクタの場合を例に挙げて説明す
る。図3に示すように、高速スマートアクチュエータ3
は、ワイヤハーネス11に接続された雌コネクタ43に
嵌合可能に形成され、ワイヤハーネス11の電源線1
5,選択信号線17,アナログ信号線19,及びGND
線に夫々接続される4つの端子P,ID,SG,Gを有
する雄コネクタ45と、4つのダイオードD1〜D4か
らなる全波整流用の周知のダイオードブリッジ回路47
と、アクチュエータ(本例ではインジェクタのコイル
L)を駆動するための、駆動手段としてのトランジスタ
Trと、雄コネクタ45の端子ID,SGを介して入力
される信号に基づいてトランジスタTrをスイッチング
する、通信手段としての通信部49と、を備えている。
【0056】ここで、通信部49は、雄コネクタ45の
端子IDを介して選択信号線17上の伝送信号を受信
し、その伝送信号が自己を選択するアドレス信号である
か否かを識別して、その伝送信号が自己を選択するアド
レス信号である場合にHighレベルの信号を出力する、許
可手段としての通信回路51と、雄コネクタ45の端子
SGを介して入力されるアナログ信号線19からの信号
と通信回路51の出力信号との論理積信号を出力する、
接続手段としてのAND回路53と、を備えており、A
ND回路53の出力信号がトランジスタTrのベースに
入力されるように構成されている。
【0057】また、ダイオードブリッジ回路47におけ
るダイオードD1〜D4同士の4つの接続点S1〜S4
のうち、互いのアノードとカソードとが接続されたダイ
オードD1とダイオードD4との接続点S3が、雄コネ
クタ45の端子Pを介して電源線15に接続され、同じ
く互いのアノードとカソードとが接続されたダイオード
D2とダイオードD3との接続点S4が、雄コネクタ4
5の端子Gを介してGND線21に接続されている。そ
して、カソード同士が接続されたダイオードD1とダイ
オードD2との接続点S1をプラス側とし、アノード同
士が接続されたダイオードD3とダイオードD4との接
続点S2をマイナス側として、通信部49及びアクチュ
エータ(本例ではインジェクタのコイルL)へ直流電源
を供給するように構成されている。
【0058】つまり、通信部49及びアクチュエータへ
の電力の供給は、ワイヤハーネス11の電源線15から
ダイオードブリッジ回路47のダイオードD1を通じて
行われ、電流はダイオードブリッジ回路47のダイオー
ドD3を経由してワイヤハーネス11のGND線21に
戻ることとなる。
【0059】次に、アナログスマートセンサ7の構成に
ついて、スロットル開度を検出するスロットルセンサの
場合を例に挙げて説明する。図4に示すように、アナロ
グスマートセンサ7は、上述した高速スマートアクチュ
エータ3に対して、アクチュエータ及びそれを駆動する
トランジスタTrの代わりに、検出手段としてのアナロ
グセンサ(本例ではスロットルセンサSR)を備えてい
る点と、通信部55の構成だけが異なっている。
【0060】即ち、アナログスマートセンサ7の通信手
段としての通信部55は、上述したAND回路53の代
わりに、通信回路51からのHighレベルの出力信号を受
けると2つの端子AS1,AS2間を短絡させる、接続
手段としてのアナログスイッチ57を備えている。そし
て、アナログスイッチ57の一方の端子AS1は雄コネ
クタ45の端子SGに接続され、他方の端子AS2はス
ロットル開度に応じた電圧を出力するスロットルセンサ
SRに直接接続されている。
【0061】ここで、ワイヤハーネス11と高速スマー
トアクチュエータ3との接続、及びワイヤハーネス13
とアナログスマートセンサ7との接続について、図5を
用いて簡単に説明する。まず、ワイヤハーネス11,1
3に接続される雌コネクタ43は、図5に示すように、
ワイヤハーネス11,13の外周形状に応じた4列の溝
部Mを夫々備えたアッパハウジング43a及びロアハウ
ジング43bからなり、ロアハウジング43bの各溝部
Mからは、高速スマートアクチュエータ3又はアナログ
スマートセンサ7に設けられた雄コネクタ45の各端子
P,ID,SG,Gに夫々挿通される雌端子TSの先端
部が突出している。
【0062】そして、ワイヤハーネス11,13をアッ
パハウジング43aとロアハウジング43bとの間に、
その溝部Mに位置合せして挟み、図5(A)における矢
印の方向に圧力を加えると、図5(B)に示すように、
ロアハウジング43bの溝部Mから突出した雌端子TS
の先端部が、ワイヤハーネス11,13の絶縁材23を
貫通して各導線15,17,19,21に接触する。
【0063】つまり、雌コネクタ43はワイヤハーネス
11,13の任意位置に圧着によって取り付けられるよ
うになっており、自動組み付けに適している。尚、図5
において、59aと59bは、夫々、アッパハウジング
43aとロアハウジング43bに形成された係合部であ
り、ワイヤハーネス11,13への圧着の後にアッパハ
ウジング43aとロアハウジング43bとが外れないよ
うにするためのものである。
【0064】そして、本実施例においては、ECU1に
一端が接続されたワイヤハーネス11,13の所定位置
に、雌コネクタ43を上述の如く圧着して取り付け、そ
の雌コネクタ43に高速スマートアクチュエータ3又は
アナログスマートセンサ7の雄コネクタ45を嵌合する
ことにより、図1のA部及びB部に示したようなネット
ワークを形成するようにしている。
【0065】ここで、雌コネクタ43をワイヤハーネス
11,13に組み付ける場合、ワイヤハーネス11,1
3のねじれや装着ラインにおける異物の混入等により、
隣接する導線が短絡する可能性がある。そして、このと
き電源線15とGND線21とが隣接していると、両者
が短絡してヒューズの切断や保護素子の破損、或いは最
悪の場合は火災といった障害が生じる。
【0066】ところが、本実施例では、ワイヤハーネス
11,13において電源線15とGND線21との間に
は、選択信号線17とアナログ信号線19とが存在して
いるため、ワイヤハーネス11,13に雌コネクタ43
を取り付ける際に異物が入り込んでも、電源線15とG
ND線21とが短絡してしまう危険性を極めて低くする
ことができる。
【0067】次に、高速スマートアクチュエータ3と低
速スマートアクチュエータ5の動作の違いを、図3に示
したようにインジェクタを駆動する高速スマートアクチ
ュエータ3(以下、スマートインジェクタともいう)
と、VSVを駆動する低速スマートアクチュエータ5
(以下、スマートVSVともいう)とを例に挙げて、図
6を用いて説明する。尚、図6では、各高速スマートア
クチュエータ3を接続するワイヤハーネス11と各低速
スマートアクチュエータ5を接続するワイヤハーネス2
5にて、夫々の両外側に配設された電源線15,29及
びGND線21,33は省略してある。
【0068】まず、低速スマートアクチュエータ5につ
いて簡単に説明すると、低速スマートアクチュエータ5
は、図6に示すように、ワイヤハーネス25の信号線3
1を介してECU1との間でシリアルデータ通信を行う
通信回路61を有しており、この通信回路61が、受信
した通信データに基づきトランジスタ63をスイッチン
グしてアクチュエータ(本例ではVSVのコイルL’)
を駆動する、といった周知の構成を備えている。また、
図示はされていないが、低速スマートアクチュエータ5
も、高速スマートアクチュエータ3と同様に、雄コネク
タを備えており、その雄コネクタをワイヤハーネス25
の所定位置に取り付けられた雌コネクタに嵌合すること
で、図1のC部に示したようなネットワークを形成して
いる。但し、低速スマートアクチュエータ5の場合に
は、雄コネクタ及び雌コネクタは夫々3端子のものであ
る。
【0069】そして、ECU1が、ワイヤハーネス25
に接続された低速スマートアクチュエータ5のうちスマ
ートVSVを駆動する場合には、ECU1はそのスマー
トVSVに該当する番号#n’を表すアドレスデータと
ON或いはOFFを示す駆動データとをシリアルに並べ
た通信信号をワイヤハーネス25の信号線31に送出す
る。すると、そのアドレスデータ(番号#n’)に該当
するスマートVSVでは、通信回路61が、通信信号中
のアドレスデータから自己が選択されたことを検出する
と共に、通信信号中の駆動データに基づきトランジスタ
63に駆動信号を出力して、VSV(コイルL’)を駆
動する。
【0070】一方、ECU1が、ワイヤハーネス11に
接続された高速スマートアクチュエータ3のうち、何れ
かのスマートインジェクタを駆動する場合には、ECU
1は該当するインジェクタの番号#nを表すアドレス信
号(選択信号)をワイヤハーネス11の選択信号線17
に送出する。
【0071】すると、該当するn番目のスマートインジ
ェクタでは、通信部49の通信回路51が、そのアドレ
ス信号を受信して自己が選択されたことを検知し、High
レベルの信号をAND回路53に出力する。そして、通
信回路51がECU1からのアドレス信号を受信してHi
ghレベルの信号を出力している間は、アナログ信号線1
9上に出力されたON/OFF信号がAND回路53か
らトランジスタTrに伝わることとなる。
【0072】よって、この状態では、ECU1と選択さ
れたスマートインジェクタのトランジスタTrとが、ア
ナログ信号線19によって直接接続されることとなるた
め、ECU1は、クランク角センサからの信号を基準に
インジェクタの駆動タイミングを算出して、アナログ信
号線19にON/OFFの駆動信号を出力することによ
り、選択したインジェクタをダイレクトに駆動する。
【0073】ここで、上述した低速スマートアクチュエ
ータ5のようにデータ通信のみでアクチュエータを駆動
する場合には、その駆動タイミングの精度(分解能)
は、通信信号の通信速度に依存する。よって、低速スマ
ートアクチュエータ5のようにデータ通信のみでアクチ
ュエータを駆動する構成を、駆動分解能が例えば4マイ
クロ秒と高速なインジェクタやイグナイタに適用する
と、駆動タイミングの精度が通信データの1ビット以下
と考えても、数百キロビット/秒以上の通信速度が必要
となってしまう。
【0074】これに対して、本実施例の高速スマートア
クチュエータ3によれば、ECU1からアドレス信号
(選択信号)を送出すれば、アクチュエータを通信によ
らず直接且つ正確に動作させることができるため、アド
レス信号を伝送するためだけの数十キロビット/秒程度
の低速通信を用いて、高速制御系のシステムを構築する
ことができるのである。
【0075】次に、アナログスマートセンサ7とON/
OFFスマートセンサ9の動作の違いを、図4に示した
ようにスロットル開度を検出するアナログスマートセン
サ7(以下、スマートスロットルセンサともいう)と、
NSWのON/OFF信号を検出するON/OFFスマ
ートセンサ9(以下、スマートNSWともいう)とを例
に挙げて、図7を用いて説明する。尚、図7において
も、図6の場合と同様に、各アナログスマートセンサ7
を接続するワイヤハーネス13と各ON/OFFスマー
トセンサ9を接続するワイヤハーネス27にて、夫々の
両外側に配設された電源線15,29及びGND線2
1,33は省略してある。
【0076】まず、ON/OFFスマートセンサ9につ
いて簡単に説明すると、ON/OFFスマートセンサ9
は、図7に示すように、ワイヤハーネス27の信号線3
1を介してECU1との間でシリアルデータ通信を行う
通信回路65を有しており、この通信回路65が、受信
した通信データに基づき自己がECU1によって選択さ
れたことを検出すると共に、センサ(本例ではNSW)
からのON/OFF信号をバッファ67を介して取り込
み、その各信号をシリアル信号に変換してECU1に返
送する、といった周知の構成を備えている。また、ON
/OFFスマートセンサ9も低速スマートアクチュエー
タ5と同様に、3端子の雄コネクタを備えており、その
雄コネクタをワイヤハーネス27に取り付けられた雌コ
ネクタに嵌合することで、図1のD部に示したようなネ
ットワークを形成している。
【0077】そして、ECU1が、ワイヤハーネス27
に接続されたON/OFFスマートセンサ9のうちスマ
ートNSWからのON/OFF信号を受ける場合には、
ECU1は、そのスマートNSWに該当する番号#m’
を表すアドレス信号を、ワイヤハーネス27の信号線3
1に送出する。
【0078】すると、そのアドレス信号(番号#m’)
に該当するスマートNSWでは、通信回路65が、上記
アドレス信号から自己が選択されたことを検出すると共
に、NSWからの複数のスイッチ信号をバッファ67を
介して取り込み、その各信号を「1」,「0」のデジタ
ル信号に変換して、直ちにワイヤハーネス27の信号線
31に送出する。そして、ECU1は、そのデジタル信
号を信号線31を介して受信し、NSWの状態、即ちト
ランスミッションの変速位置を検出する。
【0079】一方、ECU1が、ワイヤハーネス13に
接続されたアナログスマートセンサ7のうちスマートス
ロットルセンサからスロットル信号を受け取る場合に
は、ECU1は、スマートスロットルセンサに該当する
番号#mを表すアドレス信号を、ワイヤハーネス13の
選択信号線17に送出する。
【0080】すると、該当するm番目のスマートスロッ
トルセンサでは、通信部55の通信回路51が、そのア
ドレス信号を受信して自己が選択されたことを検知し、
Highレベルの信号をアナログスイッチ57に出力する。
そして、通信回路51がECU1からの選択信号を受信
してHighレベルの信号を出力している間は、アナログス
イッチ57の両端子AS1,AS2が短絡して、アナロ
グ信号線19とスロットルセンサSRとが直接接続され
ることとなる。
【0081】よって、この状態では、ECU1とスロッ
トルセンサSRとが、アナログ信号線19によって直接
接続されることとなるため、ECU1は、アナログ信号
線19からのアナログ信号をA/D変換器69によって
デジタル値に変換して、制御演算に用いる。
【0082】ここで、上述したON/OFFスマートセ
ンサ9のようにデータ通信のみでセンサ信号をECU1
へ出力する場合には、扱うセンサがアナログ信号を出力
するものである場合には、各スマートセンサ毎に、アナ
ログのセンサ信号をデジタル信号に変換するためのA/
D変換器が必要となってしまい、各スマートセンサが大
型化すると共に、コストが高くなってしまう。しかも、
各スマートセンサからECU1へセンサ信号を高速に伝
えるためには、それに応じて通信速度を大きく設定しな
ければならない。
【0083】これに対して、本実施例のアナログスマー
トセンサ7によれば、ECU1からアドレス信号(選択
信号)を送出すれば、複数のアナログセンサからのアナ
ログ信号をECU1側で通信によらず直接且つ一括して
取り込むことができるため、ECU1側だけにA/D変
換器を設ける構成を採ることができる。
【0084】よって、システム全体として重複する部品
や素子を減少させて、コストアップを抑えることがで
き、また、高速スマートアクチュエータ3の場合と同様
に、数十キロビット/秒程度の低速通信を用いて、高速
制御系のシステムを構築することができるのである。
【0085】以上説明したように、第1実施例のパワー
トレイン制御装置によれば、ECU1が、何れかの高速
スマートアクチュエータ3又はアナログスマートセンサ
7を選択するためのアドレス信号を選択信号線17に送
出すれば、アナログ信号線19を介して、アクチュエー
タを直接動作させることができ、またアナログセンサか
らのアナログ信号を直接入力することができる。
【0086】従って、第1実施例のパワートレイン制御
装置によれば、数十キロビット/秒程度の低速通信を用
いて高速制御系の制御システムを構築することができる
ため、従来システムのように大型の通信用ICは必要と
せず、各高速スマートアクチュエータ3及びアナログス
マートセンサ7を小型化することができる。
【0087】そして更に、アナログスマートセンサ7か
らの検出信号を、ECU1側にて一括してA/D変換す
ることができるため、各アナログスマートセンサ7に夫
々A/D変換器を搭載する必要がなく、システム全体と
して重複する部品や素子を減少させて、コストアップを
抑えることができる。
【0088】しかも、第1実施例のパワートレイン制御
装置によれば、ECU1が送出するアドレス信号の種類
を増加するだけで、ワイヤハーネス11,13に接続す
る高速スマートアクチュエータ3及びアナログスマート
センサ7を増加することができる。よって、システムの
仕様変更によるアクチュエータ及びセンサの増減に対し
て、容易に対応することができるようになる。
【0089】一方、第1実施例のパワートレイン制御装
置では、ワイヤハーネス11,13に、選択信号線17
と、アナログ信号線19(即ちECU1と各高速スマー
トアクチュエータ3又はアナログスマートセンサ7との
間でアナログ信号のやり取りをするための信号線)と、
を別個に設けるようにしているため、各高速スマートア
クチュエータ3及びアナログスマートセンサ7の通信部
49,55(通信回路51)の構成を複雑にすることな
く、低コストなシステムを構築することができる。
【0090】また、第1実施例のパワートレイン制御装
置では、各高速スマートアクチュエータ3及びアナログ
スマートセンサ7に、4つのダイオードD1〜D4から
なる全波整流用のダイオードブリッジ回路47を設け、
カソード同士が接続されたダイオードD1とダイオード
D2との接続点S1をプラス側とし、アノード同士が接
続されたダイオードD3とダイオードD4との接続点S
2をマイナス側として、通信部49,55、及び、アク
チュエータ又はセンサへ直流電源を供給するようにして
いる。
【0091】従って、各高速スマートアクチュエータ3
及びアナログスマートセンサ7側の雄コネクタ45に、
ワイヤハーネス11,13側の雌コネクタ43を逆向き
に挿入した場合、即ち、ダイオードブリッジ回路47に
電源線15とGND21線とが入れ違いに接続された場
合でも、ダイオードブリッジ回路47の接続点S1と接
続点S2とからは、常に一定方向の直流電圧が供給され
ることとなるため、各高速スマートアクチュエータ3及
びアナログスマートセンサ7の各回路を破壊することな
く動作させることができる。
【0092】尚、本実施例の場合には、雄コネクタ45
と雌コネクタ43とが逆向きに接続されると、選択信号
線17とアナログ信号線19とが入れ替わってしまうの
で正常な動作はできなくなるものの、各高速スマートア
クチュエータ3及びアナログスマートセンサ7へは電源
が正常に供給されるため、誤組み付け報知機能を付加し
て作動させることができ、システムの信頼性を向上させ
ることができる。
【0093】例えば、ECU1から、各高速スマートア
クチュエータ3及びアナログスマートセンサ7に夫々対
応するアドレス信号を送出する際に、アドレス信号の送
出終了時には各高速スマートアクチュエータ3及びアナ
ログスマートセンサ7から受信確認信号(ACK)を返
信するようにしておく。そして、ACKを返さないセン
サ或いはアクチュエータがある場合には、ECU1はダ
イアグ信号として通信異常を報知するようにする。これ
によって、誤組み付けは、組み付けラインの最終段にて
ECU1により故障診断を行うことで検知できる。
【0094】一方、上記第1実施例では、高速スマート
アクチュエータ3及びアナログスマートセンサ7を4本
の導線からなるワイヤハーネス11,13で接続し、低
速スマートセンサ5及びON/OFFスマートセンサ9
を3本の導線からなるワイヤハーネス25,27で接続
するようにしたが、低速スマートセンサ5及びON/O
FFスマートセンサ9も、4本の導線からなるワイヤハ
ーネス11,13で接続するようにしてもよい。そし
て、この場合には、低速スマートセンサ5及びON/O
FFスマートセンサ9については、ワイヤハーネス1
1,13のアナログ信号線19は使用しないこととなる
が、システムに使用するワイヤハーネスを統一すること
ができる。
【0095】ここで、上述した第1実施例のパワートレ
イン制御装置では、各高速スマートアクチュエータ3及
びアナログスマートセンサ7側に雄コネクタ45を設
け、その雄コネクタ45を車両内に配設されたワイヤハ
ーネス11,13上の雌コネクタ43に接続して、ネッ
トワークを形成するものであったが、各高速スマートア
クチュエータ3及びアナログスマートセンサ7に、雄コ
ネクタ45と雌コネクタ43の両方を設けるようにして
もよい。
【0096】そこで次に、第2実施例として、雄・雌両
方のコネクタを有する高速スマートアクチュエータ及び
アナログスマートセンサを用いて、ネットワークを形成
したパワートレイン制御装置について、図8及び図9を
用いて説明する。本第2実施例のパワートレイン制御装
置は、各高速スマートアクチュエータ3及びアナログス
マートセンサ7が、図8に示すように、所定長のワイヤ
ハーネス11,13と、雌コネクタ43とを備えている
点以外は、第1実施例のパワートレイン制御装置と全く
同一である。
【0097】即ち、第2実施例における高速スマートア
クチュエータ3及びアナログスマートセンサ7には、第
1実施例の場合と同様に、雄コネクタ45が一体化して
設けられている上に、そこから所定長のワイヤハーネス
11,13が伸びており、そのワイヤハーネス11,1
3の先端に、図5(A)に示した雌コネクタ43を取り
付けるようにしている。尚、本第2実施例においては、
雌コネクタ43が第1コネクタに対応しており、雄コネ
クタ45が第2コネクタに対応している。
【0098】そして、このように構成された高速スマー
トアクチュエータ3及びアナログスマートセンサ7を用
いた第2実施例のパワートレイン制御装置によれば、例
えば図9(A)に示すように、何れかの高速スマートア
クチュエータ3−1を、その雌コネクタ43を介してE
CU1に接続し、その高速スマートアクチュエータ3−
1の雄コネクタ45に、他の高速スマートアクチュエー
タ3−2の雌コネクタ43を嵌合し、更に、その高速ス
マートアクチュエータ3−2の雄コネクタ45に、上記
とは異なる他の高速スマートアクチュエータ3−3の雌
コネクタ43を嵌合する、といった具合いに、各高速ス
マートアクチュエータ3の雄コネクタ45と雌コネクタ
43とを順次嵌合していくだけで、図1におけるA部の
ようなネットワークを形成することができる。
【0099】また、図9(B)に例示するように、上記
のように形成されたネットワークの途中(例えば、既に
接続されている高速スマートアクチュエータ3−1と高
速スマートアクチュエータ3−2との間)に、他の高速
スマートアクチュエータ3−4を追加する場合には、高
速スマートアクチュエータ3−1の雄コネクタ45から
高速スマートアクチュエータ3−2の雌コネクタ43を
外した後、高速スマートアクチュエータ3−1の雄コネ
クタ45に、追加する高速スマートアクチュエータ3−
4の雌コネクタ43を嵌合し、更に、その高速スマート
アクチュエータ3−4の雄コネクタ45に、初めに接続
されていた高速スマートアクチュエータ3−2の雌コネ
クタ43を嵌合する、といった手順でネットワークを修
正すればよい。そして、このような手順を逆に行えば、
ネットワーク内から所望の高速スマートアクチュエータ
3を削除することができる。
【0100】尚、アナログスマートセンサ7について
も、上述した高速スマートアクチュエータ3の場合と全
く同様に、図1におけるB部のようなネットワークを形
成することができる。このように、本第2実施例のパワ
ートレイン制御装置によれば、コネクタの抜き差しを行
うだけで、ネットワークを形成することができ、また、
システム仕様の変更による高速スマートアクチュエータ
3又はアナログスマートセンサ7の追加・変更・削除に
対応することができるようになる。
【0101】つまり、高速スマートアクチュエータ3又
はアナログスマートセンサ7を、仕様変更等で増減する
場合には、ソフト面では、既述したように、ECU1が
送出するアドレス信号の種類を増減すればよく、ハード
面では、コネクタの抜き差しだけで対応することができ
るようになる。よって、本第2実施例のパワートレイン
制御装置によれば、システムの仕様変更に対してより柔
軟に対応することができるようになる。
【0102】また、図9(C)に例示するように、複数
の高速スマートアクチュエータ3又はアナログスマート
センサ7を、ECU1を含めて環状に接続することによ
り、ネットワーク中の何処か1カ所が断線等により切れ
た場合においても、ECU1と各高速スマートアクチュ
エータ3又はアナログスマートセンサ7との通信が可能
となるため、システムの信頼性を向上させることができ
る。
【0103】尚、上記第2実施例では、雄コネクタ45
を高速スマートアクチュエータ3及びアナログスマート
センサ7に一体化して設け、雌コネクタ43を、高速ス
マートアクチュエータ3及びアナログスマートセンサ7
から伸びたワイヤハーネス11,13の先端に設けるよ
うにしたが、雄コネクタ45と雌コネクタ43とを逆に
設けるようにしてもよい。
【0104】また、雄コネクタ45と雌コネクタ43と
を、ワイヤハーネス11,13を介すことなく、両方共
に高速スマートアクチュエータ3及びアナログスマート
センサ7に一体化して設けるようにしてもよい。そし
て、この場合には、複数の高速スマートアクチュエータ
3又はアナログスマートセンサ7をブロック状に密集し
て接続することができるようになる。
【0105】一方、低速スマートアクチュエータ5やO
N/OFFスマートセンサ9にも、雄コネクタと雌コネ
クタとを一対で設けることにより、図1におけるC部及
びD部のようなネットワークを簡単に形成することがで
きるようになる。ここで、上記第1実施例及び第2実施
例では、各高速スマートアクチュエータ3及びアナログ
スマートセンサ7を接続するために、4本の導線からな
るワイヤハーネス11,13を使用したが、各高速スマ
ートアクチュエータ3及びアナログスマートセンサ7
を、低速スマートアクチュエータ5及びON/OFFス
マートセンサ9を接続するのに使用した3本の導線から
なるワイヤハーネス25,27を使用して接続するよう
に構成しても良い。
【0106】但し、この場合には、ECU1からのアド
レス信号とアクチュエータの駆動信号とを、或いは、E
CU1からのアドレス信号とセンサ信号とを、同一線
(通信線としての信号線31)上にてやり取りする必要
がある。そこで、この場合には、ECU1からアドレス
信号を送出する期間と、ECU1から高速スマートアク
チュエータ3へアクチュエータの駆動信号を直接出力す
る期間或いはアナログスマートセンサ7からECU1へ
アナログ信号を直接出力する期間と、を交互に設ける、
所謂タイムシェアリング方式を採用する。
【0107】例えば、この場合には、アナログスマート
センサは、図10に示すように構成される。即ち、この
場合のアナログスマートセンサ71は、図4に示したア
ナログスマートセンサ7に対して、ワイヤハーネス27
側の雌コネクタ73と、本体側の雄コネクタ75とが、
共に3端子になり、また、アナログ信号線19が存在し
ないため、アナログスイッチ57のセンサSRとは反対
側の端子AS1が、通信回路51と共にワイヤハーネス
27の中央の信号線31に接続される。そして、通信回
路51は、信号線31を介して伝送されてきた伝送信号
が自己を選択するアドレス信号であると検出すると、予
め定められた所定時間(例えば、100マイクロ秒)だ
けアナログスイッチ57を短絡させるように構成され
る。
【0108】ここで、ECU1がアナログスマートセン
サ71からのアナログ信号を処理する場合には、まず、
ECU1が信号線31を介してアドレス信号を送信す
る。すると、選択されたアナログスマートセンサ71で
は、通信回路51が、そのアドレス信号を受信した後、
100マイクロ秒の間だけ、アナログスイッチ57を短
絡させて信号線31とセンサSRとを接続することとな
るため、ECU1は、その100マイクロ秒の間に、信
号線31上のアナログ信号をA/D変換して内部に取り
込む。
【0109】また、図示はしないが、高速スマートアク
チュエータの場合も、図3に示した高速スマートアクチ
ュエータ3に対して、雌コネクタと雄コネクタとが共に
3端子になり、また、アナログ信号線19が存在しない
ため、AND回路53の一方の入力端子が、通信回路5
1と共にワイヤハーネス25(27)の中央の信号線3
1に接続される。そして、通信回路51は、信号線31
を介して伝送されてきた伝送信号が自己を選択するアド
レス信号であると検出すると、予め定められた所定時間
(例えば、100マイクロ秒)だけAND回路53にHi
ghレベルの信号を出力するように構成される。
【0110】そして、ECU1がアクチュエータを駆動
する場合には、ECU1が信号線31を介してアドレス
信号を送信する。すると、選択された高速スマートアク
チュエータでは、通信回路51が、そのアドレス信号を
受信した後、100マイクロ秒の間だけ、AND回路5
3にHighレベルの信号を出力して、信号線31上のON
/OFF信号がトランジスタTrに直接伝わるようにす
るため、ECU1は、その100マイクロ秒の間に、駆
動信号を信号線31上に出力して、アクチュエータを直
接駆動する。
【0111】そして、このように、各高速スマートアク
チュエータ及びアナログスマートセンサを3本の導線か
らなるワイヤハーネス25,27によって接続するよう
に構成すれば、車両内の配線スペースを最小限に抑えて
システムを構成することができる。
【0112】しかも、3本の導線からなるワイヤハーネ
ス25,27を使用すると、各高速スマートアクチュエ
ータ及びアナログスマートセンサ側の雄コネクタに対
し、ワイヤハーネス側の雌コネクタを逆向きに嵌合して
しまった場合でも、図10に示すように、ダイオードブ
リッジ回路47の接続点S1と接続点S2とからは、常
に一定方向の直流電圧が供給され、しかも、通信回路5
1とアナログスイッチ57(又はAND回路53)とに
は、信号線31が正常に接続されることとなる。
【0113】よって、コネクタの嵌合方向を気にせずに
組み付け作業を行うことができるようになり、車両組立
時の作業効率を向上させることができる。尚、上述した
各実施例では、高速スマートアクチュエータ3の通信部
49にAND回路53を設けたが、AND回路53の代
わりに、アナログスマートセンサ7の場合と同様のアナ
ログスイッチ57を使用するように構成してもよい。
【0114】そして、この場合には、高速スマートアク
チュエータとアナログスマートセンサとの各通信部4
9,55の回路を共通化することができるようになる。
一方、上述した各実施例では、検出信号としてON/O
FF信号を出力するON/OFFセンサについては、デ
ータ通信のみでECU1へセンサ信号を送信するON/
OFFスマートセンサ9の構成を採ったが、例えば、N
SWやシフトポジションセンサ等、複数のスイッチがま
とまって存在するような場合には、アナログスマートセ
ンサ7の構成を採用してもよい。
【0115】つまり、複数のスイッチが全部OFFの場
合は0V、全部ONの場合は5V、その他の場合は0か
ら5Vの間の所定の電圧を出力する、といった具合い
に、複数のスイッチ信号の組み合わせに対応した電圧信
号を発生するようにし、その電圧信号を、アナログスマ
ートセンサの構成によって、ECU1へ直接出力するよ
うに構成してもよい。
【0116】また、上記各実施例では、図1のA部及び
B部に示すように、高速スマートアクチュエータ3とア
ナログスマートセンサ7とを、別々のワイヤハーネス1
1,13(ネットワーク)上に接続するようにしたが、
高速スマートアクチュエータ3とアナログスマートセン
サ7とを、同一のワイヤハーネ上に混在させて接続し、
ECU1側にて、駆動信号の出力とセンサ信号の入力と
を切り換えるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例のパワートレイン制御装置のシス
テム構成を表す構成図である。
【図2】 第1実施例のパワートレイン制御装置におい
てネットワークを形成するワイヤハーネスの構造を説明
する説明図である。
【図3】 第1実施例の高速スマートアクチュエータの
構成を表す構成図である。
【図4】 第1実施例のアナログスマートセンサの構成
を表す構成図である。
【図5】 ワイヤハーネスと高速スマートアクチュエー
タ又はアナログスマートセンサとの接続を説明する説明
図である。
【図6】 高速スマートアクチュエータの動作を説明す
る説明図である。
【図7】 アナログスマートセンサの動作を説明する説
明図である。
【図8】 第2実施例の高速スマートアクチュエータ及
びアナログスマートセンサの構成を表す構成図である。
【図9】 第2実施例の高速スマートアクチュエータ及
びアナログスマートセンサの接続を説明する説明図であ
る。
【図10】 他の実施例のアナログスマートセンサの構
成を表す構成図である。
【符号の説明】
1…パワートレインECU(ECU) 3…高速スマ
ートアクチュエータ 5…低速スマートアクチュエータ 7,71…アナロ
グスマートセンサ 9…ON/OFFスマートセンサ 15,29…電源
線 17…選択信号線 19…アナログ信号線 21,
33…GND線 11,13,25,27…ワイヤハーネス 23,3
5…絶縁材 31…信号線 43,73…雌コネクタ 45,7
5…雄コネクタ 47…ダイオードブリッジ回路 49,55…通信部 51,61,65…通信回路 53…AND回路 57…アナログスイッチ Tr,63…トランジスタ
L…コイル 69…A/D変換器 D1〜D4…ダイオード S
R…スロットルセンサ
フロントページの続き (72)発明者 岸上 友久 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 田中 千昭 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−339438(JP,A) 特開 平4−22572(JP,A) 特開 昭49−117889(JP,A) 実開 平5−74090(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 16/02 H01B 7/00 - 7/02 H02G 15/00 - 15/196 H03J 9/00 - 9/06 H04Q 9/00 - 9/16

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両各部の運転状態を検出して該検出結
    果を表す検出信号を出力する複数の検出手段と、 車両を制御するためのアクチュエータを駆動信号に応じ
    夫々駆動する複数の駆動手段と、 前記検出手段からの検出結果に基づいて、前記駆動手段
    に前記アクチュエータを駆動させる制御手段と、 を備えた車両用電子制御装置において、 前記複数の検出手段及び前記複数の駆動手段の少なくと
    も一部を、前記制御手段からの信号を受けて動作する従
    属手段として、前記制御手段に所定の通信線を介して接
    続すると共に、前記各従属手段に前記通信線を介して前
    記制御手段と信号のやり取りを行うための通信手段を夫
    々設け、 更に、前記通信手段が、 前記通信線と前記従属手段とを接続して、当該従属手段
    と前記制御手段との間で、デジタル値を有しない非デー
    タの信号であって前記検出信号及び前記駆動信号の何れ
    かであるアナログ信号を直接やり取り可能にする接続手
    段と、 前記通信線を介して伝送されてきた伝送信号が自己を選
    択する選択信号であるか否かを識別し、前記伝送信号が
    自己を選択する選択信号である場合に、前記接続手段の
    動作を許可する許可手段と、 を備えたこと、 を特徴とする車両用電子制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両用電子制御装置に
    おいて、 前記通信線が1本の信号線からなり、 前記通信手段の許可手段が、前記通信線を介して伝送さ
    れてきた伝送信号が自己を選択する選択信号であると識
    別した場合に、前記接続手段の動作を予め定められた所
    定時間だけ許可し、 前記制御手段が、前記通信線に前記選択信号を送出した
    後、前記所定時間が経過するまでの間に当該選択信号に
    対応する従属手段と前記アナログ信号のやり取りを行う
    こと、 を特徴とする車両用電子制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の車両用電子制御装置に
    おいて、 前記通信線が2本の信号線からなり、 前記通信手段の許可手段が、前記2本の信号線のうち、
    一方の信号線を介して伝送されてきた伝送信号が自己を
    選択する選択信号であるか否かを識別すると共に、前記
    通信手段の接続手段が、前記2本の信号線のうち、他方
    の信号線と前記従属手段とを接続し、 制御手段が、前記一方の信号線に前記選択信号を送出す
    ると共に、前記他方の信号線を介して当該選択信号に対
    応する従属手段と前記アナログ信号のやり取りを行うこ
    と、 を特徴とする車両用電子制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3の何れかに記載
    の車両用電子制御装置において、 前記通信線の両側に1対の電源供給線を並設すると共
    に、当該電源供給線と前記通信線とを絶縁材にてモール
    ドすることにより1本のワイヤハーネスを形成し、 前記制御手段から前記各従属手段へ前記1対の電源供給
    線を介して直流電源を供給すること、 を特徴とする車両用電子制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の車両用電子制御装置に
    おいて、 前記各従属手段の前記ワイヤハーネスとの接続部分に、
    4つのダイオードからなる全波整流用のダイオードブリ
    ッジ回路を設け、 該ダイオードブリッジ回路における前記ダイオード同士
    の4つの接続点のうち、ダイオードのカソード同士が接
    続された接続点とダイオードのアノード同士が接続され
    た接続点とから前記従属手段へ直流電源を供給し、他の
    2つの接続点を前記ワイヤハーネスの前記1対の電源供
    給線に接続したこと、 を特徴とする車両用電子制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5に記載の車両用電
    子制御装置において、 前記従属手段が、 前記制御手段との間で前記選択信号及び前記アナログ信
    号のやり取りを行うと共に前記直流電源の供給を受ける
    ための第1コネクタと、 該第1コネクタと嵌合可能に形成され、前記各信号及び
    前記直流電源を他の従属手段へ出力するための第2コネ
    クタと、 を備えたこと、を特徴とする車両用電子制御装置。
JP20080794A 1994-08-25 1994-08-25 車両用電子制御装置 Expired - Fee Related JP3517969B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20080794A JP3517969B2 (ja) 1994-08-25 1994-08-25 車両用電子制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20080794A JP3517969B2 (ja) 1994-08-25 1994-08-25 車両用電子制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0865756A JPH0865756A (ja) 1996-03-08
JP3517969B2 true JP3517969B2 (ja) 2004-04-12

Family

ID=16430527

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20080794A Expired - Fee Related JP3517969B2 (ja) 1994-08-25 1994-08-25 車両用電子制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3517969B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102101457A (zh) * 2011-01-18 2011-06-22 西安正昌电子有限责任公司 挂车车灯控制系统

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2906298B1 (fr) * 2006-09-25 2008-12-26 Valeo Sys Controle Moteur Sas Systeme de commande de soupape a detection de defaillance
JP4650566B2 (ja) 2008-12-22 2011-03-16 株式会社デンソー 制御システム及び電子制御装置
JP2010247641A (ja) * 2009-04-15 2010-11-04 Denso Corp 車両用通信装置
JP5152258B2 (ja) 2010-06-21 2013-02-27 株式会社デンソー 制御システム及び通信機能付センサ装置及び電子制御装置
JP5692897B2 (ja) * 2010-09-10 2015-04-01 矢崎総業株式会社 電装システム
JP7384041B2 (ja) * 2020-01-09 2023-11-21 株式会社デンソー 加速抑制装置に対する機能追加装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102101457A (zh) * 2011-01-18 2011-06-22 西安正昌电子有限责任公司 挂车车灯控制系统
CN102101457B (zh) * 2011-01-18 2015-02-04 西安正昌电子有限责任公司 挂车车灯控制系统

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0865756A (ja) 1996-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6831375B1 (en) Diagnostics, protection, and isolation system for electronic devices on a vehicle data communication bus
US6151298A (en) Electronic bus system
US7015798B2 (en) Method and system for bidirectional data and power transmission
KR101885226B1 (ko) 상용 스마트키 호환형 obd-ⅱ 스캐너 및 이를 이용한 차량제어 시스템
JP3082282B2 (ja) 車載用通信装置
JP2008225673A (ja) 中継コネクタユニット、ワイヤハーネス組付体、及び、電子機器制御システム
JP3517969B2 (ja) 車両用電子制御装置
US6404326B1 (en) Redundant power communications circuit
US11697423B2 (en) In-vehicle communication system, in-vehicle relay apparatus, and in-vehicle control apparatus
KR910007370B1 (ko) 매니폴드 전자밸브의 제어장치
CN113246876B (zh) 通信系统和代理输入与输出单元
JPH0879841A (ja) 車両用電子制御装置の通信用コネクタ
JP3211159B2 (ja) 2線母線系統における導線故障の検査方法及び回路装置
JPH1183928A (ja) 分岐接続機能付きランプ断線検出ユニット
KR20170078826A (ko) 자동차 내부의 다수의 참여자를 구동 제어하기 위한 커뮤니케이션 시스템 및 이러한 커뮤니케이션 시스템을 위한 데이터 버스
US6640271B2 (en) Engine ECM multi-input/output configuration
JP5986710B2 (ja) 導通検査装置、及び、ワイヤハーネス構造体
KR20020097370A (ko) 하이브리드 전기 자동차에서 can 통신을 이용한 표시장치 및 방법
CN113900397A (zh) 一种实现rs-485信号线反接自适应切换的装置
CN212515784U (zh) 基于双uart的rs-485信号线极性自适应实现装置
JP3050961B2 (ja) ネットワークシステムの故障診断方法
US20230176992A1 (en) Control system for a bus system having at least two transmission lines
JP3293338B2 (ja) 車載用電子制御装置及びその故障診断方法
JP5763368B2 (ja) 中継コネクタ、ワイヤハーネス構造体、及び、識別情報設定治具
KR20220034609A (ko) 액셀러레이터 데이터 확인 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040119

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees