JP4650566B2 - 制御システム及び電子制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のセンサと電子制御装置とを備える制御システム、及び、この制御システムを構成する電子制御装置に関する。
車両制御の技術分野では、従来、センサとアクチュエータとが一体化された駆動装置が知られている。また、上記駆動装置としては、個体毎の特性値を記憶保持するためのメモリを内蔵したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
駆動装置が備えるメモリには、製品出荷時に初期特性値が書き込まれ、この特性値は、駆動装置を制御する電子制御装置(ECU)において、制御に用いられる。
この他、従来技術としては、上記電子制御装置による制御で得られた学習値を、駆動装置が備えるメモリに書き込むことにより、電子制御装置の交換等を原因として、学習値が失われてしまうのを防止する技術が知られている。
特開2008−057413号公報
ところで、アクチュエータとメモリとを一体化させて、当該メモリに初期特性値や学習値を書き込む技術を採用する場合には、電子制御装置が、駆動装置から初期特性値を読み出し、学習値を駆動装置に書き込む必要があるため、駆動装置に対して通信機能を設ける必要がある。
複数の駆動装置を電子制御装置に通信可能に接続する手法としては、例えば、各駆動装置を個別の通信線で電子制御装置に接続する手法が挙げられるが、このような手法を採用すると、電子制御装置に、駆動装置毎の通信デバイスを設ける必要があるため、各駆動装置は、電子制御装置に対し、共通の通信線によりバス接続されるのが好ましい。
しかしながら、従来技術では、バス接続する手法を採用すると、各駆動装置に対してノードIDを割り当て、ノードIDを拠り所に、電子制御装置−駆動装置間で通信を行うことになるため、駆動装置に対しノードIDが正確に割り当てられていないと、不都合が生じる。
例えば、複数の駆動装置として、気筒毎のインジェクタを共通の通信線を介して電子制御装置に接続する場合を考える。インジェクタを通じた燃料噴射制御は、周知のように、電子制御装置から電子駆動装置(EDU)に対して噴射信号が入力され、電子駆動装置が電子制御装置から入力される噴射信号に基づいてインジェクタを駆動することにより行われる。即ち、インジェクタを通じた燃料噴射制御は、電子制御装置からインジェクタへの通信線を介したメモリアクセスとは別系統で行われる。
ここで、電子制御装置が、第1気筒のインジェクタにノードID「1」、第2気筒のインジェクタにノードID「2」が割り当てられているものとして、各インジェクタから特性値を、通信線を介して取得する構成にされているにも拘らず、誤って、第1気筒にノードID「2」が割り当てられたインジェクタが取り付けられ、第2気筒にノードID「1」が割り当てられたインジェクタが取り付けられてしまった場合を考える。
この場合、電子制御装置は、第1気筒のインジェクタの特性値として、第2気筒に取り付けられたノードID「1」のインジェクタから、第2気筒のインジェクタの特性値を読み出し、この特性値に基づいて第1気筒のインジェクタを制御することになり、制御に支障が生じる。
また、同様の問題は、センサによる物理量の計測結果を表すセンサ信号の電子制御装置への入力が、通信線を介さずにアナログ入力により行われる場合にも生じる。例えば、通信線とは別に、センサ信号伝送のための信号線が、駆動装置毎に設けられている場合を考える(図1参照)。
この場合、駆動装置が内蔵するセンサと電子制御装置との接続関係は、信号線により物理的に定められるものの、駆動装置が内蔵するメモリと電子制御装置との接続関係は、ノードIDにより論理的に定められる。
このため、第一の信号線に、ノードID「1」の駆動装置が内蔵するセンサを接続し、第二の信号線に、ノードID「2」の駆動装置が内蔵するセンサを接続すべきシステムで、誤って、第一の信号線に、ノードID「2」の駆動装置が内蔵するセンサを接続し、第二の信号線に、ノードID「1」の駆動装置が内蔵するセンサを接続してしまうと、電子制御装置は、第二の信号線に接続されたノードID「1」の駆動装置から通信線を介して取得した特性値によって、第一の信号線に接続されたノードID「2」の駆動装置から当該信号線を介して入力されたセンサ信号を補正することになり、センサにより計測される物理量を、正確に補正することができなくなるといった問題が生じる。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、上記駆動装置等に代表される通信機能付センサ装置を備える制御システムであって、通信機能付センサ装置が内蔵する通信デバイスが電子制御装置に対してバス接続され、通信機能付センサ装置が内蔵するセンサが電子制御装置に対して個別の信号線で接続されるシステムにおいて、予めノードIDが設定された通信機能付センサ装置の取付間違いにより、不都合が生じるのを防止することを目的とする。
本発明者らは、ノードIDを用いた通信をしない手法、又は、ノードIDを用いた通信をするにしても、通信機能付センサ装置の電子制御装置への物理的な接続が完了してから、ノードIDを通信機能付センサ装置に付与する手法を採用すれば、上記目的を達成できることを想到するに至り、次の発明をするに至った。
尚、本発明は、センサ及び通信デバイスを内蔵する通信機能付センサ装置を複数備えると共に、通信機能付センサ装置の夫々が備える通信デバイスと共通の通信線を介してバス接続され、通信機能付センサ装置の夫々と通信可能な電子制御装置、を備える制御システムであって、電子制御装置が、センサの出力信号であるセンサ信号を伝送するための信号線であって、上記通信機能付センサ装置毎に個別に設けられた信号線を介して、通信機能付センサ装置の夫々が備えるセンサと接続され、通信機能付センサ装置の夫々から出力されるセンサ信号が、上記通信機能付センサ装置毎に個別の信号線を通じて、電子制御装置に入力される制御システムを前提としたものである。
具体的に、本発明の制御システムは、通信データの宛先とする通信機能付センサ装置に繋がる信号線を、第一の状態に設定し、通信データの宛先としない通信機能付センサ装置に繋がる信号線を、第一の状態とは異なる第二の状態に設定した状態で、通信機能付センサ装置に通信線を介して通信データを送信する送信制御手段を電子制御装置に備え、電子制御装置から通信機能付センサ装置へは、信号線の状態を切り替えることにより、通信データの宛先を伝達する。
一方、通信機能付センサ装置は、自装置に内蔵されたセンサと電子制御装置とを結ぶ信号線の状態を判定し、この判定結果に従って、自装置の信号線が第一の状態にあるときには、通信デバイスが受信した通信データを受け付けて、当該通信データに基づく処理を実行し、自装置の信号線が第二の状態にあるときには、通信デバイスが受信した通信データを破棄する受信制御手段、を備える。
通信線を各通信機能付センサ装置共通のものとする場合には、電子制御装置から送信された通信データが、上記通信線に接続された全ての通信機能付センサ装置で受信されることになる。このため、従来技術によれば、宛先のノードIDを付して通信データを送信しなければ、特定の通信機能付センサ装置に向けて通信データを送信することができなかった。
これに対し、本発明では、通信機能付センサ装置毎に個別に設けられた信号線の状態を切り替えることにより、電子制御装置から通信機能付センサ装置に対して、通信データの宛先を通知するようにし、ノードIDを用いずとも、電子制御装置から特定の通信機能付センサ装置に向けて通信データを送信することができるようにした。
従って、本発明によれば、制御システムを構築するに当たり、予め通信機能付センサ装置にノードIDを割り当てておく必要がなく、通信機能付センサ装置の取付間違いにより、不都合が生じるのを防止することができる。
尚、本発明の制御システムにおいて、送信制御手段は、信号線の状態として、信号線の電気的な状態を切り替える構成にすることができ、具体的には、信号線の電位を切り替える構成にすることができる。但し、信号線の電位等の切り替えによって、上記信号線の状態を切り替える場合には、通信データを送信するに当たり、センサ信号の伝送が、信号線を介して行われていると、都合が悪い。
従って、電子制御装置には、送信制御手段の動作に先駆けて、通信機能付センサ装置に対し、信号線へのセンサ信号の出力を停止するように要求する停止要求データを、通信線を介して送信する停止要求手段を設けると共に、通信機能付センサ装置の夫々には、通信デバイスが停止要求データを受信すると、センサから信号線へのセンサ信号の出力を停止する出力停止手段、を設けるのが好ましい。
即ち、電子制御装置が備える上記センサ線の状態によって宛先を指定する送信制御手段は、通信機能付センサ装置の夫々に対応する信号線において、信号線を通じたセンサ信号の電子制御装置への入力が停止した後、動作する構成にされるのが好ましい(請求項2)。
このように電子制御装置及び通信機能付センサ装置を構成すれば、センサ信号の信号線を用いて、簡単な手順で、電子制御装置から通信機能付センサ装置に対して、通信データの宛先の情報を伝達することができ、ノードIDを用いる必要がない。従って、通信機能付センサ装置の取付間違いにより、不都合が生じるのを、簡素な構成で実現することができる。
ところで、上記制御システムおいては、ノードIDを通信機能付センサ装置に割り当てなくとも、電子制御装置から各通信機能付センサ装置に対して個別に通信データを送信することが可能であるが、上記手法では、信号線の状態切替が必要である。従って、上記制御システムは、一旦、上記手法で、各通信機能付センサ装置にノードIDを割り当てた後、ノードIDを用いて従来と同様の手法により、各通信機能付センサ装置と通信するように、構成されるのが好ましい。
即ち、電子制御装置が備える送信制御手段は、上記手法で、通信機能付センサ装置の一つを宛先に選択し、通信データとして、宛先とする通信機能付センサ装置に対し、ノードIDを設定するように要求するデータであって、通信機能付センサ装置に付与するノードIDの情報を含む設定要求データを送信する処理を、通信線に接続された複数の通信機能付センサ装置の夫々を宛先として個別に実行する構成にされるのが好ましい。
また、通信機能付センサ装置の夫々が備える受信制御手段は、設定要求データを通信デバイスが受信すると、判定結果に従って、自装置の信号線が第一の状態にあるときには、通信データに基づく処理として、通信デバイスが受信した設定要求データが表すノードIDを、自装置のノードIDとして設定する処理を実行する構成にされるのが好ましい。
また、上記構成を前提として、電子制御装置は、送信制御手段に加えて、宛先とする通信機能付センサ装置のノードIDを付してなる通信データを、通信線を介して、通信機能付センサ装置に送信する主送信制御手段を備え、通信機能付センサ装置の夫々は、受信制御手段に加えて、宛先とする通信機能付センサ装置のノードIDが付された通信データを、通信デバイスが受信すると、当該通信データに付されたノードIDが自装置のノードIDと一致するか否かを判定し、信号線の状態に拘らず、この判定結果に従って、ノードIDが一致する場合には、通信デバイスが受信した通信データを受け付けて、当該通信データに基づく処理を実行し、ノードIDが一致しない場合には、通信デバイスが受信した通信データを破棄する主受信制御手段を備える構成にされるのが好ましい(請求項3)。
このように電子制御装置及び通信機能付センサ装置を構成して、送信制御手段により通信線に接続された通信機能付センサ装置の夫々に対してノードIDが設定された後には、当該ノードIDを用いて、主送信制御手段により、通信線に接続された通信機能付センサ装置に通信データを送信するように制御システムを構成すれば、電子制御装置及び通信機能付センサ装置間で通信を行う度に、信号線の状態切替を行う必要がない。
また、本発明によれば、電子制御装置と通信機能付センサ装置との物理的な接続が完了した後に、通信機能付センサ装置に対してノードIDを割り当てるので、従来技術のような、通信機能付センサ装置の取付間違いが生じることがなく、取付間違いによる不都合の発生を防止することができる。
尚、上述した制御システムの発明は、請求項4〜請求項6記載のように、電子制御装置単体の発明、及び、通信機能付センサ装置単体の発明として構成することができる。また、上述した各手段は、プログラムにより、コンピュータに実現させることが可能である。
以下に本発明の実施例について、図面と共に説明する。図1は、本発明が適用されたインジェクタ駆動システム1の全体構成を表すブロック図である。
本実施例のインジェクタ駆動システム1は、4気筒エンジンを駆動する車両に搭載されたものであり、気筒毎のインジェクタ10と、各インジェクタ10を駆動する電子駆動装置(EDU)30と、インジェクタ10の燃料噴射制御を行う電子制御装置50と、を備える。
インジェクタ駆動システム1を構成する気筒毎のインジェクタ10は、燃料噴射圧力を計測する圧力センサ11を内蔵すると共に、センサ特性値やインジェクタ特性値を記憶保持する電気的にデータ書換可能な不揮発性メモリとしてのEEPROM13を内蔵する。
更に、このインジェクタ10は、EEPROM13に記憶された上記特性値を、電子制御装置50に送信したり、電子制御装置50から送信されてきた上記特性値についての学習値をEEPROM13に書き込むことにより、EEPROM13が記憶する特性値を更新したりする機能を有する。
具体的に、インジェクタ10は、各気筒に共通の通信線(バス)LCに接続された通信ドライバ15と、送信対象の通信データを生成して通信ドライバ15に出力すると共に、通信ドライバ15が受信した通信データに基づく処理を行う通信処理部17とを備える。
各インジェクタ10に搭載された通信ドライバ15は、電子制御装置50に対し通信線LCを介してバス接続されており、各インジェクタ10に搭載された通信ドライバ15は、通信線LCを介して受信した通信データを、自装置の通信処理部17に入力すると共に、自装置の通信処理部17から入力された送信対象の通信データを、通信線LCに出力することで、インジェクタ10−電子制御装置50間の通信を実現する。
また、通信線LCは、インジェクタ10−電子制御装置50間で、上記特性値を送受信するために用いられ、各インジェクタ10が備える圧力センサ11の出力信号であって圧力の計測結果を表すセンサ信号の伝送は、本実施例において、通信線LCとは別系統で行われる。
詳述すると、本実施例のインジェクタ駆動システム1は、圧力センサ11から出力されるセンサ信号を、アナログ信号にて、インジェクタ10毎に個別のセンサ出力線LSを通じて電子制御装置50に入力する構成にされている。
即ち、本実施例のインジェクタ駆動システム1は、圧力センサ11と電子制御装置50とを結ぶ信号線であって、圧力センサ11からのセンサ信号を電子制御装置50に伝送するためのセンサ出力線LSを、圧力センサ11毎に有し、各インジェクタ10が内蔵する圧力センサ11のセンサ信号は、このセンサ出力線LSを通じて、電子制御装置50に入力される。
一方、電子制御装置50は、各気筒のインジェクタ10の通信ドライバ15に繋がる通信線LCに接続された通信ドライバ51と、通信ドライバ51を通じたインジェクタ10との通信処理を実行すると共に、インジェクタ10の燃料噴射制御を実行するマイクロコンピュータ53と、を備える。
この電子制御装置50において、マイクロコンピュータ53は、通信線LC及びセンサ出力線LSとは別の制御線を通じて、電子駆動装置30に対し、噴射信号(換言すればインジェクタ駆動信号)を入力することにより、燃料噴射制御を実現する。
尚、このマイクロコンピュータ53には、各インジェクタ10のセンサ出力線LSが、当該センサ出力線LSの状態を切り替えるための状態切替回路55を介して、接続されており、マイクロコンピュータ53は、状態切替回路55を介して、センサ出力線LSの状態を切り替えることにより、センサ出力線LSに接続されたインジェクタ10に対し、そのインジェクタ10が通信データの宛先であることを通知する構成にされている(詳細後述)。
即ち、状態切替回路55は、マイクロコンピュータ53に制御されて、センサ出力線LSの状態を切り替える構成にされている。具体的には、センサ出力線LSの電位を、High又はLow(0V)に切り替える。
また、マイクロコンピュータ53には、各気筒のセンサ出力線LSに対応するA/D変換器53a(図2参照)が内蔵されており、状態切替回路55を通じてセンサ出力線LSから電子制御装置50に入力されるセンサ信号は、このA/D変換器53aにてディジタル信号に変換され、マイクロコンピュータ53が実行する燃料噴射制御に用いられる。
尚、電子制御装置50に入力される各圧力センサ11のセンサ信号が示す計測値は、マイクロコンピュータ53が対応するインジェクタ10から通信線LCを介して読み出したセンサ特性値に基づいて補正されて、燃料噴射制御に用いられる。
図2は、インジェクタ駆動システム1を構成するインジェクタ10及び電子制御装置(ECU)30の詳細構成を表すブロック図である。
図2に示すように、インジェクタ10が内蔵する圧力センサ11は、センサ本体11aと、センサ出力線LSに接続された出力切替回路11bと、からなり、出力切替回路11bは、通信処理部17からトランジスタTr2のベースにLow信号が入力されているときには、センサ本体11aから出力されるセンサ信号をトランジスタTr3のコレクタを通じてセンサ出力線LSに伝送する一方、通信処理部17からトランジスタTr2のベースにHigh信号が入力されているときには、センサ本体11aの出力端を接地し、トランジスタTr3をオフに設定することで、センサ出力線LSをセンサ本体11aに対して遮断すると共に、電源電圧がセンサ出力線LSに出力される状態する構成にされている。
具体的に、通信処理部17は、通信線LCを通じて通信ドライバ15がウェイクアップ(WakeUP)命令を受信することにより、通信ドライバ15から転送される上記ウェイクアップ命令に従って、トランジスタTr2へのベース信号をLow信号からHigh信号に切り替えてトランジスタTr2をオンに設定し、通信線LCを通じて通信ドライバ15がスリープ(Sleep)命令を受信すると、トランジスタTr2へのベース信号をHigh信号からLow信号に切り替えてトランジスタTr2をオフに設定する機能を有する。
以下では、トランジスタTr2がオンされて、センサ出力線LSがセンサ本体11aと遮断された状態を、センサ出力線LSが「センサ非出力状態」にあると表現し、トランジスタTr2がオフされて、センサ出力線LSにセンサ本体11aからのセンサ信号が伝送されている状態を、センサ出力線LSが「センサ出力状態」にあると表現する。
この他、インジェクタ10には、図2に示すように、センサ出力線LSに接続された比較器19が設けられており、比較器19は、所定電圧との比較により、センサ出力線LSの電位のHigh/Lowを判定し、その判定結果を、通信処理部17に入力する構成にされている。
尚、センサ出力線LSの電位は、電子制御装置50が、ウェイクアップ命令の送信後、状態切替回路55のトランジスタTr1をオン/オフすることにより、Low/Highに切り替えられる。このセンサ出力線LSの状態切替により、本実施例では、電子制御装置50からインジェクタ10に対して、通信データの宛先が通知される。
図2に示すように、電子制御装置50は、状態切替回路55として、マイクロコンピュータ53からトランジスタTr1のベースにHigh信号が入力されるとトランジスタTr1をオンして、センサ出力線LSの電位をLow(0V)に設定し、マイクロコンピュータ53からトランジスタTr1のベースにLow信号が入力されるとトランジスタTr1をオフして、センサ出力線LSを伝送するセンサ信号がマイクロコンピュータ53に入力される状態にする回路を有する。
インジェクタ10のトランジスタTr2がオンにされた状態では、電子制御装置50のトランジスタTr1がオンからオフに切り替わると、センサ出力線LSの電位がLowからHighに切り替わることになり、このような電位の変化は、インジェクタ10において、上記比較器19により検知される。
続いて、インジェクタ10の通信処理部17が実行する通信制御処理について、図3を用いて説明する。通信処理部17は、通信ドライバ15を通じてウェイクアップ命令を受信すると、図3に示す通信制御処理を開始する。
図3に示す通信制御処理を開始すると、通信処理部17は、ウェイクアップ命令に従う処理として、自装置の圧力センサ11に繋がるセンサ出力線LSを、「センサ出力状態」から「センサ非出力状態」に切り替えるウェイクアップ処理を実行する(S110)。
具体的に、ウェイクアップ処理では、出力切替回路11bのトランジスタTr2に対する入力信号を、Low信号からHigh信号に切り替えることにより、自装置のセンサ出力線LSを「センサ非出力状態」に切り替える。
また、この処理を終えると、通信処理部17は、S120に移行し、通信ドライバ15を通じて電子制御装置50から、スリープ命令又はID設定命令又はRead命令又はWrite命令を受信するまで待機する(S120,S130,S140)。
そして、スリープ命令を受信すると(S120でYes)、当該スリープ命令に従う処理として、自装置の圧力センサ11に繋がるセンサ出力線LSを、「センサ非出力状態」から「センサ出力状態」に切り替えるスリープ処理を実行する(S125)。
具体的に、スリープ処理では、出力切替回路11bのトランジスタTr2に対するベース信号を、High信号からLow信号に切り替えることにより、自装置のセンサ出力線LSを「センサ出力状態」に切り替える。その後、当該通信制御処理を終了する。
一方、ID設定命令を受信すると(S130でYes)、通信処理部17は、受信したID設定命令が自装置を宛先とするID設定命令であるか否かを、自装置のセンサ出力線LSの状態によって判断する(S133)。尚、ID設定命令は、ノードIDを設定するように要求する通信データであって、設定すべきノードIDの情報を含む通信データである。
S133では、比較器19からセンサ出力線LSの電位がLowであることを示す信号(判定結果)が入力されている場合、受信したID設定命令が自装置を宛先とするID設定命令であると判断し(S133でYes)、ID設定命令が上記「設定すべきノードID」として示すノードIDを、自装置のノードIDとして設定する(S137)。例えば、EEPROM13に、自装置のノードIDを書き込む処理を行う。その後、S120に移行して、次の命令が入力されるまで待機する。
一方、比較器19からセンサ出力線LSの電位がHighであることを示す信号が入力されている場合、受信したID設定命令が自装置を宛先とするID設定命令ではないと判断して(S133でNo)、S137の処理を実行せずに、S120に移行する。即ち、通信処理部17は、受信したID設定命令に従う処理を実行せずに、破棄する。
この他、Read命令又はWrite命令を受信すると(S140でYes)、通信処理部17は、S143に移行し、受信したRead命令又はWrite命令が自装置を宛先とする命令であるか否かを、命令に宛先情報として付されたノードIDに基づいて判断する。尚、Read命令は、EEPROM13からのデータ読み出しを命令する通信データであり、Write命令は、当該Write命令に内包された書込対象のデータを、EEPROM13に書き込むように命令する通信データである。これらRead命令/Write命令には、電子制御装置50からの送信時に、宛先(命令先)のノードIDの情報が付与される。
即ち、S143では、命令に宛先情報として付されたノードIDが、自装置のノードIDと一致するか否かによって、受信した命令が自装置宛の命令であるか否かを判断し、自装置宛の命令であると判断すると(S143でYes)、受信した命令に従う処理を実行する(S147)。
例えば、受信した命令がRead命令である場合には、当該命令にて指定された読出対象のデータを、EEPROM13から読み出し、読み出したデータを、通信ドライバ15を通じて、電子制御装置50に送信する処理を行う。一方、受信した命令がWrite命令である場合には、当該命令に内包された書込対象のデータを、EEPROM13に書き込む処理を行う。
このようにして、本実施例のインジェクタ10は、EEPROM13に記憶された特性値を電子制御装置50に送信すると共に、電子制御装置50から入力された学習値を、EEPROM13に書き込む処理を行う。
また、S147での処理を終えると、通信処理部17は、S120に移行して、次の命令が入力されるまで待機する。
一方、S143で自装置宛の命令ではないと判断すると(S143でNo)、通信処理部17は、S147の処理を実行せずに、S120に移行することにより、受信した命令を破棄する。
続いて、電子制御装置50のマイクロコンピュータ53が実行する初期処理について、図4を用いて説明する。図4は、マイクロコンピュータ53が実行する初期処理を表すフローチャートである。この初期処理は、各気筒のインジェクタ10に対してノードIDを付与し、通信系統のセットアップをするのに用いられる。
例えば、電子制御装置50は、この初期処理を、電子制御装置50の起動毎に実行する構成にすることができる。この他、電子制御装置50は、起動毎に初期処理を実行するのではなく、外部から初期セットアップの実行指令が入力されたこと契機に、初期処理を実行する構成にされてもよい。
図4に示す初期処理を開始すると、マイクロコンピュータ53は、まずS200にて、図5に示すID割当処理を実行する。図5は、マイクロコンピュータ53が実行するID割当処理を表すフローチャートである。
ID割当処理を開始すると、マイクロコンピュータ53は、通信線LCに対し、通信ドライバ51を通じて上記ウェイクアップ命令を出力することにより、通信線LCに接続された各インジェクタ10に対してウェイクアップ命令を送信する(S210)。
この処理を終えると、各インジェクタ10のセンサ出力線LSから入力される信号(電位)に基づき、各気筒のセンサ出力線LSが全て「センサ非出力状態」に遷移したか否かを判断し(S220)、全センサ出力線LSが「センサ非出力状態」に遷移するか、ウェイクアップ命令の送信時から予め定められた待機時間が経過するまで待機する(S220,S225)。
そして、全センサ出力線LSが「センサ非出力状態」に遷移せずに待機時間が経過すると(S225でYes)、エラーが生じたものとして、当該ID割当処理を終了する(タイムアウト処理)。
一方、待機時間が経過するまでの期間に、全センサ出力線LSが「センサ非出力状態」に遷移すると(S220でYes)、S231に移行し、第1気筒のセンサ出力線LSに接続されたインジェクタ10に対してノードIDとして値「1」を付与するための処理を実行する(S231,S233,S235)。
具体的には、S231で、第1気筒のセンサ出力線LSに接続された状態切替回路55のトランジスタTr1に入力するベース信号をLow信号からHigh信号に切り替えることにより、第1気筒のセンサ出力線LSの電位をLowに切り替え、その後、設定すべきノードIDとして値「1」を記したID設定命令を、通信ドライバ51を通じて通信線LCに出力する(S233)。
尚、気筒毎の状態切替回路55には、初期状態でマイクロコンピュータ53からトランジスタTr1のベースに対してLow信号が入力されているため、上記ID設定命令の送信時点では、図6に示すように、第1気筒のセンサ出力線LSのみがLowに設定され、他のセンサ出力線LSは、全てHighに設定された状態である。
従って、上記ID設定命令をS233で送信すると、各気筒のインジェクタ10の内、第1気筒のセンサ出力線LSに接続されたインジェクタ10のみが、通信ドライバ15を通じて受信したID設定命令を自装置宛と判断して、自装置に対し、ノードID「1」を設定する動作を行うことになる。
尚、図6は、ID割当処理にてマイクロコンピュータ53から出力される命令と、各インジェクタ10の動作及びセンサ出力線LSの状態との対応関係を示したタイムチャートである。但し、当該タイムチャートにおいて、第3及び第4気筒のインジェクタ10の動作及びセンサ出力線LSの状態の描写は、省略する。
このようなID設定命令の送信後には、該当するインジェクタ10にてノードIDの設定が完了する時期を見計らって、状態切替回路55に入力する信号をHigh信号からLow信号に切り替えることにより、第1気筒のセンサ出力線LSの電位を、Highに戻す(S235)。
マイクロコンピュータ53は、このような処理手順により、第1気筒のセンサ出力線LSに接続されたインジェクタ10に対しノードIDを付与する処理を完了する。
また、S235での処理を終えると、マイクロコンピュータ53は、S241に移行して、第2気筒のセンサ出力線LSに接続されたインジェクタ10に対し、ノードIDとして値「2」を付与するための処理を実行する(S241,S243,S245)。
即ち、S241で、第2気筒のセンサ出力線LSに接続された状態切替回路55を通じて、第2気筒のセンサ出力線LSの電位をLowに切り替え、その後、設定すべきノードIDとして値「2」を記したID設定命令を、通信線LCに通信ドライバ51を通じて出力する(S243)。
尚、上述したように、S235では、S231でLowに設定した第1気筒のセンサ出力線LSの電位をHighに戻すため、S241で第2気筒のセンサ出力線LSの電位をLowに切り替えた時点では、第2気筒のセンサ出力線LS以外の各気筒のセンサ出力線LSは電位がHighの状態である。
従って、S243でID設定命令を送信すると、各気筒のインジェクタ10の内、第2気筒のセンサ出力線LSに接続されたインジェクタ10のみが、通信ドライバ15を通じて受信したID設定命令を自装置宛と判断して、自装置に対し、ノードID「2」を設定する動作を行うことになる。
マイクロコンピュータ53は、このようなID設定命令の送信後、S235での処理と同様、インジェクタ10にてノードIDの設定が完了する時期を見計らって、状態切替回路55を通じ、第2気筒のセンサ出力線LSの電位を、Highに戻す(S245)。このような処理手順により、マイクロコンピュータ53は、第2気筒のセンサ出力線LSに接続されたインジェクタ10に対してノードIDを付与する処理を完了する。
また、この処理を終えると、マイクロコンピュータ53は、S251に移行し、同様の手法で、第3気筒のセンサ出力線LSに接続されたインジェクタ10に対して、ノードIDとして値「3」を付与するための処理を実行する(S251,S253,S255)。
更に、この処理の実行後には、S261に移行して、同様の手法で、第4気筒のセンサ出力線LSに接続されたインジェクタ10に対して、ノードIDとして値「4」を付与するための処理を実行する(S261,S263,S265)。
そして、これらの処理により全気筒のインジェクタ10に対してノードIDが割り当てられると、スリープ命令を通信線LCに出力することで(S270)、通信線LCに接続された各インジェクタ10に、図3に示す通信制御処理を終了させ、当該ID割当処理を終了する。
また、S200におけるID割当処理を終了すると、マイクロコンピュータ53は、S300に移行し、S200でのID割当処理が成功したか否かを判断する。そして、ID割当処理のS225で肯定判断されてタイムアウト処理がなされている場合には、ID割当処理が失敗したと判断して(S300でNo)、再度、ID割当処理を実行する(S200)。
一方、ID割当処理に成功したと判断すると(S300でYes)、マイクロコンピュータ53は、各気筒のインジェクタ10に対して付与したノードIDを用いて、各気筒のインジェクタ10からEEPROM13に記憶されている特性値を読み出す処理を実行する。
具体的に、第i気筒(但し,i=1,2,3,4のいずれか)のインジェクタ10から特性値を読み出す際には、第i気筒のインジェクタ10に対して付与したノードID(値i)を宛先情報として付してなるRead命令であって上記特性値を読み出すためのRead命令を、通信線LCに出力することにより、ノードIDが値iである第i気筒のインジェクタ10に、Read命令を処理させて、第i気筒のインジェクタ10から通信線LCを介して、特性値を取得する(S400)。
尚、図3に示すフローチャートからも理解できるように、インジェクタ10は、ウェイクアップ処理を実行してからスリープ処理を実行するまでの期間しかRead/Write命令を受け付けない構成にされているため、S400でもRead命令を送信するのに先駆けては、ウェイクアップ命令を送信し、最後にスリープ命令をインジェクタ10に送信して、S400での処理を終える。
そして、この処理を終えると、マイクロコンピュータ53は、初期処理を終了する。尚、このようにして、マイクロコンピュータ53が各気筒のインジェクタ10から取得した特性値は、センサ信号を補正する目的及び燃料噴射制御の制御パラメータを補正する目的で、燃料噴射制御に用いられる。
以上、本実施例のインジェクタ駆動システム1について説明したが、本実施例のインジェクタ駆動システム1では、ID設定命令の宛先とするインジェクタ10に繋がるセンサ出力線LSの電位を、Lowに設定し、ID設定命令の宛先としないインジェクタ10に繋がるセンサ出力線LSの電位を、Highに保持した状態で、電子制御装置50から通信線LCにID設定命令を出力することにより、各気筒のインジェクタ10にてID設定命令が自装置宛であるか否かを判断できるようにし、ノードIDが設定されていない状態のインジェクタ10に対して、通信線LCを通じて、設定対象のノードIDを個別に指定できるようにした。
従って、本実施例のインジェクタ駆動システム1によれば、インジェクタ10を通信線LCに接続して、システムに組み込む前から、予めノードIDを各インジェクタ10に対して設定する必要がなく、各気筒のセンサ出力線LSへ誤ったノードIDのインジェクタ10を接続することによる不都合を解消することができる。
尚、本実施例によれば、原理上、インジェクタ10に対してノードIDを付与しなくても、センサ出力線LSの状態切替により、電子制御装置50から特定のインジェクタ10に対して各種命令を送信することができるので、ノードIDを付与しなくても、各インジェクタ10のEEPROM13から特性値を読み出したり、学習値をEEPROM13に書き込んだりすることができるように、システムを構成することも可能である。
しかしながら、ノードIDをインジェクタ10に付与しない場合には、通信の度、センサ出力線LSの電位を切り替える必要がある。このため、本実施例では、上記初期処理により、各インジェクタ10に対してノードIDを付与して、付与後には、電位を切り替えなくても、ノードIDを用いてソフトウェア的な処理で、電子制御装置50から特定のインジェクタ10に対して命令を送信することができるようにした。
従って、本実施例によれば、各気筒のセンサ出力線LSへ誤ったノードIDのインジェクタ10が接続されることによる不都合を解消することができると共に、ノードID付与後には、従来と同様にして簡便に、電子制御装置50−インジェクタ10間で通信を行うことができる。
尚、本発明の通信機能付センサ装置は、圧力センサ11及び通信ドライバ15を備えるインジェクタ10に対応し、信号線は、センサ出力線LSに対応する。また、送信制御手段は、電子制御装置50のマイクロコンピュータ53が実行するS231〜S265の処理により実現され、主送信制御手段は、S400の処理により実現されている。
その他、受信制御手段は、インジェクタ10の通信処理部17が実行するS133,137の処理により実現され、主受信制御手段は、通信処理部17が実行するS143,S147の処理により実現され、停止要求手段は、停止要求データとしてのウェイクアップ命令を送信するS210の処理にて実現され、出力停止手段は、インジェクタ10の通信処理部17が実行するS110の処理により実現されている。
また、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。例えば、上記実施例では、本発明を、インジェクタ駆動システム1に適用した例を紹介したが、本発明は、電子制御装置とインジェクタとをバス接続する制御システムに限らず、種々の制御システムに適用することができる。
また、上記実施例では、ノードIDを各インジェクタ10に割り当てた後、ノードIDにより宛先を指定した通信を行う際にも、センサ出力を停止するようにしたが、ノードIDにより宛先を指定した通信を行う際には、センサ出力線LSを通じてインジェクタ10に通信データの宛先を通知する必要がないので、この際には、センサ出力を停止しないようにインジェクタ駆動システム1を構成してもよい。
このようにシステムを構成すれば、ノードIDを各インジェクタ10に割り当てた後には、電子制御装置50が、各インジェクタ10からセンサ信号の入力を受けつつも、各インジェクタ10と通信を行うことができて、都合がよい。
この他、上記実施例では、電子制御装置50と電子駆動装置30とが別体に構成されたインジェクタ駆動システム1について説明したが、電子制御装置50と電子駆動装置30とは一体に構成されてもよい。
インジェクタ駆動システム1の全体構成を表すブロック図である。 インジェクタ10及び電子制御装置50の構成を表すブロック図である。 通信処理部17が実行する通信制御処理を表すフローチャートである。 マイクロコンピュータ53が実行する初期処理を表すフローチャートである。 マイクロコンピュータ53が実行するID割当処理を表すフローチャートである。 電子制御装置50及びインジェクタ10の動作並びにセンサ出力線LSの状態を表したタイムチャートである。
符号の説明
1…インジェクタ駆動システム、10…インジェクタ、11…圧力センサ、11a…センサ本体、11b…出力切替回路、13…EEPROM、15…通信ドライバ、17…通信処理部、19…比較器、30…電子駆動装置、50…電子制御装置、51…通信ドライバ、53…マイクロコンピュータ、53a…A/D変換器、55…状態切替回路、LC…通信線、LS…センサ出力線、Tr1〜Tr3…トランジスタ

Claims (6)

  1. センサ及び通信デバイスを内蔵する通信機能付センサ装置、を複数備えると共に、
    前記通信機能付センサ装置の夫々が備える前記通信デバイスと共通の通信線を介してバス接続され、当該通信線を介して前記通信機能付センサ装置の夫々と通信可能な電子制御装置、を備え、
    更に、前記電子制御装置は、前記センサの出力信号であるセンサ信号を伝送するための信号線であって、前記通信機能付センサ装置毎に個別に設けられた信号線を介して、前記通信機能付センサ装置の夫々が備える前記センサと接続された制御システムであって、
    前記電子制御装置は、通信データの宛先とする前記通信機能付センサ装置に繋がる前記信号線を、第一の状態に設定し、通信データの宛先としない前記通信機能付センサ装置に繋がる前記信号線を、前記第一の状態とは異なる第二の状態に設定した状態で、前記通信機能付センサ装置に前記通信線を介して通信データを送信する送信制御手段、を備え、
    前記通信機能付センサ装置の夫々は、自装置に内蔵された前記センサと前記電子制御装置とを結ぶ前記信号線の状態を判定し、この判定結果に従って、自装置の前記信号線が前記第一の状態にあるときには、前記通信デバイスが受信した通信データを受け付けて、当該通信データに基づく処理を実行し、自装置の前記信号線が前記第二の状態にあるときには、前記通信デバイスが受信した通信データを破棄する受信制御手段、を備えること
    を特徴とする制御システム。
  2. 前記電子制御装置は、前記送信制御手段の動作に先駆けて、前記通信機能付センサ装置に対し、前記信号線へのセンサ信号の出力を停止するように要求する停止要求データを、前記通信線を介して送信する停止要求手段、を備え、
    前記通信機能付センサ装置の夫々は、前記通信デバイスが前記停止要求データを受信すると、前記センサから前記信号線への前記センサ信号の出力を停止する出力停止手段、を備え、
    前記電子制御装置が備える前記送信制御手段は、前記通信機能付センサ装置の夫々に対応する前記信号線において、当該信号線を通じた前記センサ信号の当該電子制御装置への入力が停止した後、動作することを特徴とする請求項1記載の制御システム。
  3. 前記電子制御装置が備える前記送信制御手段は、前記通信機能付センサ装置の一つを宛先に選択し、前記通信データとして、宛先とする通信機能付センサ装置に対し、ノードIDを設定するように要求するデータであって、前記通信機能付センサ装置に付与するノードIDの情報を含む設定要求データを送信する処理を、前記通信線に接続された複数の通信機能付センサ装置の夫々に対して個別に実行する構成にされ、
    前記通信機能付センサ装置の夫々が備える前記受信制御手段は、前記設定要求データを前記通信デバイスが受信すると、前記判定結果に従って、自装置の前記信号線が前記第一の状態にあるときには、前記通信データに基づく処理として、前記通信デバイスが受信した前記設定要求データが表すノードIDを、自装置のノードIDとして設定する処理を実行し、自装置の前記信号線が前記第二の状態にあるときには、前記通信デバイスが受信した前記設定要求データを破棄する構成にされ、
    前記電子制御装置は、前記送信制御手段に加えて、
    宛先とする前記通信機能付センサ装置のノードIDを付してなる通信データを、前記通信線を介して、前記通信機能付センサ装置に送信する主送信制御手段
    を備え、
    前記通信機能付センサ装置の夫々は、前記受信制御手段に加えて、
    前記宛先とする前記通信機能付センサ装置のノードIDが付された前記通信データを、前記通信デバイスが受信すると、当該通信データに付されたノードIDが自装置のノードIDと一致するか否かを判定し、前記信号線の状態に拘らず、この判定結果に従って、ノードIDが一致する場合には、前記通信デバイスが受信した通信データを受け付けて、当該通信データに基づく処理を実行し、ノードIDが一致しない場合には、前記通信デバイスが受信した通信データを破棄する主受信制御手段
    を備えること
    を特徴とする請求項1又は請求項2記載の制御システム。
  4. センサ及び通信デバイスを内蔵する通信機能付センサ装置、の複数と通信可能な構成にされ、
    前記通信機能付センサ装置の夫々が備える前記通信デバイスとは、共通の通信線を介してバス接続され、
    前記通信機能付センサ装置の夫々が備える前記センサとは、前記センサの出力信号であるセンサ信号を伝送するための信号線であって、前記通信機能付センサ装置毎に個別に設けられた信号線を介して接続された電子制御装置であって、
    通信データの宛先とする前記通信機能付センサ装置に繋がる前記信号線を、第一の状態に設定し、通信データの宛先としない前記通信機能付センサ装置に繋がる前記信号線を、前記第一の状態とは異なる第二の状態に設定した状態で、前記通信機能付センサ装置に前記通信線を介して通信データを送信する送信制御手段
    を備えることを特徴とする電子制御装置。
  5. 前記通信機能付センサ装置に対し、前記信号線へのセンサ信号の出力を停止するように要求する停止要求データを、前記通信線を介して送信する停止要求手段
    を備え、
    前記送信制御手段は、前記通信線に接続された前記通信機能付センサ装置の夫々が前記停止要求データに応じた処理を実行することにより、前記通信機能付センサ装置の夫々に対応する前記信号線において、当該信号線を通じた前記センサ信号の当該電子制御装置への入力が停止した後、動作すること
    を特徴とする請求項4記載の電子制御装置。
  6. 前記送信制御手段は、前記通信機能付センサ装置の一つを宛先に選択し、前記通信データとして、宛先とする通信機能付センサ装置に対し、ノードIDを設定するように要求するデータであって、前記通信機能付センサ装置に付与するノードIDの情報を含む設定要求データを送信する処理を、前記通信線に接続された複数の通信機能付センサ装置の夫々に対して個別に実行する構成にされ、
    更に、当該電子制御装置は、
    宛先とする前記通信機能付センサ装置のノードIDを付してなる通信データを、前記通信線を介して、前記通信機能付センサ装置に送信する主送信制御手段
    を備え、
    前記送信制御手段により前記通信線に接続された前記通信機能付センサ装置の夫々に対してノードIDが設定された後には、前記主送信制御手段により、前記通信線に接続された前記通信機能付センサ装置に通信データを送信する構成にされていること
    を特徴とする請求項4又は請求項5記載の電子制御装置。
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