JP5776640B2 - 制御システム、電子制御装置、通信機能付センサ装置及び固有コード識別方法 - Google Patents

制御システム、電子制御装置、通信機能付センサ装置及び固有コード識別方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子制御装置と複数の通信機能付センサ装置とを備える制御システムに関する。
センサ及び通信デバイスを有する複数の通信機能付センサ装置が、共通の通信線を介して電子制御装置にバス接続されると共に、電子制御装置には、通信機能付センサ装置毎に個別に設けられた信号線を介して、各通信機能付センサ装置からのセンサ信号(センサの出力信号)が、それぞれ入力される制御システムがある(例えば、特許文献1参照)。
そして、一般に、この種の制御システムにおいて、電子制御装置は、通信相手を示すID(以下、ノードIDという)を拠り所にして、通信機能付センサ装置の何れかと通信することとなる。つまり、電子制御装置は、通信データにノードIDを付加することで、通信相手を指定し、通信機能付センサ装置の各々は、自装置のノードIDと同じノードIDが付加された通信データを取り込んで処理することとなる。
このため、電子制御装置は、「どのノードIDが、どの信号線に接続された通信機能付センサ装置のノードIDであるか」ということを表す、ID割当情報(ノードIDの割当情報)を記憶していることとなる。
ここで、特許文献1には、通信機能付センサ装置に予めノードIDを設定しておく(割り当てておく)と、通信機能付センサ装置の取り付け間違い(即ち、通信機能付センサ装置を本来接続されるべき信号線とは別の信号線に接続してしまうこと)が起きた場合に、不都合が生じることが記載されている。その不都合とは、結局は、電子制御装置が、自分の想定している通信相手とは違う通信相手と通信してしまう、ということである。
尚、「通信機能付センサ装置に予めノードIDを設定しておく」ということは、通信機能付センサ装置に予めノードIDを記憶させておく、ということだけでなく、電子制御装置にも、上記ID割当情報を予め記憶させておく、ということであり、換言すれば、制御システムにおいて、「どの信号線に、どのノードIDの通信機能付センサ装置を接続するか」ということを予め決めておく、ということである。
そして、特許文献1には、通信機能付センサ装置の取り付け間違いによる不都合を回避するための手法として、通信機能付センサ装置に予めノードIDを設定しておくのではなく、通信機能付センサ装置の電子制御装置への物理的な接続が完了してから、電子制御装置が通信機能付センサ装置の各々にノードIDを付与する手法が記載されている。
具体的には、下記(1)〜(6)の手順によって、電子制御装置から各通信機能付センサ装置にノードIDが付与される。
(1)電子制御装置は、起動すると、通信線にウェイクアップ命令を送出する。
(2)すると、通信機能付センサ装置の各々は、自装置に接続されているセンサ信号伝達用の信号線の電圧を、センサ信号の通常電圧とは異なる電源電圧にする。
(3)電子制御装置は、信号線のうち、ノードIDの付与対象が接続されている信号線の電圧を、電源電圧から強制的に0Vにすると共に、その状態で、通信線に、ノードIDを含むID設定命令を送出し、その後、信号線の電圧を電源電圧に戻す。
(4)すると、通信機能付センサ装置のうち、自装置に接続されている信号線の電圧が0Vになったと判断した通信機能付センサ装置(即ち、ノードIDの付与対象)だけが、通信線からのID設定命令を取り込み、そのID設定命令に含まれているノードIDを、自装置のノードIDとして記憶する。
(5)電子制御装置は、上記(3)の動作を、各信号線について行うことで、各通信機能付センサ装置にノードIDを付与し、その後、通信線にスリープ命令を送出する。
(6)すると、通信機能付センサ装置の各々は、信号線の電圧を、センサ信号の電圧に戻す。つまり、信号線にセンサ信号を出力する通常の状態に戻る。
特開2010−144692号公報
上記特許文献1の手法では、通信機能付センサ装置の電子制御装置への物理的な接続が完了してから、電子制御装置が通信機能付センサ装置の各々にノードIDを付与することで、通信機能付センサ装置の取り付け間違いによる不都合が生じないようにしている。電子制御装置自身によって、どのノードIDが、どの信号線に接続された通信機能付センサ装置のノードIDであるか、ということを決めることになるため、通信機能付センサ装置の取り付け間違い、ということ自体が起こらないからである。
しかし、上記特許文献1の手法では、電子制御装置が起動してから該電子制御装置による各通信機能付センサ装置へのノードIDの付与が完了するまでの間、各通信機能付センサ装置から電子制御装置への信号線の電圧が、センサ信号の通常電圧とは異なる電圧(上記の例では電源電圧)になる。よって、その間において、電子制御装置は、センサ信号を用いた制御処理を行うことができない、という欠点がある。
一方、本発明者は、通信機能付センサ装置の各々に予め固有コードを記憶させておき、電子制御装置が、自身に接続された通信機能付センサ装置に記憶されている固有コードのうち、どの固有コードが、どの信号線に接続されている通信機能付センサ装置の固有コードであるかを、識別すること(以下、この識別のことを、単に「固有コードの識別」ともいう)ができれば、特許文献1の手法と同様に、通信機能付センサ装置の取り付け間違いによる不都合を回避できることに気付いた。
電子制御装置の側で固有コードの識別ができれば、例えば、各通信機能付センサ装置の固有コードをノードIDとして用いることにより、電子制御装置と各通信機能付センサ装置との通信を実現することができ、また例えば、その固有コードをノードIDとして用いた通信により、電子制御装置から各通信機能付センサ装置に対して、固有コードとは別のノードIDを改めて付与することもできるからである。
そこで、本発明は、複数の通信機能付センサ装置が共通の通信線を介して電子制御装置にバス接続されると共に、電子制御装置には通信機能付センサ装置毎の信号線を介して各通信機能付センサ装置からのセンサ信号が入力される制御システムにおいて、電子制御装置が、各通信機能付センサ装置に記憶されている固有コードのうち、どの固有コードが、どの信号線に接続されている通信機能付センサ装置の固有コードであるかを、識別すること(固有コードの識別)を、信号線の電圧がセンサ信号の正常電圧範囲外になる期間を生じさせることなく実現すること、を目的としている。
本発明の制御システムは、センサ及び通信デバイスを有する通信機能付センサ装置を複数備えると共に、通信機能付センサ装置の各々が備える通信デバイスと共通の通信線を介してバス接続され、当該通信線を介して通信機能付センサ装置の各々と通信可能な電子制御装置を備える。そして、電子制御装置には、センサの出力信号であるセンサ信号を伝送するための信号線であって、通信機能付センサ装置毎に個別に設けられた信号線を介して、通信機能付センサ装置の各々が備えるセンサからのセンサ信号が入力される。
ここで、本発明の制御システムにおいて、通信機能付センサ装置の各々は、その通信機能付センサ装置に固有の固有コードが記憶された固有コード記憶手段を備える。つまり、通信機能付センサ装置の各々には固有コードが記憶されている。
そして、電子制御装置では、固有コード要求手段が、通信機能付センサ装置に対して固有コードを要求する固有コード要求命令を、通信線に送出する。
また、通信機能付センサ装置の各々では、通信デバイスにより前記固有コード要求命令が受信されると、固有コード送信手段が、自装置の固有コード(即ち、固有コード記憶手段に記憶されている固有コード)を、通信線を介して電子制御装置に送信する。
すると、電子制御装置では、通信機能付センサ装置の各々から、固有コード要求命令に応答して送信されてくる固有コードを、固有コード記憶手段が記憶手段に記憶する。
更に、電子制御装置では、応答要求手段が、固有コード記憶手段により記憶手段に記憶された前記固有コードの各々について、その固有コードを含む応答要求命令を、通信線に送出する。
また、通信機能付センサ装置の各々では、通信デバイスにより前記応答要求命令が受信されると、応答出力手段が、その受信された応答要求命令に含まれている固有コードが、自装置の固有コードと一致するか否かを判定し、その両方の固有コードが一致する場合には、自装置と電子制御装置とを結ぶ信号線に出力されるセンサ信号に、所定周波数の信号を重畳する。
そして、電子制御装置では、応答要求手段が前記応答要求命令を送出する毎に、識別手段が動作する。そして、その識別手段は、信号線の電圧を監視して、信号線のうち、センサ信号に前記所定周波数の信号が重畳された信号線を特定し、応答要求手段により今回送出された応答要求命令に含まれた固有コードが、その特定した信号線に接続されている通信機能付センサ装置の固有コードであることを表す識別結果情報を、記憶手段に記憶する。換言すれば、識別手段は、応答要求手段により今回送出された応答要求命令に含まれた固有コードが、前記特定した信号線に接続されている通信機能付センサ装置の固有コードであると識別して、その識別結果を表す識別結果情報を、記憶手段に記憶する。
このため、識別手段により記憶手段に記憶される識別結果情報は、信号線に接続されている各通信機能付センサ装置の固有コードのうち、どの固有コードが、どの信号線に接続されている通信機能付センサ装置の固有コードであるかを、識別した結果(即ち、固有コードの識別結果)に該当する。
このような制御システムによれば、各通信機能付センサ装置は、電子制御装置からの応答要求命令に対して、信号線へのセンサ信号に所定周波数の信号を重畳させることで応答するため、信号線の電圧がセンサ信号の正常電圧範囲外になる期間を生じさせることなく、電子制御装置側で固有コードの識別を行うことができる。
そして、電子制御装置において、処理手段が、信号線の電圧から前記所定周波数の信号を除去した結果を用いて、特定の制御処理を行えば、固有コードの識別が完了する前であっても、通信機能付センサ装置からのセンサ信号を用いた特定の制御処理を行うことができる。
尚、前述したように、電子制御装置の側で固有コードの識別ができれば、例えば、各通信機能付センサ装置の固有コードをノードIDとして用いることにより、電子制御装置と各通信機能付センサ装置との通信を実現することができ、また例えば、その固有コードをノードIDとして用いた通信により、電子制御装置から各通信機能付センサ装置に対して、固有コードとは別のノードIDを改めて付与することもできる。
よって、通信機能付センサ装置の取り付け間違い、ということ自体が起こらなくなり、延いては、通信機能付センサ装置の取り付け間違いによって電子制御装置が自分の想定している通信相手とは違う通信相手と通信してしまう、といった不都合を回避することができる。
また、前述した固有コード要求手段、固有コード記憶手段、応答要求手段及び識別手段を備える電子制御装置によれば、本発明の制御システムを構成することができる。
また、前述した固有コード記憶手段、固有コード送信手段及び応答出力手段を備える通信機能付センサ装置によれば、本発明の制御システムを構成することができる。
一方、本発明の固有コード識別方法が用いられる制御システムは、センサ及び通信デバイスを有する通信機能付センサ装置を複数備えると共に、通信機能付センサ装置の各々が備える通信デバイスと共通の通信線を介してバス接続され、当該通信線を介して通信機能付センサ装置の各々と通信可能な電子制御装置を備える。そして、電子制御装置には、センサの出力信号であるセンサ信号を伝送するための信号線であって、通信機能付センサ装置毎に個別に設けられた信号線を介して、通信機能付センサ装置の各々が備えるセンサからのセンサ信号が入力される。更に、通信機能付センサ装置の各々は、その通信機能付センサ装置に固有の固有コードが記憶された固有コード記憶手段を備える。
そして、本発明の固有コード識別方法は、通信機能付センサ装置の各々が備える固有コード記憶手段に記憶された固有コードのうち、どの固有コードが、どの信号線に接続されている通信機能付センサ装置の固有コードであるかを、電子制御装置が識別するための方法である。
本発明の固有コード識別方法では、まず、電子制御装置が、通信機能付センサ装置に対して固有コードを要求する固有コード要求命令を、通信線に送出する固有コード要求手順を行う。
そして、通信機能付センサ装置の各々は、通信デバイスにより固有コード要求命令が受信されると、自装置の固有コード(即ち、固有コード記憶手段に記憶されている固有コード)を、通信線を介して電子制御装置に送信する固有コード送信手順を行う。
次に、電子制御装置は、通信機能付センサ装置の各々から、固有コード要求命令に応答して送信されてくる固有コードを、記憶手段に記憶する固有コード記憶手順と、その固有コード記憶手順によって記憶手段に記憶された固有コードの各々について、その固有コードを含む応答要求命令を、通信線に送出する応答要求手順と、を行う。
そして、通信機能付センサ装置の各々は、通信デバイスにより前記応答要求命令が受信されると、当該応答要求命令に含まれている固有コードが、自装置の固有コードと一致するか否かを判定し、その両方の固有コードが一致する場合には、自装置と前記電子制御装置とを結ぶ信号線に出力されるセンサ信号に、所定周波数の信号を重畳する応答出力手順を行う。
そして更に、電子制御装置は、応答要求手順により応答要求命令を送出する毎に、信号線の電圧を監視して、信号線のうち、センサ信号に前記所定周波数の信号が重畳された信号線を特定し、応答要求手順により今回送出した応答要求命令に含まれた固有コードが、その特定した信号線に接続されている通信機能付センサ装置の固有コードであると識別する識別手順を行う。
このような固有コード識別方法は、本発明の制御システムによって実施される方法である。よって、本発明の制御システムによって得られる前述の効果を奏する。
実施形態の燃料噴射制御システムを表す構成図である。 電子制御装置(以下、ECUという)とインジェクタの構成を表す構成図である。 燃料圧力センサとセンサ出力回路の構成を表す構成図である。 インジェクタにて実行される応答処理を表すフローチャートである。 ECUにて実行される固有コード識別処理を表すフローチャートである。 固有コード識別処理及び応答処理の作用を表すタイムチャートである。 ECUにて実行されるID付与処理を表すフローチャートである。 ID設定命令を説明する説明図である。 インジェクタにて実行されるID記憶処理を表すフローチャートである。
以下に、本発明が適用された実施形態の燃料噴射制御システムについて説明する。尚、本実施形態の燃料噴射制御システムは、例えば、車両(自動車)のディーゼルエンジンへの燃料噴射を制御するものである。
図1に示すように、本実施形態の燃料噴射制御システム10は、内燃機関としてのエンジン13の各気筒(本実施形態では4つの気筒)#1〜#4に対応して設けられたインジェクタIJ1〜IJ4と、インジェクタIJ1〜IJ4を制御することにより、エンジン13への燃料噴射を制御するECU(電子制御装置)11とを備えている。
尚、本実施形態において、インジェクタIJ1〜IJ4は、内蔵のアクチュエータ14(図2参照)として、例えばソレノイドを有し、そのソレノイドへの通電によって開弁する(即ち、噴射口を開く)電磁弁式のものであるが、インジェクタIJ1〜IJ4は、アクチュエータ14として、ピエゾアクチュエータを有したものでも良い。
各インジェクタIJ1〜IJ4には、燃料の蓄圧容器であるコモンレール15から伸びた燃料供給用配管17がそれぞれ接続されている。また、コモンレール15には、車両の燃料タンク19に貯留された燃料が、燃料ポンプ21によって圧送される。そして、各インジェクタIJ1〜IJ4は、コモンレール15に蓄えられた高圧の燃料が上記燃料供給用配管17を介して供給されると共に、内蔵のアクチュエータ14が駆動されることにより開弁して、燃料を自身の噴射口(図示省略)から気筒#1〜#4に噴射する。尚、燃料ポンプ21は、例えば、エンジン13のクランク軸の回転により駆動されてポンプ動作を行う機関駆動式の高圧ポンプである。
更に、各インジェクタIJ1〜IJ4において、燃料供給用配管17に接続される部分(即ち、インジェクタIJ1〜IJ4の燃料取込口)には、その位置の燃料圧力(いわゆるインレット圧)を検出する燃料圧力センサ22がそれぞれ設けられている。このため、燃料圧力センサ22によって検出される燃料圧力は、その燃料圧力センサ22が設けられているインジェクタIJn(nは1〜4の何れかであり、以下でも同様)に供給される燃料の圧力であると共に、インジェクタIJnの燃料噴射動作によって変動する。尚、以下の説明において、燃料圧力とは、特に断らなければ、燃料圧力センサ22によって検出される燃料圧力のことであり、インジェクタIJ1〜IJ4の燃料取込口の燃料圧力のことである。
そして、燃料圧力センサ22の出力信号であるセンサ信号(即ち、燃料圧力センサ22によって検出された燃料圧力を表すアナログ信号であり、以下、燃料圧力信号という)が、各インジェクタIJ1〜IJ4から、該インジェクタIJ1〜IJ4毎に個別に設けられた燃料圧力信号伝達用の信号線(以下、センサ線という)LS1〜LS4を介して、ECU11にパラレルに入力される。
また、インジェクタIJ1〜IJ4は、共通の通信線LCを介してECU11にバス接続されている。そして、ECU11と各インジェクタIJ1〜IJ4は、その通信線LCを介してデータ通信するようになっている。
更に、ECU11から各インジェクタIJ1〜IJ4には、アクチュエータ14を駆動するための駆動信号が、インジェクタIJ1〜IJ4毎に個別に設けられた駆動信号伝達用の信号線(以下、駆動線という)LD1〜LD4を介して供給される。
尚、駆動線LDnは、センサ線LSnとセットになっており、気筒#nに取り付けられたインジェクタIJnに、センサ線LSnと共にコネクタ(図示省略)を介して接続される。そして、インジェクタIJnでは、駆動線LDnを介して供給される駆動信号がアクティブレベル(本実施形態では例えばハイ)になっている間、アクチュエータ14が駆動されて燃料の噴射口が開く。
また、ECU11には、エンジン13の運転状態を検出するための他のセンサからの信号も入力される。他のセンサとしては、例えば、周知のクランク角センサ23及びカム角センサ24や、エンジン13への吸入空気量を検出する吸気量センサや、エンジン13の冷却水温を検出する水温センサや、アクセル踏み込み量センサや、空燃比センサ等がある。
次に、ECU11と各インジェクタIJ1〜IJ4の構成について、図2を用い説明する。
図2に示すように、ECU11は、燃料噴射に関する様々な処理を行うマイコン25と、マイコン25が通信線LCを介してインジェクタIJ1〜IJ4と通信するための通信ドライバ27と、データの書き換えが可能な不揮発性メモリ(本実施形態では例えばEEPROM)29と、センサ線LS1〜LS4の各々に対して設けられたフィルタ回路31−1,31−2,31−3,31−4と、マイコン25から指令信号に応じて、各インジェクタIJ1〜IJ4の駆動線LD1〜LD4に駆動信号を出力する出力回路33と、を備えている。
フィルタ回路31−1〜31−4は、センサ線LS1〜LS4の電圧(即ち、センサ線LS1〜LS4を介して入力される燃料圧力信号)から、高周波ノイズを除去するアナログのローパスフィルタであり、例えば、抵抗とコンデンサ等によって構成されている。そして、ECU11では、フィルタ回路31−1〜31−4の各々を通過した燃料圧力信号が、マイコン25に入力される。
マイコン25は、プログラムを実行するCPU41と、実行対象のプログラム等が記憶されたROM42と、CPU41による演算結果等が記憶されるRAM43と、AD変換器(ADC)44と、を備えている。
AD変換器44には、フィルタ回路31−1〜31−4を通過した各燃料圧力信号が入力される。そして、AD変換器44は、その各燃料圧力信号を、CPU41によって指示される一定時間毎にAD変換する。
更に、マイコン25は、センサ線LS1に対して、カットオフ周波数が異なる2種類のデジタルローパスフィルタ(以下、LPFという)45−1,46−1を備えており、同様に、センサ線LS2〜LS4の各々に対しても、カットオフ周波数が異なる2種類のLPF45−2〜45−4,46−2〜46−4を備えている。
LPF45−1〜45−4は、後述する所定周波数Fsよりもカットオフ周波数が低いローパスフィルタである。また、LPF46−1〜46−4は、所定周波数Fsよりもカットオフ周波数が高いローパスフィルタである。
尚、LPF45−1〜45−4のカットオフ周波数をf1とし、LPF46−1〜46−4のカットオフ周波数をf2とし、フィルタ回路31−1〜31−4のカットオフ周波数をf3とすると、それらの大小関係は「f1<Fs<f2<f3」である。このため、所定周波数Fsの信号成分は、LPF46−1〜46−4を通過するが、LPF45−1〜45−4は通過しない。
そして、マイコン25では、センサ線LSnからフィルタ回路31−nを介して入力される燃料圧力信号をAD変換器44で一定時間毎にAD変換した結果のデータに対して、LPF45−nとLPF46−nとの各々により、ローパスフィルタの処理が行われる。
更に、マイコン25において、LPF45−1〜45−4の処理結果(即ち、LPF45−1〜45−4の出力であり、換言すれば、マイコン25に入力される各燃料圧力信号からf1よりも高い周波数成分を除去した信号)は、CPU41が実行する処理のうちの制御処理aに用いられる。また、LPF46−1〜46−4の処理結果(即ち、LPF46−1〜46−4の出力であり、換言すれば、マイコン25に入力される各燃料圧力信号からf2よりも高い周波数成分を除去した信号)は、CPU41が実行する処理のうちの制御処理bに用いられる。
そして、制御処理aには、下記の処理(Pa1)〜(Pa5)が含まれている。
(Pa1)各気筒#nについて、燃料噴射を実施していない期間におけるLPF45−nの処理結果から、インジェクタIJnに供給されている燃料の圧力を検出する定常圧力検出処理。
(Pa2)上記定常圧力検出処理による検出結果に基づいて、コモンレール15から全てのインジェクタIJ1〜IJ4に供給される燃料の圧力が目標値となるように、燃料ポンプ21を制御する圧力制御処理。
(Pa3)各気筒#nについて、上記定常圧力検出処理による検出結果と、前述した他のセンサからの信号等に基づき、燃料の噴射開始タイミング及び噴射時間の基本値を算出する基本値算出処理。尚、噴射開始タイミングは、インジェクタIJnのアクチュエータ14を駆動し始めるタイミング(即ち、駆動開始タイミング)に相当し、噴射時間は、その駆動開始タイミングからアクチュエータ14を駆動し続ける時間(即ち、駆動時間)に相当する。
(Pa4)各気筒#nについて、上記基本値を補正するための補正情報を、未だ取得していない場合には、上記基本値算出処理で算出した基本値を、最終的な噴射開始タイミング及び噴射時間として決定し、補正情報を既に取得しているのであれば、上記基本値算出処理で算出した基本値を最新の補正情報に基づき補正して、その補正した値を、最終的な噴射開始タイミング及び噴射時間として決定する補正処理。尚、補正情報としては、後述する(Pb2)の補正値算出処理で算出される補正値や、インジェクタIJnから通信によって読み出す該インジェクタIJnの特性値などがある。
(Pa5)各気筒#nについて、上記補正処理で決定された噴射開始タイミング及び噴射時間に基づき、出力回路33から駆動線LDnに駆動信号を出力させる出力処理。
また、制御処理bには、下記の処理(Pb1)〜(Pb3)が含まれている。
(Pb1)各気筒#nについて、燃料噴射期間を含む所定の検出対象期間におけるLPF46−nの処理結果から、インジェクタIJnの噴射動作に伴う燃料圧力の変動態様(例えば、圧力リークやうねり特性等)を検出する変動態様検出処理。
(Pb2)上記変動態様検出処理の検出結果から、前述の基本値を補正するための補正値を算出する補正値算出処理。
(Pb3)インジェクタIJ1〜IJ4に記憶されている後述の固有コードのうち、どの固有コードが、どのセンサ線に接続されているインジェクタの固有コードであるかを、識別するための固有コード識別処理。
尚、固有コード識別処理については、後で詳しく説明する。また、例えば、上記変動態様検出処理は、固有コード識別処理が終了した後に開始される。また、LPF45−1〜45−4,46−1〜46−4の全部または一部は、CPU41の処理によって実現されるものであっても良い。
一方、各インジェクタIJ1〜IJ4は、同じ構成のものであるため、ここでは、インジェクタIJ1を代表にして説明する。
図2に示すように、インジェクタIJ1は、前述した燃料圧力センサ22及びアクチュエータ14と、通信線LCに接続される通信デバイスとしての通信ドライバ51と、その通信ドライバ51を介してECU11と通信する通信処理部53と、データの書き換えが可能な不揮発性メモリ(本実施形態では例えばEEPROM)55と、燃料圧力センサ22の出力信号(センサ信号)を、当該インジェクタIJ1が接続されたセンサ線LS1に出力するセンサ出力回路57と、上記各部に電源電圧Vsを供給する電源回路59と、を備えている。
EEPROM55には、そのEEPROM55が内蔵された当該インジェクタIJ1に固有の固有情報として、固有コードと特性値とが少なくとも記憶されている。
尚、本実施形態において、固有コードは、例えば、インジェクタの製品シリアル番号(製造番号)である。また、特性値としては、例えば、アクチュエータ14の駆動を開始してから(即ち、駆動信号がアクティブレベルに変化してから)燃料の噴射が開始されるまでの開弁遅れ時間や、アクチュエータ14の駆動を停止してから(即ち、駆動信号が非アクティブレベルに変化してから)燃料の噴射が停止されるまでの閉弁遅れ時間などがある。そして、これらの固有情報は、インジェクタの製造工程においてEEPROM55に書き込まれる。
また、電源回路59は、ECU11から電源線LPを介してバッテリ電圧(車載バッテリの電圧)が供給され、そのバッテリ電圧から一定の電源電圧(本実施形態では例えば5V)Vsを生成して、その電源電圧VsをインジェクタIJ1内の各部に供給する。
尚、図2に示すように、各インジェクタIJ1〜IJ4には、ECU11から共通の電源線LPを介して、バッテリ電圧が供給される。そして、ECU11は、車両の運転者がイグニッションオンの操作を行って車両がイグニッションオンの状態になると(つまり、車両におけるイグニッション系の電源ラインにバッテリ電圧が供給された状態になると)起動して、電源線LPにバッテリ電圧を出力する。
また、センサ出力回路57は、図3のように構成されている。
まず、燃料圧力センサ22について説明する。
図3に示すように、燃料圧力センサ22は、例えば、ダイアフラム(受圧部)上にホイートストンブリッジ回路を成すように形成された4つの抵抗(所謂ゲージ抵抗)R1〜R4を備え、端子Ja,Jb間に励起電圧が印加された状態で、抵抗R1〜R4の抵抗値が燃料圧力に応じて変わることにより、端子Jc,Jd間に、燃料圧力に応じた出力電圧Voを発生させる、周知のホイートストンブリッジ型圧力センサである。このため、燃料圧力センサ22では、端子Ja,Jb間の励起電圧が変われば出力電圧Voも変わる。また、端子Jbは、グランドラインに接続されている。
そして、図3に示すように、センサ出力回路57は、燃料圧力センサ22の出力電圧Voを、所定の増幅率で増幅して、当該インジェクタIJ1が接続されたセンサ線LS1に出力する差動増幅回路61と、燃料圧力センサ22の端子Jaと電源電圧Vsとの間に、2つの出力端子が接続されたトランジスタ(本実施形態では例えばMOSFET)63と、そのトランジスタ63に対して並列に接続された抵抗65と、を備えている。
尚、燃料圧力センサ22の出力電圧Voは燃料圧力信号であるが、差動増幅回路61は、燃料圧力センサ22の出力電圧Voを増幅してセンサ線LS1に出力するバッファの役割を果たしているだけであるため、その差動増幅回路61の出力電圧も燃料圧力信号であると言える。
ここで、トランジスタ63は、通信処理部53によってオンとオフとに切り替えられるが、通常は、オンされたままに制御される。そして、トランジスタ63がオンされているときには、燃料圧力センサ22の端子Ja,Jb間に、励起電圧として、電源電圧Vsが印加されることとなる。一方、トランジスタ63がオフされると、抵抗65に電流が流れるため、端子Jaの電圧が電源電圧Vsから低下し、その分、励起電圧が小さくなり、燃料圧力センサ22の出力電圧Voも小さくなる。
このため、通信処理部53がトランジスタ63を所定周波数Fsでオン/オフさせれば、当該センサ出力回路57によってセンサ線LS1に出力される燃料圧力信号に、所定周波数Fsの脈動が生じることとなり、つまりは、その燃料圧力信号に所定周波数Fsの信号が重畳されることとなる。
そして、抵抗65の抵抗値は、所定周波数Fsの信号を重畳した場合でも、センサ線LS1の電圧が、燃料圧力信号として正常な電圧の範囲(例えば1V〜4Vの範囲)内となる値に設定されている。また、本実施形態において、所定周波数Fsは、例えば10kHz(キロヘルツ)であるが、その周波数Fsは、燃料圧力信号に重畳されていることをECU11側で検出し易い周波数に適宜決定することができる。また、トランジスタ63及び抵抗65は、燃料圧力センサ22の端子Jbとグランドラインとの間に設けても良い。
尚、インジェクタIJ1について説明したことは、インジェクタIJ2〜IJ4の各々についても同様である。
次に、ECU11のマイコン25により実行される上記(Pb3)の固有コード識別処理と、その固有コード識別処理によって実現されるECU11の動作に応答するためにインジェクタIJnの通信処理部53が行う応答処理と、について説明する。尚、前述したように、固有コード識別処理は、実際には、マイコン25のCPU41が実行する処理である。
まず、インジェクタIJnの通信処理部53が行う応答処理について先に説明する。
インジェクタIJnでは、ECU11から電源線LPを介してバッテリ電圧が供給されると、通信処理部53が起動する。
そして、通信処理部53は、起動すると、図4に示す応答処理を開始し、まずS110にて、センサ出力回路57を、センサ線LSnへの燃料圧力信号に所定周波数Fsの信号を重畳しない通常状態である第1状態に設定する。具体的には、センサ出力回路57のトランジスタ63をオンしたままにする。
次にS120にて、ECU11からの固有コード要求命令が通信ドライバ51によって受信されたか否かを判定し、固有コード要求命令が受信されるまで待つ。
尚、ECU11から送信される固有コード要求命令は、通信相手を指定しない通信データであって、通信線LCに接続されている全てのインジェクタIJ1〜IJ4に対して固有コードを要求する命令の通信データであり、その通信データが固有コード要求命令であることを示すデータ列を含んだ通信データである。
そして、通信処理部53は、固有コード要求命令が受信されたと判定すると(S120:YES)、次のS130にて、自装置の固有コード(即ち、当該インジェクタIJnのEEPROM55に記憶されている固有コード)を、通信ドライバ51を通じてECU11に送信する。
このため、ECU11が通信線LCに固有コード要求命令を送出すると、通信線LCに接続されている全てのインジェクタIJ1〜IJ4が固有コードを送信することとなるが、各インジェクタIJ1〜IJ4は、所定のバス調停規則に従って固有コードの送信を行うこととなる。
バス調停規則の一例を説明すると、まず、通信線LCで伝送される論理“1”の信号と論理“0”の信号は、一方がドミナント(優性)で、他方がリセッシブ(劣性)と定められている。つまり、ドミナントの信号とリセッシブの信号とが別の装置(この場合、インジェクタ)から通信線LCへ同時に出力されたときには、ドミナントの信号が優先されるようになっている。そして、インジェクタの通信ドライバ51は、通信線LCをモニタしており、通信線LCに出力した信号と、通信線LC上の実際の信号とが一致していなければ、調停負けしたと判断して、送信動作を停止し、通信線LCがアイドル状態になったことを検知すると、再び固有データを始めから送信する。
このため、図6に例示するように、時刻t1にて、ECU11が通信線LCに固有コード要求命令を送出したとすると、インジェクタIJ1〜IJ4のうちの1つずつが、順次、ECU11へ自装置の固有コード(a)〜(d)を送信することとなる。そして、この場合、ドミナントのビットが始めの方に配置されている固有コードを有したインジェクタほど、先に送信を完了することとなる。尚、本実施形態の例では、(a)がインジェクタIJ1の固有コードであり、(b)がインジェクタIJ2の固有コードであり、(c)がインジェクタIJ3の固有コードであり、(d)がインジェクタIJ4の固有コードである。
図4に戻り、通信処理部53は、固有コードの送信を完了すると、次のS140にて、ECU11からの応答要求命令が通信ドライバ51によって受信されたか否かを判定し、応答要求命令が受信されるまで待つ。
尚、ECU11から送信される応答要求命令は、通信相手を指定する通信データであり、通信相手を示すデータ列として何れかのインジェクタの固有コードを含むと共に、その通信データが応答要求命令であることを示すデータ列を含んだ通信データである。
そして、通信処理部53は、応答要求命令が受信されたと判定すると(S140:YES)、次のS150にて、その受信された応答要求命令に含まれている固有コードと、自装置の固有コードとが、一致するか否かを判定し、その両方の固有コードが一致していなければ、S140に戻って、次の応答要求命令が受信されるのを待つ。
また、S150にて、両方の固有コードが一致していると判定した場合には、受信された応答要求命令が当該インジェクタIJnへの応答要求命令であると判断して、S160に進む。
S160では、センサ出力回路57を、センサ線LSnへの燃料圧力信号に所定周波数Fsの信号を重畳する状態である第2状態に設定する。具体的には、センサ出力回路57のトランジスタ63を所定周波数Fsでオン/オフさせる。尚、このようにトランジスタ63をオン/オフさせること(即ち、燃料圧力信号に所定周波数Fsの信号を重畳する動作であり、以下、この動作のことを、信号重畳動作という)は、前述したS110の処理が行われるまで継続される。
そして、次のS170にて、上記S160でセンサ出力回路57を第2状態にしてから所定時間が経過したか否かを判定し、その所定時間が経過したと判定したなら、S110に戻る。
このため、インジェクタIJnにおいて、信号重畳動作は、当該インジェクタIJnの固有コードを含む応答要求命令を受信してから所定時間だけ行われることとなる。
尚、他の例として、通信処理部53は、例えば、ECU11からの信号重畳停止命令を受信するまでの間、信号重畳動作を続けるようになっていても良い。しかし、信号重畳動作を所定時間だけ行うように構成した方が、ECU11から信号重畳停止命令を送信する必要がない、という点で有利である。
一方、ECU11が起動すると、該ECU11では、マイコン25のCPU41が、図5に示す固有コード識別処理を実行する。つまり、本実施形態において、固有コード識別処理は、ECU11が起動する毎に実行される。尚、他の例として、例えば、ECU11に外部からの指令が入力されたことを契機に、固有コード識別処理が実行されるようになっていても良い。
図5に示すように、ECU11において、マイコン25のCPU41が固有コード識別処理の実行を開始すると、まずS210にて、前述した固有コード要求命令を、通信ドライバ27を介して通信線LCに送出する。つまり、固有コード要求命令を、全てのインジェクタIJ1〜IJ4に送信する。
すると、前述したように各インジェクタIJ1〜IJ4が固有コードを順次送信するため、CPU41は、次のS220にて、通信ドライバ27によって受信した固有コードを、記憶手段としてのRAM43に記憶する。
そして、次のS230にて、4つの固有コード(即ち、通信線LCに接続された全てのインジェクタIJ1〜IJ4からの固有コード)をRAM43に記憶したか否かを判定し、4つの固有コードの記憶が未だ完了していなければ、S220に戻る。また、S230にて、4つの固有コードの記憶が完了した(換言すれば、全てのインジェクタIJ1〜IJ4からの固有コードの読み出しが完了した)と判定したならば、S240に進む。
S240では、上記S220の処理でRAM43に記憶した4つの固有コードのうち、識別未完了の固有コードを1つ選択し、その選択した固有コードを含む前述の応答要求命令を、通信ドライバ27を介して通信線LCに送出する。尚、識別未完了の固有コードとは、どのセンサ線に接続されているインジェクタの固有コードであるかの識別が未完了の固有コードであり、後述するS260の処理が未完了の固有コードである。
すると、インジェクタIJ1〜IJ4のうち、送信した応答要求命令に含まれる固有コードを有したインジェクタIJm(mは1〜4の何れかであり、以下でも同様)は、前述した図4におけるS160の処理により、自装置が接続されたセンサ線LSmへの燃料圧力信号に所定周波数Fsの信号を重畳することとなる。
このため、CPU41は、次のS250にて、LPF46−1〜46−4の出力(処理結果)を、センサ線LS1〜LS4の電圧として監視することにより、センサ線LS1〜LS4のうちで、燃料圧力信号に所定周波数Fsの信号が重畳されたセンサ線(以下単に、所定周波数Fsの信号が重畳されたセンサ線ともいう)を特定する。
例えば、各LPF46−1〜46−4の出力に対して、所定周波数Fsの信号成分を通過させるバンドパスフィルタ処理を行い、そのバンドパスフィルタ処理の結果(出力値)が所定値以上になったLPF(46−1〜46−4の何れか)に対応するセンサ線を、所定周波数Fsの信号が重畳されたセンサ線として特定する。
そして、次のS260にて、上記S240で今回送出した固有コード(詳しくは、今回送信した応答要求命令に含ませた固有コード)が、上記S250で特定したセンサ線に接続されているインジェクタの固有コードであると識別して、その識別結果をRAM43に記憶する。
具体的には、上記S250で特定したセンサ線の識別情報としての番号(1〜4の何れかであり、特定したセンサ線に接続されるインジェクタの番号、あるいは、そのインジェクタが設けられる気筒の番号でもある)を、上記S240で今回送信した固有コードと対応付けて、RAM43に記憶する。
例えば、S260では、今回送信した固有コードが記憶されているRAM43のアドレスに対して予め定められた関係にあるアドレス(例えば所定値だけ異なるアドレス)に、特定したセンサ線の番号を記憶する。また例えば、特定したセンサ線の番号を、RAM43における所定のアドレスに記憶すると共に、その所定のアドレスに対して予め定められた関係にあるアドレスに、今回送信した固有コードを改めて記憶しても良い。結局、センサ線の番号(インジェクタの番号でもある)と固有コードとが、その両者の対応関係が分かるように記憶されれば、どのような記憶形態をとっても良い。
このS260の処理によってRAM43に記憶されるセンサ線の番号は、今回送信した固有コードであって、その番号と対応付けてRAM43に記憶されている固有コードが、その番号のセンサ線に接続されているインジェクタの固有コードであることを示す。また、このため、S260の処理によってRAM43に記憶される情報(即ち、センサ線の番号と固有コードとを対応付けて表す情報)は、S240で今回送信した固有コードが、S250で特定したセンサ線に接続されているインジェクタの固有コードであることを表す識別結果情報となる。
次に、CPU41は、S270にて、上記S220の処理によりRAM43に記憶した4つの固有コードのうち、識別未完了の固有コード(即ち、センサ線の番号の対応付け記憶が未だ行われていない固有コード)があるか否かを判定し、識別未完了の固有コードがあれば、S240に戻って、そのS240とS250及びS260との処理を再び行う。
また、上記S270にて、識別未完了の固有コードがないと判定した場合には、S240〜S260の処理により、4つ全ての固有コードについて、どのセンサ線に接続されているインジェクタの固有コードであるかの識別が完了したことになるため、当該固有コード識別処理を終了する。
次に、このような固有コード識別処理によるECU11の動作と、図4の応答処理によるインジェクタIJ1〜IJ4の動作とを、図6の例に従い説明する。
既述したように、ECU11が、時刻t1にて、固有コード要求命令を送信すると(図5のS210)、各インジェクタIJ1〜IJ4が、自装置の固有コード(a)〜(d)をECU11へ送信することとなる(図4のS130)。そして、ECU11は、各インジェクタIJ1〜IJ4からの固有コード(a)〜(d)を記憶する(図5のS220)。
その後、ECU11が、固有コード(a)〜(d)のうちの、例えば固有コード(a)を含む応答要求命令を、時刻t2で送信したとする(図5のS240)。
すると、その固有コード(a)を持つインジェクタIJ1が、センサ線LS1への燃料圧力信号に所定周波数Fsの信号を重畳する(図4の160)。
そして、ECU11は、センサ線LS1からの燃料圧力信号に所定周波数Fsの信号が重畳されていることを検出し(図5のS250)、そのセンサ線LS1の番号である「1」を、固有コード(a)と対応付けてRAM43に記憶することとなる(図5のS260)。この結果、「固有コード(a)が、センサ線LS1に接続されているインジェクタIJ1の固有コードである」ということが、ECU11にて識別されると共に、そのことを示す識別結果情報がRAM43に記憶されることとなる。
また、ECU11が、例えば固有コード(b)を含む応答要求命令を、時刻t3で送信したとする(図5のS240)。
すると、その固有コード(b)を持つインジェクタIJ2が、センサ線LS2への燃料圧力信号に所定周波数Fsの信号を重畳する(図4の160)。
そして、ECU11は、センサ線LS2からの燃料圧力信号に所定周波数Fsの信号が重畳されていることを検出し(図5のS250)、そのセンサ線LS2の番号である「2」を、固有コード(b)と対応付けてRAM43に記憶することとなる(図5のS260)。この結果、「固有コード(b)が、センサ線LS2に接続されているインジェクタIJ2の固有コードである」ということが、ECU11にて識別されると共に、そのことを示す識別結果情報がRAM43に記憶されることとなる。
同様に、ECU11が、例えば固有コード(c)を含む応答要求命令を、時刻t4で送信したならば(図5のS240)、その固有コード(c)を持つインジェクタIJ3が、センサ線LS3への燃料圧力信号に所定周波数Fsの信号を重畳し(図4の160)、ECU11は、そのことを検出して(図5のS250)、センサ線LS3の番号である「3」を、固有コード(c)と対応付けてRAM43に記憶することとなる(図5のS260)。この結果、「固有コード(c)が、センサ線LS3に接続されているインジェクタIJ3の固有コードである」ということが、ECU11にて識別されると共に、そのことを示す識別結果情報がRAM43に記憶されることとなる。
また同様に、ECU11が、例えば固有コード(d)を含む応答要求命令を、時刻t5で送信したならば(図5のS240)、その固有コード(d)を持つインジェクタIJ4が、センサ線LS4への燃料圧力信号に所定周波数Fsの信号を重畳し(図4の160)、ECU11は、そのことを検出して(図5のS250)、センサ線LS4の番号である「4」を、固有コード(d)と対応付けてRAM43に記憶することとなる(図5のS260)。この結果、「固有コード(d)が、センサ線LS4に接続されているインジェクタIJ4の固有コードである」ということが、ECU11にて識別されると共に、そのことを示す識別結果情報がRAM43に記憶されることとなる。
尚、図6において、点線の四角で示しているように、インジェクタIJ1〜IJ4の各々は、自装置の固有コードを含む応答要求命令を受信した場合に、その応答要求命令を正常に受信できたことを示す応答信号(ACK:ACKnowledgement)を、通信線LCを介してECU11へ送信するようになっていても良い。
また、ECU11において、マイコン25のCPU41は、当該ECU11が起動してから図5の固有コード識別処理を終了するまでの期間においても、前述した制御処理aを行う。つまり、LPF45−1〜45−4の方は、所定周波数Fsの信号成分を通過させずに除去するため、CPU41は、そのLPF45−1〜45−4の出力(即ち、燃料圧力信号から所定周波数Fsの信号成分を除去した結果)を用いて、インジェクタIJ1〜IJ4に燃料を噴射させるための処理(Pa1)〜(Pa5)を問題なく行うことができる。
このため、図6において、点線の楕円で囲んだ部分であって、センサ線LS1〜LS4の電圧が不規則に変動している部分は、ECU11が、図5の固有コード識別処理を終了する前(即ち、インジェクタIJ1〜IJ4の各々から固有コードを読み出して、その4つの固有コードについて、どのセンサ線に接続されているインジェクタの固有コードであるかの識別を完了する前)であっても、インジェクタIJ1〜IJ4に燃料を噴射させる制御を実施していることを示している。つまり、ECU11がインジェクタIJ1〜IJ4に燃料を噴射させたことにより、燃料噴射を実施したインジェクタの燃料圧力センサ22によって検出される燃料圧力に変動が生じたことを示している。
次に、ECU11におけるマイコン25のCPU41が、各インジェクタIJ1〜IJ4に対して、通信で用いるノードIDを付与するために行うID付与処理と、そのID付与処理によって実現されるECU11の動作に応答するためにインジェクタIJnの通信処理部53が行うID記憶処理と、について説明する。
ECU11において、CPU41は、図5の固有コード識別処理を終了すると、図7に示すID付与処理を開始する。尚、ここでは、図6の例を踏襲して具体的に説明する。つまり、ID付与処理の開始時点において、RAM43に記憶されている前述の識別結果情報は、センサ線の番号と固有コードとの対応関係として、前述した図6の例の対応関係を表すものであるとする。
そして、図7に示すように、CPU41は、ID付与処理を開始すると、まずS310にて、センサ線LS1に接続されたインジェクタIJ1の固有コードを、RAM43に記憶されている識別結果情報から特定する。識別結果情報は、センサ線LS1の番号=1に対応する固有コードが、インジェクタIJ1〜IJ4から取得した固有コード(a)〜(d)のうちの(a)であることを表すため、その(a)が、インジェクタIJ1の固有コードとして特定されることとなる。そして更に、CPU41は、その特定した固有コード(a)と、インジェクタIJ1に付与するノードID(この例では“1”)とを含むID設定命令を、通信ドライバ27を介して通信線LCに送出する。
尚、ID設定命令は、当該ID設定命令に含まれる固有コードを持つインジェクタに対して、当該ID設定命令に含まれるノードIDを記憶させる命令用の通信データである。このため、ID設定命令は、図8に示すように、ID設定命令であることを示すコードと、固有コードと、ノードIDとを含む。
そして、CPU41は、次のS320にて、通信相手(この場合はインジェクタIJ1)からの設定完了応答が通信ドライバ27によって受信されたか否かを判定し、S310でID設定命令を送信してから一定時間が経過しても設定完了応答が受信されなければ、S310に戻って、同じID設定命令を再び送信する。また、S320にて、設定完了応答が受信されたと判定したならば、次のS330に進む。
尚、設定完了応答は、インジェクタ側にてID設定命令に含まれていたノードIDの記憶が完了したことを、ECU11に連絡するための通信データである。
S330では、センサ線LS2に接続されたインジェクタIJ2の固有コードを、RAM43に記憶されている識別結果情報から特定する。識別結果情報は、センサ線LS2の番号=2に対応する固有コードが、(b)であることを表すため、その(b)が、インジェクタIJ2の固有コードとして特定されることとなる。そして更に、CPU41は、その特定した固有コード(b)と、インジェクタIJ2に付与するノードID(この例では“2”)とを含むID設定命令を、通信ドライバ27を介して通信線LCに送出する。
そして、CPU41は、次のS340にて、通信相手(この場合はインジェクタIJ2)からの設定完了応答が通信ドライバ27によって受信されたか否かを判定し、S330でID設定命令を送信してから一定時間が経過しても設定完了応答が受信されなければ、S330に戻って、同じID設定命令を再び送信する。また、S340にて、設定完了応答が受信されたと判定したならば、次のS350に進む。
S350では、センサ線LS3に接続されたインジェクタIJ3の固有コードを、RAM43に記憶されている識別結果情報から特定する。識別結果情報は、センサ線LS3の番号=3に対応する固有コードが、(c)であることを表すため、その(c)が、インジェクタIJ3の固有コードとして特定されることとなる。そして更に、CPU41は、その特定した固有コード(c)と、インジェクタIJ3に付与するノードID(この例では“3”)とを含むID設定命令を、通信ドライバ27を介して通信線LCに送出する。
そして、CPU41は、次のS360にて、通信相手(この場合はインジェクタIJ3)からの設定完了応答が通信ドライバ27によって受信されたか否かを判定し、S350でID設定命令を送信してから一定時間が経過しても設定完了応答が受信されなければ、S350に戻って、同じID設定命令を再び送信する。また、S360にて、設定完了応答が受信されたと判定したならば、次のS370に進む。
S370では、センサ線LS4に接続されたインジェクタIJ4の固有コードを、RAM43に記憶されている識別結果情報から特定する。識別結果情報は、センサ線LS4の番号=4に対応する固有コードが、(d)であることを表すため、その(d)が、インジェクタIJ4の固有コードとして特定されることとなる。そして更に、CPU41は、その特定した固有コード(d)と、インジェクタIJ4に付与するノードID(この例では“4”)とを含むID設定命令を、通信ドライバ27を介して通信線LCに送出する。
そして、CPU41は、次のS380にて、通信相手(この場合はインジェクタIJ4)からの設定完了応答が通信ドライバ27によって受信されたか否かを判定し、S370でID設定命令を送信してから一定時間が経過しても設定完了応答が受信されなければ、S370に戻って、同じID設定命令を再び送信する。また、S380にて、設定完了応答が受信されたと判定したならば、当該ID付与処理を終了する。
一方、インジェクタIJnの通信処理部53は、図9のID記憶処理を行う。
尚、このID記憶処理は、ECU11側で図7のID付与処理が開始された時に、既に開始されていれば良い。このためID記憶処理は、例えば、通信処理部53が起動すると開始されるようになっていても良いし、また、図4の応答処理におけるS160の処理が終了したことを契機に、開始されても良い。
そして、図9に示すように、通信処理部53は、ID記憶処理を開始すると、まずS410にて、通信ドライバ51により、自装置の固有コードを含むID設定命令が受信されたか否かを判定し、そのID設定命令が受信されるまで待つ。
このS410にて、自装置の固有コードを含むID設定命令が受信されたと判定すると、S420に進み、受信されたID設定命令において、自装置の固有コードに対応して含まれているノードID(尚、本実施形態では、固有コードとノードIDとが1つずつ含まれているため、自装置の固有コードと共に含まれているノードID)を、当該通信処理部53内のメモリ(図示省略)に、自装置のノードIDとして記憶する。このようにノードIDを記憶する処理は、自装置のノードIDを設定する処理に該当する。
そして、通信処理部53は、次のS430にて、ECU11に、前述した設定完了応答を送信し、その後、当該ID記憶処理を終了する。尚、ECU11に送信する設定完了応答には、上記S420で設定した自装置のノードIDを含ませても良い。
以上のように、図7のID付与処理がECU11側で行われ、図9のID記憶処理が各インジェクタIJ1〜IJ4側で行われることにより、ECU11から各インジェクタIJ1〜IJ4に対して、ノードIDが付与されることとなる。
そして、ECU11のマイコン25は、図7のID付与処理が終了した後は、各インジェクタIJ1〜IJ4に付与したノードIDを拠り所にして、各インジェクタIJ1〜IJ4と通信する。つまり、ECU11のマイコン25は、通信線LCに送出する通信データにノードIDを付加することで、通信相手を指定し、各インジェクタIJ1〜IJ4は、自装置のノードIDと同じノードIDが付加された通信データを取り込んで、その通信データに応じた処理を行うこととなる。
また、ECU11のマイコン25は、このようなノードIDを用いた通信により、各インジェクタIJ1〜IJ4から前述の特性値を読み出す。そして、その読み出した特性値や、前述の補正値算出処理で算出された補正値を用いて、前述の補正処理を行う。
尚、ECU11から送信するID設定命令としては、図8の如く固有コードとノードIDとを1つずつ含むデータ列に限らず、例えば、固有コードとノードIDとの組み合わせを、複数組含むデータ列であっても良い。例えば、ID設定命令としての通信フレームに、固有コードとノードIDを4組配置するようにし、各インジェクタIJ1〜IJ4では、受信したID設定命令において、自装置の固有コードに対応して含まれているノードIDを、自装置のノードIDとして記憶すれば良い。
一方、ECU11から各インジェクタIJ1〜IJ4にノードIDを改めて付与することなく、ECU11のマイコン25が、識別した各インジェクタIJ1〜IJ4の固有コードを、ノードIDとして用いることにより、各インジェクタIJ1〜IJ4との通信を行うようになっていても良い。
但し、固有コードは、例えば8ビットや16ビットといったビット数の大きいデータであるのに対して、ノードIDとしては、少なくとも通信線LCに接続された4つのインジェクタIJ1〜IJ4が区別できれば良いことから、最低2ビットあれば済む。このことから、ノードIDを改めて付与する方が、ECU11とインジェクタIJ1〜IJ4との間の通信効率が良くなる、という点で有利である。
また、実施形態の燃料噴射制御システム10において、ECU11のRAM43に記憶される識別結果情報は、各インジェクタIJ1〜IJ4の固有コードのうち、どの固有コードが、どのセンサ線に接続されているインジェクタの固有コードであるかを、識別した結果(即ち、固有コードの識別結果)に該当する。
以上のような本実施形態の燃料噴射制御システム10によれば、各インジェクタIJ1〜IJ4は、ECU11からの応答要求命令に対して、センサ線LS1〜LS4への燃料圧力信号に所定周波数Fsの信号を重畳させることで応答するようになっているため、センサ線LS1〜LS4の電圧が燃料圧力信号の正常電圧範囲外になる期間を生じさせることなく、ECU11側で固有コードの識別を行うことができる。
そして、ECU11において、マイコン25のCPU41は、前述したように、固有コードの識別が完了する前であっても、当該ECU11に入力される燃料圧力信号から所定周波数Fsの信号成分を除去した結果を用いて、インジェクタIJ1〜IJ4に燃料を噴射させるための処理を問題なく行うことができる。よって、例えば、エンジン13の始動性を悪化させることがない。
また当然、インジェクタIJ1〜IJ4に予めノードIDを設定しておく(割り当てておく)ようにはなっていないので、インジェクタの取り付け間違い、ということは起こらない。よって、ECU11が自分の想定している通信相手とは違う通信相手と通信してしまう、といった不都合を回避することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、ECU11において、LPF45−1〜45−4及びLPF46−1〜46−4の代わりに、ハードウェアのフィルタ回路を用いても良い。
その場合、各センサ線LS1〜LS4について、LPF45−1〜45−4と同様の特性を持つフィルタ回路と、LPF46−1〜46−4と同様の特性を持つフィルタ回路とを、それぞれ設ければ良い。
また、ECU11がマイコンを2つ備えるのであれば、一方のマイコン(詳しくは、そのマイコンのCPU)が、前述の制御処理aを行い、他方のマイコン(詳しくは、そのマイコンのCPU)が、前述の制御処理bを行う、といった役割分担にしても良い。
一方、本発明は、燃料噴射制御システム以外の制御システムに対しても同様に適用することができる。そして、通信機能付センサ装置としては、インジェクタIJ1〜IJ4以外でも良く、センサと通信デバイスを少なくとも有する装置であれば良い。
10…燃料噴射制御システム、11…ECU(電子制御装置)、IJ1〜IJ4…インジェクタ、22…燃料圧力センサ、25…マイコン、27…通信ドライバ、41…CPU、43…RAM、51…通信ドライバ、53…通信処理部、55…EEPROM、57…センサ出力回路、LC…通信線、LS1〜LS4…センサ線(燃料圧力信号伝達用の信号線)

Claims (9)

  1. センサ(22)及び通信デバイス(51)を有する通信機能付センサ装置(IJ1〜IJ4)、を複数備えると共に、
    前記通信機能付センサ装置の各々が備える前記通信デバイスと共通の通信線(LC)を介してバス接続され、当該通信線を介して前記通信機能付センサ装置の各々と通信可能な電子制御装置(11)、を備え、
    前記電子制御装置には、前記センサの出力信号であるセンサ信号を伝送するための信号線であって、前記通信機能付センサ装置毎に個別に設けられた信号線(LS1〜LS4)を介して、前記通信機能付センサ装置の各々が備える前記センサからの前記センサ信号が入力される制御システム(10)であって、
    前記通信機能付センサ装置の各々は、その通信機能付センサ装置に固有の固有コードが記憶された固有コード記憶手段(55)、を備え、
    前記電子制御装置は、前記通信機能付センサ装置に対して前記固有コードを要求する固有コード要求命令を、前記通信線に送出する固有コード要求手段(41,S210)、を備え、
    前記通信機能付センサ装置の各々は、前記通信デバイスにより前記固有コード要求命令が受信されると、前記固有コード記憶手段に記憶されている前記固有コードであって、自装置の固有コードを、前記通信線を介して前記電子制御装置に送信する固有コード送信手段(53,S130)、を備え、
    前記電子制御装置は、
    前記通信機能付センサ装置の各々から、前記固有コード要求命令に応答して送信されてくる前記固有コードを、記憶手段(43)に記憶する固有コード記憶手段(41,S220)と、
    前記記憶手段に記憶された前記固有コードの各々について、その固有コードを含む応答要求命令を、前記通信線に送出する応答要求手段(41,S240)と、を備え、
    前記通信機能付センサ装置の各々は、前記通信デバイスにより前記応答要求命令が受信されると、当該応答要求命令に含まれている前記固有コードが、自装置の固有コードと一致するか否かを判定し、その両方の固有コードが一致する場合には、自装置と前記電子制御装置とを結ぶ前記信号線に出力される前記センサ信号に、所定周波数の信号を重畳する応答出力手段(53,57,S150〜S170)、を備え、
    前記電子制御装置は、前記応答要求手段が前記応答要求命令を送出する毎に、前記信号線の電圧を監視して、前記信号線のうち、前記センサ信号に前記所定周波数の信号が重畳された信号線を特定し、前記応答要求手段により今回送出された前記応答要求命令に含まれた固有コードが、前記特定した信号線に接続されている前記通信機能付センサ装置の固有コードであることを表す識別結果情報を、前記記憶手段に記憶する識別手段(41,S250.S260)、を備えること、
    を特徴とする制御システム。
  2. 請求項1に記載の制御システムにおいて、
    前記電子制御装置は、前記信号線の電圧から前記所定周波数の信号を除去した結果を用いて、特定の制御処理を行う処理手段(41)、を備えること、
    を特徴とする制御システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の制御システムにおいて、
    前記通信機能付センサ装置の各々が備える前記応答出力手段は、前記所定周波数の信号を重畳する動作を、所定時間だけ行うように構成されていること、
    を特徴とする制御システム。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の制御システムにおいて、
    前記電子制御装置は、前記通信機能付センサ装置の各々の固有コードを、前記記憶手段に記憶された前記識別結果情報から特定すると共に、該特定した固有コードと、その固有コードを持つ通信機能付センサ装置に付与するノードIDとを対応付けて含むID設定命令を、前記通信線に送出する設定要求手段(41,S310,S330,S350,S370)、を備え、
    前記通信機能付センサ装置の各々は、前記通信デバイスにより自装置の固有コードを含んだ前記ID設定命令が受信されると、その受信されたID設定命令において、自装置の固有コードに対応して含まれているノードIDを、自装置のノードIDとして設定する処理を行うID設定手段(53,S420)、を備えること、
    を特徴とする制御システム。
  5. 請求項2に記載の制御システムにおいて、
    前記通信機能付センサ装置(IJ1〜IJ4)は、内燃機関(13)の気筒に燃料を噴射するインジェクタ(IJ1〜IJ4)であり、
    前記センサ(22)は、当該センサが設けられた前記インジェクタに供給される燃料の圧力に応じた電圧の信号を、前記センサ信号として出力する燃料圧力センサ(22)であり、
    前記電子制御装置が備える前記処理手段(41)は、前記制御処理として、前記インジェクタに燃料を噴射させるための処理を行うこと、
    を特徴とする制御システム。
  6. センサ(22)及び通信デバイス(51)を有する通信機能付センサ装置(IJ1〜IJ4)であって、当該装置に固有の固有コードが記憶された固有コード記憶手段(55)を備える通信機能付センサ装置(IJ1〜IJ4)、の複数と通信可能であり、
    前記通信機能付センサ装置の各々が備える前記通信デバイスとは、共通の通信線(LC)を介してバス接続され、
    前記通信機能付センサ装置の各々が備える前記センサの出力信号であるセンサ信号が、前記通信機能付センサ装置毎に個別に設けられた信号線(LS1〜LS4)を介して、それぞれ入力される電子制御装置(11)であって、
    前記通信機能付センサ装置に対して前記固有コードを要求する固有コード要求命令を、前記通信線に送出する固有コード要求手段(41,S210)と、
    前記通信機能付センサ装置の各々から、前記固有コード要求命令に応答して送信されてくる前記固有コードを、記憶手段(43)に記憶する固有コード記憶手段(41,S220)と、
    前記記憶手段に記憶された前記固有コードの各々について、その固有コードを含む応答要求命令を、前記通信線に送出する応答要求手段(41,S240)と、
    前記応答要求手段が前記応答要求命令を送出する毎に、前記信号線の電圧を監視して、前記信号線のうち、前記センサ信号に所定周波数の信号が重畳された信号線を特定し、前記応答要求手段により今回送出された前記応答要求命令に含まれた固有コードが、前記特定した信号線に接続されている前記通信機能付センサ装置の固有コードであることを表す識別結果情報を、前記記憶手段に記憶する識別手段(41,S250.S260)と、
    を備えることを特徴とする電子制御装置。
  7. 請求項6に記載の電子制御装置において、
    前記信号線の電圧から前記所定周波数の信号を除去した結果を用いて、特定の制御処理を行う処理手段(41)、
    を備えることを特徴とする電子制御装置。
  8. センサ(22)及び通信デバイス(51)を有する通信機能付センサ装置(IJ1〜IJ4)であり、
    前記通信デバイスは、複数の当該通信機能付センサ装置に共通の通信線(LC)を介して電子制御装置(11)に接続され、
    前記センサの出力信号であるセンサ信号は、当該通信機能付センサ装置に対して個別に設けられた信号線(LS1〜LS4)を介して、前記電子制御装置に出力される通信機能付センサ装置(IJ1〜IJ4)であって、
    当該通信機能付センサ装置に固有の固有コードが記憶された固有コード記憶手段(55)と、
    前記電子制御装置から前記通信線に送出される固有コード要求命令が前記通信デバイスにより受信されると、前記固有コード記憶手段に記憶されている前記固有コードであって、自装置の固有コードを、前記通信線を介して前記電子制御装置に送信する固有コード送信手段(53,S130)と、
    前記電子制御装置から前記通信線に送出される応答要求命令が前記通信デバイスにより受信されると、当該応答要求命令に含まれている固有コードが、自装置の固有コードと一致するか否かを判定し、その両方の固有コードが一致する場合には、自装置と前記電子制御装置とを結ぶ前記信号線に出力される前記センサ信号に、所定周波数の信号を重畳する応答出力手段(53,57,S150〜S170)と、
    を備えることを特徴とする通信機能付センサ装置。
  9. センサ(22)及び通信デバイス(51)を有する通信機能付センサ装置(IJ1〜IJ4)、を複数備えると共に、
    前記通信機能付センサ装置の各々が備える前記通信デバイスと共通の通信線(LC)を介してバス接続され、当該通信線を介して前記通信機能付センサ装置の各々と通信可能な電子制御装置(11)、を備え、
    前記電子制御装置には、前記センサの出力信号であるセンサ信号を伝送するための信号線であって、前記通信機能付センサ装置毎に個別に設けられた信号線(LS1〜LS4)を介して、前記通信機能付センサ装置の各々が備える前記センサからの前記センサ信号が入力され、
    更に、前記通信機能付センサ装置の各々は、その通信機能付センサ装置に固有の固有コードが記憶された固有コード記憶手段(55)、を備える制御システム(10)において、
    前記通信機能付センサ装置の各々が備える前記固有コード記憶手段に記憶された固有コードのうち、どの固有コードが、どの信号線に接続されている通信機能付センサ装置の固有コードであるかを、前記電子制御装置が識別するための固有コード識別方法であって、
    前記電子制御装置は、前記通信機能付センサ装置に対して前記固有コードを要求する固有コード要求命令を、前記通信線に送出する固有コード要求手順(S210)を行い、
    前記通信機能付センサ装置の各々は、前記通信デバイスにより前記固有コード要求命令が受信されると、前記固有コード記憶手段に記憶されている前記固有コードであって、自装置の固有コードを、前記通信線を介して前記電子制御装置に送信する固有コード送信手順(S130)を行い、
    前記電子制御装置は、
    前記通信機能付センサ装置の各々から、前記固有コード要求命令に応答して送信されてくる前記固有コードを、記憶手段(43)に記憶する固有コード記憶手順(S220)と、
    前記記憶手段に記憶された前記固有コードの各々について、その固有コードを含む応答要求命令を、前記通信線に送出する応答要求手順(S240)と、を行い、
    前記通信機能付センサ装置の各々は、前記通信デバイスにより前記応答要求命令が受信されると、当該応答要求命令に含まれている前記固有コードが、自装置の固有コードと一致するか否かを判定し、その両方の固有コードが一致する場合には、自装置と前記電子制御装置とを結ぶ前記信号線に出力される前記センサ信号に、所定周波数の信号を重畳する応答出力手順(S150〜S170)を行い、
    前記電子制御装置は、前記応答要求手順により前記応答要求命令を送出する毎に、前記信号線の電圧を監視して、前記信号線のうち、前記センサ信号に前記所定周波数の信号が重畳された信号線を特定し、前記応答要求手順により今回送出した前記応答要求命令に含まれた固有コードが、前記特定した信号線に接続されている前記通信機能付センサ装置の固有コードであると識別する識別手順(S250,S260)、を行うこと、
    を特徴とする固有コード識別方法。
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