JPH0330727B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0330727B2
JPH0330727B2 JP61044375A JP4437586A JPH0330727B2 JP H0330727 B2 JPH0330727 B2 JP H0330727B2 JP 61044375 A JP61044375 A JP 61044375A JP 4437586 A JP4437586 A JP 4437586A JP H0330727 B2 JPH0330727 B2 JP H0330727B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spherical
race
axial direction
assembly
fitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61044375A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62204010A (ja
Inventor
Yasuhiko Mihara
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP4437586A priority Critical patent/JPS62204010A/ja
Publication of JPS62204010A publication Critical patent/JPS62204010A/ja
Publication of JPH0330727B2 publication Critical patent/JPH0330727B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Support Of The Bearing (AREA)
  • Pivots And Pivotal Connections (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は球面摺動型継手装置に係り、詳しくは
自動車等の車両サスペンシヨンなどにおいて用い
られる球面摺動型ブツシユやボールジヨイント付
きロツド等の球面摺動機構として用いて好適な球
面摺動型継手装置に関するものである。
(従来技術) 自動車等の車両サスペンシヨンなどにおいて用
いられる継手装置の一種に、軸心方向の中間部外
周面に球状凸面を有する中空乃至は中実の軸部材
を備え、該軸部材の球状凸面を筒状のレース部材
組付体の内周面において球面摺動可能に保持させ
ることにより、それら軸部材およびレース部材組
付体が取り付けられる二つの部材を球面摺動可能
に連結するようにした球面摺動型継手装置があ
る。例えば、自動車サスペンシヨンのコントロー
ルアームリンクロツド、スタビライザリンクロツ
ド、ラテラルリンク等の連結部に用いられるボー
ルジヨイント装置や、トルクロツドを始めとする
各種のロツド、リンク、アーム等の連結部に用い
られてそれらを所定の支持部材に対して球面摺動
可能に防振連結する球面摺動型ブツシユの球面摺
動機構(ボールジヨイント機構)などがそれであ
る。
ところで、このような球面摺動型継手装置で
は、近年、レース部材組付体の内面に所定の樹脂
材料から成る摺動部材を配設し、軸部材の球状凸
面をレース部材組付体に対してかかる摺動部材を
介して球面摺動可能に保持させるようにした構造
が一般に採用されているが、従来は、そのような
摺動部材がレース部材組付体の組付けによつてそ
の内面に配設、保持されるようになつていたこと
から、その構成が複雑で、その組付操作も面倒な
ものとなつていた。また、各部材の寸法公差の重
畳によつて摺動部材と軸部材との摺動面間のクリ
アランスが必要以上に大きくなり、これがレース
部材組付体と軸部材との間にガタツキを発生する
原因ともなつていた。
そこで、本発明者は、先に、特願昭60−130408
号明細書や特願昭60−173739号明細書等におい
て、レース部材組付体(それらの例示では単体と
して示されている)として、その内周面に軸部材
の球状凸面に対応した球状凹面を有するものを用
い、該球状凹面が該球状凸面と均一な間隙を隔て
て対抗するようにそれらレース部材組付体と軸部
材とを配置して、それら球状凹面と球状凸面との
間に形成された空間内に所定の樹脂材料を流入さ
せることにより、外周面においてレース部材組付
体の内面に固着され、内周面において軸部材の球
状凸面を球面摺動可能に保持する摺動部材を形成
せしめた球面摺動型継手装置(球面摺動機構)を
提案した。
このような球面摺動型継手装置によれば、摺動
部材のレース部材組付体に対する配設操作が摺動
部材の形成と同時に完了するため、摺動部材をレ
ース部材組付体の内面に配設させるための組付操
作が不要となるのであり、組付操作並びに構造を
簡略化してその製作性乃至は組付性を向上させる
ことができるのである。しかも、摺動部材はそれ
らレース部材組付体の球状凹面と軸部材の球状凸
面との間で成形されるため、それら球状凹面や球
状凸面の寸法公差を摺動部材で吸収できると共
に、樹脂材料の凝固時の収縮によつて軸部材の球
状凸面との間に適度なクリアランスを常に安定し
て得ることができるのであり、それ故ガタツキの
ない、精度の高い球面摺動機能を安定して得るこ
とができるのである。
(問題点) しかしながら、それら明細書に開示されている
球面摺動型継手装置では、何れも、軸部材の球状
凸面を球面摺動可能に保持する摺動部材がレース
部材組付体に対してその外周面で固着されていた
だけであつたため、摺動部材のレース部材組付体
に対する軸心方向の投影面積、すなわち軸心方向
の荷重に対して摺動部材をバツクアツプするレー
ス部材組付体の受圧面積が小さく、その軸心方向
の荷重に対して軸部材を保持する強度(軸心方向
の許容荷重乃至は軸部材の引抜き強度;以下、単
に保持強度と称する)に欠けるきらいがあつた。
なお、摺動部材を繊維強化樹脂材料で構成する
ようにすれば、その軸心方向における軸部材の保
持強度を向上できるのであるが、この場合におい
ても軸部材の保持強度を向上させることには限界
があるのであり、必ずしも充分な保持強度が得ら
れるとは言い難かつたのである。また、摺動部材
による球状凸面の被覆面積を大きくしたり、るい
は球状凸面の曲率半径を変更したりすることによ
り、前記軸心方向の投影面積を増大させ、軸心方
向における軸部材の保持強度の向上を図ることも
考えられるが、前者の場合にはレース部材組付体
と軸部材との許容傾斜角度が制限されるため、ま
た後者の場合には継手装置の大形化を招くため、
何れも限界があつたのである。
また、軸部材の軸心方向における保持強度を向
上するために、実公昭55−39853号公報等に示さ
れている如く、レース部材組付体の軸方向両端部
に対して、それぞれ、軸部材における球状凸面を
挟んだ両側に位置して、該球状凸面の外径よりも
径方向内方に突出する環状の内方凸縁を設け、そ
れら内方凸縁にて摺動部材の軸方向両端部を支持
せしめるようにすることも考えられる。ところ
が、そのような内方凸縁を形成すると、レース部
材組付体を軸部材の軸心方向一方の側から外挿す
ることが出来なくなるために、かかるレース部材
組付体を軸方向に2分割せしめて、軸部材の軸方
向両側から外挿した後、それら分割体をかしめや
溶接にて一体化せしめる必要があるのであり、そ
の一体化のための作業が面倒で、コストがかかる
と共に、かしめや熔接では、充分な強度を安定し
て得ることが出来ず、満足できる耐久性や信頼性
を確保することが困難であるという問題があつた
のである。
(解決手段) ここにおいて、本発明は、このような事情を背
景として、軸心方向における軸部材保持強度を、
簡単な構造をもつて有利に且つ安定して得ること
のできる球面摺動型継手装置を提供するために為
されたものであつて、その装置発明の要旨とする
ところは、(a)軸心方向の中間部外周面に球状凸面
を備えた中空乃至は中実の軸部材と、(b)軸心方向
の中間部内周面に該軸部材の球状凸面に対応した
球状凹面を有すると共に、該球状凹面の軸心方向
両端部に位置して該球状凹面を挟んで対向するよ
うにそれぞれ設けられた二つの内方凸縁を有し、
且つ前記軸部材の外側に位置せしめられて、該軸
部材の球状凸面と該球状凹面との間に、軸心方向
の両端部における間隙が前記内方凸縁によつて狭
められた、該球状凸面に沿つた均一な間隙の環状
空間を形成する、複数のレース部材が一体的に組
み付けられて成る筒状のレース部材組付体と、(c)
前記軸部材の球状凸面と前記レース部材組付体の
球状凹面との間に形成された前記環状空間内に充
填された所定の樹脂材料にて形成せしめられて、
軸心方向の両端部がそれぞれ前記内方凸縁にて規
制された状態で該レース部材組付体に一体に固着
された、内周面において前記軸部材の球状凸面を
球面摺動可能に保持する摺動部材とを、含んで構
成された球面摺動型継手装置において、前記レー
ス部材組付体を、それぞれ筒形状を呈し、前記球
状凹面を軸方向に2分した形状の球状曲面が内周
面に形成された第一及び第二のレース部材にて構
成すると共に、該第一のレース部材の内周部に雌
ネジ部を、該第二のレース部材の外周部に雄ネジ
部を、それぞれ設けて、それら第一及び第二のレ
ース部材を、両ネジ部の螺合によつて組み付ける
ようにする一方、それら2個のレース部材におけ
る各球状曲面に対して、周方向に延びる凹溝を形
成し、それら凹溝内に前記摺動部材を入り込ませ
て凹凸嵌合せしめたことにある。
(作用・効果) 前記本発明に従う球面摺動型継手装置によれ
ば、内周面において軸部材の球状凸面を球面摺動
可能に保持する樹脂製の摺動部材を、レース部材
組付体の球状凹面と軸部材の球状凸面との間に形
成される空間内に所定の樹脂材料を流入させるこ
とにより、容易に形成でき、しかもその形成と同
時にレース部材組付体に対して固着させることが
できるため、本発明者が前記明細書(特願昭60−
130408号、特願昭60−173739号)で開示した球面
摺動型継手装置と同様、摺動部材をレース部材組
付体の内面に配設させるための組付操作が不要と
なり、その組付操作並びに構造を簡略化すること
が可能となつて、その組付性乃至は製作性を大幅
に向上させることが可能となる。また、摺動部材
と軸部材との摺動面間に適度なクリアランスを形
成して、ガタツキのない、精度の高い球面摺動機
能を得ることができる。
しかも、本発明に係る継手装置にあつては、摺
動部材の軸心方向の両端部を規制、支持せしめる
内方凸縁を軸方向両端部に有するレース部材組付
体が、軸部材の軸方向両側から外挿される第一及
び第二のレース部材を、螺合にて一体化せしめる
ことによつて形成されているところから、従来の
かしめや溶接にて一体化せしめてなる構造のもの
に比して、その組付けが、大掛りな装置や設備を
必要とすることなく容易に為され得ると共に、極
めて優れた強度を安定して得ることができるので
あり、それによつて、継手装置における軸方向の
耐荷重性能が、極めて有利に向上され得ることと
なるのである。
それに加えて、本発明に係る継手装置において
は、かかるレース部材組付体を構成する第一及び
第二のレース部材の内周面に、それぞれ凹溝が形
成されており、それら凹溝内に摺動部材が入り込
まされて凹凸嵌合せしめられているところから、
該摺動部材の凹溝内への嵌合によつて、それら第
一及び第二のレース部材の螺合部における緩み
が、極めて有効に防止され得るのであり、それに
よつて、継手装置の耐久性および信頼性が、より
一層有利に確保され得るのである。
なお、摺動部材の樹脂材料として繊維強化樹脂
材料を採用すれば、軸心方向における軸部材の保
持強度を更に向上させることが可能となる。
また、摺動部材の軸心方向の両端部を規制する
内方凸縁は、摺動部材内面の摺動面よりもレース
部材組付体側に僅かに引つ込んだ状態となるよう
に形成することが望ましい。このようにすれば、
レース金具組付体(正確には内方凸縁)が軸部材
の球状凸面に摺接してそれを損傷することを防止
できるため、良好な球面摺動機能を長期間にわた
つて安定して得ることができるのである。ただ
し、内方凸縁が摺動部材の摺動面よりも多少突出
する状態で形成されているような場合でも、レー
ス金具組付体(内方凸縁)を軸部材のそれよりも
軟らかい材料で構成すれば、同様の効果を得るこ
とができる。この意味において、内方凸縁は軸部
材の球状凸面に接触する状態で形成することも可
能である。
(実施例) 以下、本発明をより一層具体的に明らかにする
ために、その実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
先ず、第1図は、本発明に従う球面摺動型継手
装置の一例を示すものであるが、その図から明ら
かなように、本実施例の継手装置は、軸心方向の
中間部外周面に球状凸面12を有する、軸部材と
しての円筒状の内筒金具14と、その内筒金具1
4の外側に配置された、軸心方向の中間部内周面
に該内筒金具14の球状凸面12に対応した球状
凹面16を有する略円筒状のレース金具組付体1
8と、それら内筒金具14の球状凸面12とレー
ス金具組付体18の球状凹面16との間に配設さ
れて、内筒金具14をレース金具組付体18に対
して球面摺動可能に保持せしめる、所定の樹脂材
料から成る環状の摺動部材20と、内筒金具14
とレース金具組付体18との相対応する端部間に
配設されて、摺動部材20と内筒金具14との球
面摺動部位を外部からシールする一対のシール部
材22,22とから成つている。そして、内筒金
具14の内孔24において所定の取付軸に外挿さ
れて取り付けられると共に、レース金具組付体1
8の外周面において直接、あるいは筒状の弾性部
材等を介して所定の筒状部材に嵌装されて取り付
けられ、それら取付軸と筒状部材とを球面摺動可
能に連結するようになつている。
ここにおいて、前記内筒金具14は、第2図に
示されているように、前記球状凸面12の両側に
位置する軸心方向両端部の外周面に、シール部材
22,22を装着するための一対の環状溝26,
26を有している。
また、前記レース金具組付体18は、第3図に
示されているように、その軸心方向の長さが、前
記内筒金具14における球状凸面12の形成幅と
環状溝26,26間の長さとの略中間の長さに設
定されており、その内周部の両端部が大径部2
7,27とされる一方、その内周部の中間部が、
略球状凸面12の形成幅にわたり、その球状凸面
12の直径よりも所定寸法径の小さい小径部28
とされている。そして、その小径部28の軸心方
向中央部に位置して、上記球状凸面12の形成幅
よりも所定寸法短い形成幅をもつて、且つ軸心方
向の両端部が小径部28の内周面から垂直に延び
出させられた相対向する環状の段付面30,30
でそれぞれ画定された状態で、前記球状凹面16
が形成されている。そして、これにより、後述す
るように、かかるレース金具組付体18が内筒金
具14の外側において組み付けられ、球状凹面1
6と球状凸面12とが均一な間隙を隔てて対向す
るように配設せしめられた時、それら段付面3
0,30と小径部28の内周面との交叉部に形成
された直角断面のエツジ部32,32が、内筒金
具14の球状凸面12に対し、所定の微小間隙を
隔てて対向するようにされている。
つまり、本実施例では、エツジ部32,32を
備えた小径部28の軸心方向両端部分により、そ
れらレース金具組付体18の球状凹面16と内筒
金具14の球状凸面12との間に形成される後述
の環状空間34がその両端部を可及的に狭められ
るようになつているのであり、このことから明ら
かなように、その小径部28の両端部分がそれぞ
れ内方凸縁36,36とされているのである。
なお、前記大径部27,27は、小径部28の
内面に形成された球状凹面16の直径よりも大き
い径をもつて形成されている。また、本実施例で
は、前記内方凸縁36と球状凸面12との間の間
隙が、後述するように、摺動部材20の成形時に
おいて樹脂材料が収縮する寸法よりも僅かに大き
く(通常は0.1mm程度に)設定されている。
また、上記レース金具組付体18の球状凹面1
6には、第3図に示されているように、レース金
具組付体18の軸心回りに2条の環状溝38,3
8が形成されていると共に、その軸心方向中央部
に位置して、レース金具組付体18の筒壁を貫通
する貫通孔40が所定の間隔を隔てて適数個(こ
こでは2個)形成されている。
そして、本実施例では、このようなレース金具
組付体18が、それぞれ略円筒状を成す第一およ
び第二の2個のレース金具42,44によつて形
成されている。
すなわち、第一のレース金具42は、第4図に
示されているように、レース金具組付体18の一
方の大径部27が球状凹面16の軸心方向中央ま
で延長して形成された構造とされており、その大
径部27の延設部位に雌ネジ部46を有すると共
に、内周部の他端側に、球状凹面16が軸心方向
に2分された形状の球状曲面48を有する構成と
されている。また、第二のレース金具44は、第
5図に示されているように、その内周部に、第一
のレース金具42と同様の球状曲面48を有する
と共に、その外周部に、第一のレース金具42の
雌ネジ部46と螺合可能な雄ネジ部50を有する
構成とされている。そして、本実施例では、第二
のレース金具44が、第3図に示されているよう
に、その雄ネジ部50において第一のレース金具
42の雌ネジ部46に螺合せしめられることによ
り、前述の如きレース金具組付体18が形成され
るようになつているのであり、またこれにより、
球状曲面48,48から前記球状凹面16が形成
されるようになつているのである。また、レース
金具組付体18が、このように複数のレース金具
(ここでは、第一および第二の二つのレース金具
42,44)の組付けによつて形成されるように
なつていることにより、レース金具組付体18が
内筒金具14の外側に配置され得るようになつて
いるのである。
なお、前記環状溝38は、それら各レース金具
42,44の球状曲面48,48の1条づつ形成
されている。また、前記貫通孔40は、それらレ
ース金具42,44の突き合わせ部に跨がつて形
成されている。
また、前記摺動部材20は、以下に述べるよう
な手法に従つて形成されるようになつており、第
1図に示されているように、軸心方向の両端部が
前記レース金具組付体18の内方凸縁36,36
(正確には段付面30,30)で規制された状態
で、該レース金具組付体18に一体に固着して形
成されている。また、その内周面が前記内筒金具
14の球状凸面12に極めて忠実な球状曲面52
として形成されて、内筒金具14の球状凸面12
を、ガタツキのない、良好な球面摺動性能をもつ
て保持するようにされている。
すなわち、かかる摺動部材20の形成に際して
は、先ず、前記第一および第二のレース金具4
2,44を前記内筒金具14の外側において一体
的に組み付け、レース金具組付体18を内筒金具
14の外側において形成する。そして、そのよう
にして組み付けたレース金具組付体18と内筒金
具14とを、第6図に示されているように、所定
の成形金型54内にセツトし、球状凹面16と球
状凸面12とが均一な間隙を隔てて対向するよう
に、それらレース金具組付体18と内筒金具14
とを保持させる。これにより、それらレース金具
組付体18の球状凹面16と内筒金具14の球状
凸面12との間に、軸心方向の両端部がレース金
具組付体18の内方凸縁36,36によつて規制
された、球状凸面12に沿つた均一な間隙の環状
空間34が形成されるのである。このとき、各内
方凸縁36のエツジ部32と内筒金具14の球状
凸面12との間に形成される微小間隙は、第7図
に示されているように、成形金型54で閉塞させ
る。また、レース金具組付体18の球状凹面16
と段付面30,30とには、予め接着処理が施さ
れる。
そして、かかる状態下において、第8図に示さ
れているように、摺動部材20を構成する所定の
樹脂材料56を成形金型54のスプルー58を通
じて導き、前記レース金具組付体18に形成され
た貫通孔40から環状空間34内に射出せしめ
る。このことから明らかなように、本実施例では
貫通孔40がゲート孔とされている。
このようにすれば、レース金具組付体18の球
状凹面16と内筒金具14の球状凸面12との間
に、前述の如き、軸心方向の両端部が内方凸縁3
6,36(段付面30,30)で規制された、レ
ース金具組付体18に一体に固着せしめられた摺
動部材20が形成されるのである。そして、この
ようにして形成された摺動部材20では、その内
周面と内筒金具14の球状凸面12との間に樹脂
材料56の射出後の収縮作用に基づく均一且つ僅
少のクリアランスが形成されるだけであるところ
から、その内周面が内筒金具14の球状凸面12
に対して極めて忠実な球状曲面52となるのであ
る。
なお、本実施例では、前述のように、環状空間
34の軸心方向両端部を規制するレース金具組付
体18の内方凸縁36,36が、内筒金具14の
球状凸面12に対し、樹脂材料56の収縮寸法よ
りも大きな間隙を隔てて対向せしめられるように
なつていることから、摺動部材20の球状曲面5
2はそれらレース金具組付体18の内方凸縁3
6,36(エツジ部32,32)よりも内筒金具
14の球状凸面12側に接近した位置において形
成されることとなる。
また、ここで、前記摺動部材20を構成する樹
脂材料56としては、ナイロンを始めとする種々
の材料を採用することが可能であり、さらにはチ
タン酸ウイスカー等の強化繊維を混入した繊維強
化樹脂材料を採用することも可能であるが、良好
な成形性を得る上においては非繊維強化樹脂材料
を用いることが望ましく、機械的強度の向上を図
る上においては繊維強化樹脂材料を用いることが
望ましい。
そして、本実施例では、かかる摺動部材20の
形成によつて球面摺動可能に組み付けられたレー
ス金具組付体18と内筒金具14との各対応する
端部間に、第9図に示されている如き、一端側が
大径とされ、他端側が小径とされた環状のシール
部材22,22がそれぞれ装着され、これらシー
ル部材22,22によつて内筒金具14の球状凸
面12と摺動部材20の球状曲面52との間の球
面摺動部位が外部空間からシールされることによ
り、第1図に示されている如き継手装置10が得
られるようになつている。
なお、シール部材22は、第9図に示されてい
るように、小径側の端部内周部に内向きの圧入部
60を備えていると共に、大径側の端部に金属リ
ング62を一体に備えており、第1図に示されて
いるように、小径側端部の圧入部60において内
筒金具14の前記環状溝26に嵌め込まれて装着
される一方、金属リング62を有する大径側端部
においてレース金具組付体18の前記大径部27
に圧入されて嵌着されるようになつている。な
お、シール部材22の圧入部60を内筒金具14
に対して強固に固定させるために、その外周部に
金属リングを嵌装させるようにしてもよく、また
その内周部に金属リングを一体に埋設させるよう
にすることも可能である。
このような継手装置によれば、前述のように、
内筒金具14の球状凸面12をレース金具組付体
18に対して球面摺動可能に保持せしめる樹脂製
の摺動部材20を、その形成と同時にレース金具
組付体18に対して保持(固着)させることがで
きるため、従来の継手装置に比べて組付操作並び
に構造が大幅に簡略化することとなつたのであ
り、その製作性乃至は組付性が著しく向上するこ
ととなつたのである。また、前述のように、摺動
部材20が、レース金具組付体18の球状凹面1
6と内筒金具14の球状凸面12間に形成される
環状空間34への所定の樹脂材料56の射出によ
つて形成されることから、それらレース金具組付
体18および内筒金具14の寸法公差が摺動部材
20で吸収されることとなつたのであり、また摺
動部材20の球状曲面52と内筒金具14の球状
凸面12との間には、樹脂材料56の収縮に基づ
いて均一且つ僅少の、適度なクリアランスが形成
されることとなつたのであり、これによつてガタ
ツキのない、精度の高い球面摺動機能が安定して
得られることとなつたのである。
しかも、かかる継手装置では、前述のように、
摺動部材20がその軸心方向の両端部をレース金
具組付体18の内方凸縁36,36(段付面3
0,30)によつて規制された状態で形成され、
摺動部材20のレース金具組付体18に対する軸
心方向の投影面積が大きくされると共に、摺動部
材20の軸心方向両端部がそれらレース金具組付
体18の内方凸縁36,36によつて補強されて
いることから、摺動部材20の軸心方向における
内筒金具14の保持強度(軸心方向の許容荷重乃
至は内筒金具14の引抜き強度)が大幅に向上す
ることとなつたのであり、それ故摺動部材20を
構成する樹脂材料56の選択範囲が著しく拡がる
ことにもなつたのである。なお、本実施例では、
前述のように、レース金具組付体18の球状凹面
16に軸心まわりの環状溝38が2条形成され、
摺動部材20に対してその軸心方向に加えられた
荷重がこの環状溝38内に注入された樹脂部分を
介してもレース金具組付体18に作用せしめられ
るようになつているため、これによつても軸心方
向の荷重に対する内筒金具14の保持強度が高め
られるといつた利点がある。
また、特に、上述の如き構造の継手装置におい
ては、レース金具組付体18が、軸方向に二分さ
れた球状凹面をそれぞれ有する第一及び第二のレ
ース金具42,44を螺着構造をもつて一体化せ
しめることにより形成されているところから、従
来のように複数の部材をかしめや溶接にて一体化
することによりレース金具組付体を形成せしめて
成るものに比して、その組付けを、大掛りな装置
や装備を必要とすることなく容易に行なうことが
できると共に、極めて優れた組付強度を安定して
得ることができるのである。そして、それによつ
て、かかるレース金具組付体18の内方凸縁3
6,36による、前述の如き、摺動部材20の支
持強度、延いては継手装置における軸方向の耐荷
重強度が、より有効に且つ安定して発揮され得る
こととなるのである。
更にまた、かかるレース金具組付体18を構成
する第一及び第二のレース金具42,44の内周
面には、それぞれ環状溝38,38が形成されて
おり、それらの環状溝38内には摺動部材20が
凹凸嵌合せしめられているところから、かかる摺
動部材20によつて、第一及び第二のレース金具
42,44の螺合部における緩みが、極めて有効
に防止され得るのであり、それによつて、レース
金具組付体18、延いては継手装置の耐久性およ
び信頼性が、より一層有利に確保され得るのであ
る。
さらに、本実施例によれば、前述のように、摺
動部材20の球状曲面52がレース金具組付体1
8の内方凸縁36,36(エツジ部32,32)
よりも内筒金具14の球状凸面12側に接近した
位置において形成されるようになつていることか
ら、内筒金具14の球状凸面12がそれら内方凸
縁36,36との摺接によつて損傷することがな
く、良好な球面摺動機能が長期間にわたつて安定
して得られるといつた利点もある。
なお、摺動部材20の球状曲面52は、内筒金
具14の球状凸面12に対し、レース金具組付体
18の内方凸縁36,36(エツジ部32,3
2)よりも必ずしも接近した位置において形成さ
れている必要はなく、内方凸縁36,36よりも
多少離間した位置において形成するようにするこ
とも可能である。ただし、この場合には、球状凸
面12の損傷を防止する上で、レース金具組付体
18を内筒金具14よりも軟らかい材料で構成す
ることが望ましい。この意味において、摺動部材
20は、前述の如き成形金型54を用いることな
く、単に内筒金具12とレース金具組付体18と
を位置固定に保持した状態で射出成形することが
可能であり、このようにすることにより、摺動部
材20の成形効率の向上を図ることが可能であ
る。
すなわち、レース金具組付体18の内方凸縁3
6,36を、第10図に示されているように、そ
のエツジ部32,32(ここでは、その一方のみ
が示されている)が摺動部材20の射出成形時に
おいて内筒金具14の球状凸面12に接触するよ
うに形成すれば、環状空間34内に射出せしめら
れる樹脂材料56がその両端部から外部に流出す
ることが防止されるため、成形金型54を用いる
ことなく、前述の如き摺動部材20を形成できる
のである。なお、この場合、環状空間34の両端
部は完全に閉塞されている必要はなく、その両端
部から樹脂材料56が外部に流出しない程度に閉
塞されていればよいのであり、むしろ内筒金具1
4の球状凸面12を保護する上では、内方凸縁3
6,36と球状凸面12との間に出来るだけ大き
な間隙を形成するようにすることが望ましいので
ある。
また、本実施例では、樹脂材料56が、環状空
間34内に、レース金具組付体18の筒壁を貫通
して形成された貫通孔40を通じて射出せしめら
れるようになつているため、良好な成形性が得ら
れるといつた利点があるのであるが、樹脂材料5
6は必ずしもレース金具組付体18の筒壁を貫通
して形成された貫通孔40を通じて環状空間34
内に射出せしめられるようになつている必要はな
いのである。
さらに、このような継手装置は、前述のよう
に、ボールジヨイント装置として直接、あるいは
防振機能を果たす筒状の弾性部材等を介して所定
の連結部に間接的に装着されることとなるのであ
るが、本発明者が前記明細書(特願昭60−173739
号)で提案したボールジヨイント付きロツドのよ
うに、所定のロツドの連結部に一体的に埋め込ん
だ状態で設けることも可能である。
以上、本発明の実施例を説明したが、これは文
字通りの例示であつて、本発明がかかる具体例に
限定して解釈されるべきものでないことは勿論で
ある。
例えば、前記実施例では、内方凸縁36,36
がレース金具組付体18の軸心に直角な段付面3
0,30で摺動部材20の両端部を規制すると共
に、直角形状の断面を有するエツジ部32,32
において内筒金具14の球状凸面12と対向せし
められるようになつていたが、内方凸縁36,3
6はレース金具組付体18の軸心に対して非直角
な状態で形成された段付面30,30によつて、
さらには曲面状を呈する段付面30,30によつ
て摺動部材20の両端部を規制するようになつて
いてもよいのであり、また内筒金具14の球状凸
面12に対し、鋭角乃至は鋭角状のエツジ部3
2,32において、さらには曲面状の段面を有す
るコーナ部(エツジ部)や面取面において対向せ
しめられるようになつていてもよいのである。
また、前記実施例では、軸部材が中空の内筒金
具14とされ、所定の取付軸に対してその内筒金
具14の内孔24において取り付けられるように
なつていたが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、軸部材が中実の取付軸とされる形式の継
手装置に対しても適用することが可能であり、自
動車サスペンシヨンのコントロールアームリンク
ロツド、スタビライザリンクロツド、ラテラルリ
ンク等の連結部に用いられるボールジヨイント装
置や、トルクロツドを始めとする各種のロツド、
リンク、アーム等の連結部に用いられてそれらを
所定の支持部材に対して球面摺動可能に防振連結
する球面摺動型ブツシユ球面摺動機構(ボールジ
ヨイント機構)等、二つの部材を球面摺動可能に
連結する連結機構として広く適用することが可能
である。
その他、シール部材の形状やその取付構造な
ど、一々列挙はしないが、本発明が、その趣旨を
逸脱しない範囲内において、種々なる変更、修
正、改良等を施した態様で実施し得ることは、言
うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に従う継手装置の一例を示す断
面図であり、第2図はその継手装置の内筒金具を
示す断面図である。第3図は同じく第1図の継手
装置のレース金具組付体を示す断面図であり、第
4図および第5図は、それぞれその継手装置を構
成する第一のレース金具および第二のレース金具
を示す断面図である。第6図および第8図は、そ
れぞれ第1図の継手装置の製造工程を説明するた
めの断面図であり、第7図は第6図の要部拡大図
である。第9図は第1図の継手装置のシール部材
を示す断面図である。第10図は本発明の別の実
施例の製造工程を説明するための第7図に対応す
る図である。 12:球状凸面、14:内筒金具(軸部材)、
16:球状凹面、18:レース金具組付体、2
0:摺動部材、22:シール部材、30:段付
面、32:エツジ部、34:環状空間、36:内
方凸縁、38:環状溝、40:貫通孔(ゲート
孔)、42:第一のレース金具、44:第二のレ
ース金具、46:雌ネジ部、48:球状曲面、5
0:雄ネジ部、54:成形金型、56:樹脂材
料。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 軸心方向の中間部外周面に球状凸面を備えた
    中空乃至は中実の軸部材と、 軸心方向の中間部内周面に該軸部材の球状凸面
    に対応した球状凹面を有すると共に、該球状凹面
    の軸心方向両端部に位置して該球状凹面を挟んで
    対向するようにそれぞれ設けられた二つの内方凸
    縁を有し、且つ前記軸部材の外側に位置せしめら
    れて、該軸部材の球状凸面と該球状凹面との間
    に、軸心方向の両端部における間〓が前記内方凸
    縁によつて狭められた、該球状凸面に沿つた均一
    な間〓の環状空間を形成する、複数のレース部材
    が一体的に組み付けられて成る筒状のレース部材
    組付体と、 前記軸部材の球状凸面と前記レース部材組付体
    の球状凹面との間に形成された前記環状空間内に
    充填された所定の樹脂材料にて形成せしめられ
    て、軸心方向の両端部がそれぞれ前記内方凸縁に
    て規制された状態で該レース部材組付体に一体に
    固着された、内周面において前記軸部材の球状凸
    面を球面摺動可能に保持する摺動部材とを、 含んで構成された球面摺動型継手装置において、 前記レース部材組付体を、それぞれ筒形状を呈
    し、前記球状凹面を軸方向に2分した形状の球状
    曲面が内周面に形成された第一及び第二のレース
    部材にて構成すると共に、該第一のレース部材の
    内周部に雌ネジ部を、該第二のレース部材の外周
    部に雄ネジ部を、それぞれ設けて、それら第一及
    び第二のレース部材を、両ネジ部の螺合によつて
    組み付けるようにする一方、それら2個のレース
    部材における各球状曲面に対して、周方向に延び
    る凹溝を形成し、それら凹溝内に前記摺動部材を
    入り込ませて凹凸嵌合せしめたことを特徴とする
    球面摺動型継手装置。
JP4437586A 1986-02-28 1986-02-28 球面摺動型継手装置 Granted JPS62204010A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4437586A JPS62204010A (ja) 1986-02-28 1986-02-28 球面摺動型継手装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4437586A JPS62204010A (ja) 1986-02-28 1986-02-28 球面摺動型継手装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25642788A Division JPH01126414A (ja) 1988-10-12 1988-10-12 球面摺動型継手装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62204010A JPS62204010A (ja) 1987-09-08
JPH0330727B2 true JPH0330727B2 (ja) 1991-05-01

Family

ID=12689752

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4437586A Granted JPS62204010A (ja) 1986-02-28 1986-02-28 球面摺動型継手装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS62204010A (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS453448Y1 (ja) * 1966-09-24 1970-02-17
JPS5311718U (ja) * 1976-07-14 1978-01-31
JPS5338369A (en) * 1976-09-20 1978-04-08 Seiko Instr & Electronics Ltd Alarm electronic watch
JPS5539853U (ja) * 1978-09-06 1980-03-14

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS453448Y1 (ja) * 1966-09-24 1970-02-17
JPS5311718U (ja) * 1976-07-14 1978-01-31
JPS5338369A (en) * 1976-09-20 1978-04-08 Seiko Instr & Electronics Ltd Alarm electronic watch
JPS5539853U (ja) * 1978-09-06 1980-03-14

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62204010A (ja) 1987-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5092703A (en) Ball joint and method of manufacturing the same
US6698963B1 (en) Ball and socket joint and method therefor
KR101888707B1 (ko) 볼 슬리브 조인트의 제조 방법
JPH0254443B2 (ja)
JPH04262112A (ja) スタビライザ用ボールジョイント
KR102131754B1 (ko) 마이크로 전단 허브 이중 링 아이솔레이터
JP3468575B2 (ja) すべりブッシュの製法
CN110325757A (zh) 弹性支承
JPH0330727B2 (ja)
JPH04321818A (ja) 接続部分として構成された弾性軸継手およびその製作方法
JPH01126416A (ja) 球面摺動型継手装置の製造方法
JPH01126414A (ja) 球面摺動型継手装置
US6682433B2 (en) Arrangement of a running roller on a coupling journal of a moveable shaft coupling
JPH0330728B2 (ja)
JP3217906B2 (ja) 樹脂製連結ロッドおよびその製造方法
US7090424B2 (en) Ball-end pin with plastic flange
JP4235864B2 (ja) バルブ組込ボディの製造方法
DE102016113879A1 (de) Koppelelement mit Gelenkanordnung
JPH09196077A (ja) 軸継手およびその製造方法
JPH01126415A (ja) 球面摺動型ブッシュ組立体
US20230099834A1 (en) Bearing and a method for producing a bearing
JPH081309Y2 (ja) ゴムブッシュ
JPH0524818Y2 (ja)
JPH04107315A (ja) 摺動ブッシュ組立体
KR0121465Y1 (ko) 자동차조향장치의 베어링