JPH0330583B2 - - Google Patents

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JPH0330583B2
JPH0330583B2 JP11469982A JP11469982A JPH0330583B2 JP H0330583 B2 JPH0330583 B2 JP H0330583B2 JP 11469982 A JP11469982 A JP 11469982A JP 11469982 A JP11469982 A JP 11469982A JP H0330583 B2 JPH0330583 B2 JP H0330583B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本般明は一般式(1) 〔式中Arは置換又は非置換の芳香環、Rはア
ルキル基又はハロゲン置換アルキル基、又はハロ
ゲン置換アリール基、又はトリアルキルシリル
基、Yはシアノ基又は水素原子を表わす〕 で表わされる光学活性化合物の製造法に関するも
のである。 本発明によつて得られる一般式(1)で表わされる
光学活性なシアンヒドリン類又は第二級アルコー
ル類は農薬、医薬、もしくは香料又はこれらの出
発原料として有用な化合物である。 従来、光学活性体の製造法としてラセミ体の光
学分割法或は不斉合成法が知られている。しかし
本発明の目的物であるアミノ基もカルボキシル基
もない化合物にあつては、通常採られるジアステ
レオマー法等の公知の光学分割法の適用は困難で
あり、光学分割によるその工業的製造法は未だ確
立していない。一方不斉合成による方法もシアン
ヒドリン類の不斉合成の場合には、シクロデキス
トリン、酵素又はポリペプチド等を触媒とする方
法が、又第二級アルコール類の場合にはケトン類
の不斉環元法が提案されているが、いずれも工業
的製法としては満足できるものではなかつた。 本発明者らはこのような状況下にあつて極めて
有用性の高い前記一般式(1)で表わされる化合物の
光学分割法を鋭意検討した結果、ブルシンと分子
包接錯体を形成せしめることを特徴とする新規な
光学分割法を見出し、この知見に基づいて本発明
を完成した。 すなわち本発明は一般式
【式】 〔式中Arは置換又は非置換の芳香環、Rはア
ルキル基又はハロゲン置換アルキル基、又はハロ
ゲン置換アリール基、又はトリアルキルシリル
基、Yはシアノ基又は水素原子を表わす〕 で表わされる化合物のラセミ体を有機溶媒中で光
学活性ブルシンと接触させ、形成せしめた分子包
接錯体を用いて光学分割することを特徴とする前
記一般式で表わされる光学活性な化合物の製造法
に関するものである。 本発明にとつて特に重要な点は一般式(1)で表わ
される化合物のd体又はl体のどちらか一方がブ
ルシンのl体又はd体と優先的に分子包接錯体を
形成する点であり、これを利用して光学分割する
点にある。 なお、ここで分子包接錯体とは分子が結合して
できた3次元構造の内部に適当な大きさの空孔が
あつて、その中にほかの分子がはいり込んで特定
の結晶構造をつくつている物質のことをいう。 本発明者はX線解析を行うことにより、ブルシ
ンに対して一般(1)の化合物はその水酸基の水素原
子を介して分子包接錯体を形成している事を究明
した。これは従来知られているものと異つたブル
シンとの結合形態の発見であつた。 なお、これら化合物が、水酸基と共にシアノ基
或は水素を併せ有することがブルシンとその特異
的分子包接錯体形成の鍵となつているものと考え
られる。 本発明で用いるブルシンはd体又はl体いずれ
でもよいが、マチン科植物の種子中など、天然に
多く存在するl−ブルシンが好都合であり、その
構造式は次に示す通りである。 本発明の目的とする光学活性化合物は一般式(1)
で表わされる。 式中Yはシアノ基又は水素原子を表わすが、Y
がシアノ基の場合には芳香環を含むシアンヒドリ
ン類となり、Yが水素原子の場合には第二級アル
コール類となる。又Arはフエニル基、或はフエ
ニル基の水素原子をF,Cl,Br,Iなどのハロ
ゲン原子又は低級アルキル基、水酸基、アルコキ
シル基等で置換したものであり、Rはアルキル
基、ハロゲン置換アルキル基、又はハロゲン置換
アリール基、或はトリアルキルシリル基を表わ
す。 この一般式で表わされる光学活性化合物の製造
法において、出発原料として用いるラセミ体は公
知のいずれの方法によつて製造しても差しつかえ
ないが、好ましくは対応するケトン類から合成さ
れる。例えば次式(2)及び(3) (式中R及びArは前記と同じ意味を有す) で示されるシアンヒドリン化及び水素添加法であ
る。 すなわちケトン類と液体青酸を苛性ソーダ又は
苛性カリ存在下撹拌下反応させた後、酸によつて
中和することによつて式(2)にあるシアンヒドリン
類のラセミ体を得ることが出来る。又式(3)にある
第二級アルコール類のラセミ体はケトン類を白金
触媒存在下水素ガスと反応せしめることによつて
得ることができる。 次に本発明の実施法について詳述する。 まずl(又はd)−ブルシンを有機溶媒に溶解す
る。有機溶媒としては、該ブルシンを溶解するも
のであればいずれも有用であるが、特にメタノー
ル、酢酸エチル、エーテル、アセトニトリル、テ
トラヒドロフラン等が好ましい。 第二級アルコール類を分割対象とする時はアセ
トンを使用する事が出来る。 その使用量は該ブルシンを溶解するのに必要な
量ないし、それよりやや過剰に用いれば充分であ
る。 次いでブルシンに対して0.5モル以上、好まし
くは、1〜2倍モルの式(1)で示される化合物のラ
セミ体を加え、両者を振とう或は撹拌によつて接
触させる。 尚、両者の接触に際しては、分割すべきラセミ
体を予め有機溶媒に溶かし、これにブルシンを加
えたり、又ラセミ体とブルシンを夫々有機溶媒に
溶解した後、混合する事も可能である。 接触は0℃〜50℃、通常は室温で、1〜40時間
多くは6〜12時間行なう。この際晶析する結晶の
大きさをコントロールするため、緩やかな撹拌を
行う事もあるが、通常は静置するだけで充分であ
る。 結晶析出を促すため少量の結晶種を添加る事も
効果的なことがある。 晶出してくる該ブルシンと式(1)の化合物との分
子包接錯体は使用する溶媒、ラセミ体の種類に応
じて、d体又はl体の式(1)の化合物を含む事にな
る。 晶出物は、例えば過、遠心分離などの簡単な
操作により、容易に分離取得出来る。 取得した結晶物は、分解させる事により、該ブ
ルシンと光学活性な式(1)で表わされる化合物に分
ける事が出来る。例えば、晶出物を水に不溶な溶
媒に溶解させた後、酸と接触させる事により、分
子包接錯体を分解する事が出来る。 使用に供される水に不溶な溶媒としては、例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げら
れる。これらは分解して得られる光学活性の式(1)
で表わされる化合物を充分溶解させるに必要な量
程度用いればよい。 また使用に供される酸としては、例えば塩酸、
硝酸、硫酸などの鉱酸又は酢酸等の有機酸が挙げ
られ、その濃度には特別の規定はないが、通常1
〜30重量%の濃度で使用することができる。分子
包接錯体の酸による分解は、通常10〜50℃の温度
で5〜60分間両者を接触させることによつて行わ
れる。 このようにして分子包接錯体を分解した後、d
−またはl−の式(1)で表わされる化合物は水に不
溶な溶媒、すなわち有機層に移行し、l−ブルシ
ンは鉱酸水溶液、すなわち水層に移行する。従つ
て両者を例えば分液によつて分離した後、有機層
を蒸留することにより、目的物のd−又はl−の
式(1)で表わされる化合物を取得することが出来
る。一方、水層にはアルキル分質を加えて処理す
ることによりl−ブルシンを晶出させ、これを分
離、回収し、再び本発明における製法の分割試薬
として利用することもできる。 一方、晶析せず、液中に含まれる式(1)の対掌
体(エナンシオマー)は該ブルシンと分子包接錯
体を作らないか、或いは分子包接錯体を作つても
溶解度が大きいため溶解しているか、不明である
が、場合により有機溶媒をある程度蒸発させ、濃
縮した後、晶析物と同様の接作により分離するこ
とが出来る。次に実施例により本発明を説明す
る。 実施例 1 フエニル−t−ブチル−ケトンシアンヒドリン
9.8g(51.9mmol)と無水ブルシン20.5g
(51.9mmol)
【式】 をメタノール40mlに溶解し、6時間室温で放置す
る。t−ブチルマンデロニトリルとブルシンの1
対1錯体が無色針状晶(mp111〜114℃)として
13.6g(収率45%)析出した。続いて吸引過して
得た結晶に3N−HCl水溶液100mlを加えて錯体を
分解したのちエチルエーテル50mlで抽出し、3N
−HCl水溶液30mlで1回、水30mlで2回洗滌す
る。その後、無水硫酸マグネシウムで乾燥しエー
テルを留去すると、d体のフエニル−t−ブチル
−ケトンシアンヒドリン無色プリズム晶(mp82
−83℃、〔α〕D+5.6゜(メタノール)38%ee〕とし
て4.4g(収率45%)得られた。4.4gを再び無水ブ
ルシン9.2gを用いて分割すると、d−フエニル−
t−ブチルケトンシアンヒドリン(〔α〕D+14.8゜
(メタノール)、100%ee)が3.1g(収率32%)得ら
れた。 一方、3液を同様に処理すると、l体のフエニ
ル−t−ブチル−ケトンシアンヒドリン(〔α〕D
−1.1゜、7%ee)が5.3g(収率54%)得られた。 実施例2〜10 フエニル−t−ブチル−ケトンシアンヒドリン
のラセミ体にかえて表1に示す多種ラセミ体を用
いた他は実施例1と同様にして夫々の光学分割を
行つた。結果を表1に示す。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 〔式中Arは置換又は非置換の芳香環、Rはア
    ルキル基又はハロゲン置換アルキル基、又はハロ
    ゲン置換アリール基、又はトリアルキルシリル
    基、Yはシアノ基又は水素原子を表わす〕 で表わされる化合物のラセミ体を有機溶媒中で、
    光学活性ブルシンと接触させ、形成せしめた分子
    包接錯体を用いて光学分割することを特徴とする
    前記一般式で表わされる光学活性な化合物の製造
    法。
JP11469982A 1982-07-01 1982-07-01 光学活性な化合物の製造法 Granted JPS595131A (ja)

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JP11469982A JPS595131A (ja) 1982-07-01 1982-07-01 光学活性な化合物の製造法

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JPS595131A JPS595131A (ja) 1984-01-12
JPH0330583B2 true JPH0330583B2 (ja) 1991-04-30

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