JPH07571B2 - 光学活性1−ブチン−3−オ−ルの製造方法 - Google Patents
光学活性1−ブチン−3−オ−ルの製造方法Info
- Publication number
- JPH07571B2 JPH07571B2 JP61072534A JP7253486A JPH07571B2 JP H07571 B2 JPH07571 B2 JP H07571B2 JP 61072534 A JP61072534 A JP 61072534A JP 7253486 A JP7253486 A JP 7253486A JP H07571 B2 JPH07571 B2 JP H07571B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、光学活性1−ブチン−3−オールの製法に関
する。光学活性1−ブチン−3−オールは医薬、農薬、
香科、液晶などの原料中間体として重要な化合物であ
る。
する。光学活性1−ブチン−3−オールは医薬、農薬、
香科、液晶などの原料中間体として重要な化合物であ
る。
(従来技術と問題点) 従来、化学活性体の製造方法としてはラセミ体の光学分
割法或は不斉合成法が知られているが本発明の目的物は
上記のいずれの方法によっても光学活性体の工業的製造
は困難であった。本発明者らは鋭意研究をおこなった結
果、光学活性なブルシンが本目的物のラセミ体を極めて
効率的に光学分割することを見いだし本発明の完成に至
った。
割法或は不斉合成法が知られているが本発明の目的物は
上記のいずれの方法によっても光学活性体の工業的製造
は困難であった。本発明者らは鋭意研究をおこなった結
果、光学活性なブルシンが本目的物のラセミ体を極めて
効率的に光学分割することを見いだし本発明の完成に至
った。
(問題点を解決するための手段) すなわち本発明は、1−ブチン−3−オールのラセミ体
と光学活性なブルシンを有機溶媒中で接触させ、得られ
る1−ブチン−3−オールの一方の対掌体を包接したブ
ルシンの錯体を溶媒から分離した後、その包接錯体を分
解することを特徴とする、光学活性1−ブチン−3−オ
ールの優れた製法を提供するものである。
と光学活性なブルシンを有機溶媒中で接触させ、得られ
る1−ブチン−3−オールの一方の対掌体を包接したブ
ルシンの錯体を溶媒から分離した後、その包接錯体を分
解することを特徴とする、光学活性1−ブチン−3−オ
ールの優れた製法を提供するものである。
本発明における原料の1−ブチン−3−オールはラセミ
体でよいが、光学純度の低いものの光学純度を上げる目
的にも利用できる。
体でよいが、光学純度の低いものの光学純度を上げる目
的にも利用できる。
本発明において、光学分割にもちいる光学活性ブルシン
としてはマチン科の植物の種子中に含まれるなど天然に
存在する1−ブルシンを用いれば良い。
としてはマチン科の植物の種子中に含まれるなど天然に
存在する1−ブルシンを用いれば良い。
使用に供される溶媒としては、1−ブチン−3−オール
の低光学純度物もしくはラセミ体を溶解し、かつ形成し
た包接錯体の溶解度が小さいものがよい。このような溶
媒としては水、アルコール類、ベンゼン、トルエン、ク
ロロホルム、四塩化炭素、塩化メチレン、酢酸メチル、
酢酸エチル、石油エーテル、テトラヒドロフラン、エチ
ルエーテルなどが挙げられる。また、これら溶媒を任意
に混合して用いてもよい。
の低光学純度物もしくはラセミ体を溶解し、かつ形成し
た包接錯体の溶解度が小さいものがよい。このような溶
媒としては水、アルコール類、ベンゼン、トルエン、ク
ロロホルム、四塩化炭素、塩化メチレン、酢酸メチル、
酢酸エチル、石油エーテル、テトラヒドロフラン、エチ
ルエーテルなどが挙げられる。また、これら溶媒を任意
に混合して用いてもよい。
本発明において、1−ブチン−3−オールの低光学純度
物もしくはラセミ体は、光学活性ブルシンに対して、通
常0.1〜10モル使用されるが包接錯体の晶析率や分割さ
れた目的物の光学純度などを考慮して、その比を決定で
きる。
物もしくはラセミ体は、光学活性ブルシンに対して、通
常0.1〜10モル使用されるが包接錯体の晶析率や分割さ
れた目的物の光学純度などを考慮して、その比を決定で
きる。
本発明において、1−ブチン−3−オールの低光学純度
物もしくはラセミ体と光学活性ブルシンの接触は通常−
20℃〜100℃の温度で0.5〜100時間行なうのがよく、好
ましくは−10℃〜50℃の温度で0.5〜50時間行なうのが
よい。この接触によって、1−ブチン−3−オールの低
光学純度物もしくはラセミ体のうちの一方の対掌体が光
学活性ブルシンに包接され、その錯体が晶析する。
物もしくはラセミ体と光学活性ブルシンの接触は通常−
20℃〜100℃の温度で0.5〜100時間行なうのがよく、好
ましくは−10℃〜50℃の温度で0.5〜50時間行なうのが
よい。この接触によって、1−ブチン−3−オールの低
光学純度物もしくはラセミ体のうちの一方の対掌体が光
学活性ブルシンに包接され、その錯体が晶析する。
晶析した1−ブチン−3−オールの低光学純度物もしく
はラセミ体のうちの一方の対掌体と光学活性ブルシンの
包接錯体は、濾集した後、カラムクロマトグラフにより
分離したり、また、減圧下もしくは常圧で加温すること
により、目的とする光学活性な1−ブチン−3−オール
を光学活性ブルシンから分離することができる。その際
のカラムクロマトグラフの展開溶媒や蒸留による分離の
際の温度や減圧度は、適宜選択することが出来る。回収
された光学活性ブルシンは、上記の操作処理を行なって
もその光学純度を損なうことなく再び分割剤として使用
できる。なお、1−ブチン−3−オールのもう一方の対
掌体は、晶析した1−ブチン−3−オールの一方の対掌
体と光学活性ブルシンの包接錯体を別した後の母液か
ら得られる。また、得られた光学活性1−ブチン−3−
オールを用いてブルシンを光学分割することもできる。
はラセミ体のうちの一方の対掌体と光学活性ブルシンの
包接錯体は、濾集した後、カラムクロマトグラフにより
分離したり、また、減圧下もしくは常圧で加温すること
により、目的とする光学活性な1−ブチン−3−オール
を光学活性ブルシンから分離することができる。その際
のカラムクロマトグラフの展開溶媒や蒸留による分離の
際の温度や減圧度は、適宜選択することが出来る。回収
された光学活性ブルシンは、上記の操作処理を行なって
もその光学純度を損なうことなく再び分割剤として使用
できる。なお、1−ブチン−3−オールのもう一方の対
掌体は、晶析した1−ブチン−3−オールの一方の対掌
体と光学活性ブルシンの包接錯体を別した後の母液か
ら得られる。また、得られた光学活性1−ブチン−3−
オールを用いてブルシンを光学分割することもできる。
(作用効果) 従来、光学活性1−ブチン−3−オールを容易に得る方
法はなく、誘導体化によりジアステレオマーとしたもの
を液体クロマトグラフィーにより分離するか、誘導体を
液体クロマトグラフィーもしくは酸素などにより光学分
割する方法が考えられるのみであった。本発明は天然か
ら容易に得られる光学活性ブルシンを用いて光学活性1
−ブチン−3−オールを容易に得る方法を提供するもの
であり、これらの問題点を解決するものである。さらに
光学活性1−ブチン−3−オールは容易にその光学純度
を保ったまま水素添加反応等により、種々の光学活性ア
ルコールに変換出来る。
法はなく、誘導体化によりジアステレオマーとしたもの
を液体クロマトグラフィーにより分離するか、誘導体を
液体クロマトグラフィーもしくは酸素などにより光学分
割する方法が考えられるのみであった。本発明は天然か
ら容易に得られる光学活性ブルシンを用いて光学活性1
−ブチン−3−オールを容易に得る方法を提供するもの
であり、これらの問題点を解決するものである。さらに
光学活性1−ブチン−3−オールは容易にその光学純度
を保ったまま水素添加反応等により、種々の光学活性ア
ルコールに変換出来る。
(実施例) 次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する
が、本発明の範囲をこれら実施例に限定するものでない
ことはいうまでもない。
が、本発明の範囲をこれら実施例に限定するものでない
ことはいうまでもない。
実施例1 1−ブルシン4.0g(10.2mmol)をラセミ1−ブチン−3
−オール2.58gの55%水溶液に加熱溶解し、室温で12時
間放置して析出した結晶をメタノール5mlから2回再結
晶すると1−ブルシンと(+)−1−ブチン−3−オー
ルの1:1包接化合物2.46gが無色針状結晶として得られ
た。この包接化合物の比旋光度は[α]D−59.4°(メ
タノール)であった。この結晶を150℃に加熱すると、
(+)−1−ブチン−3−オール0.35gが得られた。得
られた(+)−1−ブチン−3−オールの比旋光度は
[α]D+31.0°(c=0.56,メタノール)であった。
−オール2.58gの55%水溶液に加熱溶解し、室温で12時
間放置して析出した結晶をメタノール5mlから2回再結
晶すると1−ブルシンと(+)−1−ブチン−3−オー
ルの1:1包接化合物2.46gが無色針状結晶として得られ
た。この包接化合物の比旋光度は[α]D−59.4°(メ
タノール)であった。この結晶を150℃に加熱すると、
(+)−1−ブチン−3−オール0.35gが得られた。得
られた(+)−1−ブチン−3−オールの比旋光度は
[α]D+31.0°(c=0.56,メタノール)であった。
Claims (1)
- 【請求項1】光学純度が低いかもしくはラセミ体である
1−ブチン−3−オールと光学活性なブルシンを溶媒中
で接触させ、得られる前記化合物の一方の対掌体を包接
したブルシンの錯体を溶媒から分離した後、その包接錯
体を分解することを特徴とする、光学活性1−ブチン−
3−オールの製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61072534A JPH07571B2 (ja) | 1986-04-01 | 1986-04-01 | 光学活性1−ブチン−3−オ−ルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61072534A JPH07571B2 (ja) | 1986-04-01 | 1986-04-01 | 光学活性1−ブチン−3−オ−ルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62246530A JPS62246530A (ja) | 1987-10-27 |
JPH07571B2 true JPH07571B2 (ja) | 1995-01-11 |
Family
ID=13492108
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61072534A Expired - Lifetime JPH07571B2 (ja) | 1986-04-01 | 1986-04-01 | 光学活性1−ブチン−3−オ−ルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07571B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU689241B2 (en) | 1994-06-03 | 1998-03-26 | Hodogaya Chemical Co., Ltd. | Antiulcer drug |
CN102408313B (zh) * | 2011-10-20 | 2014-03-26 | 浙江普洛康裕制药有限公司 | R-3-丁炔-2-醇的制备方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58150526A (ja) * | 1982-03-04 | 1983-09-07 | Ube Ind Ltd | 光学活性プロパルギルアルコ−ル類およびその製法 |
JPS601145A (ja) * | 1983-06-17 | 1985-01-07 | Ube Ind Ltd | 光学活性プロパルギルアルコール誘導体及び光学分割剤 |
-
1986
- 1986-04-01 JP JP61072534A patent/JPH07571B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62246530A (ja) | 1987-10-27 |
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