JPH0329929B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、杭基礎の施工を行う際の水平力に
対する杭頭部補強工法に関するものである。 〔従来の技術〕 杭の地震による被害は、そのほとんどが杭上部
に生じており、杭の水平力に対する補強は、いか
に杭上部を効果的に補強するかにかかつている。 そこで、杭頭部の外周にケーシングまたは鋼管
を予めあるいは後から嵌めて、杭頭部または杭上
部を補強する構造のものが開発されており、例え
ば特開昭57−108325号公報に示される方法があ
る。 しかしながら、ケーシング等を設置する際に
は、ケーシング内への土砂の流入を防ぐため、ケ
ーシングの頭部を杭周辺地表面より上方に突出さ
せておかなければならない。このため従来工法で
は、ケーシングを打設する前に杭周辺の地盤の根
切り作業を行なわなければならない。杭打設前に
根切りを行うと、杭打機の移動が容易でなく安全
上問題があり、杭打設後の根切りは施工能率がき
わめて悪くなる。 また、前記従来工法においては、その下端を除
いてケーシングと杭との間に〓間があるため、ガ
タが生じてしまい、ケーシングを地盤中に建込む
際に鉛直に建込むことが困難であつた。このた
め、ケーシング内面に長手方向にわたつてガイド
部材であるリブを放射状に設けたり、また建込ん
だ杭の周りに円筒形の掘削孔を穿設する等しなけ
ればならず、作業の煩雑化、工期の長期化、コス
トアツプ等を招いていた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 そこで出願人は以上の問題点を解決すべく、施
工効率の向上化、作業の容易化、工期の短縮化、
コストの低減化を目的とする杭基礎の施工法を開
発し、すでに出願済み（特願59−221764号）であ
る。 ところが、この施工法は、ケーシングを打設す
る前に予め杭周辺の地盤の根切り作業を行なうケ
ーシングの設置方法であり、この施工法で本発明
のようにやつとこおよび蓋を用いて実施した場
合、ケーシングを杭頭部に悉入後、ケーシング内
周面に当接する着脱自在のガイド金物を取付ける
構成であるので、ケーシングを建込んだ後にガイ
ド金物を取外し、ケーシング上部に杭の外周面に
密接する蓋を載置した後、再びやつとこを用い地
盤中にケーシングを建込まなければならないの
で、作業の煩雑化と工期の長期化、コストアツプ
が想定される。 〔問題点を解決するための手段〕 この発明は、前記事情に鑑みなされたもので、
補強金具等を使用することなくケーシングの建込
みを簡単に行うことができ、併せて施工効率の向
上化、作業の容易化、工期の短縮化およびコスト
の低減化を達成できる水平力に対する杭頭部補強
工法を提供することを目的とする。 この出願に係る発明は、頂部が開口した中空杭
を所望の位置に建込み、次いで、その杭の外周面
に密接する案内片と開閉自在の孔をもつた蓋とを
上端部に設けると共に、下端部を杭との間〓を塞
ぐようにした筒形ケーシングを、前記杭を案内に
して杭上端部よりやつとこにて地盤中に建込み、
次いで、筒形ケーシングより下方に位置する杭内
の塞ぎ材より上方の杭中空内とケーシング内に一
緒にコンクリートを打設し、かつフーチング部の
コンクリートを打設して一体とすることを特徴と
する。以上の構成において、筒形ケーシングの上
端部に設けた蓋には開閉自在のコンクリート注入
用の複数の孔が設けてあるか、蓋自身が着脱自在
となつている。また筒形ケーシングの上端部に設
けられた案内片には、杭軸方向にある角度を付け
ておく。 〔実施例〕 以下、この発明を図面に示す実施例に基いて説
明する。 図中符号１は杭、２は筒形ケーシング、７はや
つとこである。 第１図に示すように、頂部が開口した中空杭
１の所望位置の地盤中に打込み等によつて建込
む。 第２図に示すように、この杭１を案内にして
杭上端部より筒形ケーシング２を挿入する。 筒形ケーシング２の上端部には、杭１の外周
面に密接する複数の案内片３と蓋４が取付けて
あり、蓋４は着脱自在とすることもできる。案
内片３にはテーパーを付けてあり、ケーシング
２の挿入および建込みをスムーズに行うことが
できるようになつている。 またケーシング２の下端にも、杭１の外周面
に密接する複数の案内片５と蓋６が取付けられ
ており、ケーシング２の下端部は杭１との間〓
を塞ぐようになつている。 なおケーシングの下端は、第８図に示すよう
に案内片５等を設けず先端をテーパー状に形成
してもよい。 第３図、第４図に示すように、杭１を案内に
してやつとこ７により筒形ケーシング２を地盤
中の所定位置まで建込む。 ケーシング２の長さは杭径の３倍から８倍く
らいまでであり、地盤および杭材によつて選択
する。 第５図に示すように、フーチング部分１０の
地盤を掘削し、杭１の頭部を切断する。 第６図に示すように、ケーシング２下端より
下方位置の杭１内に塞ぎ材８を配置し、ケーシ
ング２の上端の蓋４を外して、杭１内およびケ
ーシング２内に一緒にコンクリート９を打設す
る。 この実施例においては、ケーシング２上端に
取付けた蓋４は着脱自在のものを使用している
が、予め蓋４に開閉自在のコンクリート注入
孔、空気抜き孔等を穿設してケーシング２内周
面または案内片３に固定してもよい。 第７図に示すように、フーチング部分１０に
型枠作業を施してコンクリートを打設し、フー
チング１１を構築する。 〔発明の効果〕 ○…

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 頂部が開口した中空杭を所望の位置に建込
   み、次いで、その杭の外周面に密接する案内片と
   開閉自在の孔をもつた蓋とを上端部に設けると共
   に、下端部を杭との間〓を塞ぐようにした筒形ケ
   ーシングを、前記杭を案内にして杭上端部よりや
   つとこにて地盤中に建込み、次いで、筒形ケーシ
   ングより下方に位置する杭内の塞ぎ材より上方の
   杭中空内とケーシング内に一緒にコンクリートを
   打設し、かつフーチング部のコンクリートを打設
   して一体とすることを特徴とする水平力に対する
   杭頭部補強工法。 ２ 筒形ケーシングの上端部に設けた蓋が着脱自
   在である特許請求の範囲第１項記載の水平力に対
   する杭頭部補強工法。 ３ 筒形ケーシングの上端部に設けた案内片には
   杭軸方向にある角度を付けてある特許請求の範囲
   第１項または第２項記載の水平力に対する杭頭部
   補強工法。