JPH03292341A - ポリカーボネートの製造法 - Google Patents

ポリカーボネートの製造法

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JPH03292341A
JPH03292341A JP9415790A JP9415790A JPH03292341A JP H03292341 A JPH03292341 A JP H03292341A JP 9415790 A JP9415790 A JP 9415790A JP 9415790 A JP9415790 A JP 9415790A JP H03292341 A JPH03292341 A JP H03292341A
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岡山 博樹
Hidekazu Ito
英和 伊藤
Shinji Kikumoto
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈発明の利用分野〉 本発明はポリカーボネートの製造時の反応で発生する未
反応のフェノール性化合物の塩を含有する反応排水から
フェノール性化合物を効率よく回収し、ポリカーボネー
トの製造反応に再利用して生産収率を向上させる方法に
関する。
〈従来技術及びその問題点〉 ポリカーボネートの製造法としては、フェノール性化合
物のアルカリ水溶液とホスゲンとを有機溶媒の存在下で
反応させる所謂溶液法が広く採用されている。この方法
では相当量の反応排水が発生し、この反応排水中には原
料として使用した二価のフェノール性化合物や末端停止
剤として使用した一価のフェノール性化合物の未反応物
が存在している。
従来、ポリカーボネートの製造における反応排水中より
フェノール性化合物を回収する方法としては、酸析によ
って沈澱させたフェノール性化合物を濾過分離する方法
が知られている。
しかしながら、この方法で回収したフェノール性化合物
は不純物が多く且つ固体状であるので再利用するには精
製、乾燥、秤量等繁雑な工程を要する。しかも、フェノ
ール性化合物の回収率を向上させるためにPHを5以下
、好ましくは3g、下にする必要があるため、使用する
機器の腐蝕が生じ易い。またこの方法では、酸析の際フ
ェノール性化合物は酸性水に対する溶解変分は回収でき
ず、水に対する飽和溶解度に達しない低濃度のフェノー
ル性化合物を含有する排水からは回収できない。
〈発明の目的〉 本発明は、ポリカーボネートの製造における反応排水中
の未反応のフェノール性化合物を効率よく回収し、ポリ
カーボネートの製造反応に再利用し、生産収率を向上さ
せることを目的とする。
本発明者は、上記反応排水のPHを適度のアルカリ性に
なして有機溶媒を接触させれば、フェノール性化合物を
効率よく抽出でき、得られた有機溶媒溶液をそのままポ
リカーボネートの製造に再利用できることを見出した。
一般にフェノール性化合物はアルカリ水溶液中では塩に
なり、水溶性になるため、これに有機溶媒を接触させた
のでは、水系に優勢に分配されると考えるのが普通であ
る。しかるに、有機溶媒によって効率よく抽出できると
いうことは驚くべきことである。しかも、アルカリ性で
行うので1器の腐蝕もなく、極めて有効である。本発明
はこの知見に基いて更に鋭意検討を重ねた結果、完成し
たものである。
〈発明の構成〉 本発明は、フェノール性化合物のアルカリ水溶液とホス
ゲンとを有機溶媒の存在下に反応させてポリカーボネー
トを製造する方法において、該反応から発生する未反応
のフェノール性化合物の塩を含有する反応排水のPHを
5より高く且つ10以下にすると共に該反応排水に対し
5容量%以上の有機溶媒を接触させてフェノール性化合
物を抽出し、得られた有機溶媒溶液を上記反応に使用す
ることを特徴とするポリカーボネートの製造法である。
本発明でいうフェノール性化合物とは、ポリカーボネー
トの製造に原料として使用する二価のフェノール性化合
物や末端停止剤として使用する一価のフェノール性化合
物であり、水酸基が芳香核に直接結合した化合物で例え
ば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〈
通称ビスフェノールA>、1.1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン、フェノール、p−[−ブチルフェノール、
オクチルフェノール、ノニルフェノール等である。
本発明で使用する有機溶媒としては、例えば塩化メチレ
ン、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロエタン、ク
ロロホルム等のm素化脂肪族炭化水素、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素及びこれらの塩素置
換体等をあげることができ、なかでも塩化メチレンが好
ましい。また、これらは単独で又は二種以上混合して使
用することができる。
本発明にあっては、上記フェノール性化合物のアルカリ
(通常は水酸化ナトリウム)水溶液とホスゲンを反応さ
せてポリカーボネートを製造する際に発生する未反応の
フェノール性化合物の塩を含有する反応排水のPHを5
より高く且つ10以下の範囲、好ましくは6〜9にする
。このPHを5以下にしたのでは使用する機器が腐蝕す
るようになり、10より高くするとフェノール性化合物
を充分に抽出し難くなる。PHを調整するには有機酸や
鉱酸が使用されるが、塩酸又は硫酸が好ましい。
上記PHに調整した反応W水に前記の有機溶媒を接触さ
せることによって反応排水中のフエノル性化合物を抽出
する。具体的には、反応排水に予め所定量の有機溶媒を
添加してから所定のPHに調整するか、又は所定のPH
に調整した反応排水に所定量の有機溶媒を添加して混合
撹拌すればよい。なお、反応排水中にトリエチルアミン
等の触媒が溶存していても何等支障はない。
撹拌には任意の手段が採用されるが、特にホモジナイザ
ー、ミキサー、ホモミツクラインフロー等で高速撹拌す
るのが好ましく、またオリフィスミキサー、スタティク
ミキサー、コロイドミル、フロージェットミキサー、超
音波乳化装置等も好ましく使用される。単純な撹拌機で
行う場合は5分以上、特に10分以上撹拌するのが好ま
しい。使用する機器には、PHが高いため特にライニン
グ等の耐腐蝕性処理を施す必要はない。
有機溶媒の使用量は、反応排水量に対し5容量%以上に
する必要がある。5容量%に達しない量ではフェノール
性化合物を充分に抽出し難い。
このようにして未反応のフェノール性化合物を回収含有
した有機溶媒溶液をポリカーボネートの製造反応に使用
するに際し、その分新規の仕込原料を補正するのが好ま
しいが、有機溶媒中のフェノール性化合物量が新規の仕
込フェノール性化合物に対し0801重最%以下であれ
ば、特に補正しなくても反応収率や品質の何れにも影響
はない。
本発明の方法は無触媒法及び触媒法による回分式及び連
続式のいずれにも適用できる。
なお、本発明にあっては、ポリカーボネートの製造反応
終了後静置又は遠心分離等により、ポリカーボネートを
含有する有機溶媒層と分離した水層(反応排水)を使用
するものであり、この中に含有されるフェノール性化合
物の着色を防止するために、反応及び抽出の全工程に亘
ってハイドロサルファイドの如き還元性酸化防止剤を存
在させることができ、こうすることは好ましいことでも
ある。
〈発明の効果〉 本発明の方法によればポリカーボネート樹脂を製造する
際に発生する反応排水中から未反応のフェノール性化合
物を中性乃至アルカリ性域で効率よく回収し、有効に再
利用できるので生産収率が向上でき、機器の腐蝕もない
等格別の効果を奏する。
〈実施例〉 本発明を実施例にて詳しく説明する。なお、フェノール
性化合物の濃度、フェノール性化合物の回収率は下記の
方法で求めた。
(1)フェノール性化合物の濃度 フェノール性化合物を含有する排水の一定量をメスフラ
スコに取り、そのPHが13〜14になるように水酸化
ナトリウムと水で100倍に稀釈した溶液の294.O
nmにおける吸光度を紫外線吸収スペクトロメーター(
日立製作所製113200型)によって測定し、下記式
に代入して求めた。
A=100・W/(22,02・J2)A:フェノール
性化合物濃度<g/l)W :  294.Onmでの
吸光度 p:セル光路長(cx ) 0)フェノール性化合物の有機溶媒による回収率回収率
−((A−B)/△)xloo A:反応排水中のフェノール性化合物濃度(g/u) B:抽出後の排水中のフェノール性化合物の濃度<9/
fl) 実施例1 ホスゲン吹込管、温度計及び撹拌機を備えた2p三つロ
フラスコに25重量%の水酸化ナトリウム水溶液433
.3g、水850d 、ハイドロサルファイド0.59
、ビスフェノールA 239.0!?及び塩化メチレン
600dを投入して撹拌溶解した。
溶解後撹拌下液温を22±2℃の範囲に保ちながらホス
ゲン118.0(Jを60分間で吹込んで反応させた。
吹込終了後pづ−ブチルフェノール4279を加え、液
温を32±2℃の範囲に保ち150分間撹拌して重合を
終了した。重合終了後塩化メチレン600〆を加え、5
分間撹拌後静置して塩化メチレン層と1153dの水層
(反応排水)を分離した。
分離した塩化メチレン溶液を水洗し、塩化メチレンを除
去して粘度平均分子量23.500のポリカーボネート
の粉体を得た。一方、分離した反応排水中の残存フェノ
ール性化合物の濃度は3、OOg/磨であった。
この反応排水の全量(1153m >と塩化メチレン6
00dを還流冷却機及び撹拌機を備えた2J2のせパラ
プルフラスコに入れ、撹拌下355重量%塩酸水溶液に
てPI(を71に下げ、10分間撹拌した後静置し、塩
化メチレン層と水層に分離した。水層中の残存フェノー
ル性化合物の濃度はo、osg、”flで、フェノール
性化合物の回収率(塩化メチレン抽出率)は98.3%
であり、塩化メチレン溶液中に含有されるフェノール性
化合物の総量は340gであった。また、容器の腐蝕は
認められなかった。
分離した塩化メチレン溶液全量(600d )を新しい
塩化メチレン600dの代りに使用し、更にビスフェノ
ールAの使用量を235.6gに変更する以外は上記の
条件と同様に反応させてポリカーボネートと水層(反応
排水)を得た。ポリマーの粘度平均分子量は23.40
0であり、水層中の残存フェノール化合物の濃度は3.
02g/lであった。
実施例2 実施例1記載の条件と同様に反応させて得た反応排水(
残存フェノール性化合物濃度2.1g/ 、Q ’) 
 500m1!及び塩化メチレン150d!を還流冷却
機及び撹拌機を備えた1f1のセパラブルフラスコに入
れ、撹拌下35.5重儲%塩酸水溶液にてPHを夫々 
2.2.、 6.8、78、90.101.10.7.
112に下げた場合、及び塩酸水溶液を使用しないPH
13,3の場合について実施例1と同様にして塩化メチ
レン抽出を行った。各PHにおける水層中のフェノール
性化合物濃度を測定し、フェノール性化合物の回収率(
塩化メチレン抽出8vりを求めて第1図に示した。図よ
り明らかなようにPHが10を越えるとフェノール性化
合物の回収率は急激に悪(なる。また、PH6,8以上
では容器の腐蝕は認められないが、PH2,25では容
器表面の腐蝕が顕著であった。
実施例3 ホスゲン吹込管、温度計及び撹拌機を備えた2旦三つロ
フラスコに25重量%の水酸化ナトリウム、水溶液31
5.0g、水780IIe、ハイドロサルファイド0.
5g及びビスフェノールA 236.79を投入して撹
拌溶解した。溶解後塩化メチレン600ai!及び48
重量%の水酸化ナトリウム水溶液37、0 gを加え、
撹拌上液温を22±2℃の範囲に保ちながらホスゲン1
18.1 gを100分間で吹込んで反応させた。吹込
終了後p−t−ブチルフェノール10.0g、48重量
%の水酸化ナトリウム24.0g、ビスフェノールA 
2.39と水酸化ナトリウム0.9gを水230−に溶
解した水溶液及びトリエチルアミン0.367を加えて
32±2℃で1時間撹拌して重合を終了した。以下実施
例1と同様にして水層(反応排水> 1160dとポリ
カーボネートを得た。ポリマーの粘度平均分子量は16
、000であり、この水層中の残存フェノール性化合物
の濃度は2.00g、!であった。
この反応排水の全1 (1160I11)及び塩化メチ
レン600Idlを還流冷却機及び撹拌機を備えた2す
のセパラブルフラスコに入れ、撹拌下355重量%の塩
酸水溶液にてPHを60に下げ、10分間撹拌した後静
置して塩化メチレン層と水層に分離した。水層中の残存
フェノール性化合物の濃度は0.04g/Uで、フェノ
ール性化合物の回収率(塩化メチレン抽出率)は98.
0%であり、塩化メチレン溶液中に含有されるフェノー
ル性化合物は2.27 SFであった。
この塩化メチレン溶液全1 (600m! )を新しい
塩化メチレン600dの代りに使用し、更にビスフェノ
ールAの使用量を234.4 gに変更する以外は上記
の条件と同様に反応させてポリカーボネートと水層(反
応排水)を得た。
ポリマーの粘度平均分子量は15.900、反応排水中
の残存フェノール性化合物の濃度は1969/Uであり
、回収フェノール性化合物を使用しても反応に悪影響は
なかった。
【図面の簡単な説明】
第1図は反応排水のPHと塩化メチレンによる抽出率と
の関係を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1.  フェノール性化合物のアルカリ水溶液とホスゲンとを
    有機溶媒の存在下に反応させてポリカーボネートを製造
    する方法において、該反応から発生する未反応のフェノ
    ール性化合物の塩を含有する反応排水のPHを5より高
    く且つ10以下にすると共に該反応排水に対し5容量%
    以上の有機溶媒を接触させてフェノール性化合物を抽出
    し、得られた有機溶媒溶液を上記反応に使用することを
    特徴とするポリカーボネートの製造法。
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