JPH0328696Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案は、建物に取り付けられるサツシ枠に
おいて、前記サツシ上枠の端部における水切りを
良好なものとするのに利用される、サツシ上枠端
部の水切り装置に関するものである。

（従来の技術） 建物に取り付けられる従来のサツシ枠において
は、竪枠の上端面に、上枠の天板部下面を当接さ
せた状態で、前記竪枠と上枠とを連結する構造の
ものがあつた。

（考案が解決しようとする問題点） このような従来の構造においては、竪枠と上枠
との連結そのものは良好になされるが、上枠の上
面に落下した雨水等が上枠の左右両端側に流れ
て、前記流水が竪枠と外装材との隙間部分に浸入
し、柱の腐食や外装材の汚損をきたす問題点を有
していた。また、これと共に、上枠の切断木口端
面が露出した状態となつているため、とくに上枠
の屋外側に連設したひさし状張り出し部を有する
場合に、表面処理や塗装処理の未処理部分が大き
く現われることとなるので外観上の見映えを著し
く害するという問題点を有しており、全体的に意
匠性にも乏しいものであつた。

この考案は、上記した従来の問題点に着目して
なされたもので、上枠の左右両端側から竪枠と外
装材との接続部分へ流水が生じるのを防止するこ
とができると共に、上枠の端面が露出しないため
外観性にも著しく優れたものとすることができ、
しかも取付性が良好であるサツシ上枠端部の水切
り装置を提供することを目的とするものである。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） この考案は、中空状竪枠の上端を被う天板部を
備えた上枠の屋外側に、前記竪枠よりも屋外側に
突き出るひさし状張り出し部を設け、前記竪枠の
中空部への嵌合部と、前記上枠の下面にあたる当
接部と、前記上枠の天板部およびひさし状張り出
し部の木口端面全体に当接する端面隠し部と、前
記上枠の天板部からひさし状張り出し部にわたつ
て上方に突き出る水切り部とを有すキヤツプを、
前記上枠の天板部と竪枠の上端との間で挟着保持
した構成としており、上記構成をもつて課題を解
決するための手段としている。

（実施例） 第１図ないし第８図はこの考案の一実施例を示
すものである。第１図および第２図において、１
は躯体、２，３は躯体１に取り付けた中空状竪
枠、４，５は同じく躯体１に取り付けた中空状上
枠および下枠、６は両開き構成の障子であり、上
枠４の中空状空間部４ａ内には網戸巻取り用ドラ
ム１０が設置してあつて、このドラム１０に巻取
られた網戸１１の引き出し方向端部には下框１２
が取り付けてあり、この下框１２の掛止片１２ａ
が、下枠５に設けた掛止部５ａに掛止可能な構造
となつている。

また、中空状竪枠２，３の上端には、前記竪枠
２，３よりも屋外側にひさし状に突き出る張り出
し部４ｂを有する上枠４が連結されるが、この場
合、連結された上枠４の端部には第３図ないし第
６図に示すキヤツプ１５が設けられる。

このキヤツプ１５は、前記竪枠２，３の中空部
２ａ，３ａの上端部分にはまる嵌合部１５ａと、
前記上枠４の天板部４ｃの下面および張り出し部
４ｂの下面にあたる当接部１５ｂと、前記天板部
４ｃおよび張り出し部４ｂの木口端面４ｄを被う
端面隠し部１５ｃと、前記上枠４の天板部４ｃか
ら張り出し部４ｂにわたつてその上方に突き出る
水切り部１５ｄとを有するものである。

そこで、中空状竪枠２，３の上端に前記した上
枠４を連結するに際しては、キヤツプ１５の嵌合
部１５ａを竪枠２，３の中空部２ａ，３ａ内に嵌
合したのち、キヤツプ１５の当接部１５ｂ上に、
上枠４の天板部４ｃの下面および張り出し部４ｂ
の下面を当接させると共に、キヤツプ１５の端面
隠し部１５ｃを天板部４ｃと張り出し部４ｂの木
口端面４ｄに当接させた状態とし、竪枠２，３の
外壁側に形成した丸穴よりビスを内部に挿通し、
竪枠２，３の内壁側に形成したビス挿通孔より上
枠４に形成したビスホール４ｆにねじ込むことに
よつて、竪枠２，３と上枠４とを連結し、前記丸
穴は塞ぎ部材１６によつて閉塞する。この結果、
キヤツプ１５は上枠４の天板部４ｃと竪枠２，３
の上端とではさまれた状態で保持される。そし
て、キヤツプ１５と上枠４との間にコーキング１
７を施すと共に防水シート材１７ａを介在させた
状態とする。この状態において、キヤツプ１５の
水切り部１５ｄは、上枠４の天板部４ｃから張り
出し部４ｃにわたつてその上方に突出した状態と
なる。

したがつて、上枠４の上面に落下してその左右
端に流れた雨水等は水切り部１５ｄにより遮断さ
れ、前記水切り部１５ｄに沿つて張り出し部４ｂ
上を流下し、その屋外端まで確実に案内される。
それゆえ、上枠４の上部に流れた雨水等が上枠４
の左右端側から流下して竪枠２，３と外装材との
間に浸入するのを防ぐことができる。また、上枠
４の木口端面４ｄはキヤツプ１５の端面隠し部１
５ｃによつて隠されているため、切断によつて表
面処理や塗装処理の未処理部分が外部から見える
ことがない。

［考案の効果］ 以上説明してきたように、この考案によれば、
竪枠の中空部への嵌合部と、上枠の下面にあたる
当接部と、前記天板部および張り出し部の木口端
面全体に当接する端面隠し部と、前記天板部から
張り出し部にわたつて上方に突き出る水切り部と
を有するキヤツプを、前記上枠の天板部と竪枠の
上端とで挟着保持することから、従来のように、
上枠の左右両端側から流下した雨水が、竪枠と外
装材との隙間部分に流れることがなく、外装材の
汚損や柱の腐食などを生ずることがない。また、
上枠の木口端面はキヤツプによつて隠されている
ので、外観上も著しく良好なものとなるほか、竪
枠と上枠との連結と同時にキヤツプの取付けが成
されるので、作業性がきわめて良好であるなどの
非常に優れた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はこの考案の一実施例によ
る窓枠の垂直断面説明図および水平断面説明図、
第３図，第４図，第５図および第６図はキヤツプ
の各々正面図，平面図，側面図および斜視図、第
７図および第８図は竪枠と上枠との連結部分を示
す各々下方より見た斜視図および上方より見た斜
視図である。 ２，３……竪枠、４……上枠、４ｂ……張り出
し部、４ｃ……天板部、４ｄ……木口端面、１５
……キヤツプ、１５ａ……嵌合部、１５ｂ……当
接部、１５ｃ……端面隠し部、１５ｄ……水切り
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中空状竪枠の上端を被う天板部を備えた上枠の
   屋外側に、前記竪枠よりも屋外側に突き出るひさ
   し状張り出し部を設け、前記竪枠の中空部への嵌
   合部と、前記上枠の下面にあたる当接部と、前記
   上枠の天板部およびひさし状張り出し部の木口端
   面全体に当接する端面隠し部と、前記上枠の天板
   部からひさし状張り出し部にわたつて上方に突き
   出る水切り部とを有するキヤツプを、前記上枠の
   天板部と竪枠の上端とで挟着保持したことを特徴
   とするサツシ上枠端部の水切り装置。