JPH0328695Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、窓枠内に複数枚のガラス板を横方向
に並列させて各ガラス板の左右両端部を、それぞ
れガラス板保持用クリツプのクリツプ本体にて嵌
合保持すると共に、当該クリツプ本体から一体延
出された回動アーム片の基端部を窓枠の竪枠側に
枢着し且つその延出端部を連動開閉操作用揺動杆
に枢着してなるジヤロジー窓に関する。

（従来技術及びその問題点） この種のジヤロジー窓では各ガラス板を取付け
るにあたり、窓枠の左右対向位置にそれぞれ配設
されているガラス板保持用クリツプにガラス板を
室内側から挿入してその左右両端部嵌合保持させ
るようになつているが、窓開放時には室外側から
手を差し込んで各クリツプの屈曲容易な挿入案内
片を押し開けばガラス板を室内側へ容易に抜き出
すことができ、したがつて防犯性の点で問題とな
つていた。

（問題点を解決するための技術的手段） 本考案は上記の事情に鑑み、窓開放時にガラス
板を取外せないようにして防犯性の向上を図つた
もので、本考案による技術的手段は、各ガラス板
保持用クリツプ７の回動アーム片９に、当該クリ
ツプにより保持されたガラス板６の側面６ａと互
いに交叉するような側壁面２０ａを形成するスト
ッパ片２０を連成し、且つ窓枠１の竪枠５にはそ
の室内側端部に、窓開放時において各ガラス板保
持用クリツプ７により保持されたガラス板６の側
面６ａと互いに交叉するような側壁面２６ａを形
成するストッパ部材２６を当該竪枠のほぼ全長に
亘つて設けたことを特徴とする。

（実施例） 次に本考案の一実施例を図面にもとづいて説明
する。

第１図及び第２図において１は建物の窓開口部
２に嵌装固定された窓枠で、上横枠３、下横枠４
及び左右の竪枠５，５によつて構成され、この窓
枠１内に、複数枚の横長矩形状ガラス板６……が
横方向に並列状態で配置されていて、各ガラス板
６はその左右両端部が竪枠５，５の左右対向位置
にそれぞれ配設されたガラス板保持用クリツプ
７，７のクリツプ本体８，８によつて嵌合保持さ
れている。各ガラス板保持用クリツプ７はクリツ
プ本体８とこれから一体延出された回動アーム片
９とからなる鋼又はアルミ合金製のもので、回動
アーム片９の基端部が左右各補助竪枠部材１０に
ピン１１で枢着され、この回動アーム片９の延出
端部は連動開閉操作用揺動杆１２にピン１３で枢
着されている。また、一方の竪枠５にはその室内
側側壁部５ａの下端部にウオームギヤ（図示省
略）を内蔵したブラケツト１４が取付けられ、そ
のウオームギヤのウオームに回転操作ハンドル１
５が連結されていると共に、ウオームホイールに
は駆動アーム１６が一体回転可能に設けられ、こ
の駆動アーム１６の先端部がピン１７で揺動リン
ク１８の一端部に枢着され、この揺動リンク１８
の他端部がピン１９で連動開閉操作用揺動杆１２
に枢着されている。したがつて、各ガラス板６が
第１図の実線で示すような窓閉鎖位置にある状態
から、回転操作ハンドル１５を窓開放方向に回転
させると、図外ウオームギヤを介して駆動アーム
１６が第１図に関し反時計廻りに回動し、この駆
動アーム１６の回動により揺動リンク１８を介し
て前記連動開閉操作用揺動杆１２が下向きに揺動
し、それにより各ガラス板保持用クリツプ７の回
動アーム片９が各ピン１１を中心に同図に関し時
計廻りに回動し、その結果各ガラス板６が一斉に
同図の１点鎖線で示されるような位置まで回転し
て窓全開状態となる。

第１図更には第５図で明らかなように、各ガラ
ス板保持用クリツプ７の回動アーム片９にはその
下側縁部に、このクリツプ７によつて保持された
ガラス板６の側面６ａと互いに交叉するような側
壁面２０ａを形成するストッパ片２０が一体突設
されている。クリツプ本体８は底壁部２１と室外
側側壁部２２と室内側側部２３とからなり、底壁
部２１の室内側側縁部から前記回動アーム片９が
一体延出されている。また室内側側壁部２３には
底壁部２１との付根部分にスリツト２４が設けて
あつて、このスリツト２４の設けられた側壁部分
はガラス板挿入案内片２５を形成しており、しか
してガラス板６の取付けにあたつてはこの挿入案
内片２５を弾性変形により外側に押し開いてガラ
ス板６の左右各端部を室外側側壁部２２とこの室
内側側壁部２３との間に挿入するようになつてい
る。

また、第２図、更には第４図から明らかなよう
に、窓枠１の各竪枠５にはその室内側端部に位置
する室内側側壁部５ａに、窓開放時においてガラ
ス板保持用クリツプ７に保持されたガラス板６の
側面６ａと互いに交叉するような側壁面２６ａを
形成するストッパ部材２６が竪枠５のほぼ全長に
亘るように取付けられている。このストッパ部材
２６の取付けにあたつては第２図に示されるよう
に、竪枠５の室内側側壁部５ａに設けられた係嵌
用溝部５ｂにストッパ部材２６の係嵌部２６ｂを
係嵌させて固定させる。尚、このストッパ部材２
６は竪枠５と別体のものであるが、竪枠５と一体
に形成したものでもよい。

第３図及び第４図は上記ストッパ片２０及びス
トッパ部材２６の作用を示したものである。先ず
第３図によれば、各ガラス板６はその枢軸たるピ
ン１１を中心として第１図の窓閉鎖位置から窓開
放方向へ約30゜回転した状態で示されているが、
この状態において悪質者により、例えば２段目の
ガラス板保持用クリツプ７の案内片２５が曲げ開
かれてガラス板６が図中の１点鎖線で示されるよ
うに引き抜かれようとした場合にそのガラス板６
の上端が１段目のガラス板保持用クリツプ７のス
トッパ片２０に当たるため、ガラス板６はクリツ
プ７から抜け出ることができなくなる。もちろん
この場合、１段目のガラス板６は窓枠１の上横枠
３に当たるため抜き出すことができない。次に、
各ガラス板６が更に窓開放方向に回転して第４図
に示されるような水平に近い開放位置となつた状
態においては、各ガラス板６が図中の１点鎖線で
示されるように引き抜かれようとしても、各竪枠
５側に設けてあるストッパ部材２６の側壁面２６
ａに当たることになつて各ガラス板６の抜き出し
は不可能となる。このように、ストッパ片２０及
びストッパ部材２６の存在によつて窓開放時にお
ける悪質者等によるガラス板の抜き取りが防止さ
れ得、防犯性が確保されるようになつている。

第６図及び第７図は合成樹脂により一体成形さ
れたクリツプカバー２７を示したもので、このク
リツプカバー２７はクリツプ本体カバー部２８と
回動アーム片カバー部２９とを備えていて、各ガ
ラス板保持用クリツプ７にその内側から被嵌され
るようになつている。またクリツプ本体カバー部
２８は、クリツプ本体８の室外側側壁部２２に被
嵌される被部２８ａと、クリツプ本体８の底壁部
２１内面を被う被部２８ｂと、クリツプ本体８の
室内側側壁部２３に被嵌される被部２８ｃとから
なり、更に回動アーム片カバー部２９は回動アー
ム片９の内面を被う被部２９ａとストッパ片２０
を被う被部２９ｂとを含んでおり、そしてクリツ
プ本体カバー部２８にはガラス板嵌合部３０が形
成されている。このクリツプカバー２７の使用に
あたつては、ガラス板６を取付ける前に各ガラス
板保持用クリツプ７に対しその内側からこのクリ
ツプカバー２７を被嵌し、そうしてこのクリツプ
カバー２７のガラス板嵌合部３０にガラス板６の
左右各端部を嵌合させるようにしている。このよ
うにプラスチツク製のクリツプカバー２７を各ク
リツプ６に装着することによつて、金属製のクリ
ツプ６の尖鋭部分に手を触れてケガをするといつ
たおそれがなくなつて使用上の安全性を確保でき
ると共に、気密性、水密性を良くなつて窓閉鎖時
の雨水、外気の侵入を防止できる利点がある。

尚、第１図〜第４図中３１は防虫網戸を示す。

（考案の効果） 本考案のジヤロジー窓は、各ガラス板保持用ク
リツプの回動アーム片に、当該クリツプにより保
持されたガラス板の側面と互いに交叉するような
側壁面を形成するストッパ片を連成し、また窓枠
の竪枠にはその室内側端部に、窓開放時において
各ガラス板保持用クリツプにより保持されたガラ
ス板の側面と互いに交叉するような側壁面を形成
するストッパ部材を当該竪枠のほぼ全長に亘つて
設けているので、窓開放時に各ガラス板がほとん
ど如何なる回転角度位置にあつても、ガラス板保
持用クリツプからのガラス板の室内側方向への抜
き出しが上記ストッパ片及びストッパ部材によつ
て防止され、防犯性が確保される効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すジヤロジー窓
の縦断面図、第２図は同上のジヤロジー窓の要部
横断面面、第３図及び第４図はそれぞれストッパ
片、ストッパ部材の作用を示す縦断面、第５図は
ガラス板保持用クリツプを示す斜視図、第６図は
クリツプカバーを示す斜視図、第７図イは第６図
のイ−イ線断面図、第７図ロは第６図のロ−ロ線
断面図、第７図ハは第６図のハ−ハ線断面図であ
る。 １……窓枠、３，４……横枠、５……竪枠、６
……ガラス板、７……ガラス板保持用クリツプ、
８……クリツプ本体、９……回動アーム片、１２
……連動開閉操作用揺動杆、２０……ストッパ
片、２６……ストッパ部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 窓枠内に複数枚のガラス板を横方向に並列させ
   て各ガラス板の左右両端部を、それぞれガラス板
   保持用クリツプのクリツプ本体にて嵌合保持する
   と共に、当該クリツプ本体から一体延出された回
   動アーム片の基端部を窓枠の竪枠側に枢着し且つ
   その延出端部を連動開閉操作用揺動杆に枢着して
   なるジヤロジー窓において、前記各ガラス板保持
   用クリツプの回動アーム片には、当該クリツプに
   より保持されたガラス板の側面と互いに交叉する
   ような側壁面を形成するストッパ片を連成し、且
   つ窓枠の竪枠にはその室内側端部に、窓開放時に
   おいて各ガラス板保持用クリツプにより保持され
   たガラス板の側面と互いに交叉するような側壁面
   を形成するストッパ部材を当該竪枠のほぼ全長に
   亘つて設けたことを特徴とするジヤロジー窓。