JPH025036Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、アーチ窓の雨戸装置に係り、詳しく
は、窓サツシの形状に対応した左右一対の雨戸を
引戸式に開閉できるようにした開閉度を自由に選
択できる使い勝手の良いしかも外観の優れたアー
チ窓の雨戸装置に関するものである。

一般に、窓サツシの上部をアーチ状に形成して
洋風の外観を呈するようにしたアーチ窓が好みに
より随所に使用されているが、この種のアーチ窓
に雨戸を取付ける場合には、窓の形状が特殊であ
るため、従来は、第６図に示すように窓の形状に
合せた左右一対の雨戸ａを、窓の両側に設けたＴ
番ｂを介して両開き状に装着している。このた
め、雨戸が風に煽られてバタつかないように、建
物外側の壁面に係止具ｃを設けたり、室内側から
操作する支持アームを雨戸ａに取付けたりして雨
戸ａを固定しているので、別途これらの固定具が
必要であるうえ、雨戸を所望する開閉度に自由に
選択して固定することができない不都合があり、
しかも、雨戸の回動軌跡内には植木等を配置する
ことができず、限られた敷地面を有効に利用でき
ない欠点があつた。

本考案は上記の如き実情に鑑み創案されたもの
であつて、窓サツシの形状に対応した左右一対の
雨戸を、窓サツシの下枠に設けた左右方向の下レ
ール上に支承し、かつ、雨戸の上桟を窓サツシの
無目部に設けた上レールに嵌入して開閉自在に構
成すると共に、上記上桟には、雨戸の閉鎖位置で
互に他方の雨戸の上桟に重合する延出部を設ける
ことにより、アーチ窓の形状に合せた左右一対の
雨戸を引戸式に開閉できるようにして、別に係止
具等を設けることなく雨戸を所望する開閉度に自
由に選択して固定できるうえ限られた敷地面を有
効に利用することができる使い勝手のよいしかも
外観の優れたアーチ窓の雨戸装置を提供すること
を目的としたものである。

本考案の構成を図面に示された一実施例につい
て説明すれば、１はアーチ窓であつて、該アーチ
窓１の窓サツシ２は上部がアーチ状に形成されて
おり、上記窓サツシ２の前面にはアーチ窓１の形
状に合せて形成した左右一対の雨戸３，３が、窓
サツシ２の下枠４に沿つて設けられた左右方向の
下レール５上に支承されている。すなわち、雨戸
３，３の下框６には一対の戸車７，７が、アーチ
窓１の中央側に位置する立框８側に偏して軸着さ
れており、下レール５のレール溝５ａ内を走行自
在となつている。また、下レール５にはアーチ窓
１の両側から左右に突出した延長部の所定位置
に、雨戸３が全開となつたときに戸車７が当接す
るストツパー９が設けられている。そして上記ス
トツパー９の上面には、下レール５に軸支したロ
ーラ１０が突出状となつていて、雨戸３を開放す
る際に、ストツパー９を乗り越えた下框６の下面
を支持するようになつている。また、下框６の上
記ストツパー９と当接しない位置に、下レール５
上を走行する補助ローラ１１、またはスベリ１２
を設け、かつ別個にストツパー９と当接する衝接
片９ａを戸車７，７間の任意の位置に設ければ、
下レール５の長さを更に短かくしても、雨戸３の
全開を円滑に行うことができる。

１３，１３ａは雨戸３，３の上桟であつて、該
上桟１３の室内側は上方に向つて突出した端縁を
有する断面Ｌ字状に形成されており、一方の雨戸
３の上桟１３は他方の雨戸３の上桟１３ａの下面
側から室内側を覆う重合状に形成されている。そ
して、上記上桟１３，１３ａの立框８側には所定
長さの延出部１４，１４ａがそれぞれ設けられて
いる。

１５は窓サツシ２の無目部１６に装着された左
右方向の上レールであつて、該上レール１５の下
面にはレール溝１５ａが併設されている。また上
記上レール１５の上面は戸引側に向う下り勾配に
形成され、その先端部に突設したツバ１７とによ
つて雨水等の流路が形成されている。そして、上
記レール溝１５ａに上桟１３，１３ａの端縁を嵌
入することにより、雨戸３，３は、上レール１５
と下レール５に支持されて開閉自在となつてい
る。１８はレール溝１５ａ内に設けたモヘヤ、１
９は上框２０に設けた風雨、塵よけのツバであ
る。

上記の如き構成において、アーチ窓１の雨戸
３，３を左右に操作すれば、雨戸３，３の下端は
戸車７を介して下レール５に支持され、上桟１
３，１３ａの端縁が上レール１５に嵌入している
ので、アーチ窓１の形状に合せた雨戸３であつて
も、引戸式に容易に開放でき、所望する位置にそ
のまま停止させて雨戸の開閉度を自由に選択する
ことができる。更に雨戸３，３を押開けば、上桟
１３，１３ａの立框８側に設けた延出部１４，１
４ａが雨戸３，３の重量バランスをとるので、雨
戸３，３を円滑に開放することができる。そして
戸車７がストツパー９に当接して雨戸３，３が全
開となつても、上記延出部１４，１４ａが上レー
ル１５に確実に支持されているので、雨戸３，３
が風に煽られてバタツクようなことはない。

ついで、雨戸３，３を閉鎖する際には、一方の
上桟１３が他方の上桟１３ａの下面側から室内側
を覆う重合状に形成されているので、延出部１
４，１４ａは他方の雨戸３の室内側で他方の上桟
１４ａ，１４に重合し、何等雨戸３の閉鎖を阻害
することはない。

また戸車７はアーチ窓１の中央側に位置する立
框８側に偏して設けられているので、雨戸３の開
閉に支障を来すことなく、下レール５を戸車７の
偏位した距離に応じて、適宜短かくすることがで
きる。

これを要するに本考案は、窓サツシの上部をア
ーチ窓に形成したアーチ窓において、上記窓サツ
シの形状に対応した左右一対の雨戸を、窓サツシ
の下枠に設けた左右方向の下レール上に支承し、
かつ雨戸の上桟を窓サツシの無目部に設けた上レ
ールに嵌入して開閉自在に構成すると共に、上記
上桟には、雨戸の閉鎖位置で互に他方の雨戸の上
桟に重合する延出部を設けたから、窓サツシの上
部をアーチ状に形成したアーチ窓であつても、窓
の形状に対応した左右一対の雨戸を引戸式に開閉
できるので、上レールを開口部から外方に延出し
なくてもよく、別に係止具等を設けることなく雨
戸を所望する開閉度に自由に選択して固定できる
うえ、上桟に設けた延出部が雨戸の重量バランス
をとるので、雨戸の開閉を円滑にできる許りでな
く、全開時にも、上記延出部が上レールに確実に
支持されるので、強風により雨戸が煽られてバタ
つくようなことはない。しかもアーチ窓の形状に
対応した雨戸が従来のようにＴ番を介して回動し
ないので、窓の外側に植木等を自由に配置して敷
地面を有効に利用することができ、さらに開放時
には雨戸がそのまま左右に移動するので、従来に
ない漸新な意匠的外観を呈することができる等、
極めて有用な実用的効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るアーチ窓の雨戸装置の一実
施例を示すものであつて、第１図Ａ，Ｂは、雨戸
の開閉状態を示す正面図、第２図Ａ，Ｂは雨戸の
背面図および側面図、第３図は下レールの断面
図、第４図は上レールの断面図、第５図は要部の
説明図、第６図は従来例を示す正面図である。 図中、１……アーチ窓、２……窓サツシ、３…
…雨戸、、４……サツシ下枠、５……下レール、
６……下框、７……戸車、８……立框、９……ス
トツパー、１０……ローラ、１１……補助ロー
ラ、１２……スベリ、１３……上桟、１４……延
出部、１５……上レール、１６……無目部、１７
……ツバ、１８……モヘヤ、１９……ツバ、２０
……上框である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 窓サツシの上部をアーチ状に形成したアーチ
   窓において、上記窓サツシの形状に対応した左
   右一対の雨戸を、窓サツシの下枠に設けた左右
   方向の下レール上に支承し、かつ、雨戸の上桟
   を窓サツシの無目部に設けた上レールに嵌入し
   て開閉自在に構成すると共に、上記上桟には、
   雨戸の閉鎖位置で互に他方の雨戸の上桟に重合
   する延出部を設けたことを特徴とするアーチ窓
   の雨戸装置。 (2) 上記雨戸は、下框に設けた戸車を介して下レ
   ール上に走行自在に支承されていることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項記載のア
   ーチ窓の雨戸装置。 (3) 上記戸車はアーチ窓の中央側に偏した位置に
   設けてあることを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第２項記載のアーチ窓の雨戸装置。