JPS641413Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は主として引違いサツシ戸の召合せ部
に取り付けられるクレセントに関するものであ
る。

従来の引違いサツシ戸のクレセントは第１図
ａ，ｂに示される構造を持つ。すなわち引違い戸
の内側戸１のサツシ枠３の内側から見て左端面３
１に取付金具５１が固着され、この取付金具５１
にピン軸５３を介して回動自在に回転ウエツジ５
２が取り付けられている。回転ウエツジ５２のピ
ン軸５３に関して一方の端部は差込み先端部５２
Ａとなり、他端部はつまみ部５２Ｂとして形成さ
れている。外側戸２のサツシ枠４の前記サツシ枠
３の回転ウエツジ５２取付部に対応する位置には
係止金具５４が取り付けられている。

このような従来のクレセント５を施錠するとき
は第１図ｂに示されるように回転ウエツジ５２の
つまみ部５２Ｂを上方に動かしこの回転ウエツジ
５２をサツシ枠３の錠取付端面３１に平行な平面
内において回転させ、差込み先端部５２Ａを係止
金具５４にさしこみ係合させる。こうして引違い
戸の内側戸１と外側戸２とは互いに係止され両者
の相対的な引違い運動は完全に阻止された施錠状
態となるのである。

このような従来のクレセントは戸を確実に係止
すると共に、回転ウエツジの作用によつて内側戸
および外側戸を互いに面方向に引き寄せ密接させ
る効果があつてひろく使用されているが、内側戸
１のさらに室内側に第１図ａにおいて２点鎖線で
示されるように障子７が存在するときは厄介な問
題が起る。すなわち第２図にさらに明らかに示さ
れるように、障子７が閉じられているときはもち
ろん、これが開かれて室内から見て左側に片寄せ
られている場合は障子７が邪魔になつて回転ウエ
ツジ５２のつまみ部５２Ｂに手が届かず、したが
つて施錠も解錠もできないことである。

上記の事実は障子７が存在する場合実際的にか
なり不都合であり、単にサツシ戸のクレセント５
の操作のためにだけ障子７を２枚重ねのまま左、
右に滑動させる事態は日常よく経験することであ
る。

この考案はこのような従来の不都合を排除する
ためになされたものであつて、障子がクレセント
をおう位置に片寄せられている場合にも容易に施
錠、解錠の可能な新規なクレセントを提供するこ
とを目的とするものである。

第３図ａ，ｂについてこの考案の一実施例を説
明する。図面ａにおいて、符号３，４および５
１，５２，５２Ａ，５３は既に説明した従来技術
と同じ部分を示すからこれについては説明を省略
する。この考案においては回転ウエツジ５２の差
込み先端部５２Ａと反対側の端部に軸棒６を固着
する。軸棒６の延びる方向は従来クレセントの回
転ウエツジ５２のつまみ部５２Ｂのそれとほぼ同
じ方向でよい。内側戸のサツシ枠３の室内側面３
２にはこの面と平行な面内において回動できるよ
うに操作レバー８が設けられる。この回動のため
の枢軸９の取付位置は回転ウエツジ５２のピン軸
５３とほぼ同じ高さがよい。操作レバー８の枢軸
９の近くには長孔８１が形成され、この長孔８１
にさきに述べた回転ウエツジ５２の軸棒６が挿入
させられる。操作レバー８の端部はつまみ部８２
として屈曲形成される。

この考案のクレセントを施錠するときは第３図
ｂに示されるように操作レバー８の右のつまみ部
８２を押し下げて操作レバー８を室内側から見て
時計回りに回転させる。こうすれば長孔８１、し
たがつてこの長孔８１に挿入された軸棒６は上方
に動き、回転ウエツジ５２は従来クレセントをか
けるときと同様に回動してその差込み先端部５２
Ａを係止金具５４に係合して施錠状態となるので
ある。解錠のときはもちろんこの逆に操作レバー
８の右のつまみ部８２を押し上げればよい。また
つまみ部８２が障子７におおわれていない場合に
は左のつまみ部５２の上下により施錠、解錠でき
る。

この考案のクレセントにおける操作レバー８は
その取付位置が障子７の外側、つまり室内からみ
て障子の右端より左側に露出しており、したがつ
てもちろんその右のつまみ部８２は障子７におお
おわれていない。したがつてこのつまみ部８２は
障子７の片寄せ位置においても容易に操作でき、
クレセントの施錠、解錠は自在になる。なお、つ
まみなどの操作具をガイド部材の中で上下に平行
移動させることによつて、回転ウエツジの後端を
上下に回動さる構造のものでは、つまみの一端を
指で押し上げたり、押し下げたりしなければなら
ず、この場合に大きな力を必要とする問題がある
し、また、つまみの一端だけを持つて押し上げた
り押し下げたりすると、つまみがガイド部材の中
でスムーズに平行移動することはなく、実際に
は、指でもつ一端の方が先に上がつて、他端（回
転ウエツジ側）は、偶力が加わることになり、該
他端がガイド部材をかじつてしまい、操作性が悪
いという問題もある。

これに対して上記構造の操作レバー８は、枢軸
９を中心に回動する構成にしたので、回転ウエツ
ジ５２は、操作レバー８の後端に形成されたつま
み部８２を回動操作することにより、軽い力で滑
らかに回転動作し、操作性が良いという利点もあ
る。

以上に説明したようにこの考案によれば、(i)片
寄せ位置の障子におおわれない位置につまみ部の
位置する操作レバーによつて施錠、解錠するもの
であるから錠部分が障子におおおわれていても
施、解錠が自在である、(ii)操作レバーは小型でよ
くこの取付けによつて外観は損なわれない、(iii)操
作レバーは、枢軸を中心に回動するので、回転ウ
エツジが軽く滑らかに回動し、操作性が良い、等
の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは従来のクレセントを説明する斜
視図、第２図は障子の片寄せ位置において従来の
クレセントの施、解錠が不可能であることを説明
する簡略平面図、第３図ａ，ｂはこの考案の一実
施例を示す斜視図である。 １……内側戸、２……外側戸、３……サツシ
枠、６……軸棒、８……操作レバー、９……枢
軸、３１……錠取付端面、３２……室内側面、５
２……回転ウエツジ、５２Ａ……差込み先端部、
５３……ピン軸、５４……係止金具、８１……長
孔、８２……つまみ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外側戸２や壁などに固定される係止金具５４
   と、差込み先端部５２Ａと軸棒６とを有するとと
   もに内側戸１のサツシ枠３の錠取付端面３１にピ
   ン軸５３によつて上記錠取付端面３１と平行な面
   内において回動自在に取り付けられ、上記ピン軸
   ５３を中心に回動せしめられて差込み先端部５２
   Ａを上記係止金具５４に係合させる回転ウエツジ
   ５２と、長孔８１とつまみ部８２を有するととも
   に上記長孔８１に上記軸棒６を挿入して上記サツ
   シ枠３の室内側面３２に枢軸９によつて上記室内
   側面３２と平行な面内において回動自在に取り付
   けられ、上記枢軸９を中心に回動せしめられて上
   記回転ウエツジ５２をピン軸５３を中心に回動さ
   せる操作レバー８とを具備したことを特徴とする
   クレセント。