JPH0328488Y2 - - Google Patents
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- JPH0328488Y2 JPH0328488Y2 JP8569286U JP8569286U JPH0328488Y2 JP H0328488 Y2 JPH0328488 Y2 JP H0328488Y2 JP 8569286 U JP8569286 U JP 8569286U JP 8569286 U JP8569286 U JP 8569286U JP H0328488 Y2 JPH0328488 Y2 JP H0328488Y2
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- Electromagnets (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】
〔考案の属する技術分野〕
この考案は、電磁接触器などの可動接点を開閉
駆動する直流電磁石に関するものであつて、それ
ぞれE字状に形成され、その中央脚と両側脚の接
極面となる端面を互いに対向して配置してなる固
定鉄心と可動鉄心、および、直流電流によつて励
磁される直流電磁コイルを備えた直流電磁石に関
する。
駆動する直流電磁石に関するものであつて、それ
ぞれE字状に形成され、その中央脚と両側脚の接
極面となる端面を互いに対向して配置してなる固
定鉄心と可動鉄心、および、直流電流によつて励
磁される直流電磁コイルを備えた直流電磁石に関
する。
この種の直流電磁石を用いた電磁石装置とし
て、従来、直流電磁コイルに直列接続された経済
抵抗器と、この経済抵抗器に並列接続された補助
接点とを備えた電磁石装置が知られている。この
装置は、直流電磁コイルを励磁する際、まず経済
抵抗器に並列接続された補助接点を介して大きい
直流電流を直流電磁コイルに供給し、直流電磁石
の吸引間隙が大きい始動位置において可動鉄心を
駆動する十分な吸引力を生ぜしめ、可動鉄心が固
定鉄心に吸引され吸引間隙が小さくなつて可動鉄
心を固定鉄心側へさらに吸引するに要する電流が
小さな値で済むようになつた時点で前記補助接点
を開放し、経済抵抗器を介して小さい電流を電磁
コイルに供給することにより、電力消費を抑える
とともに、小形の電磁コイルの連続使用を可能に
しようとするものである。この場合、補助接点の
開放は、可動鉄心の移動と連動して行なわれる。
て、従来、直流電磁コイルに直列接続された経済
抵抗器と、この経済抵抗器に並列接続された補助
接点とを備えた電磁石装置が知られている。この
装置は、直流電磁コイルを励磁する際、まず経済
抵抗器に並列接続された補助接点を介して大きい
直流電流を直流電磁コイルに供給し、直流電磁石
の吸引間隙が大きい始動位置において可動鉄心を
駆動する十分な吸引力を生ぜしめ、可動鉄心が固
定鉄心に吸引され吸引間隙が小さくなつて可動鉄
心を固定鉄心側へさらに吸引するに要する電流が
小さな値で済むようになつた時点で前記補助接点
を開放し、経済抵抗器を介して小さい電流を電磁
コイルに供給することにより、電力消費を抑える
とともに、小形の電磁コイルの連続使用を可能に
しようとするものである。この場合、補助接点の
開放は、可動鉄心の移動と連動して行なわれる。
しかし、このような経済抵抗器を用いる直流電
磁石装置では、可動鉄心の移動が通常ばね力に抗
して行なわれ、しかもこのばね力にはばらつきが
避けられないことから、補助接点の開放が可動鉄
心のどの移動ストロークの位置で行なわれるよう
にするかの調整が面倒であり、早めに開放して電
流を絞れば吸引力が不足ちて吸引動作を継続する
ことができず、開放時点が遅すぎれば電流値が指
数関数的に上昇する電流波形の飽和値に近くなつ
て補助接点の開放時に大きいアークを生じ、接点
の消耗が大きくなる。また、この接点消耗により
開放時点が動作回数とともに変化することにな
り、電磁石の動作信頼性が低下する。また、この
直流電磁石装置は経済抵抗器のための外形寸法が
大きくなるという欠点がある。
磁石装置では、可動鉄心の移動が通常ばね力に抗
して行なわれ、しかもこのばね力にはばらつきが
避けられないことから、補助接点の開放が可動鉄
心のどの移動ストロークの位置で行なわれるよう
にするかの調整が面倒であり、早めに開放して電
流を絞れば吸引力が不足ちて吸引動作を継続する
ことができず、開放時点が遅すぎれば電流値が指
数関数的に上昇する電流波形の飽和値に近くなつ
て補助接点の開放時に大きいアークを生じ、接点
の消耗が大きくなる。また、この接点消耗により
開放時点が動作回数とともに変化することにな
り、電磁石の動作信頼性が低下する。また、この
直流電磁石装置は経済抵抗器のための外形寸法が
大きくなるという欠点がある。
このような補助接点を必要とせず、最初から小
さい励磁電流で作動させることのできる直流電磁
石として、吸引間隙が大きくても始動位置におい
て比較的大きい吸引力が得られるプランジヤ形が
ある。このプランジヤ形電磁石は、可動鉄心が円
柱状に形成されるとともにこれと対向して配され
る固定鉄心も円柱状に形成され、おれらの鉄心を
包囲する円筒状の電磁コイルの内側に可動鉄心が
移動する円筒状の空間が形成されているものであ
り、固定鉄心と可動鉄心とは電磁コイルの外周側
で継鉄により磁気的に結合されている、また電磁
コイルは線径の細い導体を多数回巻回して形成さ
れ、通常コイル自体の抵抗値が前記経済抵抗器を
含む励磁回路の抵抗値と同等の値となつている。
このような、プランジヤ形の直流電磁石において
吸引間隙が大きくても大きい吸引力が得られるの
は、固定鉄心と可動鉄心との間の円筒状の吸引空
間内に、固定鉄心は通過しないが吸引空間と可動
鉄心と継鉄の一部とを通過する多量の磁束が生
じ、可動鉄心を電磁コイルとの間に吸引力が生じ
ることによるものである。したがつてこの吸引力
は吸引間隙の大きさが変化してもさほど大きくは
変化しない。
さい励磁電流で作動させることのできる直流電磁
石として、吸引間隙が大きくても始動位置におい
て比較的大きい吸引力が得られるプランジヤ形が
ある。このプランジヤ形電磁石は、可動鉄心が円
柱状に形成されるとともにこれと対向して配され
る固定鉄心も円柱状に形成され、おれらの鉄心を
包囲する円筒状の電磁コイルの内側に可動鉄心が
移動する円筒状の空間が形成されているものであ
り、固定鉄心と可動鉄心とは電磁コイルの外周側
で継鉄により磁気的に結合されている、また電磁
コイルは線径の細い導体を多数回巻回して形成さ
れ、通常コイル自体の抵抗値が前記経済抵抗器を
含む励磁回路の抵抗値と同等の値となつている。
このような、プランジヤ形の直流電磁石において
吸引間隙が大きくても大きい吸引力が得られるの
は、固定鉄心と可動鉄心との間の円筒状の吸引空
間内に、固定鉄心は通過しないが吸引空間と可動
鉄心と継鉄の一部とを通過する多量の磁束が生
じ、可動鉄心を電磁コイルとの間に吸引力が生じ
ることによるものである。したがつてこの吸引力
は吸引間隙の大きさが変化してもさほど大きくは
変化しない。
しかし、電磁接触器などに用いられる電磁石
は、一般的に交流電磁石が多く用いられ、従つて
直流電磁石を用いる場合は、交粒電磁石を取り除
いたスペースにそのまま直流電磁石を組み込んで
接触器の可動接点の駆動が可能になることが望ま
しい。しかし交流電磁石は使用時の鉄損を軽減す
るため、固定、可動鉄心がともに硅素鋼板を用い
て形成され、上述のようなプランジヤ形として形
成することは構造的、経済的に困難を伴う。この
ため、交流電磁石は鉄心がE字状またはU字状の
構造にならざるを得ず、このため、プランジヤ形
では交電磁石との互換性が得られ難いという問題
がある。しかも、プランジヤ形を用いることがで
きるためには、電磁接触器本体側の構成部材も設
計変更を行なつてプランジヤ形との結合を可能に
しなければならない、いま、この直流電磁石と電
磁接触器本体側との結合関係の理解を容易にする
ため、従来の電磁接触器の全体構造につき説明す
る。
は、一般的に交流電磁石が多く用いられ、従つて
直流電磁石を用いる場合は、交粒電磁石を取り除
いたスペースにそのまま直流電磁石を組み込んで
接触器の可動接点の駆動が可能になることが望ま
しい。しかし交流電磁石は使用時の鉄損を軽減す
るため、固定、可動鉄心がともに硅素鋼板を用い
て形成され、上述のようなプランジヤ形として形
成することは構造的、経済的に困難を伴う。この
ため、交流電磁石は鉄心がE字状またはU字状の
構造にならざるを得ず、このため、プランジヤ形
では交電磁石との互換性が得られ難いという問題
がある。しかも、プランジヤ形を用いることがで
きるためには、電磁接触器本体側の構成部材も設
計変更を行なつてプランジヤ形との結合を可能に
しなければならない、いま、この直流電磁石と電
磁接触器本体側との結合関係の理解を容易にする
ため、従来の電磁接触器の全体構造につき説明す
る。
第4図に電磁接触器の正面断面図、第5図に側
面断面図を示す。直流電磁石は固定鉄心4と可動
鉄心3と直流電磁コイル10とを備えてなり、台
板19により圧縮ばね17を介して絶縁ケー20
と一体の支持部材20aに押し付けられている。
可動鉄心3は連結板12を介して絶縁材からなる
駆動ブロツク11と結合され、この駆動ブロツク
には可動接触子13が上下方向に相対的に移動可
能に取り付けられ、接触ばね14により下向きに
駆動ブロツクに押し付けられている。またこの駆
動ブロツクの下の窓には、絶縁ケース20に固定
された連結板16上にばね15が設けられ、駆動
ブロツクに対し常時上向きの力を作用させてい
る。なお、可動接触子13は図では3組設けられ
ているが、これは交流回路用電磁接触器の交流電
磁石を直流電磁石に交換し、直流回路用電磁接触
器として用いているためであり、実際に用いる可
動接触子は両側の2組として中央は省略するか、
予備として使用する。
面断面図を示す。直流電磁石は固定鉄心4と可動
鉄心3と直流電磁コイル10とを備えてなり、台
板19により圧縮ばね17を介して絶縁ケー20
と一体の支持部材20aに押し付けられている。
可動鉄心3は連結板12を介して絶縁材からなる
駆動ブロツク11と結合され、この駆動ブロツク
には可動接触子13が上下方向に相対的に移動可
能に取り付けられ、接触ばね14により下向きに
駆動ブロツクに押し付けられている。またこの駆
動ブロツクの下の窓には、絶縁ケース20に固定
された連結板16上にばね15が設けられ、駆動
ブロツクに対し常時上向きの力を作用させてい
る。なお、可動接触子13は図では3組設けられ
ているが、これは交流回路用電磁接触器の交流電
磁石を直流電磁石に交換し、直流回路用電磁接触
器として用いているためであり、実際に用いる可
動接触子は両側の2組として中央は省略するか、
予備として使用する。
可動接触子13を閉路方向に駆動する際は、経
済抵抗器に並列接続された補助接点を介してまず
直流電磁コイルに大電流を供給し、ばね15に抗
して可動鉄心3を始動せしめ、可動鉄心があるス
トローク移動して固定鉄心に接近し、これ以上の
移動にはもはや大電流を要としなくなつた位置で
補助接点を開放して小電力に切り換え、このまま
終端位置まで駆動する。なお、吸引ストロークの
途中で可動接触子13が固定接触子23に接触す
ると、以後、可動鉄心3には接触ばね14の力が
移動方向と反対の方向に作用する。
済抵抗器に並列接続された補助接点を介してまず
直流電磁コイルに大電流を供給し、ばね15に抗
して可動鉄心3を始動せしめ、可動鉄心があるス
トローク移動して固定鉄心に接近し、これ以上の
移動にはもはや大電流を要としなくなつた位置で
補助接点を開放して小電力に切り換え、このまま
終端位置まで駆動する。なお、吸引ストロークの
途中で可動接触子13が固定接触子23に接触す
ると、以後、可動鉄心3には接触ばね14の力が
移動方向と反対の方向に作用する。
この考案は、交流電磁石と組立ての互換性を有
し、電磁接触器本体の構成部材の共用化が可能で
あつて、経済抵抗器を必要とせず、かつ、小形で
動作信頼性の高い直流電磁石を提供することを目
的とする。
し、電磁接触器本体の構成部材の共用化が可能で
あつて、経済抵抗器を必要とせず、かつ、小形で
動作信頼性の高い直流電磁石を提供することを目
的とする。
この考案は、それぞれE字状に形成され、この
中央脚と両側脚の接極面となる端面を互いに対向
して配置してなる固定鉄心と可動鉄心、および、
直流電流によつて励磁される直流電磁コイルを備
えた直流電磁石において、前記固定鉄心と可動鉄
心の両側脚の接極面にそれぞれ、面積が両側脚の
横断面積よりも大きい磁極板を設けて接極面の対
向面積を増大せしめ、電磁コイルに供給する励磁
電流が小さくても、電磁石の吸引間隙が大きい始
動位置近傍における吸引力を大ならしめて、通
常、移動方向と反対方向にばね力を受けている可
動鉄心の駆動を可能ならしめるとともに、可動鉄
心の移動ストローク終端近傍における吸引力を低
減させて移動終端の機械的衝撃を従来と同等以下
に緩和させ、電磁接触器本体側の構成部材の設計
変更を不要ならしめるこにより、従来の直流電磁
石との完全な互換性を可能にして前記の目的を達
成しようとするものである。
中央脚と両側脚の接極面となる端面を互いに対向
して配置してなる固定鉄心と可動鉄心、および、
直流電流によつて励磁される直流電磁コイルを備
えた直流電磁石において、前記固定鉄心と可動鉄
心の両側脚の接極面にそれぞれ、面積が両側脚の
横断面積よりも大きい磁極板を設けて接極面の対
向面積を増大せしめ、電磁コイルに供給する励磁
電流が小さくても、電磁石の吸引間隙が大きい始
動位置近傍における吸引力を大ならしめて、通
常、移動方向と反対方向にばね力を受けている可
動鉄心の駆動を可能ならしめるとともに、可動鉄
心の移動ストローク終端近傍における吸引力を低
減させて移動終端の機械的衝撃を従来と同等以下
に緩和させ、電磁接触器本体側の構成部材の設計
変更を不要ならしめるこにより、従来の直流電磁
石との完全な互換性を可能にして前記の目的を達
成しようとするものである。
第1図に基づいて構成された電磁石鉄心の一実
施例を示す。それぞれE字状に形成された固定鉄
心34および可動鉄心33の両側脚34b,34
bおよび33b,33bの接極面には、各側脚の
磁路に直角方向の断面積よりも大きい面積を有す
る磁極板32,31がそれぞれ、その対向面積が
もとの接極面と同一平面となるように埋め込ま
れ、固定、可動それぞれの側脚相互間に対向面積
の大きい接極面を形成している。この磁極板に通
常の構造用鋼板または軟鉄板を焼鈍したものを用
い、直流電磁コイルへの電流供給が断たれた後の
磁極板表面の残留磁気を極力少なくする。また、
側脚と磁極板との固着はろう付け、溶接などによ
り行なう。このようにして両側脚の接極面に設け
られた磁極板のうち、固定鉄心または可動鉄心の
少なくともいずれか一方の磁極板表面(本実施例
では固定鉄心側の磁極板表面)には、非磁性材た
とえば黄銅板または銅板からなるスペーサが固着
され、直流電磁コイルへの電流供給が断たれた後
に磁極板表面に残留する磁気にる両鉄心の吸引力
をさらに減らし、弱い復帰ばね(たとえば第4図
の符号15)による両鉄心の開離を可能にしてい
る。
施例を示す。それぞれE字状に形成された固定鉄
心34および可動鉄心33の両側脚34b,34
bおよび33b,33bの接極面には、各側脚の
磁路に直角方向の断面積よりも大きい面積を有す
る磁極板32,31がそれぞれ、その対向面積が
もとの接極面と同一平面となるように埋め込ま
れ、固定、可動それぞれの側脚相互間に対向面積
の大きい接極面を形成している。この磁極板に通
常の構造用鋼板または軟鉄板を焼鈍したものを用
い、直流電磁コイルへの電流供給が断たれた後の
磁極板表面の残留磁気を極力少なくする。また、
側脚と磁極板との固着はろう付け、溶接などによ
り行なう。このようにして両側脚の接極面に設け
られた磁極板のうち、固定鉄心または可動鉄心の
少なくともいずれか一方の磁極板表面(本実施例
では固定鉄心側の磁極板表面)には、非磁性材た
とえば黄銅板または銅板からなるスペーサが固着
され、直流電磁コイルへの電流供給が断たれた後
に磁極板表面に残留する磁気にる両鉄心の吸引力
をさらに減らし、弱い復帰ばね(たとえば第4図
の符号15)による両鉄心の開離を可能にしてい
る。
また、両鉄心の中央脚のうちいずれか一方の接
極面(本実施例では固定鉄心の中央脚34aの接
極面)をV字溝状に形成するとともに他方の接極
面を前記V字溝と同一の傾斜角を持つ山形に形成
し、接極面に直角方向の対向間隔を第2図に示す
ように従来のL2からに小さくしている。
極面(本実施例では固定鉄心の中央脚34aの接
極面)をV字溝状に形成するとともに他方の接極
面を前記V字溝と同一の傾斜角を持つ山形に形成
し、接極面に直角方向の対向間隔を第2図に示す
ように従来のL2からに小さくしている。
以上のように構成され直流電磁石の各ストロー
ク位置における固定鉄心と可動鉄心との間の吸引
力の変化はつぎの通りである。
ク位置における固定鉄心と可動鉄心との間の吸引
力の変化はつぎの通りである。
周知のように、2つの対向する接極面相互間の
吸引力は、両接極面の空間に生ずる磁束密度の自
乗と接極面の対向面籍との籍に比例するから、第
1図もしくは第2図に示されるような電磁石の始
動位置においては、接極面相互間の対向間隔が大
きく、両接極面間の吸引空間に生ずる磁束密度は
実質的にこの対向間隔のみによつてきまるから、
この磁束密度と対向面積との積によつてきまる磁
束によつては鉄心各部の磁路はまだ飽和せず、従
つて、始動時の対向間隔一定の状態では、両接極
面相互間の吸引力は接極面の対向面積のみによつ
てきまる。従つて、電磁石の始動位置において
は、対向面積の大きい磁極板を両側脚の接極面に
設けることにより吸引力が増大し、直流電磁コイ
ルに供給する励磁電流は小さくても、吸引力に抗
するばね力に打ち勝つて可動鉄心を始動させるこ
とができるようになる。さらに、中央脚の接極面
の一方をV字溝状に形成するとともに他方をこの
V字溝と同一傾斜を持つ山形に形成し、傾斜面に
直角方向の両面の間隔を小さくすれば、両面間の
磁気抵抗が小さくなつて両面間に生ずる平均磁束
密度が大きくなり、かつこの磁束が生ずる傾斜面
の面積も従来の対向面積より大きくなるから、磁
力線方向の吸引力は相乗的に大きくなり、この吸
引力の可動鉄心移動方向の分力も従来鉄心の中央
脚に比して大きくなり、電磁石の始動はさらに容
易になる。
吸引力は、両接極面の空間に生ずる磁束密度の自
乗と接極面の対向面籍との籍に比例するから、第
1図もしくは第2図に示されるような電磁石の始
動位置においては、接極面相互間の対向間隔が大
きく、両接極面間の吸引空間に生ずる磁束密度は
実質的にこの対向間隔のみによつてきまるから、
この磁束密度と対向面積との積によつてきまる磁
束によつては鉄心各部の磁路はまだ飽和せず、従
つて、始動時の対向間隔一定の状態では、両接極
面相互間の吸引力は接極面の対向面積のみによつ
てきまる。従つて、電磁石の始動位置において
は、対向面積の大きい磁極板を両側脚の接極面に
設けることにより吸引力が増大し、直流電磁コイ
ルに供給する励磁電流は小さくても、吸引力に抗
するばね力に打ち勝つて可動鉄心を始動させるこ
とができるようになる。さらに、中央脚の接極面
の一方をV字溝状に形成するとともに他方をこの
V字溝と同一傾斜を持つ山形に形成し、傾斜面に
直角方向の両面の間隔を小さくすれば、両面間の
磁気抵抗が小さくなつて両面間に生ずる平均磁束
密度が大きくなり、かつこの磁束が生ずる傾斜面
の面積も従来の対向面積より大きくなるから、磁
力線方向の吸引力は相乗的に大きくなり、この吸
引力の可動鉄心移動方向の分力も従来鉄心の中央
脚に比して大きくなり、電磁石の始動はさらに容
易になる。
つぎに、可動鉄心の移動終端近傍においては鉄
心が飽和し、両側脚の磁極板の対向面に生ずる磁
束密度はこの飽和磁束を磁極板の対向面積で除し
た値になるから、この磁束密度の自乗と対向面積
との積により与えられる吸引力の大きさは、磁極
板がなく従つて対向面積の小さい従来の鉄心の場
合よりも小さくなる。このことは中央脚について
も同様である。従来の鉄心と本考案の鉄心におけ
る吸引力のストロークによる変化の状況を第3図
に示す。
心が飽和し、両側脚の磁極板の対向面に生ずる磁
束密度はこの飽和磁束を磁極板の対向面積で除し
た値になるから、この磁束密度の自乗と対向面積
との積により与えられる吸引力の大きさは、磁極
板がなく従つて対向面積の小さい従来の鉄心の場
合よりも小さくなる。このことは中央脚について
も同様である。従来の鉄心と本考案の鉄心におけ
る吸引力のストロークによる変化の状況を第3図
に示す。
第3図において、曲線Pは従来の鉄心における
吸引力が空隙長とともに変化する様子を示し、曲
線Qは両側脚に磁極板が設けられたときの吸引力
の変化の様子を示す。図からみられるように、磁
極板を設けて接極面の面積を増せば、空隙長が大
きい始動位置近傍では吸引力が大となり、移動終
端近傍においては吸引力が小さくなつて衝撃力が
緩和される。また、図において、2点鎖線は可動
鉄心の移動方向と反対方向に可動鉄心に作用する
外力の変化を示すものであつて、この外力は連結
板12(第4図)を介して可動鉄心3と結合され
た、絶縁材からなる駆動ブロツク11を可動鉄心
の移動方向と反対方向に偏倚せしめているばね1
5と、可動接触子13が固定接触子23を接触し
たのち駆動ブロツク11から浮きあがるときに圧
縮される接触ばね14とにより与えられる。なお
前記ばね15は電磁接触器のケース20に貫挿さ
れた支持板16と駆動ブロツク11との間に圧縮
した状態で挿入されている。第3図における力
F1はこの圧縮状態におけるばね15の上向きの
力を示す。可動鉄心3が吸引されるにつれてばね
15は圧縮されてその力を増し、可動接触子13
が固定接触子23と接触する直前でF2となる。
可動接触子13を固定接触子23とが接触する
と、以後、接触ばね14の力が加わる。接触ばね
14はあらかじめ圧縮した状態で組み込まれ、可
動接触子と固定接触子とが接触した瞬間に最小所
要接触圧力が得られるように配慮されている。こ
の最小所要接触圧力がばね15の力F2に付加さ
れるから、可動鉄心に加わる外力は不連続的に
F3まで上昇し、さらに吸引ストロークが進むに
つれ、ばね15を接触ばね14とのばね定数の和
に従つた傾斜をもつた外力が増加する。図の曲線
Pが示すように、空隙長の大きい始動位置近傍に
おいては、可動鉄心と固定鉄心との間に作用する
吸引力は、従来の鉄心の場合、外力の初期値F1
を下廻るから、前述のように、補助接点によつて
短絡された経済抵抗器を用い、始動時点で大電流
を電磁コイルに供給して吸引力をF1以上とする
必要があつた。また、電磁コイルに供給する電力
消費を小さく押えるため、前記補助接点を空隙長
X2より小さくなつた位置で開放して小電流に切
り換える必要があつた。しかも可動鉄心の移動終
端の吸引力が大きく、接触面間の機械的衝撃が大
きいという問題があつた。しかし、鉄心の両側脚
に磁極板を設けて接極面の面積を増せば、曲線Q
が示すように、電磁コイルに供給する電流が小さ
くても始動位置において十分大きい吸引力が得ら
れるから経済抵抗器や補助接点が必要なくなり、
また、曲線の傾斜が曲線Pよりも緩やかとなつて
可動鉄心の移動終端における衝撃力が小さくな
る。
吸引力が空隙長とともに変化する様子を示し、曲
線Qは両側脚に磁極板が設けられたときの吸引力
の変化の様子を示す。図からみられるように、磁
極板を設けて接極面の面積を増せば、空隙長が大
きい始動位置近傍では吸引力が大となり、移動終
端近傍においては吸引力が小さくなつて衝撃力が
緩和される。また、図において、2点鎖線は可動
鉄心の移動方向と反対方向に可動鉄心に作用する
外力の変化を示すものであつて、この外力は連結
板12(第4図)を介して可動鉄心3と結合され
た、絶縁材からなる駆動ブロツク11を可動鉄心
の移動方向と反対方向に偏倚せしめているばね1
5と、可動接触子13が固定接触子23を接触し
たのち駆動ブロツク11から浮きあがるときに圧
縮される接触ばね14とにより与えられる。なお
前記ばね15は電磁接触器のケース20に貫挿さ
れた支持板16と駆動ブロツク11との間に圧縮
した状態で挿入されている。第3図における力
F1はこの圧縮状態におけるばね15の上向きの
力を示す。可動鉄心3が吸引されるにつれてばね
15は圧縮されてその力を増し、可動接触子13
が固定接触子23と接触する直前でF2となる。
可動接触子13を固定接触子23とが接触する
と、以後、接触ばね14の力が加わる。接触ばね
14はあらかじめ圧縮した状態で組み込まれ、可
動接触子と固定接触子とが接触した瞬間に最小所
要接触圧力が得られるように配慮されている。こ
の最小所要接触圧力がばね15の力F2に付加さ
れるから、可動鉄心に加わる外力は不連続的に
F3まで上昇し、さらに吸引ストロークが進むに
つれ、ばね15を接触ばね14とのばね定数の和
に従つた傾斜をもつた外力が増加する。図の曲線
Pが示すように、空隙長の大きい始動位置近傍に
おいては、可動鉄心と固定鉄心との間に作用する
吸引力は、従来の鉄心の場合、外力の初期値F1
を下廻るから、前述のように、補助接点によつて
短絡された経済抵抗器を用い、始動時点で大電流
を電磁コイルに供給して吸引力をF1以上とする
必要があつた。また、電磁コイルに供給する電力
消費を小さく押えるため、前記補助接点を空隙長
X2より小さくなつた位置で開放して小電流に切
り換える必要があつた。しかも可動鉄心の移動終
端の吸引力が大きく、接触面間の機械的衝撃が大
きいという問題があつた。しかし、鉄心の両側脚
に磁極板を設けて接極面の面積を増せば、曲線Q
が示すように、電磁コイルに供給する電流が小さ
くても始動位置において十分大きい吸引力が得ら
れるから経済抵抗器や補助接点が必要なくなり、
また、曲線の傾斜が曲線Pよりも緩やかとなつて
可動鉄心の移動終端における衝撃力が小さくな
る。
以上に述べたように、本考案によれば、E字状
に形成された固定鉄心と可動鉄心の両側脚にそれ
ぞれ、面積が側脚断面積よりも大きい磁極片を設
けたので、 (1) 接触面相互間の空隙長が長い始動位置近傍に
おいても接極面相互の吸引力が大きくなり、経
済抵抗器や、可動鉄心と連導しかつ面倒な調整
を必要とする補助接点などが不要になる。これ
により直流電磁石装置の小形化が達せられかつ
動作信頼性が向上する。
に形成された固定鉄心と可動鉄心の両側脚にそれ
ぞれ、面積が側脚断面積よりも大きい磁極片を設
けたので、 (1) 接触面相互間の空隙長が長い始動位置近傍に
おいても接極面相互の吸引力が大きくなり、経
済抵抗器や、可動鉄心と連導しかつ面倒な調整
を必要とする補助接点などが不要になる。これ
により直流電磁石装置の小形化が達せられかつ
動作信頼性が向上する。
(2) 形状、寸法の両面から交流電磁石との互換性
を有し、かつ動作終端における機械的衝撃力が
従来以下となるから、電磁接触器本体の構成部
材の共用化が可能である。これにより、一般に
広く用いられている交流電磁石を直流電磁石と
交換するだけで直流操作の電磁接触器を得るこ
そができる。
を有し、かつ動作終端における機械的衝撃力が
従来以下となるから、電磁接触器本体の構成部
材の共用化が可能である。これにより、一般に
広く用いられている交流電磁石を直流電磁石と
交換するだけで直流操作の電磁接触器を得るこ
そができる。
などの効果が得られる。
第1図は本考案の実施例を示す、直流電磁石鉄
心の斜視図、第2図は、第1図の実施例に示す固
定鉄心と可動鉄心とを備えた直流電磁石における
接極面の寸法関係を示す正面図、第3図は本考案
の直流電磁石の吸引特性を従来のものと比較して
示す線図、第4図は本考案が対象とする直流電磁
石が組み込れた電磁接触器の正面断面図、第5図
は同じく側面断面図である。 3,33……可動鉄心、10……直流電磁コイ
ル、31,32……磁極板、32a……スベー
サ、33a……中央脚、33b……側脚、4,3
4……固定鉄心、34a……中央脚、34b……
側脚。
心の斜視図、第2図は、第1図の実施例に示す固
定鉄心と可動鉄心とを備えた直流電磁石における
接極面の寸法関係を示す正面図、第3図は本考案
の直流電磁石の吸引特性を従来のものと比較して
示す線図、第4図は本考案が対象とする直流電磁
石が組み込れた電磁接触器の正面断面図、第5図
は同じく側面断面図である。 3,33……可動鉄心、10……直流電磁コイ
ル、31,32……磁極板、32a……スベー
サ、33a……中央脚、33b……側脚、4,3
4……固定鉄心、34a……中央脚、34b……
側脚。
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 1 それぞれE字状に形成され、その中央脚と両
側脚の接極面となる端面を互いに対向して配置
してなる固定鉄心と可動鉄心、および、直流電
流によつて励磁される直流電磁コイルを備えた
直流電磁石において、前記固定鉄心と可動鉄心
の両側脚の接極面にそれぞれ、面積が側脚の横
断面の面積よりも大きい磁極板が設けられて接
極面の対向面積が増大せしめられたことを特徴
とする直流電磁石。 2 実用新案登録請求の範囲第1項記載の直流電
磁石において、両側脚の接極面に磁極板が設け
られた固定鉄心および可動鉄心の中央脚の接極
面は、いずれか一方がV字溝状に形成され他方
が山形に形成されていることを特徴とする直流
電磁石。 3 実用新案登録請求の範囲第1項記載の直流電
磁石において、固定鉄心および可動鉄心の両側
脚接極面に設けられた磁極板は対向する2面中
少なくとも1面側に非磁性材からなる板状スペ
ーサを備えていることを特徴とする直流電磁
石。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8569286U JPH0328488Y2 (ja) | 1986-06-05 | 1986-06-05 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8569286U JPH0328488Y2 (ja) | 1986-06-05 | 1986-06-05 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62196307U JPS62196307U (ja) | 1987-12-14 |
JPH0328488Y2 true JPH0328488Y2 (ja) | 1991-06-19 |
Family
ID=30941326
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8569286U Expired JPH0328488Y2 (ja) | 1986-06-05 | 1986-06-05 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0328488Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4507431B2 (ja) * | 2001-03-16 | 2010-07-21 | シンフォニアテクノロジー株式会社 | 電磁石 |
-
1986
- 1986-06-05 JP JP8569286U patent/JPH0328488Y2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62196307U (ja) | 1987-12-14 |
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