JP4507431B2 - 電磁石 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温環境下において、例えば、振動状態で走行する鋼板の振幅方向の変位を連続的に検出して、その振動を磁気吸引力により減衰させるのに用いられる電磁石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、鋼板に対してメッキ処理を行う鋼板処理設備の表面処理ラインにおいて、溶融亜鉛槽を通過して引き上げられた鋼板に対して加圧空気等の噴出流を吹き付けて、過剰な溶融亜鉛を吹き落とす技術がある。この技術において、メッキ後の鋼板が振動すれば、前記加圧空気等の噴射力が変動して、メッキ厚が変化するので、電磁石の磁気吸引力により、その走路面を走行中の帯板状の鋼板の振動を制振して、メッキ厚を一定にする装置が、特開平5-245523号公報に記載されている。図7に示されるように、該技術は、200°C以上の高温環境下において、加熱された前記鋼板を挟んで対向配置された一対の電磁石M'a,M'bの一方に取付けたセンサSによって、それと鋼板51との振幅方向の変位を検出して、その変位に応じた大きさの電流を前記一対の電磁石M'a,M'bのいずれか一方のコイルに流して、鋼板に磁気吸引力を及ぼして、その振動を減衰させて、本来の基準走行面54に沿って走行するように制御するものである。
【0003】
前記電磁石M'a,M'bは、コの字形の鉄心の互いに平行な部分である両磁極部にコイルが巻装されたものであって、一方の電磁石M'aの両磁極部の間には、センサSが取付けられており、他方の電磁石M'bには、センサSは、取付けられていない。そして、各々の電磁石M'a,M'bは、移動する鋼板51を挟んで、これと非接触な状態で、その両側に対向配置されて使用されているものである。
【0004】
このような電磁石M'a,M'bにおいて、鋼板51の板厚が厚い場合には、鋼板51を変位させるための磁力が不足する場合があり、このために、電磁石M'a,M'bの励磁電流を大きくしたり、コイルCの巻数を多くして、対応することが必要であった。励磁電流を大きくする場合には、コイルCの内部温度が上昇するので、その耐熱温度が問題となる。一方、コイルCの巻数を多くする場合には、コイルC自身が大きくなるので、結果として、電磁石M'a,M'bが大型化して、スペース的に問題であった。
【0005】
次に、図7及び図8を参照して、一方のみにセンサSを取付けた一対の電磁石M'a,M'bを用いて、前記制振装置において、鋼板51の振幅方向の変位を検出して、制振する場合の問題点について説明する。一方の電磁石M'aに取付けられたセンサSによって、走行する鋼板51の該センサSと対向する検出点Taとの間の距離Aが連続して検出され、その結果、鋼板51の前記検出点Taの基準走行面54に対する振幅方向の変位δaが検出される。これにより、一対の電磁石M'a,M'bのうち、鋼板51の検出点Taが変位した側と反対の側の電磁石(上記例では、電磁石M'b) に、前記変位δaに比例した電流が流れて、鋼板51の検出点Taの前後の各部分を電磁石M'bの側に磁気吸引して、その変位を少なくすることにより、制振している。ここで、電磁石M'a,M'bによって鋼板51の振動を有効に制振するには、鋼板51における電磁石M'a,M'bの吸引力の作用中心点Tbと、前記検出点Taとが、基準走行面54に対して同一側に位置し、しかも各点Ta,Tbの変位の差が極力小さいことが望ましい。
【0006】
これを実現するには、電磁石M'aの磁極部11とセンサSとの間の距離Lを短くする必要がある。即ち、前記各点Ta,Tbの変位の差が小さくなることにより、センサSが検出する鋼板51上の検出点Ta の位置情報が、そのまま一対の電磁石M'a,M'bのいずれか一方の磁力が及ぶ鋼板51上の作用中心点Tb にほぼ等しく反映され、しかも、鋼板51上の前記各点Ta,Tbが基準走行面54に対して同一側になることにより、一対の電磁石M'a,M'bの磁力の作用が本来と逆になることを阻止することができるので、制振効果が高まる。このため、コイルCが大型化すると、前記距離Lが長くなるので、制振効果が低減するという問題があった。換言すれば、鋼板51の制振効果を高めるには、前記距離Lを短くすることが必要である。
【0007】
また、一方の電磁石M'aに取付けられるセンサSとして、例えば渦電流式のものを使用する場合には、センサSの近傍に鉄心Yの磁極部11のような金属体が存在すると、前記変位δaに応じたセンサSの出力電圧が、設定出力電圧より低下してしまうことがあって、実際の変位δaよりも小さな変位が制御器52に認識されるので、望み通りに鋼板51を制振できない。即ち、センサSによる位置検出精度が低下するので、そのための目安として、センサSは、周辺の金属体に対して自身のセンサヘッド部31の外径とほぼ同一距離だけ離して配置する必要があった。
【0008】
また、上記した電磁石M'a,M'bは、200°Cを超える高温環境下で使用されるために、そのコイルの耐熱性も必要であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、高温環境下での使用に耐えられ、しかもコイルの励磁電流と巻数に依存せずに磁力の増大を可能にして、前記制振装置に使用した場合には、その制振効果の高い電磁石を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、U字又はコの字形の鉄心の互いに平行な部分にコイルが巻装され、振動状態で走行する鋼板を挟んで、その両側に対向し、しかも前記鋼板と非接触な状態で一対配置されて、その少なくとも一方の各磁極部の間に、前記鋼板の振幅方向の変位を検出するセンサが取付けられている電磁石であって、前記鉄心の各磁極部に、鎖交磁束面積を増大させる磁極板が一体に取付けられて、前記磁極板は、鉄心の磁極部の中心に対して前記センサと反対側に偏倚して配置されていることを特徴としている。
【0011】
請求項1の発明によれば、鉄心の各磁極部に磁極板を取付けることにより、各磁極部における横断面積がその部分で大きくなって、周辺の漏れ磁束が前記磁極板と鎖交して、鎖交磁束数が増大する結果、磁力を増大させることができて、磁力を増大させられる結果、励磁電流が一定の場合には、同一磁力を得るのに必要な本発明に係る電磁石のコイルの巻数は、従来の電磁石に比較して少なくできる。この結果、鉄心の磁極部とセンサとの間の距離を短くできて、前記制振装置における制振効果が高まる。また、鉄心の磁極部の中心に対して前記センサと反対側に磁極板を偏倚して配置されることにより、センサと磁極板との距離を隔離することができるので、金属体である磁極板の影響を受けずに、センサの出力を一定にできて、前記制振装置の制御系を安定させることができる。
【0012】
【0013】
【0014】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記コイルの磁極側の端面は、鉄心の磁極面に臨んでいて、前記磁極板は、前記コイルの磁極側端面に接着固定されていることを特徴としている。
【0015】
請求項2の発明によれば、ネジ類を使用せずに磁極板をコイル及び鉄心の磁極部に固定できるので、電磁石の信頼性を高めることができる。また、前記制振装置においては、制振対象である鋼板に磁気吸引力を非接触で及ぼすのみであって、直接吸着しないので、鉄心の磁極面に対する磁極板の接着固定によって、必要強度が保持される。
【0016】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記磁極板は、鉄心の磁極部の横断面に対応する形状だけ切り欠かれた嵌合孔が設けられ、該嵌合孔に前記鉄心の磁極部が嵌合されて、両者が一体化されていることを特徴としている。
【0017】
請求項3の発明によれば、磁極板は、接着固定と、鉄心の磁極部に対する嵌合構造との双方により一体に取り付けられているので、その取付け強度が高まり、電磁石の信頼性を高めることができる。
【0018】
【0019】
【0020】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明を前提として、前記コイルを構成する導体の外周は、耐熱絶縁材で被覆され、コイル全体は、同じく耐熱性のテープ材で被覆されて、その全体が無機ワニスで処理され、全体として耐熱性を有していることを特徴としている。
【0021】
請求項4の発明によれば、コイルを構成する導体が耐熱絶縁材で被覆される等していて、コイルの耐熱性が高められているので、高温環境下で長時間使用しても、コイルの劣化等の問題がなくなる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。本実施例で説明する電磁石M1a,M1bは、「従来技術」の項目で説明したのと同様に、図7に示される鋼板51の位置制御のために使用されており、電磁石M1aは、その磁極部11の間にセンサSが取付けられており、電磁石M1bは、センサSを有しておらず、両者は、センサSの有無でのみ異なる構成となっている。図1は、本発明に係る電磁石M1a(M1b)の斜視図であり、図2(イ), (ロ)は、同じくその平面図及び正面図である。なお、図1及び図2においては、電磁石M1bは、センサSを有していない点のみによって、その構成が電磁石M1aと異なっているので、その詳細な図示は、省いている。
【0023】
図1及び図2に示されるとおり、本発明に係る電磁石M1aは、磁性体であるコの字形の鉄心Yと、その互いに平行な部分である各磁極部11に巻装された所定巻数の一対のコイルCと、両磁極部11の間に取付けられた渦電流式のセンサSと、両磁極部11の先端部に無段差状態で一体に取付けられた磁性体から成る一対の磁極板P1 とで構成されている。鉄心Yの磁極部11の横断面は、縦横比の大きな長方形状になっていて、各磁極部11の配置は、その中心と、前記センサSの中心との間の距離L(図8参照)が小さくなるように、その長辺部によって前記センサSが挟まれるようになっている。また、前記磁極板P1 は、3〜10mm程度厚みを有する方形の平板状であって、磁極部11の横断面に対応する形状を切り欠かれた嵌合孔部41が設けられている。該嵌合孔部41は、磁極板P1 が磁極部11に取付けられた状態で、鉄心Yの磁極部11の中心13に対して前記センサSと反対の側に偏倚するように配置されるべく、磁極板P1 の中心より片側に偏倚して設けられている(図1参照)。
【0024】
また、鉄心Yの前記各磁極部11の間には、その中央部に突設された支持棒53を介して前記センサSが取付けられている。また、前記磁極板P1 は、磁極部中心13に対して前記センサSと反対側に偏倚するように、前記嵌合孔部41を介して磁極部11の先端に嵌合されていて、コイルCの磁極側端面21に、無段差で接着固定されている。また、両磁極板P1 は、それとセンサヘッド部31との距離が、該センサヘッド部31の外径より大きくなるように隔離されて、磁極部11と一体化するように配置されている。なお、図7に示されるように、前記センサSと一対のコイルCとは、各々所定の方法で制御器52に結線されている。
【0025】
上記した電磁石M1a,M1bは、耐熱絶縁電線を所定のターン数で巻回してコイルCを成形し、該コイルCの外周面に無機絶縁テープ材をテーピング保護した後に、前記コイルCを鉄心Yの各磁極部11に嵌め込んだ状態で、無機ワニスで処理し、該鉄心YとコイルCとを一体化させて、該鉄心Yの磁極面12の部分に磁極板P1 を嵌め込んで、無機系接着剤によりコイルCの磁極側端面21に接着固定して、製作される。ここで、前記耐熱絶縁電線、前記無機ワニス、前記無機絶縁テープ材の耐熱温度は、200°C以上である。
【0026】
前記耐熱絶縁電線は、導体の外周面にセラミックス系の無機絶縁被覆層を設け、更にその外周に、有機絶縁層を設けて、二層の絶縁層を有する構成である。通常使用される代表的なコイルCの導体としては、銅、アルミニウム、ニッケル等が挙げられ、銅は耐酸化性が乏しく、アルミニウムは強度が弱く、ニッケルは導体抵抗が高いというそれぞれの問題があるため、導体としては、ニッケルメッキ銅、ニッケルクラッド銅、ステンレスクラッド銅等の耐熱性を有する銅系の複合導体が望ましく、経済的には、ニッケルメッキ銅が好ましい。
【0027】
また、前記無機絶縁被覆層を構成する材料としては、ポリボロシロキサン、ポリカルボシラン、ポリシラスチレン、ポリシラザン、ポリチタノカルボロシラン及びオルガノシロキサンから選ばれた1又は2種以上からなる樹脂と無機充填材とを溶剤に溶解又は分散させたセラミックス系絶縁材が使用される。また、前記有機絶縁層の一般的な材料としては、例えば、ホルマール、ポリウレタン、ポリエステル等が挙げられる。しかしながら、200°Cを超える高温環境下で使用される場合には、上記材料では熱分解を起こす恐れがあるので、より耐熱性の高い材料が必要となり、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド等が挙げられるが、耐熱性のより高いポリイミドが好ましい。
【0028】
また、コイルCのリード線の導体としては、上記理由により、ニッケルメッキ銅が好ましい。このリード線は、大きな負荷が作用するので、可撓性を有する導体を用いる必要があり、その絶縁被覆層としては、同様に耐熱性を有することが必要であって、好適な材料としてテフロンが挙げられる。
【0029】
また、前記無機ワニスとしては、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、シリカ、マイカ、タルク等の酸化物系セラミックスの一つ又は複数が混合されたものが使用される。更に、無機絶縁テーピング材としては、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、マイカテープを単独又は複合して用いることが望ましく、経済性及び含浸性を考慮すると、ガラス繊維が好ましい。
【0030】
次に、図1、図2、図7及び図8を参照して、前記一対の電磁石M1a,M1bを用いた制振装置の制振作用について説明する。一対の電磁石M1a,M1bは、一方の電磁石M1aのセンサSからの入力信号に基づいて、制御器52から、鋼板51の前記変位δaに比例する励磁電流が、一対の電磁石M1a,M1bのいずれか一方のコイルCに通電され、鋼板51が基準走行面54に沿うように磁気吸引力を作用させている。電磁石M1a,M1bのコイルCが巻装された磁極部11内では、磁極部11の長手方向に磁界が生じており、磁極部11の先端部には、それより大きな横断面積を有する磁極板P1 が固着されているので、この部分の磁束と鎖交する断面積が大きくなって、周辺の漏れ磁束が前記磁極板P1 と鎖交する結果、磁束数が増えて磁力が増す構造になっている。従って、増大された磁気吸引力が鋼板51に及ぶので、その剛性に逆らって、走行中の鋼板51の磁力の作用中心点Tbの変位を零に近づけて、鋼板51が基準走行面54に沿って走行するように制振制御できる。
【0031】
図6は、本発明に係る電磁石の特性図であって、横軸は励磁電流を、縦軸は吸引力を示している。実線は、磁極板P1 を備えた本発明に係る電磁石M1a,M1bの特性であり、破線は、磁極板P1 を備えていない従来の電磁石の特性である。励磁電流とコイルCの巻数とを増すことなく、磁極板P1 を取付けた効果により、吸引力が増大することを示している。「従来技術」の項目で述べたとおりに、コイルの巻数を増大させずに、即ち、前記距離Lを大きくせずに吸引力を大きくできるので、制振装置の制御系を安定させることができる。
【0032】
そして、200°Cを超える高温雰囲気において、加熱された鋼板51は走行しており、一方の電磁石M1aに取付けられたセンサSによって、走行する鋼板51の検出点Taの変位は常時検出されて、その変位に対応する電圧が制御器52に入力されて、前記変位が設定値を超える場合には、鋼板51が変位した側と反対側の電磁石M1a(又はM1b) のコイルCに所定の大きさの電流が流れて、該鋼板51の振動を減衰させる。ここで、センサSの上端面にあるセンサヘッド部31と両磁極板P1 とは、前記したとおりに隔離して配置されているので、センサSの出力は一定しており、前記変位δaに応じたセンサSの所定の出力電圧が制御器52に入力されて、安定した鋼板51の位置制御が行われる。また、磁極板P1 には、前記嵌合孔部41が偏倚して切り欠かれていて、該嵌合孔部41を介して各磁極部11に前記磁極板P1 が、該磁極部11の中心13に対してセンサSと反対側に偏倚して取付けられているために、一対の磁極部11間の距離を大きくする必要がなくなって、電磁石M1a,M1bが小型化される。
【0033】
また、本発明に係る電磁石M1aにおいては、磁極部11に対する磁極板P1 の取付構造は、その嵌合孔部41を利用した嵌合構造と、接着固定との双方によっている。従って、磁極板P1 を固定するためにネジ類を用いてないので、ネジ類が外れる恐れがなく、かつ、嵌合固定されているので、十分な取付け強度が得られる。特に、振動状態で走行する鋼板51に吸引力を及ぼして、振動を減衰させる用途においては、磁極板P1 と鋼板51とが、直接に接触しないので、磁極部11に対する磁極板P1 の取付構造は、上記構造で強度的に十分である。
【0034】
一方、一対の電磁石M1a,M1bを構成するコイルCは、コイルを構成する導体が耐熱絶縁材で被覆される等していて、コイルの耐熱性が高められているので、200°Cを超える高温環境下で長時間使用しても、コイルの劣化等の問題がなく、鋼板51の制振制御を支障なく行える。
【0035】
図3ないし図5に、他の形状の磁極板P2 〜P4 を、磁極部11に取付けた電磁石M2a〜M4a,M2b〜M4bが示されている。但し、電磁石M2a〜M4a,M2b〜M4bは、磁極板P2 〜P4 の形状のみが前記電磁石M1a,M1bと異なっていて、他の構成及びコイルCの磁極側端面21への接着取付構造については、上述した電磁石M1a,M1bのものと同じである。
【0036】
電磁石M2a,M2bには、図3に示されるとおり、裏面側に磁極部11の先端部が嵌合される嵌合凹部42を備えた磁極板P2 が使用されている。また、この嵌合凹部42は、前記嵌合孔部41と同様に、自身の中心に対して偏倚して設けられており、前記磁極板P2 が磁極部11の先端部に接着固定された状態では、該磁極板P2 は、磁極部11の中心13に対してセンサSは反対側に偏倚して配置される。この電磁石M2a,M2bにおいても、嵌合凹部42を利用した嵌合構造と接着固定との双方によって、前記磁極板P2 は、磁極部11の先端部に取付けられているため、取付強度が高まり、しかも増大された磁極面(磁極板P2 の表面)には、磁極部11との接続境界線が存在しなくなる。
【0037】
また、電磁石M3a,M3bには、図4に示されるとおり、取付状態においてセンサSの側に開口する嵌合切欠き部43を備えた磁極板P3 が使用されている。即ち、磁極板P3 の前記嵌合切欠き部43に磁極部11の先端部が嵌合されて、該磁極板P3 は、磁極部11の中心13に対してセンサSと反対側に大きく偏倚して配置されるために、前記センサSに対する金属体としての前記悪影響が最も少なくなる利点がある。
【0038】
更に、電磁石M4a,M4bには、図5に示されるとおり、嵌合孔部等を有しない方形状の磁極板P4 が使用されており、磁極部11の磁極面12と、コイルCの磁極側端面21との双方に接着のみによって、上記偏倚配置でもって固定されている。
【0039】
【発明の効果】
本発明に係る電磁石は、鉄心の磁極部の中心に対して前記センサと反対側に磁極板が偏倚して配置されているので、センサと磁極板との距離を隔離することができるので、金属体である磁極板の影響を受けずに、センサの出力を一定にできて、前記制振装置の制御系を安定させることができる。
【0040】
【0041】
また、本発明に係る電磁石のコイルは、これを構成する導体が耐熱性を有する絶縁材で被覆される等しているために、200°Cを超える高温雰囲気においても、絶縁材等が熱分解されることなく、長期間に亘って支障なく使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電磁石M1aの斜視図である。
【図2】 (イ),(ロ)は、同じく平面図、及び正面図である。
【図3】 (イ),(ロ)は、本発明に係る電磁石M2aの平面図、及びその磁極部11の先端部の縦断面図である。
【図4】 (イ),(ロ)は、本発明に係る電磁石M3aの平面図、及びその磁極部11の先端部の縦断面図である。
【図5】 (イ),(ロ)は、本発明に係る電磁石M4aの平面図、及びその磁極部11の先端部の縦断面図である。
【図6】 本発明に係る電磁石M1aの特性図である。
【図7】 本発明に係る一対の電磁石M1a, M1bを用いた鋼板51の制振装置の原理図である。
【図8】 図7の電磁石M1aと鋼板51の部分の拡大図である。
【符号の説明】
C:コイル
M1a〜M4a,M1b〜M4b:電磁石
P1 〜P4 :磁極板
S:センサ
Y:鉄心
11:磁極部
13:磁極部の中心
21:磁極側端面
41:嵌合孔部
51:鋼板
Claims (4)
- U字又はコの字形の鉄心の互いに平行な部分にコイルが巻装され、振動状態で走行する鋼板を挟んで、その両側に対向し、しかも前記鋼板と非接触な状態で一対配置されて、その少なくとも一方の各磁極部の間に、前記鋼板の振幅方向の変位を検出するセンサが取付けられている電磁石であって、
前記鉄心の各磁極部に、鎖交磁束面積を増大させる磁極板が一体に取付けられて、前記磁極板は、鉄心の磁極部の中心に対して前記センサと反対側に偏倚して配置されていることを特徴とする電磁石。 - 前記コイルの磁極側端面は、鉄心の磁極面に臨んでいて、前記磁極板は、前記コイルの磁極側端面に接着固定されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁石。
- 前記磁極板は、鉄心の磁極部の横断面に対応する形状だけ切り欠かれた嵌合孔が設けられ、該嵌合孔に前記鉄心の磁極部が嵌合されて、両者が一体化されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁石。
- 前記コイルを構成する導体の外周は、耐熱絶縁材で被覆され、コイル全体は、同じく耐熱性のテープ材で被覆されて、その全体が無機ワニスで処理され、全体として耐熱性を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電磁石。
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