JPH0328401Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はビームスプリツタに関し、特に偏光
分離機能と焦点合せ機能の両機能を同時に有する
ビームスプリツタに関するものである。

光学方式のビデイオデイスクプレーヤーに於い
ては、ビデイオデイスクに光ビームを照射し、そ
の反射光を検出することにより記録情報を読み取
るための光学系が設けられている。そして、この
光学系には、光源から発せられた光ビームを透過
させてビデイオデイスクの表面に照射し、その反
射光を光路から分離するビームスプリツターの働
きを行なう偏光プリズムと、この偏光プリズムに
よつて分離された反射光を焦点合せして受光素子
に供給する円柱レンズとを備えている。

第１図は従来一般に用いられているビデイオデ
イスクプレーヤーの光学系の要部を示す斜視図で
あつて、１は図示しない光源と図示しないビデイ
オデイスクの光ビーム照射点との間の光路中に設
けられて反射された戻り光ビームを分離するビー
ムスプリツターである。そして、このビームスプ
リツター１は、２個のプリズム２ａ，２ｂの45゜
面を互いに接合して構成したものであつて、その
45゜面が偏光分離面３となつている。４はビーム
スプリツター１とビデイオデイスクとの間の光路
中に設けられた波長板、５はビームスプリツター
１の偏光分離面３に於いて分離して取り出された
戻り光ビームを焦点合せして受光素子６に供給す
る円柱レンズである。

このように構成された光学系に於いて、図示し
ない光源から発せられた光ビームＡは、プリズム
２ａ，２ｂによつて構成されるビームスプリツタ
ー１を透過し、波長板４に於いて90度偏向された
後にビデイオデイスクの表面に照射される。そし
て、このビデイオデイスクの表面に照射された光
ビームは、ビデイオデイスクの表面に記録情報に
対応して形成されているピツトによつて反射条件
が変化し、その反射光が照射時の光路を逆に戻つ
て波長板４に供給される。波長板４は戻り光ビー
ムの偏波面を更に90度偏光した状態、つまり往復
で180度偏向した状態でビームスプリツター１に
再び戻す。この場合、ビームスプリツター１の偏
光分離面３は、公知のようにＰ偏光の光を透過
し、かつ180度偏光されたＳ偏光の光を反射する
特性を有しているために、波長板４を介して戻さ
れた反射光ビームのみが光路から分離されて取り
出される。このようにして分離された反射光ビー
ムＢは、円柱レンズ５に於いて焦点合せした後に
受光素子６に供給されて焦点合せのための電気信
号が得られる。

しかしながら、上記構成による光学系に於いて
は、２個のプリズムを組合せた構成のビームスプ
リツターと円柱レンズとの組合せによつて偏光分
離と分離光の焦点合せを行なつているために、構
成部品が多くなるとともに大きなスペースを必要
としていた。また、上記構成に於いては、２個の
プリズムを用いるためにその加工面が10面と極め
て多くなるとともに、寸法および角度精度を上げ
ることが極めて困難である。また、組立に際して
も、２個のプリズムと１個の円柱レンズとからな
る３部品の位置合せを行なう必要があり、組立精
度を上げることが出来なかつた。

従つて、この考案によるビームスプリツタは、
極めて簡単な構成でありながら、偏光分離と焦点
合せ作用が得られ、かつ加工および組立が容易に
高精度化することが出来るとともに、スペースフ
アクタに於いて優れたビームスプリツタを提供す
ることである。

このような目的を達成するためにこの考案によ
るビームスプリツタは、端面を45度面とした一対
の円柱ガラスを同軸上に於いて該45度面を互いに
接合し、接合された45度面を偏光面またはハーフ
ミラー面等によつて構成された光分離面としたこ
とである。以下、図面を用いてこの考案によるビ
ームスプリツタを詳細に説明する。

第２図はこの考案によるビームスプリツタの一
実施例を示す斜視図であつて、特にビデイオデイ
スクプレーヤーの光学系に適用した場合を示した
ものである。なお、第２図に於いて第１図と同一
部分は同記号を用いてその詳細説明を省略してあ
る。同図に於いて７は円柱体によつて構成された
円柱プリズムであつて、図示しない光源と波長板
４との間に、その中心軸と光路Ａが一致するよう
に配置されている。この場合、円柱プリズム７は
２個の円柱プリズム片８，９の組合せによつて構
成されている。つまり、円柱プリズム片８，９
は、第３図に示すように、ガラスによつて作られ
た円柱の一端を軸に垂直な平面１０とし、他端を
軸に対して45度に傾斜した45度面１１とされてい
る。そして、これら平面１０、45度面１１および
周面１２は研摩されて光学面に仕上げられている
とともに、45度面１１には偏光膜が蒸着されて偏
光分離面を構成している。このように構成された
一対の円柱プリズム片８，９は、軸線を一致させ
た状態に於いて45度面１１を互いに面接合させて
固定したものである。従つて、このように構成さ
れたビームスプリツタに於いては、円柱プリズム
片８，９の45度面１１が互いに接合する部分が偏
向分離面１３を構成することになる。

このように構成された光学系に於いて、図示し
ない光源から発せられたビームＡは、円柱プリズ
ム７を構成する円柱プリズム片８の軸に垂直な面
１０に垂直に入射し、円柱プリズム７を透過した
後に波長板４を介してビデイオデイスク面に照射
される。そして、ビデイオデイスク面に於いて反
射された反射光は光路を逆戻りし、波長板４を通
過することによつて往復で180度偏光された後に
円柱プリズム７を構成する円柱プリズム片９の軸
に垂直な平面１０に入射される。円柱プリズム片
９に入射した戻り光ビームは、偏光面１３に於い
て上述した従来の場合と同様に反射されて円柱プ
リズム片９の周面を介して受光素子６に供給され
る。この場合、円柱プリズム片９の周面は曲率を
有しているために、この曲率部を分離光ビームＢ
が通過する際に非点収差を生じて受光素子６によ
つて焦点合せが行なわれる。

従つて、このように構成されたビームスプリツ
タ７に於いては、偏光分離作用と焦点合せ作用の
両機能を有することになり、構成が極めて簡単に
なる。また、２個の円柱体の組合せによつて構成
されているために、加工面が６面と極めて少ない
ものとなる。更に、円柱体はその加工が容易であ
るために加工精度の向上が容易になる。

なお、上述した実施例に於いては、45度面を偏
光面として偏光分離面を構成した場合についての
み説明したが、45度面をハーフミラーとすること
によつて光分離面を構成しても同様な効果が得ら
れる。

以上説明したように、この考案によるビームス
プリツタは、透明部材によつて作られた一対の円
柱体の一端を軸に垂直な平面とするとともに他端
を軸に対して45度傾斜した45度面とし、両円柱体
の軸を一致させた状態に於いて45度傾斜面を互い
に接合して偏光分離面とした構成のものであるか
ら、ビームスプリツタの機能と共に、焦点合せの
ために用いられていた円柱レンズの機能を併せ持
たせることができ、これに伴つて構成部品数が極
めて少なくなる。

また、この考案による円柱プリズムは、円柱体
そのものを加工したものであるために、加工面が
従来の10面から６面に大幅減少し、これに伴つて
加工費用を大幅に下げることができ、円柱体を用
いているから、その加工時における寸法および角
度精度を従来に比較して極めて高いものとするこ
とができる。

さらにまた、焦点合せ用の円柱レンズを不用と
するところから、スペースフアクタが改善され、
調整作業も容易になる等の優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はビデイオデイスクプレーヤーに於ける
光学系の要部を示す斜視図、第２図はこの考案に
よる円柱プリズムをビデイオデイスクプレーヤー
の光学系に適用した状態を示す要部斜視図、第３
図は第２図に示す円柱プリズム片の斜視図であ
る。 ７……円柱プリズム、８，９……円柱プリズム
片、１０……平面、１１……45度面、１２……周
面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 デイスク状記録媒体に光ビームを照射して、前
   記記録媒体で反射された反射光から前記記録媒体
   に記録された記録情報を読取る光学式情報読取装
   置において、 前記光ビームを出射するレーザ光源と、前記レ
   ーザ光源と前記記録媒体とを結ぶ光路外に配置さ
   れた受光素子と、前記光ビームを前記記録媒体に
   導き・かつ前記反射光を前記受光素子に導くビー
   ムスプリツタとを備え、 前記ビームスプリツタは前記レーザ光源と前記
   記録媒体との間に軸心を入射光路に平行に配され
   た円柱プリズムからなり、前記円柱プリズムは透
   明部材によつて作られた一対の円柱体の一端を軸
   に垂直な平面とするとともに他端を軸に対して45
   度傾斜した45度面とし、両円柱体を軸心を一致さ
   せた状態において45度面を互いに接合すると共
   に、前記接合面を反射光のみを反射して前記円柱
   体の側面より導出する光分離面としたことを特徴
   とするビームスプリツタ。