JPH0328385A - 電気化学的防触用螺合部材 - Google Patents

電気化学的防触用螺合部材

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JPH0328385A
JPH0328385A JP1208614A JP20861489A JPH0328385A JP H0328385 A JPH0328385 A JP H0328385A JP 1208614 A JP1208614 A JP 1208614A JP 20861489 A JP20861489 A JP 20861489A JP H0328385 A JPH0328385 A JP H0328385A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、地下又は海底埋設管等の締結用ボルト・ナッ
トを防蝕する上で好適な電気化学的防蝕用螺合部材に関
する。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題]水道水や
ガス等を供給するパイプは、通常、そのフランジをボル
ト・ナットで締着して接続し、地下、水中や海水中等に
埋設されている。また上記締結用ボルト・ナットは、一
般に、機械的強度に優れる鉄系材料、例えば、鉄、鋳物
、鉄合金等で形成されているものの、腐蝕性を有する。
従って、地下、淡水や海水等の厳しい腐蝕環境下に晒さ
れるとボルト・ナットが腐蝕し、ついには、その機能を
果し得なくなる。またボルト・ナットが腐蝕するとパイ
プ本体を緊締できなくなり、ひいては水洩れ、ガス洩れ
事故等を起す原因ともなる。
一方、鉄鋼等の金属材料の防蝕法として、■金属材製部
材の外面を、樹脂や塗料等の重厚な被覆層で被覆する方
法が知られている。この方法は、被覆層により金属製部
材と外部環境とが直接接触するのを防止できるので、地
中埋設管や船舶の外板等、比較的大型の施設や構造物の
腐蝕を防止する上で有用である。
しかしながら、この防蝕法はボルト・ナットに対する有
効な防蝕手段となり得ない。すなわち、ボルト・ナット
ではネジ精度を確保する必要があるため、重厚な被覆層
を形成できない。またネジ精度に悪影響を及ぼさない被
覆層を形威できたとしても、螺着時や取扱い時に傷が発
生する。傷が発生すると、局部電池が形成されるので、
腐蝕電流が傷部に集中し、反って腐蝕を促進する結果と
なる。
また他の防蝕法として■直流電源の陰極端子を被防蝕施
設や装置に接続すると共に、陽極端子をスクラップ鋼等
のアノードに接続し、継続的に直流電流を通電する外部
電源法も知られている。この方法は、外部から直流電流
を通電することにより被防蝕部材等の電位を防蝕電位に
維持できるので防蝕効果に優れており、前記と同様に、
比較的大型の施設や構造物の腐蝕を防止する上では有用
である。
しかしながら、この防蝕法では、施設や構造物の施工に
際して、専門的知識を必要とするだけでなく、多数のボ
ルト・ナットを直流電源に接続する必要があるため、作
業が煩雑化し、装置が大型化し、ボルト・ナットに対し
ては現実的な防蝕法とはいえない。
従って、本発明の目的は、簡単な構造にてボルト・ナッ
トを簡便かつ長期に亘り防蝕し、ボルト・ナットによる
締結力を長期に亘り維持できる電気化学的防蝕用螺合部
材を提供することにある。
[課題を解決するための手段および作用]本発明は、ボ
ルト・ナットによる緊締状態において、通常、余りネジ
部が存在することに着目してなされたものである。すな
わち、本発明は、鉄系材料からなるボルト・ナットに螺
合される螺合部材であって、該螺合部材が、ボルト・ナ
ットを構成する材料よりも低い腐蝕電位を有する金属材
料で形成されている電気化学的防蝕用螺合部材により、
上記課題を解決するものである。
上記構成の電気化学的防蝕用螺合部材によれば、螺合部
材が、ボルト・ナットを構成する鉄系材料よりも低い腐
蝕電位を有する金属材料で形成されているので、ボルト
・ナットを陰極とし、螺合部材を陽極とする電池が形成
される。従って、ボルト・ナットが地下等の厳しい腐蝕
環境下に晒されても、ボルト・ナットと螺合部材との電
位差に基づく防蝕電流が流れるので、螺合部材をボルト
の余りネジ部に螺合するだけで、ボルト・ナットの腐蝕
を防止できる。また螺合部材を、ボルト・ナットにダブ
ルナット状に緊密に締結すると、螺合.部材はナットの
緩み止め部材として機能させることもできる。
[実施例] 以下に、添付図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
第1図は本発明の一実施例を示す概略斜視図、第2図は
本発明の螺合部材の適用例を示す概略断面図である。
この例では、鉄系材料からなる通常のTボルト(1)が
示されている。このボルト(1)は、軸部(lb)の軸
線に対して直交する方向に延出する頭部(la)と、軸
部({b)の端部に形成されたネジ部(lc)とで構成
されている。このボルト(1)は、従来と同じく上記ネ
ジ部(lc)に螺合されるナット(2)と組合せて使用
される。すなわち、第2図に示されるように、水道水や
ガスなどを供給する複数のバイブ(4a) (4b)の
フランジ(5a) (5b)に形成された孔に上記ボル
ト(1)の軸部(lb)を挿通し、必要に応じて座金等
を介してネジ部(lc)にナット(2)を螺合させ、ボ
ルト(1)の頭部(la)とナット(夕とでフランジ(
5a) (5b)を締結することにより、複数のパイプ
(4a) (4b)を接続できる。
上記鉄系材料としては、鉄単体に限らず、鉄成分を含む
種々の金属材料、例えば、ニッケル、クロム、銅、モリ
ブテン、マンガンやケイ素等を少なくとも一種含んでい
てもよい鋳鉄:銅、リン、クロム、ニッケル、モリブデ
ンやバナジウム等を少なくとも一種含む炭素鋼からなる
低合金鋼;マルテンサイト系やオーステナイト系等のス
テンレス鋼等の合金が例示される。なお、上記ボルトと
ナットは、同種又は異種の鉄系材料で構成できる。
これらの鉄系材料からなるボルト及びナットの腐蝕電位
は、環境条件で左右されるが、甘コウ電極を基準電極と
するとき、5重量%の食塩水中で、通常−0.5〜−0
.6 (V)程度である。なお、防蝕電位とは、被防蝕
部材の腐蝕を防止する上で必要な電位を意味し、通常そ
の金属の腐蝕電位よりも約0.2 (V)陰分極した値
に相当する。従って、ボルト及びナットの防蝕電位は、
飽和カロメル電極を基準電極とするとき、天然水や土壌
中で、通常−0.75〜−0.8 (V)程度である。
また上記ボルト(1)及びナット(刀の腐蝕を防止する
ため、上記ナット(2)の外側には、ネジ部(lc)に
適合した螺合孔を有する螺合部材(3)が螺合される。
そして、この螺合部材(3)は、ボルト(1)及びナッ
ト(2)を構成する鉄系材料よりも低い腐蝕電位を有す
る金属材料で形成されていると共に、その外周面のうち
対向する箇所には平面部(!la)(3b−)が形成さ
れている。従って、螺合部材O)をボルト(1)のネジ
部(1C)に螺合すると、ボルト(1)及びナット■と
螺合部材(3)とが電気的に接続され、ボルト(1)及
びナット(2)の腐蝕を防止できる。より詳細には、螺
合部材(3)が、ボルト(1)及びナット(譜を構戊す
る鉄系材料よりも低い腐蝕電位を有する金属材料で形成
されているので、被防蝕体としてのボルト(1)及びナ
ット(2)がカソードとして、螺合部材(3)がアノー
ドとして機能する。また電気的に接続された状態では、
ボルト(1)及びナット(刀と螺合部材(3)との電位
差に相当する電流がボルト(1)及びナット(23から
螺合部材G)へ流れると共に、上記電位差に対応する電
気化学的当量分だけ螺合部材(3)が溶出し消費される
。すなわち、螺合部材(3)は、流電陽極法における犠
牲陽極として機能する。従って、ネジ部(lc)に適合
した螺合孔を有するという簡単な構造の螺合部材(3)
を、ボルト(1)の余りネジ部(lc)に螺合するとい
う簡単な操作で、ボルト(1)及びナット(2)を防蝕
することができる。
また螺合部材(3)をネジ部(IC)のうちナット(2
)の外側にダブルナット状に締結できるので、螺合部材
G)でナット(2)の緩みを防止することができる。
その際、螺合部材0)の外周面に平面部(3a) (3
b)が形成されているので、スパナ等の緊締具で螺合部
材(3)とナット(2)とを容易に締着できる。さらに
は、螺合部材(3)がナット(2)の外側に螺合される
ため、螺合部材(3)が溶出してもナット(2)による
緊締力に悪影響を及ぼすことがない。従って、長期に亘
りボルト(1)及びナット(2)を防蝕しつつ、パイプ
(4a〉(4b)を確実に接続できる。
なお、被防蝕体の防蝕期間Tは、環境条件が一定である
と仮定し、ボルト(1)及びナット(2)と螺合部材(
3)との電位差を△■、螺合部材(3)のうち外部環境
に露呈する表面積をSa,螺合部材(3)の重量をWと
すると、下記式で表される。
T−f(△V,Sa,W) 従って、螺合部材(3)を構成する金属材料の種類、螺
合部材(3)の表面積As,換言すれば螺合部材(3)
の形状、及び重量Wを調整することにより、防蝕期間T
を制御できる。
本発明の螺合部材G》を構成する金属材料としては、ボ
ルト(1)及びナット(2)を構成する鉄系材料よりも
腐蝕電位が低い材料であれば特に制限されない。このよ
うな金属材料としては、卑な金属材料、例えば、亜鉛、
アルミニウム、マグネシウム等の金属単体;上記金属を
用いた金属合金;上記金属と、ケイ素、銅、鉄、マンガ
ン、クロム、ニッケル、チタン、錫、インジウム等を少
なくとも一種含む合金等が例示される。これらの金属材
料のうち、腐蝕電位が、鉄系材料よりも少なくとも約0
.2(v)低い材料が好ましい。より具体的には、上記
金属材料のうち、亜鉛、亜鉛合金、マグネシウムーマン
ガン合金、マグネシウムーアルミニウムー亜鉛合金、ア
ルミニウムー亜鉛一インジウム合金、特に亜鉛とその合
金が好ましい。これらの金属材料の腐蝕電位は、通常、
前記鉄系材料の腐蝕電位よりも約0.2 (V)以上低
い。
なお、上記の例では、螺合部材の外面が裸状態であるが
、螺合部材の外面は、合成樹脂や電気絶縁性塗料等の電
気絶縁性被膜で部分的に被覆されていてもよい。このよ
うにすると、溶出部位を規制しつつ防蝕効果を長期に維
持できる。すな・わち、鉄系材料と螺合部材(3)を構
成する金属材料との電位差に基づき発生する電流Iが、
螺合部材のうち外部に露呈した前記表面積Saに比例す
るので、上記電気絶縁性被膜の被覆面積を調整すること
により、電流I1ひいては防蝕期間を調整でき、過度の
溶出を抑制できる。また電気絶縁性被膜で被覆すると、
他の要因、例えば酸戊分、アルカリ成分等による螺合部
材の溶出をも抑制できる。また露呈部が溶出部位となる
ので、該露呈部を外方に臨ました状態でボルトのネジ部
に螺着すると、ナットによる緊締力及び螺合部材による
緩み止めに悪影響を及ぼさず、ボルト及びナットを長期
に亘り防蝕できる。
電気絶縁性被膜は、螺合部材のうち、ボルトの軸方向の
少なくとも一方の端面や、該軸方向と直交する方向の外
周面等の適宜箇所を余して被覆できる。
第3図は本発明の他の実施例を示す概略断面図であり、
この例では、螺合部材(l3)の外面は、一端面を余し
て電気絶縁性被膜(14)で被覆されている。すなわち
、螺合部材(l3)には、電気絶縁性被膜({4)で被
覆されていない露呈部(13a)が存在し、この露呈部
(13a)は、ボルト・ナットの防蝕に際して、螺合部
材(13〉の溶出部位となる。より詳細には、第4図に
示されるように、ボルト(11)にナット(12)を螺
合すると共に、犠牲陽極として機能する螺合部材(i3
)を、電気絶縁性被膜(l4)で被覆されていない露呈
部(1!la)を外方に臨ました状態で、余りネジ部(
lie)にダブルナット状に締結すると、螺合部材(1
8)は、ナット(l2)との接触面側ではなく、ボルト
(1l)の軸方向のうち外方に面した露呈部(13a)
から溶出する。すなわち、螺合部材(18)の溶出部位
及び溶出方向を規制できる。従って、螺合部材〈i3〉
が溶出しても、ナット(l2)による緊締力に悪影響を
及ぼすことがなく、螺合部材(18)によりナット(1
2)の緩みを長期に亘り防止することができると共に、
長期に亘リボルト(工1)及びナット(12〉を防蝕で
きる。
電気絶縁性被膜で被覆された螺合部材は、ボルトの軸方
向の少なくとも一方の端面が露呈しているのが好ましく
、両端面が露呈していてもよい。
両端面が露呈した螺合部材では、螺着状態において、一
方の露呈部がナットと接触し、他方の露呈部がボルトの
軸方向の外方に面しており、螺合部材は外方に面した露
呈部から主に溶出する。
電気絶縁性被膜は、例えば、ポリエチレン、アイオノマ
ー、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体等
のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルー酢
酸ビニル共重合体、塩素化ポリプロピレン、ポリアセタ
ール、塩化ビニリデン系樹脂、ボリスチレン、スチレン
ーアクリル酸エステル共重合体、スチレンーアクリロニ
トリル共重合体、スチレンーアクリロニトリループタジ
エン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリエステル、ボリ
アミド、ポリアクリロニトリル、ボリカーボネート、フ
ッ素樹脂、シリコーン樹脂、エボキシ樹脂、フェノール
樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、メラミン樹脂、ター
ル等の被膜形戊材料で形成できる。これらの材料は、少
なくとも一種使用される。また電気絶縁性被膜は、電気
絶縁性を確保できる範囲で適宜の膜厚に形成できる。
なお、電気絶縁性被膜は、電気絶縁性に悪影響を及ぼさ
ない範囲で、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安
定剤、可塑剤、帯電防止剤や染顔料等の種々の添加剤を
含有していてもよい。
本発明の螺合部材は、通しボルト、埋込みボルト、押え
ボルト、基礎ボルト等の種々のボルトに適用することが
できる。なお、ボルトは、T状の頭部に限らず、六角、
四角、丸形等の頭部を有していてもよい。ボルトは裸状
態であってもよいが、少なくともネジ部が、螺着状態で
螺合部材と導通可能な電気絶縁性被膜で被覆されていて
もよい。
ネジ部が電気絶縁性被膜で被覆されていても、ナットや
螺合部材との螺着時などにボルトのネジ部に傷が発生す
るので、ボルト・ナットと螺合部材とが導通する。
ボルトのネジ部を被覆する電気絶縁性被膜は、前記と同
様の材料を用いて、スプレー、ディッピング等の慣用の
手段で形成できるが、電着塗装による電着塗膜が好まし
い。この電着塗膜は、薄く形成でき、ネジ精度に悪影響
を与えないだけでなく、ナットや螺合部材との螺着によ
り、ボルト・ナットと螺合部材とを容易に導通させるこ
とができる。この電着塗膜で被覆したボルトと、前記電
気絶縁性被膜で部分的に、又は少なくとも一端面を余し
て被覆された螺合部材とを組合せて適用すると、ボルト
・ナットに対して著しく優れた防蝕効果が得られる。
また螺合部材は、腐蝕電位の異なる金属材料からなる複
数の部材が、高さ方向、すなわちボルトの軸線に対応す
る方向や該方向と直交する方向に、順次、電気的に接続
した積層状態で一体に形成されていてもよい。この場合
、腐蝕電位の最も低い部材がナットの最外部に位置する
ように螺合部材を螺合すると、最外部の部材から順次溶
出させることができるので、長期に亘り防蝕効果を維持
できる。
またボルトのネジ部に腐蝕電位の異なる複数の螺合部材
を螺合してもよい。その際、腐蝕電位の低い螺合部材が
ナットの最外部に位置するように、順次、螺合すると、
腐蝕電位の低い螺合部材から順次溶出するので、長期に
亘り防蝕効果及びナットの緩み止め効果を確保できる。
なお、螺合部材の平面部は必ずしも必要ではないが、ナ
ットと同様の形状及び大きさに形戊することにより、ス
パナ等の1つの緊締具で螺合部材を緊密に締着すること
ができる。またナットの緩みを防止するには螺合部材を
ナットと緊密に螺合するのが好ましいが、防蝕性を確保
するにはナットと離間した状態で螺合してもよい。上記
の例では、螺合部材としてナット形状のものを示したが
、螺合部材の形状は特に制限されるものではない。
本明細書は、電気絶縁性被膜で部分的に被覆されている
電気化学的防蝕用螺合部材や、螺合部材の外面が、少な
くとも一方の端面を余して電気絶縁性被膜で被覆されて
いる電気化学的防蝕用螺合部材を、非被覆部、すなわち
露呈部がボルトの軸方向のうち外方に臨んだ状態で、ナ
ットを介してボルトに螺合されている電気化学的防蝕用
螺合部材の取付構造をも開示するものである。
この取付構造によると、螺合に際してボルト及びナット
と螺合部材とが螺合部で電気的に接続する。その際、電
気絶縁性被膜で被覆されていない露呈部を外方に面した
状態で、ナットを介してボルトに螺合されているので、
外方に面した露呈部から螺合部材が溶出し、溶出方向を
規制できる。
従って、ボルト・ナットによる締結力及び螺合部材によ
るナットの緩み止め作用を長期に亘り維持でき、ボルト
・ナットを簡便かつ長期に亘り防蝕できる。なお、螺合
部材の螺着によりボルト・ナットと螺合部材との導通性
を確保できるので、上記取付構造において、ボルトとナ
ットとの間にワッシャ、ナットと螺合部材との間には絶
縁シートが介在していてもよい。
[発明の効果] 以上のように、本発明の電気化学的防蝕用螺合部材によ
れば、ボルト・ナットに螺合される螺合部材が、ボルト
・ナットを構成する材料よりも低い腐蝕電位を有する金
属材料で形成されているので、簡単な構造にてボルト◆
ナットを簡便かつ長期に亘り防蝕でき、ボルト・ナット
による締結力を長期に亘り維持できる。
[実験例] 実験例1 外径20φ間、長さ110mmqネジ部の長さ65印、
全表面積約160−のダクタイル鋳鉄製Tボルトにナッ
トを螺合した。また重ffi7 0 g,端面面積6,
4−であって、一方の端面を余してポリ塩化ビニルで被
覆した亜鉛製螺合部材を、露呈面がボルトの軸方向のう
ち外方に臨んだ状態でTボルトの余りネジ部に螺合し、
促進腐蝕試験に供した。すなわち、5重量%の食塩水を
収容する浴中に浸漬し、Tボルトを陽極、ステンレス九
棒を陰極とし、電流03 13〜0.14A,浴電圧約
4V,通電時間8時間/サイクルの条件で、直流電流を
通電し、Tボルト及び螺合部材の腐蝕減量を重量法で測
定した。
なお、上記の促進条件は、10年間でTボルトが約18
0gが腐蝕するような電蝕環境下における腐蝕の60〜
70倍に相当する。また上記促進腐蝕試験の5サイクル
は上記腐蝕環境において3〜4ケ月経過後の腐蝕に相当
する。
実験例2 実験例1のTボルトに代えて、エボキシ樹脂を膜厚20
//lに電着塗装した実験例1と同様の大きさ及び形状
を有するCu−Ni低合金ダクタイル鋳鉄Tボルトを用
いる以外、実験例1と同様にして、Tボルト及び螺合部
材の腐蝕減量を重量法で測定した。
比較例1 実験例1のTボルトに代えて、タール塗装した実験例1
と同様の大きさ及び形状を有するタグタイル鋳鉄製Tボ
ルトを用い、螺合部材を螺着することなく、実験例1と
同様にして、Tボルトの腐蝕減量を重量法で測定した。
比較例2 実験例1のTボルトに代えて、タール塗装した実験例1
と同様の大きさ及び形状を有するCu−Ni低合金ダク
タイル鋳鉄Tボルトを用い、螺合部材を螺着することな
く、実験例1と同様にして、Tボルトの腐蝕減量を重量
法で測定した。
比較例3 実験例1のTボルトに代えて、フッ素樹脂を塗装した実
験例1と同様の大きさ及び形状を有するCu−Ni低合
金ダクタイル鋳鉄Tボルトを用い、螺合部材を螺着する
ことなく、実験例1と同様にして、Tボルトの腐蝕減量
を重量法で測定した。
比較例4 実験例1のTボルトに代えて、実験例1と同様の大きさ
及び形状を有するステンレス(SUS403)製Tボル
トを用い、螺合部材を螺着することなく、実験例1と同
様にして、Tボルトの腐蝕減量を重量法で測定した。
結果を表及び第5図に示す。
表及び第5図から明らかなように、比較例のボルトは、
その材質や被覆の如何に拘らず、いずれも腐蝕が激しい
のに対して、実験例、特に電着塗装したボルトに螺合部
材を螺着すると、ボルト・ナットの腐蝕を著しく防止で
きることが判明した。
なお、実験例1及び実験例2の螺合部材は、露呈部から
内方に均一に溶出していた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す概略斜視図、第2図は
本発明の螺合部材の適用例を示す概略断面図、 第3図は本発明の他の実施例を示す概略断面図、第4図
は本発明の他の螺合部材の螺合状態を示す概略斜視図、 第5図は実験例における結果を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.鉄系材料からなるボルト・ナットに螺合される螺合
    部材であって、該螺合部材が、ボルト・ナットを構成す
    る材料よりも低い腐蝕電位を有する金属材料で形成され
    ていることを特徴とする電気化学的防蝕用螺合部材。
  2. 2.螺合部材の外面が、電気絶縁性被膜で部分的に被覆
    されている請求項1記載の電気化学的防蝕用螺合部材。
  3. 3.螺合部材の外面が、少なくとも一方の端面を余して
    電気絶縁性被膜で被覆されている請求項1又は請求項2
    記載の電気化学的防蝕用螺合部材。
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