JPH0328096Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は長方形の外壁用板材を構築物外側に水
平方向にとりつけ且つ垂直方向に複数枚連設して
なる外壁部材を、水平方向に複数個突きあわせて
外壁を形成する場合、該外壁部材間のつき合わせ
部分の間隙に取付ける目地形成材に関する。

従来技術 一般に押出成形等によつてつくられる長方形の
コンクリート製等の外壁用板材を構築物外壁に水
平方向にして、垂直方向に複数段連設して外壁部
材を形成し、同じ外壁部材を複数個水平方向に突
きあわせて外壁を形成する場合には、該突きあわ
せられる端縁面間の間隙には、防水性の無定形シ
ーリング材と称されるペースト状目地材を充填し
たり、或いは所定寸法、形状の目地形成材を取付
けて閉塞している。

従来技術の問題点 ところで、上記目地施工は目地幅の均一化、無
定形シーリング材の均一充填には、熟練した施工
者が必要で、かつ施工に時間を要する欠点があ
り、充填直後に降雨があると流れてしまつたり、
硬化に時間を要したり、また、目地形成材を用い
る場合は、外壁用板材の厚さが変ると、目地形成
材の厚さ寸法を変えて対応しなければならず、特
に厚さの異なる部分を有する外壁に対しては、厚
さ寸法の異なる目地形成材を目地長さ方向に突き
あわせて用いるため、突きあわせ部分の防水性が
損なわれる等の不都合があつた。

本考案の目的および構成 本考案は上記の事情に鑑み、目地幅を容易に一
定化し種々な厚さの外壁、或いは目地部の建築用
板材厚さが部分的に変る外壁のいずれにも使用出
来る目地形成材を提供することを目的とするもの
で、その要旨は、長方形の外壁用板材を構築物外
側に水平方向に、且つ複数枚を垂直方向に連設し
てなる外壁部材を、水平方向に複数個つき合わせ
て構成される外壁の該つき合わせ部分に使用され
る目地形成材であつて、構築物外側に取付けられ
て目地幅を決める受け材と、外壁外面側より目地
に充填する押込み材とからなり、受け材は、上記
目地に沿つて外壁内面に当接して該目地の構築物
側開口部を塞ぐ剛性長尺板体と、該長尺板体の外
壁当接面側表面に外壁用板材厚みより小の高さで
直立し且つ該長尺板体の長手方向に目地幅をもつ
て平行に対向して延在して取付けられた、剛性長
尺の位置決め板体と、上記対向する位置決め板体
のほぼ中央に該位置決め板体と平行に設けられ、
外壁用板材の厚さより小さい高さを有し、先端縁
に抜け止め部が設けられた剛性長尺の抜け止め付
板体とにより一体的に構成され、押込み材は、上
記目地に充填される、弾性を有する角柱状体で、
該角柱状体の構築物側面は、上記抜け止め部が嵌
合する上記角柱状体の高さ方向に沿つて、複数段
の嵌合部を有する嵌合溝が設けられた構成となつ
ている目地形成材にある。

本考案の具体的構成および作用 第１図ないし第５図は本考案に係る受け材およ
び押込み材よりなる目地形成材の一実施例を示す
もので、第１図は受け材Ａの斜視図、第２図は押
込材Ｂの斜視図、第３図は長尺の外壁用板材１を
長尺方向に水平に且つ幅方向に垂直に立て、同様
の板材１を垂直方向に複数枚連設した外壁部材１
ａを水平方向につき合わせてつくられた外壁２の
目地３に受け材Ａ、押込み材Ｂを取付けた状態を
示す斜視図である。

上記受け材Ａは次のように構成されている。す
なわち、図中符号４は外壁２の目地３に沿い、目
地３を構築物側から塞ぎ、外壁内面２ａに当接す
る長方形の長尺板体で、この長尺板体４の外壁当
接面４ａ側には、面に対して直角、かつ上記長尺
板体４の長手方向に延在して平行に対向するとと
もに上記目地３幅にあわせた間隔をおいて、長方
形の長尺の位置決め板体５，５が直立して一体に
取付けられている。この長尺位置決め板体５，５
の高さは外壁材１の厚さより小さく、目地３内に
納り、外壁用板材の水平向のずれを防止し位置決
め出来るものである。これら長尺位置決め板体
５，５のほぼ中央であつて長尺位置決め板体５，
５と同じ側の上記長尺板体４の面には、先端縁に
断面形状がほぼ２等辺三角形の抜け止め部６ａが
縁に沿つて取付けられ、高さが外壁用板材１の厚
さより小さい長方形の抜け止め付板体６が長尺の
位置決め板体５，５と平行に取付けられている。

上記構成の受け材Ａは、アルミニウム或いは硬
質合成樹脂などの押出成形によつてつくられる。

また、押込み材Ｂは、硬質のゴム、塩化ビニル
樹脂等のやや剛性のある弾性の角柱体７を有し、
その幅は目地３の間隙幅よりやや小さく、高さは
外壁材１の厚さより低くなつている。この角柱体
７の両側面の先端縁には、長尺の位置決め板体
５，５を逃げる切欠き７ａ，７ａが設けられてい
る。またこの角柱体７の前記両側面には、ポリエ
チレン発泡体、軟質樹脂、軟質ゴム等の水密弾性
材料よりなるパツキン８，８が取付けられて、角
柱状体が形成されこれを目地３に押込んだ場合、
両側に当接して水等の浸入を防止するようになつ
ている。上記パツキン８には、押込まれた場合の
逃げ溝８ａが長さ方向に沿つて必要に応じて設け
られている。また、上記切欠７ａ，７ａの間を接
続する面には、上記抜け止め６ａが嵌合する、深
さ方向に２段の嵌合部９，９が設けられた嵌合溝
１０が、長さ方向に沿つて開口している。

上記構成の押込み材Ｂは、通常押出成形により
つくられるが、角柱体７とパツキン８を別々に形
成して接着形成してもよい。

上記受け材Ａおよび押込み材Ｂよりなる目地形
成材を目地３に取付けるには、先ずこれらを外壁
の高さに合わせて切断する。この切断した受け材
Ａを構築物外側の下地（図示せず）の面の所定の
位置に固定し、外壁用板材１の長尺方向を水平に
し、幅方向を垂直にし端部を長尺板体５，５に突
きつけ、同様に垂直方向に連接し外壁２を形成す
る。次いで押込み材Ｂを、目地３の外壁外面２ｂ
側の開口部より押込み、第４図に示すように、抜
け止め部６ａと嵌合部９とを嵌合させることによ
り容易に目地３は強固に閉塞されるとともに、パ
ツキン８によつて完全に水の浸入が防止される。

また、第５図に示すように、浅い方の嵌合部９
と抜け止め６ａとを嵌合させることにより、押込
み材の成形寸法を変えることなく、厚さの異なる
外壁用板材よりなる外壁２にも使用出来る。

なお、角柱体７の材質をやや弾性とし、その幅
を目地３の幅より大きくすれば、パツキン８を設
けなくとも押込み材Ｂとして使用出来る。

また、上記説明では、嵌合部を２段としたが第
６図に示すように多段とし、さらに対応出来る範
囲を広げることも可能である。さらに第７図に示
すように、抜け止め６ａの両側下縁１１，１１を
シヤープとして抜け止め力を高めてもよい。

また、抜け止め６ａの断面形状を２等辺三角形
としたが、嵌合溝１０に押込む場合には容易に押
込まれ、逆方向に抜けにくい形状であればよい。
その際当然のことながら嵌合部９の形状もそれに
追従して変える必要がある。

また、第８図は、本考案に係る目地形成材の他
の使用例を示すものである。例えば、外壁用板材
１の連結部が本実構造の場合には、外壁２の外面
２ｂには水平方向に延在する幅の広い凹部１２が
生ずる。通常目地形成材は、美観上、その表面位
置１３を外壁面表面に対し適当な位置に合わせる
必要があり、目地形成材の高さの異る材料を長さ
方向に各種長さに接続して用いるため、接続部の
防水性が損なわれる。しかし、本考案に係る目地
形成材は、外壁２の厚い部分においては、抜け止
め６ａを浅い係合部と係合させ、凹部１２におい
ては、押込み材Ａの面１３を押せば抜け止め６ａ
は、深い位置の係合部と係合し、第９図ａ，ｂに
２点鎖線で示すように、押込み材Ｂの表面１３は
外壁外面２ｂに沿つて引込み、外観のよい目地が
形成され、しかも長さ方向に一体化となつている
ので防水性が損なわれることがない。

このように、目地形成材の表面がウエーブ形状
となる場合には、受け材Ａとして第７図に示すよ
うなシヤープなエツジの抜け止めのついたものを
用いると係止力が強く便利である。

本考案の効果 以上述べたように、本考案に係る目地形成材
は、種々な深さの外壁目地に使用出来るばかりで
なく、さらに、本実構造のように外壁外面に凹部
を生ず外壁の目地形成材として外観よく、かつ容
易に取付けることが出来、しかも防水性が低下し
ない等、多くの長所を有するものである。また、
外壁目地深さの変化する境界においては抜け止め
部が上下の嵌合部に渡るが押込み材が弾性を有す
るので抜け止め効果には、問題を生じない。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は、本考案に係る受け材お
よび押込み材よりなる目地形成材の一実施例を示
すもので、第１図は受け材の斜視図、第２図は押
込み材の斜視図、第３図は、目地形成材を目地に
取付けた外壁の斜視図、第４図は、薄い外壁に取
付けた状態を示す水平断面図、第５図は厚い外壁
に取付けた状態を示す水平断面図、第６図は押込
み材の他の例を示す横断面図、第７図は受け材の
他の例を示す横断面図、第８図は、目地形成材を
本実構造の外壁用板材によつてつくられた外壁の
目地に取付けた状態を示す斜視図、第９図ａは本
実構造部分の目地形成材の表面位置を示す図、第
９図ｂは本実構造によつて接続された外壁の目地
形成材の表面位置を示す図である。 １……外壁用板材、１ａ……外壁部材、２……
外壁、３……間隙目地（目地）、４……長尺板体、
４ａ……外壁当接面、５……位置決め板体、６…
…抜け止め付板体、６ａ……抜け止め部、７……
角柱体、８……パツキン、９……嵌合部、１０…
…嵌合溝、Ａ……受け材、Ｂ……押込み材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長方形の外壁用板材を構築物外側に水平方向
   に、且つ複数枚を垂直方向に連設してなる外壁部
   材を、水平方向に複数個つき合わせて構成される
   外壁の、該つき合わせ部分に使用される目地形成
   材であつて、構築物外側に予め取付けられて目地
   幅を決める受け材と、外壁外面より目地に充填す
   る押込み材とからなり、受け材は、上記目地に沿
   つて外壁内面に当接して該目地の構築物側開口部
   を塞ぐ剛性長尺板体と、該長尺板体の外壁当接面
   側表面に外壁用板材厚みより小の高さで直立し、
   且つ該長尺板体の長手方向に目地幅をもつて平行
   に対向し、延在して取付けられた剛性長尺の位置
   決め板体と、上記対向する位置決め板体のほぼ中
   央に該位置決め板体と平行に設けられ、外壁用板
   材の厚さより小さい高さを有し先端縁に抜け止め
   部が設けられた剛性長尺の抜け止め板体とにより
   一体的に構成され、押込み材は、上記目地に充填
   される弾性を有する角柱状体で、該角柱状体の構
   築物側面は、上記抜け止め部が嵌合する上記角柱
   状体の高さ方向に沿つて、複数段の嵌合部を有す
   る嵌合溝が設けられた構成となつていることを特
   徴とする目地形成材。