JPH0327957Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案は、例えば自動販売機などのような高
重量の被梱包物を梱包する際に使用する梱包用台
盤に関する。

（従来の技術） 自動販売機などのような高重量の被梱包物を梱
包する際には、まず台盤の上にその被梱包物を載
置して支持し、この状態で被梱包物の外周を板材
などで覆つて梱包している。そしてこのように梱
包した被梱包物をフオークリフトで移動が可能な
ように、実公昭59−17807号公報や実公昭56−
42200号公報にみられるように、台盤の上面の下
方にフオーク挿入用の空間を設けている。すなわ
ち、この空間内に台盤の側方からフオークリフト
のホークを挿入し、台盤と一体に被梱包物を持上
げて所定の場所まで移動することができるように
してある。

梱包を完了した被梱包物は、数段に積み重ねて
倉庫等に保管することが多く、このためその積み
重ねの安定性や保管スペースの点から、梱包状態
の高さを低く抑えることが好ましく、そこで被梱
包物の底面に突出する脚体を台盤の内側に突出さ
せて被梱包物の底面を台盤の上面に当接させてい
る。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、従来の台盤においては、台盤と一体
に被梱包物を移動する際にホークリフトを利用す
ることができるのみで、開梱時に被梱包物と台盤
とを分離する際にフオークリフトを利用すること
が困難で、この際には入力で被梱包物を台盤上か
らずらし降すか、クレーンで吊り降すか、あるい
は台盤を破壊するしかなく、いずれにしても多大
な労力や面倒な作業を要してしまう。

被梱包物の組立製造時に、被梱包物を予め台盤
上に載置し、この状態で被梱包物を製造ラインに
流してその組立を進めていくことがあり、そして
その製造ラインの途中に、点検等のために被梱包
物を台盤上から一時的に降し、点検等の後に再び
載置することがあるが、このような場合にもフオ
ークリフトの利用が困難で、入力やクレーンを用
いざるを得ない難点があつた。この考案はこのよ
うな問題点の解決を目的とするものである。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） この考案はこのような問題点を解決するため
に、平坦な底板の上に、それぞれ高さがほぼ同寸
法である複数本の棧材を並列して取付け、これら
棧材の各相互間で複数の空間を構成し、これら空
間を、上面が天板で閉塞された第一のフオーク挿
入用空間と、上面が開放されたままの第二のフオ
ーク挿入用空間とに分け、さらに上記底板の両端
部に配置する棧材とその内側に配置する棧材との
相互間で、被梱包物の支持脚挿入用の凹溝を構成
するようにしたものである。

（作用） 被梱包物を台盤と一体に移動する場合には、上
面が天板で閉塞された第一のフオーク挿入用空間
内にフオークリフトのフオークを挿入して被梱包
物を台盤と一体に持上げ、また台盤から被梱包物
を降す場合には、上面が開放されたままの第二の
フオーク挿入用空間内にフオークを挿入して被梱
包物のみを持上げる。第一のフオーク挿入用空
間、第二のフオーク挿入用空間および被梱包物の
支持脚を挿入するための凹溝は平面的な同一のス
ペース内に配置しており、このため台盤の高さ寸
法を低く抑えことができる。

（実施例） 以下、この考案の一実施例について図面を参照
して説明する。

第１図に台盤ａの全体の構造を示し、１，１が
平行に配置した一対の底板で、これら底板１，１
の上に左右に対称的に複数本の棧材２，２，３，
３，４，４および５が互いに並列し、かつ底板
１，１の両者間に跨がるように取付けられてい
る。これら棧材のうち底板１の両端部に配置した
棧材２，２および中央部に配置した棧材５は角材
で形成され、またこれら棧材２，２，５の各相互
間に配置した棧材３，３，４，４は板材で形成さ
れている。そして、互いに隣接して配置した棧材
３，３，４，４の上端の相互間にそれぞれ天板６
……が取付けられ、これにより棧材３，３，４，
４の相互間が上面が閉塞された第一のフオーク挿
入用空間７，７として構成されている。また、底
板１，１の中央部に配置した棧材５とその両側に
配置した棧材４，４との相互間で上面が開放した
第二のフオーク挿入用空間８，８が構成されてい
る。さらに底板１，１の両端部に配置した棧材
２，２と、その内側に配置した棧材２，３との間
で後述する被梱包物の脚体の挿入用の凹溝９，９
が構成されている。なお、１０，１０は棧材２，
２，３，３の中間部においてその上端間に架設さ
れた支持板である。

第２図および第３図に示すｂが被梱包物として
の自動販売機で、この自動販売機ｂの底面四隅に
脚体ｃ……が突出形成されている。

次に、作用について述べる。

自動販売機ｂを梱包する手順について説明する
と、まずフオークリフトのフオークｆ，ｆの離間
幅を、台盤ａにおける第二のフオーク挿入用空間
８，８の離間幅に対応させ、この状態でフオーク
ｆ，ｆを自動販売機ｂの下面側に差込んで自動販
売機ｂを持上げる。そして、自動販売機ｂを台盤
ａの上面部分にまで移動して対向させ、この状態
でフオークｆ，ｆとともに、自動販売機ｂを下降
させる。これに応じてフオークｆ，ｆが第二のフ
オーク挿入用空間８，８内に、また自動販売機ｂ
の脚体ｃ……が凹溝９，９内にそれぞれ進入し、
自動販売機ｂの下面が台盤ａの上面に当接し、こ
の台盤ａにより自動販売機ｂが支持される。この
ように台盤ａの上に自動販売機ｂを載置したのち
に、第二のフオーク挿入用空間８，８からフオー
クｆ，ｆを抜取る（第２図）。こののち、自動販
売機ｂの上端部に天盤枠ｄを装着し、さらにこの
天盤枠ｄと台盤ａとの間に保護板材ｅ……を打付
けて自動販売機ｂを覆い、これにより梱包が完了
する（第３図）。なお、自動販売機ｂの上端部に
天盤枠ｄを装着する際には、その上端部の各角部
に、第５図に示すコーナ用パツキングｐを宛が
う。

このように梱包した自動販売機ｂを移動する場
合には、フオークリフトのフオークｆ，ｆの離間
幅を、台盤ａの第一のフオーク挿入用空間７，７
の離間幅に対応させてフオークｆ，ｆをその第一
のフオーク挿入用空間７，７内に差込む。この第
一のフオーク挿入用空間７，７は上面が天板６…
…で閉塞されているから、フオーク７，７を上昇
させることにより台盤ａと一体に自動販売機ｂを
持上げて移動することができる。

一方、開梱する場合には、まず自動販売機ｂの
周囲から保護板材ｅ……を、上端部から天盤枠ｄ
をそれぞれ取外す。そして、フオークリフトのフ
オークｆ，ｆを台盤ａの第二のフオーク挿入用空
間８，８内に差込む。この第二のフオーク挿入用
空間８，８は上面が開放されているから、フオー
クｆ，ｆが上昇すると、このフオークｆ，ｆが自
動販売機ｂの下面に直接当接し、したがつてこの
フオークｆ，ｆで自動販売機ｂのみを持上げて台
盤ａから分離することができる。そしてこのよう
な分離により自動販売機ｂの開梱が完了する。

このように、台盤ａに対する自動販売機ｂの載
置、および取出しをそれぞれフオークリフトを利
用して行なえ、したがつてその梱包および開梱を
容易に能率よく行なうことができる。また、自動
販売機ｂの組立製造時に、台盤ａの上に自動販売
機ｂを載置してその組立を進めていく場合におい
ても、同様に必要に応じて自動販売機ｂをフオー
クリフトを利用して台盤ａに対する載置および取
出しを行なうことができる。そして、台盤ａに対
して自動販売機ｂを載置する場合と、取出す場合
とにおけるフオークｆ，ｆの差込み方向が同一
で、単にフオークｆ，ｆの離間幅を変換するのみ
でよく、したがつてその作業をより一層能率よく
行なえる利点がある。

自動販売機ｂを台盤ａに載置して梱包した状態
においては、各脚体ｃ……が台盤ａの凹溝９，９
内に進入しており、したがつて自動販売機ｂが確
実に位置決めされ、そのずれ動きが防止される。
そして、各脚体ｃ……が凹溝９，９内に進入する
ことにより、自動販売機ｂの下面が台盤ａの上面
に当接し、このため梱包状態の高さを低く抑える
ことができ、これにより梱包した自動販売機ｂを
積み重ねて保管するような場合に、安定性の点で
も保管スペースの点でも有利となる。

なお、上記実施例においては、第一のフオーク
挿入用空間と第二のフオーク挿入用空間とを二列
ずつ構成したが、必ずしもこのような構成に限ら
ず、例えば第二のフオーク挿入用空間を幅の広い
一列の空間で構成したり、或は第一フオーク挿入
用空間を幅の広い一列の空間で構成し、この空間
の両側に第二のフオーク挿入用空間を構成するよ
うにしてもよい。また、被梱包物としては自動販
売機に限らず、例えば温水器などの高重量物であ
つても何ら差支えない。

［考案の効果］ 以上説明したようにこの考案によれば、台盤と
一体に被梱包物を移動する場合は勿論のこち、台
盤に被梱包物に載置したり、台盤から被梱包物を
降す場合にも、フオークリフトを利用してその作
業を行なうことができ、すなわち被梱包物の梱
包、移動、開梱の際にすべてホークリフトを利用
でき、したがつてその作業を容易に能率よく行な
うことができ、さらに開梱時に台盤を何ら破壊す
る必要がないから、これを繰返して有効に使用す
ることが可能となる利点がある。そして平面的な
同一のスペース内に、上面が閉塞された第一のフ
オーク挿入用空間と、上面が開放された第二のフ
オーク挿入用空間と、被梱包物の支持脚を挿入す
るための凹溝とが配置しており、このため台盤の
高さの寸法を小さく抑えることができ、これによ
り例えばこの台盤の上に被梱包物を載置して保管
するような場合に、保管スペースや安定性の点で
有利に扱うことができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は台
盤の斜視図、第２図は台盤の上に自動販売機を載
置した状態の斜視図、第３図は自動販売機を梱包
した状態の斜視図、第４図は台盤の上に自動販売
機を載置した状態の一部の側面図、第５図はパツ
キングの斜視図である。 １……底板、２，３，４，５……棧材、６……
天板、７……第一のフオーク挿入用空間、８……
第二のフオーク挿入用空間、９……凹溝、ａ……
台盤、ｂ……自動販売機（被梱包物）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平坦な底板の上に、それぞれ高さがほぼ同寸法
   である複数本の棧材を並列して取付け、これら棧
   材の各相互間で複数の空間を構成し、これら空間
   を、上面が天板で閉塞された第一のフオーク挿入
   用空間と、上面が開放されたままの第二のフオー
   ク挿入用空間とに分け、さらに上記底板の両端部
   に配置する棧材とその内側に配置する棧材との相
   互間で、被梱包物の支持脚挿入用の凹溝を構成し
   たことを特徴とする梱包用台盤。