JPH0327562Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、容器本体内に配設されたエアーポン
プを押圧駆動し、該エアーポンプからの加圧空気
により容器本体内の液体を外部に注出し得るよう
に構成されたポンプ注液式液体容器に関するもの
である。

（従来技術） 従来公知のポンプ注液式液体容器としては、容
器本体上部の蓋体内にエアーポンプを配設し、該
エアーポンプからの加圧空気を容器本体内の内容
器への給液口に密栓される中栓内部を介して内容
器内へ供給し、該加圧空気により内容器内の液体
を前記中栓内部を通して外部へ注出し得るように
構成されたものが良く知られている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記公知例の如き構成をとる場合、容器本体内
への給液時に、蓋体と中栓の両方を取り外す操作
をおこなわねばならず、使い勝手が悪いという問
題が存していた。

本考案は、上記の問題点に鑑みてなされたもの
で、ポンプ注液式液体容器における給液操作を極
めて簡便に行い得るようにすることを目的とする
ものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案では、上記問題点を解決するための手段
として、液体収納用の内容器を備えた容器本体
と、該容器本体とは別体構成とされ且つ前記内容
器の給液口を密栓する挿入式の栓体とからなり、
前記容器本体の肩部内に配設されたエアーポンプ
から前記内容器へ加圧空気を供給し、該加圧空気
によつて内容器内の液体を一連の注液通路を介し
て外部へ導出するようにしたポンプ注液式液体容
器において、前記注液通路を構成する通路構成部
材を、前記栓体と別体構成とするとともに、前記
栓体内に、前記エアーポンプからの加圧空気を前
記内容器に供給するための空気通路を形成し且つ
前記栓体の下部を、前記内容器の上部開口下方に
まで臨ましめている。

（作 用） 本考案では、上記手段によつて次のような作用
が得られる。

即ち、栓体を着脱操作するだけで、内容器への
給液口が開放され、内容器への給液操作を極めて
容易に行うことができる。

また、前記栓体下部が内容器の上部開口の通路
面積を大幅に減少せしめるところから、内容器内
の液体の保温効果を向上させることができる。

（実施例） 以下、添付の図面を参照して、本考案の好適な
実施例を説明する。

このポンプ注液式液体容器は、容器本体１と該
容器本体１の上部にあつて容器本体１上面に形成
される給液口１８を密栓する挿入式の栓体２とに
よつて構成されている。

前記容器本体１は、内周面を構成する真空二重
瓶製の内容器３と、外周面を構成する板金製の外
ケース４と、上面を構成する合成樹脂製の肩部材
５とを備えている。

前記肩部材５の中央部には、前記内容器３の上
部開口３ａに通ずる給液口１８が形成されてお
り、該給液口１８には、後述する注液通路９を構
成するための通路構成部材８の一部である接続部
材１０が着脱自在に嵌合されている。該接続部材
１０は、内部に通液路２２を有する接続管部１０
ａと該接続管部１０ａに一体形成された環状部１
０ｂとによつて構成されている。而して、前記給
液口１８に接続部材１０が嵌合された状態では、
前記環状部１０ｂ内が給液口として作用するよう
になつている（第５図参照）。なお、内容器３内
の残液処理時あるいは洗浄時において、前記接続
部材１０は取り外される。

さらに、前記接続部材１０には、内容器３の内
底部に向つて垂下される汲上管１１と、前方に向
つて略水平に延びる注出管１２とが接続されてお
り、これら汲上管１１、接続部材１０および注出
管１２によつて前記通路構成部材８が構成されて
いる。前記注出管１２は、容器本体１外にあつて
斜め下方に垂下された外部注出管１３と連通され
ている。そして、汲上管１１、接続部材１０内の
通液路２２、注出管１２および外部注出管１３に
よつて一連の注液通路９が構成されている。

また、前記容器本体１内において前記肩部材５
の下方であつて前記内容器３の肩部３ｂ上方に
は、環状のベローズ式エアーポンプ６が配設され
ており、該エア−ポンプ６は、下面を可動部とさ
れ、後述するポンプ駆動機構Ａによつて押圧駆動
せしめられるようになつている。符号２３は吸入
弁、２４はベローズ復帰用のスプリング、２５は
エアーポンプ６を収納するポンプケースである。

前記栓体２は、前記肩部材５の開口縁５ａを閉
塞する蓋キヤツプ２ａと前記給液口１８を密栓す
る栓本体２ｂとを一体化して構成されており、前
記肩部材５の開口縁５ａに突設された係止突起１
９，１９に対して係脱自在とされたロツク片２
０，２０によつて容器本体１に着脱自在とされて
いる。また、前記栓体２の栓本体２ｂ下部は、前
記内容器３の上部開口３ａ下方にまで臨ましめら
れており、これによつて、内容器上部開口３ａの
通路面積を大幅に減少せしめている。符号２１は
前記各ロツク片２０を係合方向に付勢するスプリ
ングである。

また、前記栓体２内には、前記栓本体２ｂ内を
含む空気通路７が設けられている。さらに、前記
栓体２の蓋キヤツプ２ａには、閉栓時において前
記エアーポンプ６の吐出孔２６と対向する位置に
開口４０が形成されており、該開口４０と前記吐
出孔２６との間は、閉栓と同時にシールパツキン
４１により気密状態で連通されることとなつてい
る。前記開口４０は、通路４２を介して前記空気
通路７と連通せしめられている。前記開口４０の
直上方には、内容器３の自然昇圧を防止するため
の空気抜き穴２９が形成されており、該空気抜き
穴２９は、弁２９ａにより開閉されることとなつ
ている。符号４３は前記弁２９ａを開弁方向に付
勢しているスプリングである。一方、前記吐出孔
２６には、これを開閉する吐出弁２７が付設され
ており、該吐出弁２７は、前記吸入弁２３の閉弁
時（即ち、エアーポンプ６の圧縮時）に開弁せし
められる構成とされている。即ち、前記吐出弁２
７と吸入弁２３との間には、スプリング４４およ
び連結杆２８が介設されており、吸入弁２３の上
動（即ち、閉弁）時において、該上動力が連結杆
２８およびスプリング４４を介して吐出弁２７に
伝達され、その結果吐出弁２７が上動（即ち、開
弁）せしめられることとなつている。そして、こ
の吐出弁２７の上動に伴つて前記弁２９ａが上動
せしめられ、空気抜き穴２９を閉止すると同時に
開口４０が開状態とされる（第６図参照）。従つ
て、エアーポンプ６の吐出孔２６は、開口４０お
よび通路４２を介して空気通路７と連通せしめら
れることとなり、エアーポンプ６からの加圧空気
は、内容器３内に圧送され得ることとなるのであ
る。なお、スプリング４３，４４の付勢力は、エ
アーポンプ６の伸張時において吐出弁２７を閉弁
状態（第２図図示の状態）に保持し得る如く設定
される。

上記の如く構成することにより、内容器３内の
液体は、エアーポンプ６から圧送される加圧空気
によつて一連の注液通路９を通つて外部へ注出さ
れるようになつている。

また、前記外部注出管１３は、容器本体１の外
周面に設けられたパイプカバー３９によつて被覆
保護されている。

該パイプカバー３９の両側壁３９ａ，３９ａに
は、前記ポンプ駆動機構Ａを構成する注出操作レ
バー１４ga回動自在に枢支されている。該注出
操作レバー１４は、略コの字状を呈しており、そ
の両端に内向きに突設された中空状の支軸３０，
３０を前記パイプカバー両側壁３９ａ，３９ａに
形成された軸穴３１，３１に嵌挿支持している。

前記支軸３０，３０間には、断面矩形状の回動
軸３２が嵌挿支持されており、該回動軸３２に
は、前記注出操作レバー１４の回動運動を後述す
る押圧レバー１５に伝達するための連係レバー１
６，１６が共回り可能に支持されている。符号３
３は前記回動軸３２の一端を注出操作レバー１４
の一端側に支持するための止め具である。

前記押圧レバー１５は、前記エアーポンプ６を
押圧駆動せしめるためのものであり、第４図図示
の如く、前記エアーポンプ６の吸入弁２３，２３
を押しあげるべく構成された二股状の押圧部１５
ａ，１５ａと、該押圧部１５ａ，１５ａの前方に
延設され、前記外部注出管１２の両側を挟む如く
構成された連係部１５ｂ，１５ｂとからなつてい
る。前記各押圧部１５ａは、ポンプケース２５下
面に突設された軸受片３４に対して回動自在に支
持されている。また、前記連係部１５ｂ，１５ｂ
の上面には、前記連係レバー１６，１６が当接せ
しめられている。

従つて、注出操作レバー１４が回動操作される
と、その回動運動が連係レバー１６を介して押圧
レバー１５に伝達され、該押圧レバー１５の押圧
部１５ａ，１５ａによつてエアーポンプ６が押圧
駆動されることとなつているのである。

つまり、前記注出操作レバー１４、押圧レバー
１５および連係レバー１６によつて前述したポン
プ駆動機構Ａが構成されているのである。

而して、前記注出操作レバー１４は、前記パイ
プカバー３９を跨ぐような状態で回動操作される
ようになつており、その操作部１４ａは、前記パ
イプカバー３９外面のセンターに位置せしめられ
ている（第３図参照）。

また、前記パイプカバー３９の外面には、前記
注出操作レバー１４の収納位置決めを行う位置決
め部１７が設けられている。そして、この状態に
おいて、注出操作レバー１４は、パイプカバー３
９の前面壁３９ｂ上端に設けられたストツパー３
５によつて回動規制されている。該ストツパー３
５は、本実施例では、バツクアツプスプリング３
５ａによつて付勢されたボール３５ｂからなつて
いる。

図面中、符号３６は液体容器を持ち上げるため
のハンドル、３７は注出管１２の先端部に一体に
突設され、注出管１２の上方を前記肩部材５の上
面と面一となるように覆うカバー、３８は該カバ
ー３７前端に形成され、注出操作レバー１４の操
作を容易ならしめるための凹部である。

上記の如き構成のポンプ注液式液体容器は、次
のように作用する。

注出操作レバー１の操作部１４ａを持つて、第
１図および第３図に矢印Ｘで示す方向に回動操作
すると、該注出操作レバー１４の回動運動が連係
レバー１６を介して押圧レバー１５に伝達され、
該押圧レバー１５の押圧部１５ａ，１５ａが上方
に押し上げられる。該押圧部１５ａ，１５ａの上
動によつてエアーポンプ６が押圧駆動され、該エ
アーポンプ６から加圧空気が空気通路７を通つて
内容器３内に圧送されることとなり、該加圧空気
の圧力により内容器３内の液体が注液通路９を介
して外部へ注出されるのである。

なお、内容器３への給液は、ロツク片２０，２
０をスプリング２１の付勢力に抗して押圧操作す
ることによつてロツク解除し、栓体２を上方に脱
栓した後に給液口１８から容易に行なわれる。

本考案は、上記実施例に限定されるものではな
く、考案の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更
可能なことは勿論である。

（考案の効果） 叙上の如く、本考案によれば、液体収納用の内
容器３を備えた容器本体１と、該容器本体１とは
別体構成とされ且つ前記内容器３の給液口１３を
密栓する挿入式の栓体２とからなり、前記容器本
体１の肩部内に配設されたエアーポンプ６から前
記内容器３へ加圧空気を供給し、該加圧空気によ
つて内容器３内の液体を一連の注液通路９を介し
て外部へ導出するようにしたポンプ注液式液体容
器において、前記注液通路９を構成する通路構成
部材８を、前記栓体２と別体構成としたので、栓
体２の軽量化が図れるとともに、栓体２の着脱操
作のみで、内容器３への給液を行うことができ、
使い勝手が極めて良くなるという実用的な効果が
ある。

また、前記栓体２内に、前記エアーポンプ６か
らの加圧空気を前記内容器３に供給するための空
気通路７を形成し且つ前記栓体２の下部を、前記
内容器３の上部開口３ａ下方にまで臨ましめたの
で、栓体２内が断熱空間となるとともに、内容器
上部開口３ａの通路面積が大幅に狭められること
となり、内容器３内の液体の保温効果が向上する
という効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例にかかるポンプ注液
式液体容器の上部縦断面図、第２図は、第１図の
ポンプ注液式液体容器の要部を開示した上部正面
図、第３図は、第１図のポンプ注液式液体容器の
斜視図、第４図は、第１図のポンプ注液式液体容
器におけるポンプ駆動機構の分解斜視図、第５図
は、第１図のポンプ注液式液体容器における容器
本体上面の要部平面図、第６図は吐出弁上動時の
状態を示す部分拡大図である。 １……容器本体、２……栓体、３……内容器、
３ａ……上部開口、６……エアーポンプ、８……
通路構成部材、９……注液通路、１８……給液
口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液体収納用の内容器３を備えた容器本体１と、
   該容器本体１とは別体構成とされ且つ前記内容器
   ３の給液口１８を密栓する挿入式の栓体２とから
   なり、前記容器本体１の肩部内に配設されたエア
   ーポンプ６から前記内容器３へ加圧空気を供給
   し、該加圧空気によつて内容器３内の液体を一連
   の注液通路９を介して外部へ導出するようにした
   ポンプ注液式液体容器であつて、前記注液通路９
   を構成する通路構成部材８を、前記栓体２と別体
   構成とするとともに、前記栓体２内には、前記エ
   アーポンプ６からの加圧空気を前記内容器３に供
   給するための空気通路７を形成し且つ前記栓体２
   の下部を、前記内容器３の上部開口３ａ下方にま
   で臨ましめたことを特徴とするポンプ注液式液体
   容器。