JPH0327080B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 産業上の利用分野 本発明は、放射性廃棄物貯蔵施設とその施工法
に関する。

従来の技術 近年、放射性廃棄物の長期貯蔵若しくは最終処
分施設として、第２図のような概念が考えられて
いる。この施設は、コンクリート製の蓋付きの貯
蔵ピツト１を地中に埋設し、該貯蔵ピツトに放射
能の洩れを監視するモニタリング設備２を付設し
て成り、その貯蔵ピツト内に放射性廃棄物を収容
した多数のドラム缶Ａ……を貯蔵するものであ
る。

モニタリング設備２は、貯蔵ピツト１の底盤の
内外に吸水配管２１……配し、該吸水配管を枡２
２……（第２図）、縦管２３……を介して地上の
放射能監視室において、ポンプによりそれらの管
等を通じて貯蔵ピツト１内外の水を汲み上げては
水に含まれている放射能を検査し、監視するよう
になつている。

図中、３は、地山、４は盛土、１１は、コンク
リート製蓋体、２５……は、アスフアルトによる
貯蔵時搬入路、２６……は、雨水排水路である。

この施設の主たる部分は、第２図に示すように
施工された後、放射性廃棄物入りドラム缶Ａ……
が貯蔵される。工事手順としては、地山削掘を行
い、削掘完了後、削掘溝内に上記吸水配管２１…
…及び貯蔵ピツト１を施工する（）。次に、そ
の貯蔵ピツト１の周辺に上記枡２２……、縦管２
３……を配してその周辺を埋め戻し、アスフアル
トの貯蔵時搬入路２５……、雨水排水路２６…
…、フエンス２７……等を設け、縦管２３……を
放射能監視室へ連ねる（）。而して、その搬入
路２５……を以て放射性廃棄物入りドラム缶Ａ…
…を搬送し、貯蔵を開始する。なお、普段は貯蔵
ピツト１上に上屋１２をおき、雨水の浸入を防
ぐ。こうして貯蔵ピツト１内にドラム缶Ａ……が
満たされたなら、コンクリート製蓋体１１で貯蔵
ピツト１を封鎖し（）、この状態で数十年間
（10〜50年位）貯蔵を続ける。また、モニタリン
グ設備２によつて定期的に地下水中の放射性物質
の検査を行うと共に、敷地周辺の放射線の監視を
行う。数十年経過し、モニタリング設備２による
監視において、放射性廃棄物の放射能濃度等が所
定の値以下になつていることを認したなら、貯蔵
ピツト１の上部に盛土４を施し、最終処分とする
（）。以後、管理不要となる。

発明が解決しようとする問題点 上述の施工手順の場合、貯蔵ピツトの構築のた
めに削掘用の広い敷地を要すること、貯蔵ピツト
の底盤施工前にモニタリング設備の先行作業を要
すること、貯蔵ピツト周辺に埋戻し工事を要する
こと、底部モニタリング部材（集水配管等）の耐
久性向上を計る必要がある等、施工面、経済面で
の改善が考えられる。

本発明は、斯る問題点を解決しようとするもの
である。

〔発明の構成〕 問題点を解決するための手段 本発明は、地中に埋設するコンクリート製貯蔵
ピツトにあつて、底盤の中間にフイルタ層を設
け、該フイルタ層をモニタリング設備へ連通させ
たものであり、また、その施工に当つては、先行
連続地下外壁構築工法により地中に貯蔵ピツトの
周壁を構築し、該周壁内部の土砂を掘削除去した
後、中間にフイルタ層を有する底盤を施工して、
該フイルタ層をモニタリング設備へ連通させて成
る。

実施例 第１図は、本発明に係る実施例を示している。

まず、先行連続地下外壁構築工法により地山３
の地中に貯蔵ピツト１のコンクリート周壁１５を
構築する（）。

次に、その周壁１５の内部の土砂を掘削除去
し、除去後、上層と下層がコンクリート層１６
１，１６２、中間層が砂利を充填したフイルタ層
１６３をなす底盤１６を施工し、この際、下層の
コンクリート層１６２の打継ぎ部に止水シール１
６４を施す。また、周壁１５の周辺で地中にモニ
タリング設備２の枡２２……、縦管２３……等を
埋設すると共に、フイルタ層１６３を枡２２……
へ連通させ、且つ、縦管２３……を地上の放射能
監視室へ連ね、更に、周壁１５周辺で地上にアス
フアルトによる貯蔵時搬入路２５……、雨水排水
路２６……、フエンス２７……等を設け、貯蔵ピ
ツト１を被う可動式上屋１７を設ける（）。

而して、搬入路２５……を以て放射性廃棄物入
りドラム缶Ａ……を搬入し、貯蔵を開始する。普
段は可動式上屋１７により貯蔵ピツト１内に雨水
の入るのを防ぐ。

こうして貯蔵ピツト１内にドラム缶Ａ……が満
たされたなら、コンクリート製蓋体１１で貯蔵ピ
ツトを封鎖し（）、この状態で数十年間（10〜
50年位）貯蔵を続ける。また、モニタリング設備
２を働かせて、つまり、放射能監視室において、
ポンプにより縦管２３……、枡２２……を介して
貯蔵ピツト１の底盤１６のフイルタ層１６３から
該フイルタ層中に浸入する水を汲み上げ、この水
に含まれている放射性物質を検査し、併せて、敷
地周辺の放射線の監視を行う。

数十年経過し、モニタリング設備２による監視
において、放射性廃棄物の放射能濃度等が所定の
値以下になつていることを確認したら、貯蔵ピツ
ト１の上部に盛土４が施し、最終処分とする
（）。以後、管理不要である。

（発明の効果〕 本発明によれば、掘削工事を合理化できて、貯
蔵ピツト構築のための削掘用の広い敷地が不要
で、且つ、埋戻し工事が不要であり、貯蔵ピツト
の底盤施工前におけるモニタリング設備の先行作
業を要せず、底部モニタリング部材のメンテナン
スの困難性が不要となり、従つて、施工性、経済
性での向上が計れる。また、連続的な増設が容易
に行え、敷地の有効利用、モニタリング設備の長
期の安定性、貯蔵物搬入時の作業性の向上等を図
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の実施例を示す説明図、第２
図は、従来例の説明図である。 １……貯蔵ピツト、２……モニタリング設備、
３……地山、４……盛土、１１……蓋体、１２…
…上屋、１５……周壁、１６……底盤、１７……
可動式上屋、２１……吸水配管、２２……枡、２
３……縦管、２５……貯蔵時搬入路、２６……雨
水排水路、２７……フエンス、１６１，１６２…
…コンクリート層、１６３……フイルタ層、１６
４……止水シール。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 地中に埋設するコンクリート製貯蔵ピツトに
   あつて、底盤の中間にフイルタ層を設け、該フイ
   ルタ層をモニタリング設備へ連通させたことを特
   徴とする放射性廃棄物貯蔵施設。 ２ 先行連続地下外壁構築工法により地中に貯蔵
   ピツトの周壁を構築し、該周壁内部の土砂を掘削
   除去した後、中間にフイルタ層を有する底盤を施
   工して、該フイルタ層をモニタリング設備へ連通
   させたことを特徴とする放射性廃棄物貯蔵施設の
   施工法。