JP2581602B2 - 廃棄物の処理方法 - Google Patents
廃棄物の処理方法Info
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- JP2581602B2 JP2581602B2 JP1291088A JP29108889A JP2581602B2 JP 2581602 B2 JP2581602 B2 JP 2581602B2 JP 1291088 A JP1291088 A JP 1291088A JP 29108889 A JP29108889 A JP 29108889A JP 2581602 B2 JP2581602 B2 JP 2581602B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ゴミの焼却灰や下水処理汚泥などを廃棄
処理する方法に関するものである。
処理する方法に関するものである。
従来から、ごみ焼却灰などの廃棄処理方法として、
(イ)一次処理を行った後、山間部にそのままあるいは
穴を掘って捨てる方法、(ロ)重金属等の有害物が流出
しないように隔壁を設け、投棄する方法、(ハ)内部を
ドライにした地中タンクを設け、その中に廃棄する方法
などが知られ、実用に処されている。
(イ)一次処理を行った後、山間部にそのままあるいは
穴を掘って捨てる方法、(ロ)重金属等の有害物が流出
しないように隔壁を設け、投棄する方法、(ハ)内部を
ドライにした地中タンクを設け、その中に廃棄する方法
などが知られ、実用に処されている。
しかしながら、かかる従来の廃棄物の処理方法のう
ち、前記(イ)に示す処理方法では、焼却場の近くに適
当な用地を確保することが困難であり、用地を求めよう
とすると遠方になることが多く、運搬費がかさむほか、
環境問題(重金属の流出,臭気,ほこり,樹木の伐採)
から、このような形態の処理場を設けることが難しくな
ってきている。また、前記(ロ)に示す方法では、土地
の価格が高いので、適当な場所に大規模用地を取得する
ことがむずかしく、上記環境問題も絡んで住民の反対が
強く、処理場建設のために広い土地を必要とするという
課題があった。また、前記(ハ)に示す処理方法とし
て、例えば地中壁を円形に閉合するように構築し、その
内部を切梁り等の支保工を施しながら掘削して地中タン
クを構築する方法があるものの、地中壁内部の掘削深さ
が深くなるにつれて大きな水圧や土圧が地中壁に作用す
るため、あらかじめ地中壁の厚さを厚くし、掘削段階に
応じて逆巻コンクリートを打設して、壁の二次覆工を行
い、大きな外力に対して抵抗できるような部材設計を行
う必要があった。また、場合によっては、掘削段階で切
梁り,腹起しなどの支保を行い掘削することも可能であ
るが、これらの方法は、いずれも工費が嵩み、廃棄物処
理現場として実用上検討できるようなものではなかっ
た。
ち、前記(イ)に示す処理方法では、焼却場の近くに適
当な用地を確保することが困難であり、用地を求めよう
とすると遠方になることが多く、運搬費がかさむほか、
環境問題(重金属の流出,臭気,ほこり,樹木の伐採)
から、このような形態の処理場を設けることが難しくな
ってきている。また、前記(ロ)に示す方法では、土地
の価格が高いので、適当な場所に大規模用地を取得する
ことがむずかしく、上記環境問題も絡んで住民の反対が
強く、処理場建設のために広い土地を必要とするという
課題があった。また、前記(ハ)に示す処理方法とし
て、例えば地中壁を円形に閉合するように構築し、その
内部を切梁り等の支保工を施しながら掘削して地中タン
クを構築する方法があるものの、地中壁内部の掘削深さ
が深くなるにつれて大きな水圧や土圧が地中壁に作用す
るため、あらかじめ地中壁の厚さを厚くし、掘削段階に
応じて逆巻コンクリートを打設して、壁の二次覆工を行
い、大きな外力に対して抵抗できるような部材設計を行
う必要があった。また、場合によっては、掘削段階で切
梁り,腹起しなどの支保を行い掘削することも可能であ
るが、これらの方法は、いずれも工費が嵩み、廃棄物処
理現場として実用上検討できるようなものではなかっ
た。
この発明はかかる従来の課題に着目してなされたもの
であり、土留壁の十分な耐力を確保しつつ、その厚さを
薄く形成することができて、掘削時に支保工を必要とせ
ず、制約された敷地面積内で確実に地中掘削および底版
用の水中コンクリートの打設を行うことができるととも
に、廃棄物投入工程においても土留壁に作用する外力に
対抗することができる廃棄物の処理方法を提供するもの
である。
であり、土留壁の十分な耐力を確保しつつ、その厚さを
薄く形成することができて、掘削時に支保工を必要とせ
ず、制約された敷地面積内で確実に地中掘削および底版
用の水中コンクリートの打設を行うことができるととも
に、廃棄物投入工程においても土留壁に作用する外力に
対抗することができる廃棄物の処理方法を提供するもの
である。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので
あり、その要旨は、平面的に閉合する山留壁を施工し、
この山留壁の内部に、山留壁外部から作用する側圧とバ
ランスする水位の水を満たしながら、その内部の地中掘
削を行い、この地中掘削を終了した後、前記山留壁内か
ら外部への漏水を防止するためにライニングを山留壁内
側に設け、さらに底版用の水中コンクリートを打設し、
前記山留壁外周から作用する側圧に対抗するために前記
山留壁内部の水を保持した状態で廃棄物を投入する廃棄
物の処理方法にある。
あり、その要旨は、平面的に閉合する山留壁を施工し、
この山留壁の内部に、山留壁外部から作用する側圧とバ
ランスする水位の水を満たしながら、その内部の地中掘
削を行い、この地中掘削を終了した後、前記山留壁内か
ら外部への漏水を防止するためにライニングを山留壁内
側に設け、さらに底版用の水中コンクリートを打設し、
前記山留壁外周から作用する側圧に対抗するために前記
山留壁内部の水を保持した状態で廃棄物を投入する廃棄
物の処理方法にある。
本発明の廃棄物の処理方法において、前記山留壁内部
の地中掘削工程に前後して、前記山留壁の頭部に縦壁を
構築しても良い。
の地中掘削工程に前後して、前記山留壁の頭部に縦壁を
構築しても良い。
この発明における地中掘削作業では、山留壁に作用す
る側圧とバランスする水圧を、この山留壁の内部に地下
水位より高く水を満たすか、または必要に応じて山留壁
の頭部に設立した縦壁内に水を充満することによって作
用させるため、上記側圧による山留壁の倒壊を防止しな
がら、山留壁内部の水中掘削および底版の敷設を可能に
し、これにより小規模用地内での廃棄物処理施設の構築
を安全かつ経済的に行えるようにする。また、廃棄物の
投入は山留壁内の水位を所定水位に保ったまま実施し
て、山留壁を破損することなく安全に,確実に廃棄物を
山留壁内へ充満することが可能となる。
る側圧とバランスする水圧を、この山留壁の内部に地下
水位より高く水を満たすか、または必要に応じて山留壁
の頭部に設立した縦壁内に水を充満することによって作
用させるため、上記側圧による山留壁の倒壊を防止しな
がら、山留壁内部の水中掘削および底版の敷設を可能に
し、これにより小規模用地内での廃棄物処理施設の構築
を安全かつ経済的に行えるようにする。また、廃棄物の
投入は山留壁内の水位を所定水位に保ったまま実施し
て、山留壁を破損することなく安全に,確実に廃棄物を
山留壁内へ充満することが可能となる。
以下に、この発明の一実施例を図に基づいて説明す
る。まず、この発明によって山留壁に作用する土圧,水
圧などの側圧を低減するため、山留壁内部に必要な水圧
を加えた状態で掘削や底版用の水中コンクリートの打設
を行う。この場合において、掘削に伴って山留壁に作用
する上記側圧Pzは、建築学会編、建築基礎構造設計基準
によれば、 Pz=K・γt・Z となる。
る。まず、この発明によって山留壁に作用する土圧,水
圧などの側圧を低減するため、山留壁内部に必要な水圧
を加えた状態で掘削や底版用の水中コンクリートの打設
を行う。この場合において、掘削に伴って山留壁に作用
する上記側圧Pzは、建築学会編、建築基礎構造設計基準
によれば、 Pz=K・γt・Z となる。
ここで、Pzは深さZにおける側圧強度(t/m2)、Kは
側圧係数、γtは土の湿潤単位体積重量(t/mm3であ
る。
側圧係数、γtは土の湿潤単位体積重量(t/mm3であ
る。
そこで、第4図(a)に示すような山留壁1を、軟弱
地盤の地域に設けた場合においては、K=0.7、γt=
1.6t/m2と仮定すると、山留壁1に作用する側圧は1.12Z
となる。一方、山留壁1内の水による側圧は1.00Zであ
り、今、仮に掘削深さを20mと考え、この深さで内外の
側圧が等しくなるように内部の水位をコントロールする
とすれば、内部の水位を地表面上2.4mの高さまで上げれ
ばよい。この状態では山留壁1内からの水圧が外部から
の側圧を若干上回り、山留壁1にはわずかな内圧が作用
している。また、掘削は、山留壁1の耐力に応じて、ま
た、掘削深さに応じて、常に山留壁1に発生するであろ
う応力がその許容値以内になるように、注水により水位
をコントロールする。さらに、これらの山留壁1の応力
については、あらかじめ山留壁1内に応力計あるいは変
位計を埋設しておき、その値を監視することにより管理
することもできる。そして、この側圧の比較を行うと、
第4図(b)に示すようになり、その合成側圧は第4図
(c)に示すように極めて小さく抑えられることがわか
る。この発明では、このような側圧と山留壁内1の水圧
とのバランス効果を利用して廃棄物の処理を行うもので
ある。
地盤の地域に設けた場合においては、K=0.7、γt=
1.6t/m2と仮定すると、山留壁1に作用する側圧は1.12Z
となる。一方、山留壁1内の水による側圧は1.00Zであ
り、今、仮に掘削深さを20mと考え、この深さで内外の
側圧が等しくなるように内部の水位をコントロールする
とすれば、内部の水位を地表面上2.4mの高さまで上げれ
ばよい。この状態では山留壁1内からの水圧が外部から
の側圧を若干上回り、山留壁1にはわずかな内圧が作用
している。また、掘削は、山留壁1の耐力に応じて、ま
た、掘削深さに応じて、常に山留壁1に発生するであろ
う応力がその許容値以内になるように、注水により水位
をコントロールする。さらに、これらの山留壁1の応力
については、あらかじめ山留壁1内に応力計あるいは変
位計を埋設しておき、その値を監視することにより管理
することもできる。そして、この側圧の比較を行うと、
第4図(b)に示すようになり、その合成側圧は第4図
(c)に示すように極めて小さく抑えられることがわか
る。この発明では、このような側圧と山留壁内1の水圧
とのバランス効果を利用して廃棄物の処理を行うもので
ある。
次に、この発明の廃棄処理方法を工程順に説明してい
く。
く。
まず、(A)廃棄処理用山留壁の形状を設定する。す
なわち、この山留壁1の形状は、応力的に有利な円形形
状が推奨される。この場合には、単に廃棄物処理用地下
タンクとするだけでなく、その地下構築物を基礎とし
て、将来その上部に各種の構造物、例えば、集合住宅,
体育館などのスポーツ施設,貯水タンクを建設すること
を考慮した設計とする。
なわち、この山留壁1の形状は、応力的に有利な円形形
状が推奨される。この場合には、単に廃棄物処理用地下
タンクとするだけでなく、その地下構築物を基礎とし
て、将来その上部に各種の構造物、例えば、集合住宅,
体育館などのスポーツ施設,貯水タンクを建設すること
を考慮した設計とする。
すなわち、第5図(a)に示すように、円形山留壁1a
内に十字形の山留壁1bを連設したり、第5図(b)に示
すように、長方形の山留壁1c内に縦横山留壁1dを連設し
たり、第5図(c)に示すように、正方形の山留壁1e内
に基礎杭1fを設けたものなどが考えられる。
内に十字形の山留壁1bを連設したり、第5図(b)に示
すように、長方形の山留壁1c内に縦横山留壁1dを連設し
たり、第5図(c)に示すように、正方形の山留壁1e内
に基礎杭1fを設けたものなどが考えられる。
次に、(B)山留壁1の施工を第1図(a)に示すよ
うにして行う。この施工法は原則として通常の施工法と
変わるところはないが、廃棄物の種類によっては、保善
の面から厳格な水密性を要求されることがある。その場
合は、山留壁の先端を不透水層まで根入れしたり、連続
山留壁の場合には、エレメント間の継手構造をコッター
継手とするなどの対策が必要になる。また、鋼管矢板で
は継手部にグラウトを行うこともある。
うにして行う。この施工法は原則として通常の施工法と
変わるところはないが、廃棄物の種類によっては、保善
の面から厳格な水密性を要求されることがある。その場
合は、山留壁の先端を不透水層まで根入れしたり、連続
山留壁の場合には、エレメント間の継手構造をコッター
継手とするなどの対策が必要になる。また、鋼管矢板で
は継手部にグラウトを行うこともある。
次に、地上部縦壁2の施工を第1図(b)のように行
う。すなわち、ここでは山留壁1に作用する側圧に対抗
するために、内部に水を満たす水の水位は地盤条件によ
って左右される側圧とほぼつり合う水圧となるようにす
る。この縦壁2の高さは、この水圧を保持するのに必要
な高さとなるが、地盤3が軟弱な場合は、2〜5mの高さ
のものが必要となる。一方、地盤条件が良好な場合や地
下水位が低い場合には、全く縦壁2を必要としないこと
もあり得る。また、この縦壁2は一般的にはRC構造が推
奨され山留壁1の頭部をはつり、不純物を含まない均質
なコンクリートを露出して配筋および型枠のセットを行
い、コンクリートの打設を行って形成する。また、この
縦壁2は円周方向にほぼ一体的に打設するので、山留壁
1の頭部を結合し、タンクとしての剛性を高める役割も
担う。従って、この縦壁2の厚さは、山留壁1の厚さよ
り厚くしてもよいし、また、薄くしてもかまわない。
う。すなわち、ここでは山留壁1に作用する側圧に対抗
するために、内部に水を満たす水の水位は地盤条件によ
って左右される側圧とほぼつり合う水圧となるようにす
る。この縦壁2の高さは、この水圧を保持するのに必要
な高さとなるが、地盤3が軟弱な場合は、2〜5mの高さ
のものが必要となる。一方、地盤条件が良好な場合や地
下水位が低い場合には、全く縦壁2を必要としないこと
もあり得る。また、この縦壁2は一般的にはRC構造が推
奨され山留壁1の頭部をはつり、不純物を含まない均質
なコンクリートを露出して配筋および型枠のセットを行
い、コンクリートの打設を行って形成する。また、この
縦壁2は円周方向にほぼ一体的に打設するので、山留壁
1の頭部を結合し、タンクとしての剛性を高める役割も
担う。従って、この縦壁2の厚さは、山留壁1の厚さよ
り厚くしてもよいし、また、薄くしてもかまわない。
さらに、第1図(c)に示すように山留壁1内に注水
して水中掘削を行う。この水中掘削はクラムシェルバケ
ットで行う。なお、他の方法もあるが、掘削土の再利用
を考えるとクラムシェルバケットによる方法が一般的で
ある。ここでは水中ブルドーザ4とクレーン式のバケッ
ト機械が用いられる。こうして、ほぼ所定の深さまでの
掘削が終ると、山留壁1の壁面に付着した土のかき落し
を地上から機械式はくり機などを吊り下げて行う(ジェ
ットによる方法も可)。続いて、掘削底版の成形を水中
ブルドーザなどの使用により行う。ここで、掘削土は一
時近接地に仮置きしておく。
して水中掘削を行う。この水中掘削はクラムシェルバケ
ットで行う。なお、他の方法もあるが、掘削土の再利用
を考えるとクラムシェルバケットによる方法が一般的で
ある。ここでは水中ブルドーザ4とクレーン式のバケッ
ト機械が用いられる。こうして、ほぼ所定の深さまでの
掘削が終ると、山留壁1の壁面に付着した土のかき落し
を地上から機械式はくり機などを吊り下げて行う(ジェ
ットによる方法も可)。続いて、掘削底版の成形を水中
ブルドーザなどの使用により行う。ここで、掘削土は一
時近接地に仮置きしておく。
また、続いて、底版6を作るために高流動特性を有す
る底版用の水中コンクリートを打設する。このとき、底
版用の水中コンクリートを打設するトレミー管は、隣合
う他のトレミー管または山留壁1よりほぼ15m以内に配
置する。これにより底版6の表面の傾斜をおよそ±5/10
00以内に収めることができる。続いて、必要に応じて、
第1図(d)に示すように屋根7を縦壁2の頭部に架設
し、さらに、山留壁1内からオーバフローする水の排水
設備や排出される水の水質(SS,BOD,COD,重金属)を河
川に放流できる基準値まで下げるための排水処理装置8
を設ける。また、廃棄物の投入施設である圧送パイプ9
などを設置して、粉体/流体(貯めた水を循環させなが
ら)輸送や半固体輸送を行えるようにする。
る底版用の水中コンクリートを打設する。このとき、底
版用の水中コンクリートを打設するトレミー管は、隣合
う他のトレミー管または山留壁1よりほぼ15m以内に配
置する。これにより底版6の表面の傾斜をおよそ±5/10
00以内に収めることができる。続いて、必要に応じて、
第1図(d)に示すように屋根7を縦壁2の頭部に架設
し、さらに、山留壁1内からオーバフローする水の排水
設備や排出される水の水質(SS,BOD,COD,重金属)を河
川に放流できる基準値まで下げるための排水処理装置8
を設ける。また、廃棄物の投入施設である圧送パイプ9
などを設置して、粉体/流体(貯めた水を循環させなが
ら)輸送や半固体輸送を行えるようにする。
そして、灰などの廃棄物12の投入を第1図(d),
(e)に示すように行う。ここで、上記のように打設し
た底版用の水中コンクリートが所定の強度に達すると、
山留壁1により作られたタンクは構造的に耐力が向上す
る。一方、廃棄物12の投入は、できればこのタンク中を
ドライにして行うことが、処理水の減量,投入容量の増
大(締固めた状態で投入可),投入完了後のタンクの利
用上の点で(支持力が大,残留沈下量が小さい)望まし
い。このため、原則として、投入開始時に内部水位をタ
ンクの安定が保てる限界まで下げて、投入を開始する。
なお、上記のように水位を下げるため、この時点でタン
クの地表面付近に追加の腹起しを入れることも可能であ
る。
(e)に示すように行う。ここで、上記のように打設し
た底版用の水中コンクリートが所定の強度に達すると、
山留壁1により作られたタンクは構造的に耐力が向上す
る。一方、廃棄物12の投入は、できればこのタンク中を
ドライにして行うことが、処理水の減量,投入容量の増
大(締固めた状態で投入可),投入完了後のタンクの利
用上の点で(支持力が大,残留沈下量が小さい)望まし
い。このため、原則として、投入開始時に内部水位をタ
ンクの安定が保てる限界まで下げて、投入を開始する。
なお、上記のように水位を下げるため、この時点でタン
クの地表面付近に追加の腹起しを入れることも可能であ
る。
また、廃棄物12の投入を開始した後は、タンク内の水
位をなるべく早い機会に地下水位より低くすることが、
内部の有害物を外部に流出させない点で望ましい。そし
て、投入完了後のタンク内の水位は、上述の理由で周辺
の地下水位より低くすることが原則である。このため、
点検排水孔13に排水ポンプを入れてタンク内水位を下げ
ることができるようにしておく。
位をなるべく早い機会に地下水位より低くすることが、
内部の有害物を外部に流出させない点で望ましい。そし
て、投入完了後のタンク内の水位は、上述の理由で周辺
の地下水位より低くすることが原則である。このため、
点検排水孔13に排水ポンプを入れてタンク内水位を下げ
ることができるようにしておく。
このようにして廃棄物12の投入が終ると、タンクを形
成する縦壁2の上部にコンクリート10を、第1図(e)
と同様にして打設して、廃棄物12を封入する。このと
き、必要に応じてタンクの周辺に上記仮置きした掘削
土,次期掘削土,他の掘削土などによる盛土11を行う。
成する縦壁2の上部にコンクリート10を、第1図(e)
と同様にして打設して、廃棄物12を封入する。このと
き、必要に応じてタンクの周辺に上記仮置きした掘削
土,次期掘削土,他の掘削土などによる盛土11を行う。
第2図は廃棄物の他の処理方法を示す。この方法で
は、第2図(a)に示す山留壁1を地盤3の表面すれす
れに施工した後、この山留壁1の頭部に縦壁としてのリ
ング状の鋼板セル16を、第2図(b)に示すように根固
めコンクリート17を介して設置し、続いて第2図(c)
に示すようにタンク内の水位を所定の高さに保持して水
中掘削を行う。また、続いて、この鋼板セル16上に屋根
を架設したり、第2図(d)に示すように底版用の水中
コンクリート6の打設を行った後、圧送パイプ9から灰
などの廃棄物を山留壁1で作ったタンク内に投入する。
そして、この廃棄物の投入終了後、鋼板セル16や附属設
備を再使用のために除去して、第2図(e)に示すよう
に、タンクの上部にコンクリート10を打設して、その廃
棄物をタンク内に封入する。この場合には、盛土は行う
必要はなく、また、長期に廃棄物を格納することから、
ピット内水位を下げ、外部よりの水の侵入のみを許容す
るようされる。
は、第2図(a)に示す山留壁1を地盤3の表面すれす
れに施工した後、この山留壁1の頭部に縦壁としてのリ
ング状の鋼板セル16を、第2図(b)に示すように根固
めコンクリート17を介して設置し、続いて第2図(c)
に示すようにタンク内の水位を所定の高さに保持して水
中掘削を行う。また、続いて、この鋼板セル16上に屋根
を架設したり、第2図(d)に示すように底版用の水中
コンクリート6の打設を行った後、圧送パイプ9から灰
などの廃棄物を山留壁1で作ったタンク内に投入する。
そして、この廃棄物の投入終了後、鋼板セル16や附属設
備を再使用のために除去して、第2図(e)に示すよう
に、タンクの上部にコンクリート10を打設して、その廃
棄物をタンク内に封入する。この場合には、盛土は行う
必要はなく、また、長期に廃棄物を格納することから、
ピット内水位を下げ、外部よりの水の侵入のみを許容す
るようされる。
なお、より厳しい止水性が求められる際には、以上の
施工手順に加えて、山留壁1からなるタンクの内側にラ
イニングを行う。その施工要領は次のようである。すな
わち、まず、第3図に示すように、予め製作した底版21
を水面上にセットし、止水材22(ビニールシートなど)
と底版21とを接着剤やボルトで接続する。このとき、止
水材22は3〜4m幅のものを必要本数ロール23に巻いて、
図のように山留壁1の内側すなわちタンク内側にたらす
ように配置する。そして、隣合う止水材22間は、接着剤
や融解接着などにより接合する。底版21は鋼版のような
ものでも枠材で組立ててもよく、また、鋼版の中をくり
抜いてドーナツ形にしたものを用いてもよい。
施工手順に加えて、山留壁1からなるタンクの内側にラ
イニングを行う。その施工要領は次のようである。すな
わち、まず、第3図に示すように、予め製作した底版21
を水面上にセットし、止水材22(ビニールシートなど)
と底版21とを接着剤やボルトで接続する。このとき、止
水材22は3〜4m幅のものを必要本数ロール23に巻いて、
図のように山留壁1の内側すなわちタンク内側にたらす
ように配置する。そして、隣合う止水材22間は、接着剤
や融解接着などにより接合する。底版21は鋼版のような
ものでも枠材で組立ててもよく、また、鋼版の中をくり
抜いてドーナツ形にしたものを用いてもよい。
次に、底版21が掘削底面に着底するまで、止水材22の
接合を行いながら降下させ、着底後、止水材22端部(地
上部)の処理を行ったのち、底版21部に水中コンクリー
トを打設する。なお、底版に適当な孔を明けてある場合
は、地盤面と底版21との間に隙間をあけた状態で水中コ
ンクリートとを打設することにより、地盤や底版21と水
中コンクリートとを良好に密着させることができる。
接合を行いながら降下させ、着底後、止水材22端部(地
上部)の処理を行ったのち、底版21部に水中コンクリー
トを打設する。なお、底版に適当な孔を明けてある場合
は、地盤面と底版21との間に隙間をあけた状態で水中コ
ンクリートとを打設することにより、地盤や底版21と水
中コンクリートとを良好に密着させることができる。
以上のように、この発明によれば山留壁内に水をはっ
て側圧とバランスさせながら掘削を行うので、山留壁に
作用する外力を微少にすることができ、これにより、山
留壁の厚さを薄くすることができるほか、上記掘削時に
は切梁り,腹起し,たな杭などの支保工を行わないの
で、掘削時に重機作業が能率的に行える。また、掘削時
に常時地表面以上に水位を保つので、掘削に伴うヒービ
ングやボイリングの恐れがない。そのため、地中壁の根
入れ長さを不必要に長くする必要がなくなる。また、掘
削残土は、一時仮置きし、廃棄物のほぼ投入完了時点で
縦壁周辺に盛土すれば、処理費を節約できる。
て側圧とバランスさせながら掘削を行うので、山留壁に
作用する外力を微少にすることができ、これにより、山
留壁の厚さを薄くすることができるほか、上記掘削時に
は切梁り,腹起し,たな杭などの支保工を行わないの
で、掘削時に重機作業が能率的に行える。また、掘削時
に常時地表面以上に水位を保つので、掘削に伴うヒービ
ングやボイリングの恐れがない。そのため、地中壁の根
入れ長さを不必要に長くする必要がなくなる。また、掘
削残土は、一時仮置きし、廃棄物のほぼ投入完了時点で
縦壁周辺に盛土すれば、処理費を節約できる。
また、この発明は上記効果に加えて次のような効果が
得られる。すなわち、廃棄物処理用の地中タンクを経済
的に建設することができ、処理費の低減が図れ、敷地面
積が少なくてよく、廃棄物投入工程においても土留壁に
作用する外力に対抗することができる。さらに、タンク
自体を基礎構造物として利用し、その上部に種々の建物
を造ることも可能になる等の効果が得られる。
得られる。すなわち、廃棄物処理用の地中タンクを経済
的に建設することができ、処理費の低減が図れ、敷地面
積が少なくてよく、廃棄物投入工程においても土留壁に
作用する外力に対抗することができる。さらに、タンク
自体を基礎構造物として利用し、その上部に種々の建物
を造ることも可能になる等の効果が得られる。
第1図(a),(b),(c),(d),(e)はこの
発明にかかる廃棄物の処理方法を実施する工程を示す工
程図、第2図(a),(b),(c),(d),(e)
は他の実施例を示す工程図、第3図は止水処理方法を示
すタンク内構造を示す説明図、第4図(a),(b),
(c)は山留壁に対する側圧と水圧との関係を示す特性
図、第5図(a),(b),(c)はこの発明で用いる
山留壁の各種平面形状を示す平面図である。 1……山留壁、2……縦壁、3……地盤、6……底版用
の水中コンクリート、10……コンクリート。
発明にかかる廃棄物の処理方法を実施する工程を示す工
程図、第2図(a),(b),(c),(d),(e)
は他の実施例を示す工程図、第3図は止水処理方法を示
すタンク内構造を示す説明図、第4図(a),(b),
(c)は山留壁に対する側圧と水圧との関係を示す特性
図、第5図(a),(b),(c)はこの発明で用いる
山留壁の各種平面形状を示す平面図である。 1……山留壁、2……縦壁、3……地盤、6……底版用
の水中コンクリート、10……コンクリート。
Claims (2)
- 【請求項1】平面的に閉合する山留壁を施工し、この山
留壁の内部に、山留壁外部から作用する側圧とバランス
する水位の水を満たしながら、その内部の地中掘削を行
い、この地中掘削を終了した後、前記山留壁内から外部
への漏水を防止するためにライニングを山留壁内側に設
け、さらに底版用の水中コンクリートを打設し、前記山
留壁外周から作用する側圧に対抗するために前記山留壁
内部の水を保持した状態で廃棄物を投入する廃棄物の処
理方法。 - 【請求項2】前記山留壁内部の地中掘削工程に前後し
て、前記山留壁の頭部に縦壁を構築したことを特徴とす
る請求項1に記載の廃棄物の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1291088A JP2581602B2 (ja) | 1989-11-10 | 1989-11-10 | 廃棄物の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1291088A JP2581602B2 (ja) | 1989-11-10 | 1989-11-10 | 廃棄物の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03154681A JPH03154681A (ja) | 1991-07-02 |
JP2581602B2 true JP2581602B2 (ja) | 1997-02-12 |
Family
ID=17764289
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1291088A Expired - Fee Related JP2581602B2 (ja) | 1989-11-10 | 1989-11-10 | 廃棄物の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2581602B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4509362B2 (ja) * | 2000-11-28 | 2010-07-21 | 株式会社奥村組 | 埋立て処分場の施工方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6057954B2 (ja) * | 1978-09-14 | 1985-12-17 | 川崎製鉄株式会社 | 対プライマ−耐気孔性、低水素系被覆ア−ク溶接棒 |
JPS569616A (en) * | 1979-07-03 | 1981-01-31 | Yamaha Motor Co Ltd | Two-cycle engine |
JPS6040433A (ja) * | 1983-08-15 | 1985-03-02 | Kajima Corp | 地下構造物の地中埋設工法 |
US4820779A (en) * | 1986-07-01 | 1989-04-11 | National Starch And Chemical Corporation | Adduct of a carbinol-containing polyimide oligomer terminated with epoxide-reactive groups and a polyepoxide |
JPH01121414A (ja) * | 1987-11-06 | 1989-05-15 | Toa Harbor Works Co Ltd | 地盤の掘削工法 |
-
1989
- 1989-11-10 JP JP1291088A patent/JP2581602B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03154681A (ja) | 1991-07-02 |
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