JPH0326757Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、電力用、あるいは制御用のケーブ
ルをケーブルトレイ等のケーブル収容設備に沿つ
て敷設する際に、複数のケーブルを互いに絡み合
わないように分割しつつ案内するために、ケーブ
ル収容設備の所要箇所に設置されるガイドローラ
の改良に関するものである。

（従来の技術） 近年、発電所等におけるケーブル敷設工事の効
率化の要求に応じるために、複数のケーブルを同
時に牽引ロープで牽引しながらケーブル収容設備
に沿つて延線することが通常とされている。

この場合、エンドレスの牽引ロープは、ケーブ
ル収容設備に沿つてガイドローラに掛け回して張
り渡され、延線装置により引き回される。複数の
ケーブルは、牽引ロープから張出したアームに結
び付けられ、同時に延線される。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来のケーブル延線方法にあつては、延線
途上において複数のケーブル同志、あるいはケー
ブルと牽引ロープとが互いに絡み合つてしまい、
延線後にこの絡みの補正作業を余儀無くされると
いう問題点がある。

この考案は、上記従来の問題点を解決し、延線
作業中にケーブル同志、あるいはケーブルと牽引
ロープとが絡み合わないようにこれらを分割しな
がら、その繰り返しを案内することができるガイ
ドローラを提供しようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するため、この考案において
は、ケーブルトレイＴ等のケーブル収容設備内に
これを横断するように水平に設けられるガイドロ
ーラ１の両端に大径鍔２，３を、またこれら両大
径鍔２，３間には相互に間隔をおいて複数の小径
鍔４，５，６，７を夫々設け、かつ一方の大径鍔
２と隣接する小径鍔４との間を他の鍔間よりも大
径に形成する構成を採用した。

（作用） このガイドローラ１は、ケーブル収容設備の所
要箇所にこれを横断するように水平に取付けられ
る。

そして、このガイドローラ１の一端側の隣接鍔
２，４間の大径部８には牽引ロープＲが、また他
の鍔部の小径部９，１０，１１，１２には夫々ケ
ーブルＣが通され、牽引ロープＲ、及びケーブル
Ｃの進行に従い、回転しながらこれらを案内す
る。従つて、各牽引ロープＲ、及びケーブルＣは
鍔４，５，６，７により分割され、延線途上にお
いて互いに絡み合うことがない。

牽引ロープＲには、複数のケーブルＣを並列的
に牽引するためのアームＡが略直角方向張り出す
ように設けられているが、これがガイドローラ１
の位置に来たときには、第１図に示すように、牽
引ロープＲがガイドローラ１の一端部の大径部８
上の高い位置にあるので、アームＡは小径鍔４，
５，６，７の外周に接しながら難なくこれを通過
する。

また、一般に、ケーブルＣよりも牽引ロープＲ
の方が小径であるが、牽引ロープＲはガイドロー
ラ１の大径部８を通り、ケーブルＣは小径部９，
１０，１１，１２を通るので、両者は略同レベル
でガイドローラ１を通過する。

（実施例） ガイドローラ１は、ケーブルトレイＴを横断す
るようにこれに水平に架設された軸Ｓ上に回転自
在に設けられている。

しかして、このガイドローラ１は、両端に相対
向した一対の大径鍔２，３を備え、またこれら両
大径鍔２，３間には相互に間隔をおいて設けられ
た複数の小径鍔４，５，６，７を備えている。そ
して、一方の大径鍔２と隣接する小径鍔４との間
には大径部８が設けられ、他の鍔間にはこれより
も直径の小さい小径部９，１０，１１，１２が設
けられている。

上記構成のガイドローラ１は、第２図に示すよ
うに、ケーブルトレイＴの所要箇所に複数設けら
れ、大径部８上に牽引ロープＲが、また小径部
９，１０，１１，１２上にケーブルＣが通され
る。

そして、牽引ロープＲは、ケーブルＣを引出し
ながら、図示しない延線装置によりケーブルトレ
イＴに沿つて引き回される。

牽引ロープＲ及びケーブルＣの進行に従い、ガ
イドローラ１は回転し、その進行を円滑に案内す
る。牽引ロープＲ及びケーブルＣがガイドローラ
１を通過する際、各々が鍔４，５，６，７によつ
て分離され、互いの絡み合いが阻止される。

第１図に示すように、比較的細い牽引ロープＲ
がガイドローラ１の大径部８を通過し、これより
も太いケーブルＣが小径部９，１０，１１，１２
を通過することになるので、両者は略同じレベル
でガイドローラ１を通過する。また、牽引ロープ
Ｒに直交方向に張り出すように取付けられている
アームＡは小径鍔４，５，６上を跳ね上がること
なくスムーズに通過する。もし大径部８の部分の
直径が小径部９，１０，１１，１２と同径であれ
ば、アームＡのロープＲ側が鍔２，４間に深く落
ち込んで、アームＡが鍔４を支点にして大きく上
方へ跳ね上げられることになる。

（考案の効果） 以上説明してきたように、この考案において
は、ケーブルトレイＴ等のケーブル収容設備内に
これを横断するように水平に設けられるガイドロ
ーラ１の両端に大径鍔２，３を、またこれら両大
径鍔２，３間には相互に間隔をおいて複数の小径
鍔４，５，６，７を夫々設け、かつ一方の大径鍔
２と隣接する小径鍔４との間を他の鍔間よりも大
径に形成する構成を採用したため、牽引ロープＲ
及びケーブルＣの進行に従い、ガイドローラ１が
回転し、その進行を円滑に案内することができ、
牽引ロープＲ及びケーブルＣがガイドローラを通
過する際、各々が小径鍔４，５，６，７によつて
分離され、互いの絡み合いが有効に除去され、延
線後の絡みの除去作業を省略して延線工事を大幅
に効率化することができ、かつ比較的細い牽引ロ
ープＲがガイドローラ１の大径部８を通過し、こ
れよりも太いケーブルＣが小径部９，１０，１
１，１２を通過することになるので、両者を略同
じレベルで円滑に通過させ、また、牽引ロープＲ
に直交方向に張り出すように取付けられているア
ームＡを、小径鍔４，５，６上を跳ね上がること
なくスムーズに通過させることができるという効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施の一例を示すもので、第１
図は断面図、第２図は取付け状態の平面図であ
る。 １……ガイドローラ、２，３……大径鍔、４，
５，６，７……小径鍔、８……大径部、９，１
０，１１，１２……小径部、Ｒ……牽引ロープ、
Ｃ……ケーブル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ケーブルトレイ等のケーブル収容設備に沿つて
   引き回される牽引ロープからケーブル収容設備上
   に直交方向に片側へ延出するように取付けられた
   ケーブル引留用のアームに、相互に間隔をおいて
   一端を引留められた複数のケーブルと、牽引ロー
   プとを各々分割して通過させるためのガイドロー
   ラであつて、 ケーブルトレイ等のケーブル収容設備内に、こ
   れを横断するように水平に設けられ、両端には大
   径鍔が、またこれら大径鍔間には、相互間にケー
   ブルを通すために間隔を置いて複数の同径の小径
   鍔が設けられ、かつ一方の大径鍔とこれに隣接す
   る小径鍔との間は、牽引ロープを通すために他の
   鍔間よりも大径に形成されており、前記アームが
   前記小径鍔上に乗つて水平状態で通過することが
   できるように構成されていることを特徴とするケ
   ーブル延線用ガイドローラ。