JPH05252626A - ケーブル把持具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、ケーブルとケーブル把持具のキャス
ターの干渉を防ぎ、安定した牽引作業が行えるケーブル
把持具を提供することにある。 【構成】本発明のケーブル保持具は、２個の分割フレー
ムを組合わせて、その組合せ面に複数本のケーブル等を
収納できるケーブル保持部を有するフレームとし、前記
分割フレームの組合せ面はヒンジ構造により開閉可能に
連結するとともに前記フレームの外周部に３個以上の車
輪を取付けているので、ケーブルが一体となって挙動す
るためケーブルが相互にバラバラな動きをして車輪にケ
ーブルが引っ掛かる等はなく、また、外力の作用によっ
てフレームが転動して走行面との接触位置が変化して
も、フレーム外周部に３個以上配置された車輪の何れか
が走行面に接触することになっているので、牽引時の牽
引抵抗力の低減効果は損なわれない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はケーブル、ホース、ロー
プ等を牽引する際に使用されるケーブル把持具に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、長尺のケーブル、ホース、ロープ
等を牽引する場合には、図４に示すようなケーブル把持
具１０が用いられていた。このケーブル把持具１０は、
中空軸の中心線で対称に２分割された分割フレーム１１
ａ，１１ｂからなり、この分割フレーム１１ａ，１１ｂ
を組み合わせてフレームとし、その一方は蝶番１５で連
結され、他方はねじ１６で固定されている。また、組合
わされたフレームの外周には放射状にＹ字形の支持腕１
２が４本取付られており、隣接するＹ字形の支持腕１２
間にはローラ１３が支持軸１４により取付けられてい
る。

【０００３】そして、ケーブル、ホース、ロープ等を牽
引する際にはケーブル把持具１０を一定の間隔毎に牽引
されるケーブル等に装着していた。このようなケーブル
把持具１０を用いてケーブルを牽引することにより、ケ
ーブルの牽引抵抗力の低減とケーブルの保護を行うよう
にしていた。

【０００４】ところで、移動しながら作業するロボット
装置を遠隔操作する場合には、油圧・空気圧・水圧等で
作動するアクチュエータ用のホース類及び電源用並に制
御用のケーブル類を同時に牽引させる必要がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このように移動しなが
ら作業するロボット装置を遠隔操作する場合、多数のケ
ーブル等を同時に牽引するため、個々のケーブルごとに
別々のケーブル把持具を装着する必要があり、このよう
に個々のケーブルごとに別々のケーブル把持具を装着す
ると、隣接するケーブルの間隔は広がり、かつケーブル
の挙動も個々バラバラの動きを示すため、ケーブルが把
持装置に絡まり、引っ掛かったまま牽引され、走行面を
ケーブルが直接接触したまま引きずられるという欠点が
あるため牽引するための床スペースを広くとる必要があ
った。

【０００６】また、配管の内部で多数のケーブル等を牽
引する場合、ホースやケーブル等は低い方に集まり易い
傾向にある。このため、ケーブル把持具のキャスターが
隣接するケーブルと干渉して引っ掛かり易くなり、さら
にケーブルが引っ掛かった場合、ケーブルが床に接触し
たり、ケーブル把持具のキャスターが床から浮き上がっ
たりする。そうすると、本来の機能であるケーブルの牽
引抵抗力が低減し、ケーブルの保護機能が損なわれる、
という問題があった。

【０００７】本発明は上記問題を解消するためになされ
たもので、その目的はケーブルとケーブル把持具のキャ
スターの干渉を防ぎ、安定した牽引作業が行えるケーブ
ル把持具を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のケーブル保持具は、２個の分割フレームを
組合わせて、その組合せ面に複数本のケーブル等を収納
できるケーブル保持部を有するフレームとし、前記分割
フレームの組合せ面はヒンジ構造により開閉可能に連結
するとともに前記フレームの外周部に３個以上の車輪を
取付けたことを特徴とするものである。

【０００９】

【作用】本発明のケーブル把持具は、ケーブル保持部で
ケーブル束全体が拘束されているので、ケーブルが一体
となって挙動するためケーブルが相互にバラバラな動き
をして車輪にケーブルが引っ掛かる等はなく、また、外
力の作用によってフレームが転動して走行面との接触位
置が変化しても、フレーム外周部に３個以上配置された
車輪の何れかが走行面に接触することになっているの
で、牽引時の牽引抵抗力の低減効果は損なわれない。ま
た、保持部で主ケーブルと密着クランプされることによ
てケーブル把持具の倒れを防止するとともに、ケーブル
の束全体を牽引する際にケーブル等の移動に追随してケ
ーブル把持具も一緒に移動することができるので、安定
したケーブルの牽引が行える。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。

【００１１】図１は本発明の一実施例の平面図、図２は
図１のＡ方向からみた側面図、図３は図１のＢ方向から
みた側面図である。これらの図において、１はケーブル
保持具である。２はフレームで、内部に主ケーブル３ａ
とその他のケーブル３ｂを保持するための中空部５ａと
５ｂを有する保持部４を備えている。このフレーム２の
外周部には等間隔に車輪６（図では８個）が取付けられ
ている。また、このフレーム２はケーブル保持部４の中
心を通る線上で２分割された形状の分割フレーム２ａと
２ｂとにより構成される。これら分割フレーム１ａと１
ｂを組合わせた一方の端部に蝶番７を取付け、他方の端
部にパチン錠８を設け、蝶番７によりフレーム１は開閉
可能に連結している。保持部４は、主ケーブル３ａを密
着クランプするために主ケーブル３ａの形状と一致した
中空部５ａと、他のケーブル３ｂ等を束ねるための中空
部５ｂから構成されている。次に、本実施例の作用につ
いて説明する。

【００１２】まず、ケーブル把持具１のパチン錠８を外
し、フレーム２を開いた状態にしてから分割フレーム２
ａに対して中空部５ａ主ケーブル３ａを嵌め込み、また
中空部５ｂに他のケーブル３ｂを嵌め込んだ後、分割フ
レーム２ｂを閉じ、パチン錠８を閉じることによりケー
ブル把持具１をケーブルに固定する。

【００１３】このようにして複数本のケーブルの束で構
成されるケーブルに一括装着されるケーブル把持具１を
ケーブルの長さに応じて一定の間隔で複数個装着してお
けば、ケーブルを牽引する際、外力の作用によってケー
ブルが振動、横振れ等の種々の挙動をしても一括して拘
束されているケーブルの挙動は一体となって動くため、
安定した牽引が行える。

【００１４】また、ケーブル把持具のフレーム２を、ケ
ーブル３ａ，３ｂに装着する際にケーブル３ａ，３ｂが
捻れていても、主ケーブル３ａとその他のケーブル３ｂ
とを分離して装着しており、装着したケーブル把持具が
面内で回転しても車輪６の機能が変わらないので、取付
方向が変わっても走行に対する影響がなく装着作業が極
めて容易となる。

【００１５】上述したように、本実施例では、フレーム
内部にケーブル等を複数本同時に保持できるケーブル保
持部と、フレーム外周部に少なくとも３個以上の車輪を
配置した車輪部より構成されているので、ケーブル保持
部はケーブル等を固定するクランプ機能と、ケーブル等
がバラバラに拡散して引っ掛からないように拘束する機
能を有している。また、ケーブル保持部は、フレームの
分割面にケーブル等を挟むように孔があけられており、
少なくとも１本以上のケーブルはケーブル保持部にて密
着クランプするようにケーブル等の形状に合わせた孔が
あいている。その他のケーブル等は、必ずしも密着クラ
ンプする必要がないので、保持部から外れないように拘
束しておける大きめの孔で保持してもよい。

【００１６】本実施例はフレームを核にして構成された
構造であるが、複数個の車輪をヒンジで連続して連結
し、両端部は開閉可能な連結構造とした帯状の車輪列を
ケーブル等に装着しても同様の効果が得られる。この場
合、車輪の連結方法としてベルトに車輪を植え込む構造
としてもよい。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数のケーブル等を同時に処理して、曲管内面等のよう
に走行面の変化に対しても安定した走行ができるので、
ケーブルの牽引抵抗力の軽減、ケーブルの保護に加え
て、複数本のケーブルの絡まり・引っ掛かりを防止する
ことができるという、すぐれた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の平面図。

【図２】図１のＡ方向からみた側面図。

【図３】図１のＢ方向からみた側面図。

【図４】従来のケーブル把持具の平面図。

【符号の説明】

１…ケーブル保持具、２…フレーム、２ａ，２ｂ…分割
フレーム、３ａ…主ケーブル、３ｂ…他のケーブル、４
…ケーブル保持部、５ａ，５ｂ…中空部、６…車輪、７
…蝶番、８…パチン錠。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２個の分割フレームを組合わせて、その
   組合せ面に複数本のケーブル等を収納できるケーブル保
   持部を有するフレームとし、前記分割フレームの組合せ
   面はヒンジ構造により開閉可能に連結するとともに前記
   フレームの外周部に３個以上の車輪を取付けたことを特
   徴とするケーブル把持具。