JPH03267132A - 中空糸状フイルター - Google Patents

中空糸状フイルター

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JPH03267132A
JPH03267132A JP9091390A JP9091390A JPH03267132A JP H03267132 A JPH03267132 A JP H03267132A JP 9091390 A JP9091390 A JP 9091390A JP 9091390 A JP9091390 A JP 9091390A JP H03267132 A JPH03267132 A JP H03267132A
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hollow
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野コ 本発明は孔径の大きいポリスルホン樹脂からなる中空糸
状フィルター(中空糸)に関する。
[従来の技術・発明が解決しようとする課題]中空糸状
フィルターは、平面状フィルターと比較して単位体積当
りの有効膜面積を大きくすることができるので、フィル
ター装置が小型になる、フィルター装置の構造が簡単に
なる、流体の流れが均一になるなどの優れた特徴を有し
、最近各方面で平面状フィルターにかわって利用される
ようになってきている。
中空糸状フィルターの中で孔径が大きい中空糸状フィル
ターとしては、ポリビニルアルコール、酢酸セルロース
、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレンまたはポ
リエチレンなどの樹脂から製造される中空糸状フィルタ
ーが知られている。しかし、前記樹脂から製造される中
空糸状フィルターは、性能上または製法上必ずしも満足
できるものではない。
たとえば性能上の問題としては、耐熱性が不足するため
高温を必要とする蒸気滅菌ができない、濾過速度が小さ
い、耐薬品性が不足する、機械的強度が不足する、生体
適合性が不足するなどの欠点を有しており、製造上の問
題としては、高分子量の増孔剤を使用するため、それを
抽出除去するために時間がかかる、毒性の強い溶媒を使
用する必要があるなどの欠点を有している。
一方、ポリスルホン樹脂は耐熱性、機械的強度、耐薬品
性および生体適合性などにおいて優れた性質を有する樹
脂であり、限外濾過膜や逆浸透膜の支持体などに利用さ
れてきており、それらに関する文献も多数公表されてい
る。しかしながら、ポリスルホン樹脂を用いて、少なく
とも内面・外面ともに孔径0.01 s+以上の孔を有
する中空糸状フィルターは本発明に至るまで作製されて
おらず、従来から知られている技術では、少なくとも内
面と外面に孔径数虜に至る孔径の大きい中空糸状フィル
ターを作製することは不可能である。
たとえば特開昭54−18378号、同54−1437
77号、同54−145379号、同5[1−1527
04号および同57−82515号の各公報、ジャーナ
ル・オブ・アプライド・ポリマー・サイエンス(Jou
rnal ofApplied Polymer 5c
ience)第20巻、  2377〜2394頁(1
976年)、同第21巻、165〜180頁(1977
年)および同第21巻、 1883〜1900頁(19
77年)などにポリスルホン樹脂からなる中空糸の製法
が記載されている。しかし、前記文献は、中空糸の内表
面または外表面のいずれか一面または両面に、実質的に
0.01 txn未満の孔径を含有する薄い緻密な層を
有する、いわゆる非対称構造の中空糸の製法についての
べたものであり、可及的に緻密な層を薄くしたものでも
透水量が小さい。
[課題を解決するための手段] 本発明者は前記諸欠点を解消するため鋭意研究を重ねた
結果、中空糸の内面から外面まで厚さ全体にわたって網
状組織からなり、その最大孔径が0.1〜5μmであり
、前記中空糸の内表面には網状組織の一部が開口してで
きた最大孔径がO,1=lO,caの不定形の孔を有し
、前記中空糸の外表面には網状組織の一部が開口してで
きた最大孔径が0.01〜5μmの楕円もしくは円形の
孔を有するポリスルホン樹脂からなることを特徴とする
中空糸状フィルターを用いることにより、前記諸欠点を
解消しうろことを見出した。
すなわち本発明では、中空糸状フィルターをポリスルホ
ン樹脂を用いて作製することにより、中空糸状フィルタ
ーの耐熱性、機械的強度、透水性、耐薬品性および生体
適合性を良好にすることができ、中空糸の内面から外面
まで厚さ全体にわたって最大孔径が0.1〜5遍の網状
組織にし、その内表面および外表面に網状組織が開口し
てできた孔が存在し、かつ内表面には最大孔径0.11
−1OJの不定形の孔、そして外表面には最大孔径06
01〜5ρの楕円もしくは円形の孔を形成することによ
り、透水性(濾過性)を良好にするという顕著な効果か
えられる。
〔実施例] 本発明の中空糸状フィルター(以下、本発明のフィルタ
ーという)はポリスルホン樹脂から形成されており、代
表的なポリスルホン樹脂としては、式(I): または式(■): で示される繰返し単位を有するものがあげられる。それ
らのうち式(1)で示される繰返し単位を有するポリス
ルホン樹脂は限外濾過膜の素材としても古くから利用さ
れており、機械的強度、耐熱性、耐薬品性および生体適
合性などの基本的な特性に優れており、本発明のフィル
ター用素材としてもとくに好ましい。
本発明のフィルターは中空糸の内面から外面までの厚さ
全体にわたって網状組織を有しており、その最大孔径が
0.1〜5μmであり、前記中空糸の内表面には網状組
織の一部が開口してできた最大孔径が0.1〜10Ia
の不定形の孔が存在し、前記外表面には網状組織の一部
が開口してできた最大孔径が0.01〜5」の楕円もし
くは円形の孔が存在している。
本発明のフィルターの構造を図面を用いてさらに詳細に
説明する。
第1図〜第7図は本発明の中空糸の顕微鏡による繊維形
状の観察写真であり、 第1図は本発明の中空糸の一実施態様の倍率100倍の
断面形状観察写真、 第2図は第1図に示した中空糸断面の口内の外表面より
部分の倍率1000倍での断面形状観察写真、 第3図は第1図に示した中空糸の倍率5000倍の内表
面形状観察写真、 第4図は第1図に示した中空糸の倍率10000倍の外
表面形状観察写真、 第5図は第1図に示した中空糸断面の内表面に近い部分
を倍率10000倍で観察した形状観察写真、 第6図は第1図に示した中空糸断面の内表面と外表面と
の間の中央部の倍率10000倍の形状観察写真、 第7図は第1図に示した中空糸断面の外表面に近い部分
および外表面を倍率1oooo倍で観察した形状観察写
真 である。
第1図および第2図は前記一実施態様の断面か均一な網
状組織であり、その最大孔径が約1.5虜であることを
示している。第3図および第4図は前記中空糸の内表面
および外表面には孔が存在し、孔の最大孔径かそれぞれ
約1遍および約1.5m+であることを示している。
第1図に示す中空糸の内表面を拡大した第3図および中
空糸断面の内表面に近い部分を拡大した第5図は網状組
織の一部が最大孔径以下の広い連続的な孔径分布で不定
形に内表面で開口している様子を、また外表面に近い部
分および外表面を拡大した第7図は網状組織の一部が外
表面上で楕円または円形に開口している様子を示してい
る。
なお、ここでいう最大孔径とは中空糸の形状観察写真で
観察される孔のうちで最も大きい短径を意味する。
前記図面およびそれらについての説明から明らかなよう
に、本発明のフィルターは下記特徴を有する。
(1)  中空糸の内表面と外表面との間は網状組織か
ら構成されている。
(2)  中空糸の内表面および外表面には、前記網状
組織の孔と比較してきわめて小さい孔しか有さない緻密
層がない。
(3)  中空糸の内表面および外表面の孔は、網状組
織の一部が外部に向って開口したものである。
(4)内表面の細孔は不定形で最大孔径以下で連続的な
広い孔径分布を有し、かつ内表面・の空孔率(全表面積
にしめる孔面積の割合)が大きい。
(5)透水量が大きく、2 X 10−’ g/cd−
@m)Ig・分量上となり、4QXLO→g/c−・s
mog・分にも達する。
(6)  外表面の細孔は楕円もしくは円形である。
前記特徴は本発明のフィルターが従来のポリスルホン樹
脂製の中空糸と著しく異なっている新しいものであるこ
とを示している。
本発明のフィルターの内径および厚さについて、技術上
とくに限定されるものではないが、通常はそれぞれ10
0J11n〜3am、20〜500遍の範囲で用途に応
じて選択される。
中空糸の内表面および外表面に存在する孔の最大孔径に
ついては、内表面に存在する孔の最大孔径が0.1ρ未
満または外表面に存在する孔の最大孔径が0.Ol−未
満のばあいには従来から存在する限外濾過膜と透水量が
あまりかわらなくなり、本発明の特徴の一つである透水
性が良好であるという利点が失なわれる。もちろん比較
的大きい物質も中空糸状フィルターを透過するという本
発明の特徴も失なわれる。また前記内表面、断面および
外表面の最大孔径がそれぞれ10am、5Jaおよび5
ρをこえると中空糸の機械的強度が低下する。したがっ
て実用上内表面、断面および外表面の最大孔径は、それ
ぞれ−0,1−10虜、0.1〜5項および0.01〜
5μmの範囲にする必要がある。なお網状組織の孔径は
、中空糸の厚さ全体にわたって均一なことが好ましいが
、あまり極端な差でなければ許容される。
本発明のフィルターはポリスルホン樹脂を含有する溶液
を環状のノズルから内部凝固液とともに押出し、ノズル
から50cI以内、好ましくは20c−以内の乾式距離
を経たのち全体を外部凝固液に接触させる中空糸状フィ
ルターの形成法において、前記溶液の組成を温度を降下
させていくと粘度上昇から粘度下降に移る転移温度(以
下、Tcという)を有する組成とし、前記溶液を前記T
c以上に保持しながら環状ノズルから押出し、内部凝固
液、ノズルから50c厘以内、好ましくは20c+a以
内の乾式距離にある中空糸に接する気体および外部凝固
液を前記Tc未満に保持する中空糸状フィルターの製法
により製造される。
前記製法において (1)  ポリスルホン樹脂を含有する溶液として、T
c未満では粘度が下降する組成のものを使用してTc以
上に保持しなから環状ノズルから押出し、 (2)  内部凝固液、乾式距離内の中空糸に接する気
体および外部凝固液をTc以下に保持することにより、
中空糸の内表面から外表面まで厚さ全体にわたって網状
組織を有するポリスルホン樹脂からなる中空糸状フィル
ターをうろことが可能になるという、著しい効果かえら
れる。
本発明のフィルターの製法(以下、本発明の製法という
)に用いるポリスルホン樹脂を含有する溶液は前記ポリ
スルホン樹脂を特定の溶剤に溶解した溶液であり、中空
糸を紡糸するばあいの紡糸原液である。
前記紡糸原液を調製するために用いられる溶剤としては
、好ましいTcをうるために比較的沸点の高いものが好
ましく、たとえばジメチルスルホキシドやポリスルホン
樹脂の良溶剤であるN−メチル−2−ピロリドン、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのIF!
または2種以上を主剤とし、これらに前記紡糸原液のT
cを調整するために用いられるポリスルホン樹脂の非溶
剤であるグリセリン、プロピレングリコール、エチレン
グリコール、ブタンジオールなどの多価アルコール類、
シクロヘキサノールなどの高沸点を有するアルコール類
などの1種または2種以上を混合した混合溶剤などがあ
げられる。これらの混合溶剤を用いることにより本発明
の製法に好ましいTcの溶液かえられる。
前記紡糸原液中のポリスルホン樹脂の濃度は8〜259
o (重量 9o s以下同様)、好ましくはlO〜l
 79oである。前記濃度が896未満では紡糸原液の
粘度が低く、紡糸が困難になる。一方前記濃度が259
0をこえると孔径の大きな中空糸を作製できなくなる。
前記紡糸原液のTcは30〜150℃、好ましくは50
〜150℃である。Tcが30℃未満では紡糸後の内部
凝固液、乾式雰囲気および外部凝固液をTc未満にする
ために冷却機などを使用する必要が生じる。一方、Tc
が150℃をこえると紡糸原液の粘度が低くなり、紡糸
が困難になる。なおTcは多くのばあい前記紡糸原液の
鎖点温度と密接な関係を有し、紡糸原液の温度低下によ
る相分離と関係している。第8図は本発明の製法に用い
る紡糸原液の1種であるポリスルホン樹脂(ユニオンカ
ーバイド社製、P−3500) 13.096、プロピ
レングリコール26.1%およびN−メチル2−ピロリ
ドン60.9%からなる溶液の粘度と温度との関係を示
すグラフであり、第9図は第8図に示す溶液のポリスル
ホン樹脂の含有割合を13 、09ciにし、前記2種
の溶剤の組成を変化させたときのTcの変化を示すグラ
フである。第9図に示されているように非溶剤の含有割
合を変化させることにより、溶液のTcが調整されうる
第8図に示されるような特性を有する溶液の溶剤は、従
来からその溶質の非溶剤とよばれているが、Tc未満で
は確かに非溶剤であるがTc以上では良溶剤の性質を示
している。第8図に示されているように、Tc未満の温
度で溶液の粘度が温度の低下とともに急激に低下する組
成の溶液か、本発明の製法に好適である。
本発明の製法に用いる内部凝固剤および外部凝固剤(以
下、凝固剤という)はポリスルホン樹脂の非溶剤であり
、かつポリスルホン樹脂の溶剤と相溶するもので、紡糸
原液と接触するとポリスルホン樹脂を凝固させる作用を
有するものである。前記凝固剤としては、水、水とポリ
スルホン樹脂の前記良溶剤との混合溶剤、メタノール、
エタノール、イソプロパツールなどのアルコール類など
があげられる。
本発明の製法では、Tcを有する組成の前記紡糸原液を
Tc以上に保持し、内部凝縮液とともにノズルから押出
し中空糸を形成する。前記中空糸の内径や厚さは、もち
ろんノズルの寸法、ドラフト率、ふくらまし率によって
当然変化するが、内表面、断面および外表面の構造は、
ドラフト率については約0.8〜3の範囲、ふくらまし
率については約0.4〜1.3の範囲であまりそれらの
影響をうけず、かつ内部凝固液の温度などの他の紡糸条
件を変化させることにより、適正に修正することができ
る。ただしドラフト率およびふくらまし率は下記のよう
に定義されている。
4q+ (式中、dlは環状ノズルの外径、dlは環状ノズルの
内径、qlは紡糸原液の送り量、9□は内部凝固液の送
り量、■は紡糸速度を示す。)従来の方法ではドラフト
率およびふくらまし率はともに約1にしなければ中空糸
が紡糸中に切れたり、破裂したりして欠陥の多いものに
なる。
この点においても本発明の製法は、許容巾が広く優れて
いる。前記ノズルは環状ノズルのものが通常用いられる
。紡糸速度は前記ドラフト率およびふくらまし率の値を
満足するように前記の式にもとづいて他の因子との関係
で設定すればよいが、数10m /分のときが取扱い上
簡単である。
ノズルから紡糸された紡糸原液は、ノズルから50cm
以内の乾式距離をへたのち全体が外部凝固液と接触する
。このとき、内部凝固液、ノズルから50cm以内の乾
式距離にある中空糸に接する気体および外部凝固液が、
前記紡糸原液のTc未満に保持される。前記乾式距離が
数cal以下のばあいには、この間に全体の凝固をすす
めることは比較的困難なため、Tc未満の外部凝固液お
よび内部凝固液を用いて凝固させることが必須である。
一方、乾式距離が数011以上あるばあいには、この間
で全体の凝固をすすめることが比較的容易なため、内部
凝固液および外部凝固液ともにTc以上で、乾式距離内
の気体温度をTc未満にして凝固させることも不可能で
はないが、内部凝固液、外部凝固液および乾式距離内の
気体温度を全てTc未満にする方がよい。また凝固は乾
式距離内で実質的に終了させるのが好ましい。前記乾式
距離内の気体として特殊な気体を用いる必要はなく、空
気で充分であり、とくに密閉にしたり特殊な雰囲気にす
る必要もなく、開放状態でよい。また外部凝固液中への
浸漬時間は一般に数秒間でよい。
紡糸原液のTcと内部凝固液、外部凝固液および乾式距
離内の気体のうちの低いものとの温度差は10℃以上、
さらに好ましくは20℃以上に設定するのが望ましい。
前記のごとく紡糸条件を適正に設定すれば、紡糸原液は
凝固液の抽出作用と冷却作用により急激に凝固し、凝固
液との接触面でポリスルホン樹脂の凝集が充分に発達す
ることができず、緻密な層のない構造の中空糸になる。
また紡糸原液のポリスルホン樹脂の濃度を約10〜17
%にするときには同一の紡糸原液を用いて、たとえば紡
糸原液の温度を変化させるだけで約0.01加から数ρ
の孔径を有するものまで容易に作製することができる。
通常、紡糸された紡糸原液の凝固液による凝固は、前記
凝固液による前記紡糸原液からの溶剤の抽出のみによっ
ておこる。しかるに本発明の製法では、ポリスルホン樹
脂の凝固は凝固液によって前記溶剤が抽出されるととも
に紡糸原液が冷却されてTc未満になり、それによって
凝固をおこすことが同時に進行しておこる。したがって
、本発明の製法では、前記溶剤抽出に起因する凝固作用
の観点から見たばあい、従来と異なり、凝固液として急
激な作用を有するものも、緩慢な作用を有するものも使
用することができる。しかしながら従来の方法では、急
激な溶剤抽出による凝固作用を有する凝固液を使用する
ばあい、前記凝固液と接触する表面は孔径が0.Ol−
未満の緻密な層となり、断面は比較的均一な網状組織と
はならず、表面から内部に向って網状組織の孔が次第に
大きくなるいわゆる非対称構造のものができる。一方、
緩慢な溶剤抽出による凝固作用を有する凝固液と接触す
るばあいには、従来の方法では中空糸全体が極めて透水
量の小さい、緻密な構造になる。その理由は、従来の方
法では凝固される紡糸原液にTcか存在しなかったり、
たとえ存在しても紡糸原液温度、内部凝固液、乾燥距離
内の中空糸と接する気体および外部凝固液の各温度の関
係が本発明の製法における条件と異なっているためであ
る。すなわち従来の方法では、凝固されるべき紡糸原液
の凝固は凝固液による溶剤の抽出のみにより行なわれる
からである。
外部凝固液に浸漬された中空糸は、引き続き中空糸中の
残存溶剤を除去するため水などに浸漬され、さらに必要
ならば乾燥せしめられる。
乾燥は作製した中空糸が変形しない約150℃以下で行
なうことが望ましい。
以上記載したように、本発明の中空糸状フィルターは簡
単な製法で作製され、内表面から外表面に至るまで孔径
が大きく、シたがって透水量も大きく、高温における蒸
気滅菌にたえ、機械的強度、耐薬品性および生体適合性
に優れており、一般用フィルターとしてまた医療用フィ
ルターとして利用価値の極めて高いものである。
以下実施例を用いて本発明のフィルターを具体的に示す
実施例1〜8、lO〜11 ポリスルホン樹脂(P−3500)13部(重量部、以
下同様)をプロピレングリコール29.5%とN−メチ
ル−2−ピロリドン(以下、NMPという) 70.5
%との混合溶剤87部に加え、110℃で3時間攪拌し
て溶解させた。前記溶液を減圧にして脱泡してえられた
紡糸原液(A)を第1表に示す条件で内径400虜、外
径600amの環状ノズルから3.4g /分で押出し
、同時に温度調節した内部凝固液を2.5cc/分で押
出して紡糸し、中空糸をえた。
えられた中空糸の特性を第1表に示す。
第1表のDi waxは顕微鏡を用いて観察した中空糸
内表面に存在する孔の最大短径、Dn waxは前記と
同様にして観察した中空糸断面の網状組織に存在する孔
の最大短径、Do waxは前記と同様にして観察した
中空糸外表面に存在する孔の最大短径を示す。
実施例9 ポリスルホン樹脂(P−3500)13部をプロピレン
グリコール28.7%とNMP71.396との混合溶
剤87部に加え、110℃で3時間攪拌して溶解した。
前記溶液を減圧にして脱泡したのち、えられた紡糸原液
(B)を第1表に示す条件で内径350JJ11、外径
550μmの環状ノズルから3.2g /分て押出し、
同時に温度調節した内部凝固液を1.l1lcc/分で
押出して紡糸し、中空糸をえた。
えられた中空糸の特性を実施例1と同様にして測定した
結果を第1表に示す。
E以下余白] 実施例12および比較例 内径300ρ、外径360崩で内表面、断面部分および
外表面の最大孔径がそれぞれ0.4遍、1ρおよびIJ
!mの中空糸を実施例1と同様の方法により作製した。
えられた中空糸150本を内径9■、外径13am、長
さ 160mmのポリカーボネートパイプに収納し、両
端をウレタン樹脂でポツティングした装置を作製した。
えられた装置を120℃で30分間蒸気滅菌したのち該
装置を用いて、バブルポイントおよび牛血の濾過性能を
測定した。
比較として、蒸気滅菌を行なわない装置を用いて上記と
同様にして、バブルポイントおよび生血の濾過性能を測
定した。
測定の結果、えられた装置の性能は蒸気滅菌の有無によ
る変化がなく、高温における蒸気滅菌にたえうろことが
わかった。また前記装置の外観も蒸気滅菌により変化し
なかった。
[発明の効果] 本発明の中空糸状フィルターは、ポリスルホン樹脂を用
いて作製したものであるため、耐熱性、機械的強度、透
水性、耐薬品性および生体適合性が良好であり、中空糸
の内面から外面まで厚さ全体にわたって最大孔径が0.
1〜5廓の網状組織にし、その内表面および外表面に網
状組織か開口してできた孔が存在し、かつ内表面には最
大孔径0.1−10−の不定形の孔、そして外表面には
最大孔径0.01〜5JEnの楕円もしくは円形の孔を
形成したものであるため、透水性(濾過性)の良好なも
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第7図は本発明の中空糸の繊維形状の観察写真
であり、第1図は本発明の中空糸の一実施態様の倍率1
00倍の断面形状観察写真、第2図は第1図に示した中
空糸断面の口内の外表面より部分の倍率1000倍での
断面形状観察写真、第3図は第1図に示した中空糸の倍
率5000倍の内表面形状観察写真、第4図は第1図に
示した中空糸の倍率1oooo倍の外表面形状観察写真
、第5図は第1図に示した中空糸断面の内表面に近い部
分を倍率10000倍で観察した形状観察写真、第6図
は第1図に示した中空糸断面の内表面と外表面との間の
中央部の倍率10000倍の形状観察写真、第7図は第
1図に示した中空糸断面の外表面に近い部分および外表
面を倍率10000倍で観察した形状観察写真、第8図
は本発明に用いる紡糸原液(P−350013,0%、
プロピレングリコール26,1%、NMP 80.9%
)に関する粘度と温度との関係を示すグラフ、第9図は
第8図に示す紡糸原液の溶剤の組成を変化させたときの
Tcの変化を示すグラフである。 蔓ン 、、′−1 第 ;ゾ 第 7 図 才8 図 漂 度じC)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 中空糸の内面から外面まで厚さ全体にわたって網状
    組織からなり、その最大孔径が0.1〜5μmであり、
    前記中空糸の内表面には網状組織の一部が開口してでき
    た最大孔径が0.1〜10μmの不定形の孔を有し、前
    記中空糸の外表面には網状組織の一部が開口してできた
    最大孔径が0.01〜5μmの楕円もしくは円形の孔を
    有するポリスルホン樹脂からなることを特徴とする中空
    糸状フィルター。
JP2090913A 1984-04-20 1990-04-04 中空糸状フイルター Expired - Lifetime JPH0636859B2 (ja)

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