JPH0326628B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は賞玉を一列で流下させる玉通路を有し
たケース部の上下に上方弁と下方弁を設け、これ
ら上方弁と下方弁をセーフ玉の発生と関係して移
動する作動部材により交互に開閉制御させて上方
弁より下方弁までの所定数の賞玉を放出するパチ
ンコ機の賞玉放出装置に関するものである。

従来、この種の賞玉放出装置は作動部材の移動
により上方弁と下方弁とをほぼ同時開閉制御する
ようにしているため、常に正確な作動が要求され
る上、やゝもすると所定数の賞玉の放出が確実に
行われない虞れがある。

本発明の目的は、セーフ玉の発生と関係的に移
動する作動部材を、上方弁を開閉制御する第１作
動体と下方弁を開閉制御する第２作動体の二部材
で形成し、これら第１作動体と第２作動体の移動
により上方弁と下方弁を時間差を保ちながら開閉
制御するようにして、賞玉の放出動作を正確かつ
確実に行うことができるパチンコ機の賞玉放出装
置を提供するにある。

以下図面を以つて本発明の一実施例を説明す
る。第１図はパチンコ機の概略裏面図であり、１
は遊技盤、２はその裏面に設置される機構板で、
これの上方位置には賞玉タンク３が配設され、賞
玉タンク３から賞玉を導き出す導出樋４の下端に
ケース部５が取付けられる。ケース部５の下端は
パチンコ機の下方裏面に設けた玉皿に連通する賞
玉排出樋６に接続する。７は遊技盤面上の入賞口
に入つたセーフ玉を集める集合部であつて、該集
合部７に集められたセーフ玉はセーフ玉排出通路
８に流れ出てセーフ玉排出装置９に導かれる。

第２図は本発明装置の要部を示す斜視図であ
り、前記ケース部５は賞玉が１列に流下する玉通
路１０を前後２列に設けた垂直筒型に形成されて
いる。そして、ケース部５の一側面は上下方向に
多数の筒状突起１１を等間隔で突設して形成さ
れ、これら筒状突起１１によつて外部と玉通路１
０とを連通する多数の挿入間隙１２を区画形成し
ている。挿入間隙１２は賞玉の直径に等しいピツ
チで設けられ、かつその挿入間隙１２の略中心位
置に賞玉と賞玉の接触部が対応する。

また、ケース部５の上下には上方弁１３と下方
弁１４が設けられる。上方弁１３はレバー部１３
ａとケース部５の挿入間隙１２に出入する爪片１
３ｂを一体に設けて形成し、レバー部１３ａの一
端を所定位置の筒状突起１１に挿通した軸１５に
軸支している。下方弁１４はケース部５の玉通路
１０末端を閉塞自在とする弁片１４ａと係合縁部
１４ｂを有した重錘片１４ｃとを設けて形成し、
これの略中央をケース部５の下方に突設した軸１
６によつて回転自在に軸支する。

１７は挿入間隙１２を形成したケース部５の一
側面に沿つて上下移動自在に設けた作動部材であ
つて、中央部分に開口部１８を設けて枠状に形成
した第１作動体１７ａと、この第１作動体１７ａ
の開口部１８に移動可能に保持される第２作動体
１７ｂとの二部材で形成されている。第１作動体
１７ａは上端に形成した縦長孔１９を機構板２に
突設したガイドピン２０に挿入して上下移動自在
に取付けられており、下端にはセーフ玉によつて
上動されるセーフ玉排出装置９の縦ロツド２１上
端を枢支連結している。２２は第１作動体１７ａ
の側面に接触するガイドローラで、これの軸２３
に第１作動体１７ａを下方へ引下げるコイルばね
２４が装着されている。また、第１作動体１７ａ
の下端近くには略Ｌ状に屈曲した係止レバー２５
の一端が枢支連結されている。係止レバー２５は
屈曲部において軸２６により回動自在に軸支さ
れ、これの他端には下方弁１４の係合縁部１４ｂ
に係合するピン部材２７を有する。

前記下方弁１４は重錘片１４ｃにより常時は玉
通路１０の末端を塞ぐ第３図の位置に回動付勢さ
れ、この状態において係止レバー２５のピン部材
２７が係合縁部１４ｂに係合してその位置に係り
止め玉通路１０内の賞玉が流下するのを阻止して
いる。

前記第２作動体１７ｂは上下方向に筒状の軸支
部２８を多数有し、第１作動体１７ａの開口部１
８に形成された摺動溝２９に軸支部２８を臨ませ
て上下移動可能に装着されており、その軸支部２
８の一つに上方弁１３のレバー部１３ａの他端を
軸３０によつて枢支連結している。また、第２作
動体１７ｂはこれと第１作動体１７ａに連結した
コイルばね３１によつて常時開口部１８の上方位
置に一体に弾圧保持されており、この状態におい
て上方弁１３の爪片１３ｂ先端は玉通路１０から
退避した位置に置かれる。尚、上方弁１３の取着
位置を適宜選ぶことによつて放出すべき賞玉数量
が自由に決定される。

次に本発明の作用を説明する。セーフ玉排出装
置９の縦ロツド２１が作用していないときは第１
作動体１７ａがコイルばね２４によつて第３図に
示す下降位置にあり、係止レバー２５のピン部材
２７が下方弁１４の係合縁部１４ｂに係合して該
下方弁１４を玉通路１０の末端を塞ぐ位置に係り
止めると同時に第２作動体１７ｂもコイルばね３
１の作用によつて第１作動体１７ａと共に下降
し、上方弁１３の爪片１３ｂ先端が玉通路１０の
外方に位置する。したがつて、導出樋４を流下す
る賞玉Ｂが玉通路１０に送られ下方弁１４の弁片
１４ａに乗つて流れが阻止される。

この状態でセーフ玉が発生してこれと関係的に
セーフ玉排出装置９の縦ロツド２１が上昇すると
第１作動体１７ａはコイルばね２４の力に抗して
上昇し、第２作動体１７ｂもコイルばね３１の作
用によつて第１作動体１７ａに弾圧保持されつつ
共に上昇する。この上昇過程において第１作動体
１７ａの上昇に伴ない係止レバー２５が軸２６を
支点として反時計方向に回動し、そのピン部材２
７が第４図に示す下方弁１４の係合縁部１４ｂか
ら外れる直前に第２作動体１７ｂの上昇で上方弁
１３が軸１５を支点に回動し、その爪片１３ｂを
第４図に示すようにケース部５の挿入間隙１２か
ら玉通路１０内に突出させてその爪片１３ｂより
上方の賞玉の流下を阻止する。この状態において
上方弁１３の爪片１３ｂ下側が筒状突起１１に衝
突するため第２作動体１７ｂの上昇は阻止され停
止する。一方、第１作動体１７ａはコイルばね２
４，３１に抗してさらに上昇し、第５図のように
係止レバー２５をピン部材２７が下方弁１４の係
合縁部１４ｂから外れる位置まで回動させる。こ
れによつて、下方弁１４はその弁片１４ａに乗る
賞玉Ｂの重量によつて第５図のように回動して玉
通路１０の末端を開き、上方弁１３の爪片１３ｂ
より下方の賞玉Ｂを賞玉排出樋６に放出する。

そして、下方弁１４は賞玉Ｂの放出が終了する
と同時に玉重量から解放されて重錘片１４ｃの作
用により第３図の位置に戻り、また、第１作動体
１７ａは縦ロツド２１の押上げから解放されてコ
イルばね２４の作用により下降し、係止レバー２
５を時計方向に回動させてそのピン部材２７によ
り下方弁１４の係合縁部１４ｂを係り止め、同時
に第２作動体１７ｂも第１作動体１７ａと共に下
降して上方弁１３を第３図の位置に回動させて玉
通路１０内に賞玉Ｂを供給し次の賞玉放出動作に
備える。

以上説明したように本発明は、上方弁１３より
上方の賞玉を完全に止めてから下方弁１４を開け
て上方弁１３より下方の賞玉を放出する如く上方
弁１３と下方弁１４を時間差を設けて開閉制御す
るようにしたものであるから、定量数の賞玉の放
出動作を正確かつ確実に行うことができる。ま
た、上方弁１３の爪片１３ｂが玉通路１０内の賞
玉につかえて玉止めが完全に行われないような事
態が生じても第１作動体１７ａの上方への移動が
可能なため下方弁１４を開かせることができ、上
記現象によつて賞玉の放出動作が不能になるが如
き従来装置の欠点を解消することができる等の利
点がある。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示すもので、第１図は
パチンコ機の概略裏面図、第２図は要部の斜視
図、第３図乃至第５図は本発明の作用を説明する
正面図。第６図は作動部材の分解斜視図である。 ５……ケース部、１０……玉通路、１３……上
方弁、１４……下方弁、１７……作動部材、１７
ａ……第１作動体、１７ｂ……第２作動体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 賞玉を一列で流下させる玉通路を有したケー
   ス部の上下に上方弁と下方弁を設け、これら上方
   弁と下方弁をセーフ玉の発生と関係して移動する
   作動部材に連動させて交互に開閉させるようにし
   た賞玉放出装置において、 前記作動部材を、下方弁を開閉制御する第１作
   動体と上方弁を開閉制御する第２作動体との二部
   材で形成すると共に、第１作動体に第２作動体を
   上下移動自在に取付け、 前記第１作動体は、上昇位置で下方弁の係止を
   解除してケース部の賞玉を放出すると共に、前記
   第２動作体は、第１作動体の上昇過程で上方弁を
   ケース部の玉通路に突入させて上方の賞玉の流下
   を阻止するように構成し、 それによつて、上方弁と下方弁とを時間差を設
   けて開閉制御するようにしたことを特徴とするパ
   チンコ機の賞玉放出装置。