JPH03266219A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野コ 本発明は磁気記録媒体の製造方法に関する。更に詳細に
は、本発明はカッピングの少ない磁気記録媒体の製造方
法に関する。

［従来の技術］ 従来、非磁性基体上に磁性粉をバインダとともに塗布し
た、いわゆる塗布型磁気記録媒体では、その溶剤乾燥時
の収縮応力が磁性層とバックコート層の両方に発生し、
それらが釣り合っているために媒体は変形しない。

しかし、金属薄膜型の磁気記録媒体、特にテープ状の媒
体では、前記収縮応力がバックコート層のみに発生する
ために、カッピングと称される幅方向での湾曲が発生す
ることが知られている。このようなカッピングが生じる
と、磁気ヘッドに対するコンタクトが悪くなり、正常な
記録再生が不可能となる虞れがある。

［発明が解決しようとする課題］ この発明は、上記従来の薄膜型磁気記録媒体が持ってい
たカッピングの問題を解決し、以てカッピング量が小さ
（、ヘッドコンタクトに優れた薄膜型磁気記録媒体を提
供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 前記目的を達成するために、本発明では、非磁性支持体
の一方の面に金属磁性薄膜を有し、他方の面にバックコ
ート層を有してなる磁気記録媒体の製造方法において、
バックコート層形成後に、バックコート面を外側にして
巻き取った状態で熱処理することを特徴とする磁気記録
媒体の製造方法を提供する。

熱処理はバックコート面を外側にして巻き取った状態で
５０〜８０℃の乾熱雰囲気に維持することにより行うこ
とが好ましい。

［作用コ 媒体をコアに巻き取った状態で熱処理を行うと、磁性層
・バックコート層よりも熱収縮率の大きい非磁性支持体
の影響により、媒体全体に引っ張り力が作用する。この
際、支持体の外側と内側では、その微少な円周の違いに
よって、外側に作用する力の方が大きくなる。今、バッ
クコート面を外側にして熱処理を行うと、前記、収縮応
力と引っ張り力がある程度相殺されて、内側と外側に作
用する力がほぼ等しくなり、カッピングが生じにくくな
ることが発見された。一方、磁性層面を外側にすると両
側に作用する力の差が大きくなるために、カッピングが
生じやすくなる。

熱処理は５０℃〜８０℃の範囲内の温度の乾熱雰囲気中
で０行うことが好ましい。処理時間は特に限定されない
が、短時間に急激に加熱することは好ましくない。一般
的な指標として、前記温度範囲内で、１２時間〜４８時
間にわたりゆっくりと行うことが好ましい。熱処理雰囲
気は大気でもよいし、あるいは窒素またはアルゴンなど
の不活性ガス雰囲気を使用することもできる。

熱処理温度が５０℃未満の場合、非磁性支持体の熱収縮
が起こらないためにバックコート側のみ収縮し、カッピ
ングが発生する。一方、８０℃超の温度ではバックコー
ト層中の有機バインダに悪影響を与えるので好ましくな
い。

実際の熱処理を行うには、例えば、バックコート層が外
側になるように巻き取られた磁気テープ原反を密閉可能
な処理室に収納し、この状態で５０〜８０℃の乾熱雰囲
気に曝すことにより実施できる。

本発明の磁気記録媒体における磁性層は強磁性金属をベ
ーパデポジション法により非磁性支持体の表面に被着さ
せることにより形成される。従って、本発明の媒体は、
いわゆる薄膜型媒体である。

塗布型媒体では前記のようなカッピングの問題は余り起
こらない。

本発明の磁気記録媒体における磁性膜の形成に使用され
る強磁性体は例えば、ｃｏｌＮｉまたはＦｅあるいはこ
れらの合金類（例えば、Ｃｏ−Ｎ１ｖ　Ｃｏ−Ｆｅｅ　
Ｃｏ−Ｎｉ−Ｆｅなど）である。また、ベーパデポジシ
ョン法とは、真空蒸着法、スパッタ法、イオン・ブレー
ティング法、クラスタ・イオンビーム法、プラズマ重合
法等である。

磁気テープの裏面にバックコート層を設けることは公知
である。磁気テープにバックコート層を設けるのは、テ
ープを巻く際に空気の噛み込みを防止したり、巻きの電
気抵抗を下げるためである。

テープ裏面の損傷防止の目的はない。

本発明で使用できるバックコート層形成材料は特に限定
されない。例えば、従来から磁気テープ用に使用されて
きたバックコート層形成材料ならば本発明でも全て好適
に使用できる。このようなバックコート層形成材料自体
は当業者に周知である。

本発明におけるバックコート層の厚さも特に限定されな
い。バックフート層の最適な厚さは表側に形成される磁
気記録層の厚さ、非磁性基体の種類および厚さ、保護層
の有無、バックコート層の形成方法などの様々な要因を
考慮して適宜決定することができる。

バックコート層の形成材料および形成方法は特に限定さ
れない。例えば、従来から磁気テープ用に使用されてき
たバックコート層形成材料および形成方法ならば本発明
でも全て好適に使用できる。

本発明の磁気記録媒体としては、一般的にポリエチレン
テレフタレート、ポリエステルフィルム、ポリイミドフ
ィルムなどの合成樹脂フィルムを基体とする磁気テープ
であるが、磁気ディスクにも応用できる。

［実施例］ 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。

尖１１１［ 厚さ１０８ｍのポリエステルフィルム３上に、厚さ２０
００人の斜め蒸着磁性層２を形成した後に、フィルム裏
面に、厚さ０．８μｍになるようにバックコート１を塗
布し、第１図に示すようにバックコート面１が外側にな
るように巻き上げた。

次に、これを６０℃、３０％ＲＨの乾熱雰囲気中で２４
時間熱処理し、８ミリ幅にスリットして磁気テープを作
成した。

比致１１− 第２図に示すように、磁性面２が外側になるように巻き
上げて熱処理した以外は実施例１と同様にして磁気テー
プを作成した。

止佼涯２ 熱処理温度を４０℃とした以外は、実施例１と同様にし
て磁気テープを作成した。

以上の実施例および各比較例で得られた磁気テープにつ
いて第３図に示す方法でカッピング量を測定し、さらに
８■＋５ＶＴＲにカラーバー信号を記録して第４図のよ
うに再生出力変動（ａ−ｂ）を測定した。結果を下記の
表１に示す。

表１に示された結果から明らかなように、バックコート
層を外側にして巻き取ってから５０〜８０℃の温度の乾
熱雰囲気中で熱処理すると、カッピングおよび再生出力
変動ともゼロである。バックコート層を外側にして巻き
取っても、乾熱処理温度が低いとカッピングの発生抑制
効果は低い。

従来のように磁性面を外側にして巻き取り、乾熱処理す
るとカッピングが大きくなり、これにつれて再生出力変
動も大きくなる。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明の方法によれば、バックコ
ート層を外側にして巻き取った状態で５０〜８０℃の乾
熱雰囲気中で熱処理することにより、媒体のカッピング
量が小さくなり、よってヘッドコンタクトの良好な磁気
記録媒体を製造することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の方法による熱処理方法の一実施例を示
す模式図であり、第２図は比較例１の熱処理方法を説明
する模式図であり、第３図はカッピング量（ｈ）を説明
するための概略的な断面図であり、第４図は再生出力変
動測定方法の説明のためのテープ再生出力波形を模式的
に示す波形図である。 １・・・バックコート層、２・・・強磁性金属薄膜層。 ３・・・非磁性支持体

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）非磁性支持体の一方の面に金属磁性薄膜を有し、
   他方の面にバックコート層を有してなる磁気記録媒体の
   製造方法において、バックコート層形成後に、バックコ
   ート面を外側にして巻き取った状態で熱処理することを
   特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
2. （２）前記熱処理はバックコート面を外側にして巻き取
   った状態で５０〜８０℃の乾熱雰囲気に維持することに
   より行うことを特徴とする請求項１記載の磁気記録媒体
   の製造方法。