JPH0326232Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、建造物の出入口等の開口部に建付け
られる建築用シヤツターのスラツト構造に関する
ものである。

〔従来技術及び考案が解決しようとする問題点〕

一般に、この種建築用シヤツターのなかには、
スラツトを、左右方向に長く延びる横枠を用いて
形成したものがあるが、この場合、シヤツターカ
ーテンを巻取りドラムに巻き取れるべく屈曲自在
となるようにする必要性や防犯上の観点等の理由
から、上下の横枠間を縦枠で吊り込むことによつ
て格子状に形成していた。しかるに従来、この縦
枠はいずれも横枠の前後厚内に収まるようになつ
ていたので、強度的にも未だ充分とはいえないう
えに、スラツト巻取りドラムに巻き込まれた際
に、横枠自体が他の重合するスラツトに接当して
しまうので、横枠全体が傷つきやすく、僅かの使
用でも見苦しい程になつてしまうこともしばしば
あり、さらに、横枠間に介装されるパネル板は、
縦枠によつて分断された構造になつているので、
気密性、作業性に劣るなどの欠点もあり、問題と
なつていた。

〔問題を解決する手段〕

本考案は、上記の如き実情に鑑みこれらの欠点
を一掃することができるパネルシヤツターのスラ
ツト構造を提供することを目的として創案された
ものであつて、開口部の開閉作動を行なうシヤツ
ターカーテンのスラツトを、互いに回動自在に連
結可能な雄雌型のインターロツク部を有する上下
の横枠と、該上下横枠の一面側に位置して上下横
枠に形成の係合溝に係合することで、取付けられ
るパネル体と、上下横枠の他面側に位置して上下
横枠に形成の係合溝に係合することで、横枠の他
側面から突出する突出部を存する状態で所定間隔
を存して取付けられる縦枠とを用いて形成したこ
とを特徴とするものである。

そして本考案は、この構成によつて、上下の横
枠間に縦枠を支架せしめてスラツトを補強するよ
うにしたものでありながら、スラツトを強固に補
強できるばかりでなく、巻取り時におけるスラツ
ト同志の接触によつて横枠が見苦しい程に傷が付
いたりすることがないようにしたものである。

〔実施例〕

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。図面において、１は建築用シヤツターのシヤ
ツターカーテンであつて、該シヤツターカーテン
１は、シヤツターケース２に内装された図示しな
い巻取ドラムに巻装されており、かつガイドレー
ル３にガイドされることによつて上下開閉作動を
し開口部の開放、閉鎖を行なうようになつている
ことはいずれも従来通りである。

４は上記シヤツターカーテン１を構成するスラ
ツトであつて、該スラツト４は、左右方向に延び
る上下の横枠５，６、該横枠５，６間に適当な間
隔を存して、シヤツターカーテン１の後面側（背
面側）において支架せしめられる縦枠７、前面側
において支架せしめられるパネル体８等によつて
構成されるものである。即ち、上横枠５には、上
縁に雌型のインターロツク部９が、前後面には係
合溝１０，１１がそれぞれ形成されている。一
方、下横枠６には、下縁に雄型のインターロツク
部９ａが、前後面には係合溝１２，１３がそれぞ
れ形成されている。そして両横枠５，６は、前面
側の各係合溝１０，１２に、パネル体８の上下両
縁部に折曲形成した側面視においてフツク状の係
合辺８ａ，８ｂを係合せしめ、後面側の係合溝１
１，１３に、縦枠７の上下両端部に形成の係合部
７ａ，７ｂを係合せしめることによつて、横枠
５，６の後面より突出する突出部７ｃを存する状
態で一体的に連結され、この様にしてスラツト４
が構成されるものであるが、さらに後面側の係合
溝１１，１３には、各縦枠７間に介装される状態
でライナー１４が嵌着せしめられるようになつて
いる。そしてこの様に構成されたスラツト４は、
隣接するスラツト４において、上下のインターロ
ツク部９，９ａを雄雌嵌合することで揺動自在に
連結され、これを必要枚数のスラツト４について
行なうことにより、シヤツターカーテン１が形成
されるようになつている。

尚、横枠５，６にはビスポケツト５ａ，６ａが
形成されており、これを利用してスラツト４の左
右両端部に抜止め金具（図示せず）を螺着できる
ようになつている。

叙述の如く構成された本考案の実施例におい
て、巻取ドラムの正逆回動によつてシヤツターカ
ーテン１がガイドレール３を上下昇降動し、開口
部の開閉を行なうものであるが、このシヤツター
カーテン１を構成するスラツト４は、上下一対の
横枠５，６と、該横枠５，６間に介装される前面
側のパネル体８、並びに後面側の縦枠７とによつ
て形成されることとなり、かつこの様にして形成
される複数のスラツト４は、横枠５，６に形成し
たインターロツク部９，９ａを互いに上下にイン
ターロツク結合して連結せしめることによつてシ
ヤツターカーテン１を構成せしめることになり、
従つて、横枠５，６を存する横枠方式のシヤツタ
ーカーテン１でありながら、そのスラツト構造を
簡略化することができる。

しかも、上下横５，６間に介装される縦枠７
は、横枠５，６の後面よりも突出した状態で横枠
５，６に嵌着固定されているもので、シヤツター
カーテン１が巻取ドラムに巻取られた際、縦枠７
が内外に重なり合うスラツト４の横枠同志の接触
を防止することになり、従つて、横枠５，６をア
ルミニウムの如き傷付き易いもので作成したとし
ても、長期に亘つて傷のない見栄えのあるものと
することができる。さらにスラツト４は、前面側
が一枚状のパネル体８によつて形成されているの
で、従来、この種の横枠を使用した横枠方式のス
ラツトにおいては、パネル体は縦枠間で区切つた
短ピツチのものであつて、気密性、作業性等に劣
つていたものを、気密性、作業性等に極めて優
れ、かつ大幅な部品点数の減少が計れるなどの利
点があり、コストダウンは勿論、品質を大きく向
上することができる。そのうえ、パネル体８によ
つてシヤツターカーテン１における平面（表面）
占有面積が増加するので、外観形状が優れて意匠
性も向上するうえに、横枠５，６を使用したリン
ク方式のスラツト４でありながら、シヤツターカ
ーテン１の全面が略面一状になつて、ここに宣伝
等を描くこともできる。

尚、本考案において使用されるパネル体は、帯
鋼を折曲形成したり、あるいはポリカーボネート
樹脂等の樹脂材（透明、半透明、あるいは不透明
であつてもよい）等の部材を使用することがで
き、また横枠はアルミニウム、ステンレス等の金
属が強度的に好ましく、さらに縦枠については、
横枠の傷付き防止をするために、例えばABS樹
脂（アクリロニトリル、ブタジエンおよびスチレ
ンからなる樹脂）等の部材を使用することができ
る。

さらに本考案の他の実施例としては、第５図に
示す如くパネル体８と縦枠７との対向間隔を開け
たもの、第６図に示す如く縦枠７を、横枠５，６
の互いに対向する面に形成した係合溝１１，１３
に係合せしめるようにしても良いものである。

〔作用効果〕

以上要するに、本考案は叙述の如く構成したも
のであるから、スラツトは、上下の横枠、一面側
のパネル体及び他面側の縦枠とによつて、横枠方
式のものでありながらその構造を極めて簡略なも
のとすることができる。しかも上下の横枠は、他
面側の縦枠が、他面よりも突出部を存する状態で
連結されることとなり、従つて、シヤツターカー
テン巻取時に、この突出部によつて横枠やパネル
体が直接接触し合つて傷付いてしまうことを確実
に防止することができる。しかも、パネル体は、
左右方向に長い一枚状のものを使用できるので、
気密性は勿論、外観的にも優れ、かつ部品点数の
大幅な減少を計り得て、生産性の向上、コストダ
ウンに大きく寄与することができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係る建築用シヤツターのスラ
ツト構造の実施例を示したものであつて、第１図
は建築用シヤツターの概略背面図、第２図はシヤ
ツターカーテンの要部斜視図、第３図は第２図の
Ａ−Ａ断面図、第４図は同上Ｂ−Ｂ断面図、第５
図は第二実施例の縦断面図、第６図は第三実施例
の縦断面図である。 図中、１はシヤツターカーテン、２はシヤツタ
ーケース、３はガイドレール、４はスラツト、
５，６は上下の横枠、７は縦枠、７ａ，７ｂは係
合部、７ｃは突出部、８はパネル体、８ａ，８ｂ
は係合辺、９，９ａはインターロツク部、１０，
１１，１２，１３は係合溝、１４はライナーであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 開口部の開閉作動を行なうシヤツターカーテン
   のスラツトを、互いに回動自在に連結可能な雄雌
   型のインターロツク部を有する上下の横枠と、該
   上下横枠の一面側に位置して上下横枠に形成の係
   合溝に係合することで、取付けられるパネル体
   と、上下横枠の他面側に位置して上下横枠に形成
   の係合溝に係合することで、横枠の他側面から突
   出する突出部を存する状態で所定間隔を存して取
   付けられる縦枠とを用いて形成したことを特徴と
   する建築用シヤツターのスラツト構造。