JPH0326222Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、オーバーヘツドドアの安全装置に係
り、詳しくは、ワイヤーロープを受ける回転ロー
ラを備えた検出体と、該検出体の検出によつて作
動するスイツチとからなる検出装置をアタツチメ
ントとして構成し、該検出装置を既設のオーバー
ヘツドドアに装備できるようにしたことにより、
ワイヤーロープに緩みが生ずる異常状態を検出し
て危険を未然に防止することができる安全装置に
係るものである。

一般に、巻取軸にワイヤードラムを介して巻回
したワイヤーロープを扉体の下端部に装着し、ワ
イヤーロープの巻上げ巻戻しにより扉体を開閉す
るこの種オーバーヘツドドアでは、巻取軸に巻装
したコイル弾機の慣性力と扉体の重量とが協働し
て、円滑に扉体を開閉することができるものであ
るが、扉体の下方に障害物があるのに気付かず扉
体を下降させた場合には、扉体が障害物に当接し
て停止しても、ワイヤードラムを装着した巻取軸
は、スイツチを切るまで回転を続けるためワイヤ
ーロープが更に繰り出されて緩みを生ずる。この
ため、障害物を扉体の下から不用意に取除くと、
扉体がワイヤーロープの緩み分だけ急激に落下し
て極めて危険である許りでなく、緩みを生じたワ
イヤーロープを巻取軸で巻上げると、ワイヤーロ
ープがドラムから外れて巻取軸にからみ、ワイヤ
ーロープを損傷する欠点がある。

そこで、シヤツターを開閉作動させるワイヤー
ロープに検出装置を装備し、該装置によつて駆動
装置のスイツチを作動させ、扉体を停止させるよ
うにした安全装置が、本出願人によつて提案（実
公昭56−15355号、考案の名称「シヤツターの用
ワイヤロープ緩み検出装置」）されたが、このも
のは、上下方向のアームに２個のローラを配置
し、それぞれを摺動自在にしてそれらの間にワイ
ヤーロープを斜めに張設し、アームの回動によつ
てワイヤーロープの緩みを検知する構造とした検
知装置であるから、装置の構造が勢い複雑である
ばかりでなく、ローラーからの脱線の惧れがあつ
て作動の信頼性に劣り、しかも、平常時にもワイ
ヤーロープに不自然な屈曲を与えて損傷させる欠
点があつた。

本考案は、上記の如き実状に鑑み、これらの欠
点を一掃すべく創案されたものであつて、その目
的とするところは、この種オーバーヘツドドアに
おいて、ワイヤーロープの緩みを検出する検出装
置をアタツチメントとして構成し、これを既設の
オーバーヘツドドアのワイヤードラムの下方で、
かつワイヤーロープの通過軌跡上に位置させて装
備したことにより、ドアを吊上げているワイヤー
ロープの緩みを的確に検出し、それに基いてドア
の下降を停止させ、もつて人身事故を未然に防止
すると共に、ワイヤーロープがワイヤードラムか
ら脱落して巻取軸にからむのを防止することがで
きるオーバーヘツドドアの安全装置を提供しよう
とするものである。

本考案の構成を図面に示された一実施例につい
て説明すれば、１は複数のパネル１ａを回動自在
に連結してなるオーバーヘツドドアの扉体、２は
そのガイドレールであつて、オーバーヘツドドア
の扉体１はその両側下端に装着されたワイヤーロ
ープ３の巻上げ巻戻しにより開閉されるものであ
る。４は電動によるドア開閉機、５はワイヤード
ラムであつて、コイル弾機を巻装した巻取軸５ａ
に固定されており、上記ワイヤーロープ３はワイ
ヤードラム５に巻込まれるようになつている。６
は構造体に支持されたワイヤードラム５に下方に
設置されたワイヤーロープ３の緩み検出装置であ
つて、この検出装置６は、ワイヤーロープ３の下
方への通過軌跡上にアタツチメントとして保持枠
１５によつて構造体に支持され、構成部材として
は、円筒状の回転ローラ７を軸支した枠形の検出
体８と、開閉機４を制御するスイツチ９と、検出
体８の両端部と前記保持枠１５とを係着する一対
の水平の支持軸１０とからなつている。検出体８
は、圧縮スプリング１１によつて、ワイヤーロー
プ３を押圧する方向に支持軸１０に移動自在に弾
持してあり、回転ローラ７はその支軸方向にワイ
ヤーロープ３との摺接面を有し、ワイヤーロープ
３に摺接して回転するように検出体８に軸支して
ある。上記圧縮スプリング１１は、ワイヤーロー
プ３が緊張状態で検出体８が後退し、かつワイヤ
ーロープ３が緩むと検出体８が前進する弾発力を
有するものである。検出体８にはスイツチ作動片
１２が取付けられており、検出体８の前進、後退
によつて山形の作動部と谷形の開放部を形成した
スイツチ作動片１２がスイツチ９のアクチユエー
タ１３に作用し、該スイツチ９が切替えられるよ
うになつている。１４は圧縮スプリング１１の弾
発力調整ナツト。

叙上の如く構成された本考案の作用について説
明すれば、ドア開閉機４を作動させてワイヤーロ
ープ３をワイヤードラム５に巻込むと、オーバー
ヘツドドア１が吊上げられて開き、ワイヤーロー
プ３をワイヤードラム５から繰出すと、オーバー
ヘツドドアの扉体１が下降して閉じる。そして、
オーバーヘツドドア１が正常に開閉している場合
には、ワイヤーロープ３は緊張状態を保つている
が、オーバーヘツドドア１が下降中に、その下端
に障害物がはさまると、オーバーヘツドドア１は
下降ができなくなる。

ところが、ドア開閉機４は駆動を続けるので、
ワイヤーロープ３は更にワイヤードラム５から繰
出されて緩みを生ずる。するとワイヤーロープ３
の緊張力によつて支えられていた検出体８がその
緩みを検出し、その支持軸１０に装着したスプリ
ング１１によつて矢印方向に水平移動して保持枠
１５に当つて停止する。このときスイツチ作動片
１２がスイツチ９のアクチユエータ１３に作用
し、スイツチ９をおし下げてドア開閉機４の駆動
を停止させるが、この場合検出体８のアクチユエ
ータ１３が下方に回動するまでの時間は極めて短
いので、ワイヤーロープ３が緩んでワイヤードラ
ム５から外れることはない。したがつて、改めて
オーバーヘツドドアの扉体１を開放すべくドア開
閉機４を駆動させれば、ワイヤーロープ３が巻取
軸５ａにからまることなく円滑に上昇させること
ができ、安全に障害物を除去することができる。
なお、上記実施例においては、スイツチ９が作動
した場合に、開閉機４の駆動を停止させる場合に
ついて説明したが、例えば、スイツチ９が作動し
た場合に、直ちにオーバーヘツドドア１を反転上
昇させ全開状態で停止させたり、任意の高さだけ
上昇させて停止させたり、あるいは任意の高さの
範囲で上昇下降をくりかえさせて障害物があるこ
とを遠隔操作室の操作盤に表示するなど、種々の
システムをとることができることはいうまでもな
い。

これを要するに、本考案は、複数のパネルを連
設して、開口部の両側から室内上方に延設したガ
イドレールに沿つて昇降させる扉体を形成し、巻
取軸に固着したワイヤードラムと扉体の下端部と
の間にワイヤーロープを張設して扉体を開閉する
オーバーヘツドドアを構成すると共に、開口部上
方位置に、ワイヤーロープの緩みによつて作動す
る検出装置を配設したオーバーヘツドドアの安全
装置において、上記検出装置は、円筒形の回転ロ
ーラを回転可能に軸支した検出体と、該検出体を
ワイヤーロープ側に向けて移動可能に支持する一
対の支持軸と、該支持軸に嵌挿され、検出体をワ
イヤーロープを押圧する方向に弾持する圧縮弾機
とによつて構成し、前記回転ローラーは、ワイヤ
ーロープが鉛直状態で摺接するように配設したか
ら、オーバーヘツドドアが下降中に障害物に当つ
てワイヤーロープに緩みが生じた場合には、これ
を直ちに検出し、その検出結果に基いてオーバー
ヘツドドアの下降を停止させることができ、人身
事故を未然に防止することができる許りでなく、
ワイヤーロープがワイヤードラムから脱落して巻
取軸にからむのを防止することができるうえ、上
記ワイヤーロープに長さを有する円筒状の回転面
で摺接する回転ローラを軸支する検出体と、該検
出体の水平移動によつて作動するスイツチとから
なる検出装置は、構造が簡単であるばかりでな
く、ワイヤーロープのローラーからの脱線の惧れ
がなくて作動の信頼性に優れ、しかも、ワイヤー
ロープの損傷の惧れがなく、平常時にはワイヤー
ロープがほぼ鉛直性を保持するように、かつワイ
ヤーロープの通過軌跡上に位置させて装備したの
で、該検出装置をアタツチメントとして構成する
ことができ、既設のオーバーヘツドドアに容易に
装備できる許りか、ワイヤーロープの押圧弾力の
調節やメンテナンスも簡単に行える等極めて有用
な実用的効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るオーバーヘツドドアの安全
装置の一実施例を示すものであつて、第１図は一
部の側面図、第２図は同上正面図、第３図は要部
の側面図、第４図は同上平面図である。 図中、１はオーバーヘツドドア、２は案内レー
ル、３はワイヤーロープ、４はドア開閉機、５は
ワイヤードラム、６はワイヤーロープ３の緩み検
出装置、７は回転ローラ、８は検出体、９はスイ
ツチ、１０は支持軸、１１は圧縮スプリング、１
２はスイツチ作動片、１３はアクチユエータ、１
４は圧縮スプリングの弾発力調整ナツト、１５は
保持枠である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数のパネルを連設して、開口部の両側から室
   内上方に延設したガイドレールに沿つて昇降させ
   る扉体を形成し、巻取軸に固着したワイヤードラ
   ムと扉体の下端部との間にワイヤーロープを張設
   して扉体を開閉するオーバーヘツドドアを構成す
   ると共に、開口部上方位置に、ワイヤーロープの
   緩みによつて作動する検出装置を配設したオーバ
   ーヘツドドアの安全装置において、上記検出装置
   は、円筒形の回転ローラを回転可能に軸支した検
   出体と、該検出体をワイヤーロープ側に向けて移
   動可能に支持する一対の支持軸と、該支持軸に嵌
   挿され、検出体をワイヤーロープを押圧する方向
   に弾持する圧縮弾機とによつて構成し、前記回転
   ローラーは、ワイヤーロープが鉛直状態で摺接す
   るように配設してあることを特徴とするオーバー
   ヘツドドアの安全装置。