JPH03259416A - 磁気記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は磁性粉末として金属磁性粉末を使用する磁気
記録媒体に関し、さらに詳しくは摩擦係数が小さくて走
行安定性および耐久性に優れた前記の磁気記録媒体に関
する。

〔従来の技術〕

一般に、ポリエステルフィルムなどの基体上に磁性粉末
、結合剤成分、有機溶剤およびその他の必要成分からな
る磁性塗料を塗着してつくられる磁気記録媒体は、記録
再生時に磁気ヘッド等と接触しながら走行するため、磁
性層の摩擦係数が小さくて走行安定性に優れていること
が要求され、特に、磁性粉末としてα−Ｆｅなとの金属
磁性粉末を使用した磁性層は、従来の酸化鉄磁性粉末を
使用した磁性層に比べて摩擦係数が大きく、走行時に振
動が生したりして、ヘッドタッチが不安定になるため、
磁性層の摩擦係数を極力小さくして、走行安定性を良好
にすることが要求される。

このため、金属磁性粉末を使用した磁性層中にミリスチ
ン酸等の高級脂肪酸や、ステアリン酸−ｎ−ブチル等の
脂肪酸エステルを混入すること（特公平１−３５４０８
号）が行われており、また、Ｃｒｙ、粉末を磁性粉末と
して用いるコンピュータ用磁気テープにおいては、トリ
デシルステアレートを使用すること（米国特許第４３０
３７３８号）が試みられている。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところが、金属磁性粉末を使用した磁性層に使用される
ミリスチン酸やステアリン酸−ｎ−ブチル等は、シリン
ドリカルヘッドに対する潤滑剤であって、シリンドリカ
ルヘッドに対しては優れた効果を発揮するが、固定ヘッ
ドを高速走行させるコンピュータ用磁気テープには適さ
ず、走行安定性が充分に改善されない。

また、Ｃｒ○２粉末を磁性粉末として用いるコンピュー
タ用磁気テープに使用されるトリデシルステアレートは
、金属磁性粉末と併用した場合、潤滑効果が不充分で、
摩擦係数が充分に低減されない。

〔課題を解決するための手段〕

この発明はかかる現状に鑑み種々検討を行った結果なさ
れたもので、トリデシルステアレート、イソトリデシル
ステアレート、トリデシルパルミテート、イソトリデシ
ルパルミテートから選ばれる少なくとも一種以上のエス
テルと、炭素数が１２〜１８の飽和脂肪酸とを、金属磁
性粉末とともに磁性層中に含有させることによって、磁
性層の摩擦係数を充分に低減し、走行安定性を充分に向
上させたものである。

この発明で使用されるトリデシルステアレート、イソト
リデシルステアレート、トリデシルパルミテート、イソ
トリデシルパルミテート等のエステルは、いずれも潤滑
性に優れ、金属磁性粉末との親和性がよく、飽和脂肪酸
とのなしみがよい。

しかして、これらのエステルを飽和脂肪酸と併用すると
、これらのエステルが金属磁性粉末の表面に良好に吸着
されて、その優れた潤滑効果が発揮されるとともに、飽
和脂肪酸の優れた潤滑機能が相乗的に作用する。また、
併用する飽和脂肪酸は、金属磁性粉末を使用した磁性塗
料において、金属磁性粉末の分散性を向上する働きをす
るため、金属磁性粉末が良好に分散されるとともに、金
属磁性粉末の表面に良好に吸着されたエステルの潤滑機
能が均一かつ良好に発揮される。従って、金属磁性粉末
を使用し、これらのエステルを飽和脂肪酸と併用して得
られる磁性層は、摩擦係数が充分に低減されて、走行安
定性が充分に向上され、耐久性が充分に向上される。

このようなトリデシルステアレート、イソトリデシルス
テアレート、トリデシルパルミテート、イントリデシル
パルミテート等のエステルは、それぞれ１種単独で使用
される他、二種以上混合して使用されるが、トリデシル
ステアレートとイソトリデシルステアレートを併用する
か、あるいはトリデシルパルミテートとイソトリデシル
パルミテートを併用すると、高速走行安定性が一段と向
上され、広い温度範囲で安定した効果が得られるため、
これらを併用するのがより好ましい。また、これらのエ
ステルと併用される飽和脂肪酸としては、炭素原子数が
１２〜１８の飽和脂肪酸が好適なものとして使用され、
具体例としては、たとえば、旦リスチン酸、ステアリン
酸、パルミチン酸、ラウリン酸、カプリン酸などが挙げ
られる。

これらの飽和脂肪酸も使用に際しては、それぞれ１種単
独で、あるいは２種以上混合して前記のエステルと併用
される。

これらのエステルと飽和脂肪酸とを、磁性層中に含有さ
せるには、これらを金属磁性粉末および結合剤樹脂とと
もに混合分散して磁性塗料を調製し、これを基体上に塗
布、乾燥して磁性層を形成すればよく、またこれらをノ
ルマルヘキサンなどの適当な溶剤に溶解し、溶解によっ
て得られた溶液を予め形成した磁性層に塗布もしくは噴
霧するか、あるいは逆に磁性層を上記溶液中に浸漬して
もよい。

ここで、前記エステルを飽和脂肪酸と併用して磁性層中
に含有させる場合、エステルと飽和脂肪酸の配合割合は
、重量比（エステル対飽和脂肪酸）にして１対９〜９対
１の範囲内にするのが好ましく、エステルの配合割合が
多くなりすぎると、にじみ出したり、潤滑効果がうすれ
たりし、飽和脂肪酸の配合割合が多くなりすぎると、金
属磁性粉末に吸着して結合剤樹脂を分離させたりする。

また、このような配合割合で併用されるエステルと飽和
脂肪酸の磁性層中における含有量は、両者合計して、金
属磁性粉末に対して１〜１５重量％の範囲内で磁性層中
に含有させるのが好ましく、１重量％より少ないと潤滑
効果が充分に発揮されず、１５重量％より多くするとブ
リードアウトしたりする。

金属磁性粉末としては、鉄粉末の他、鉄にＡＩ、Ｃｒ、
Ｍｎ、Ｓ　ｉ、Ｚｎなどの元素を含有させた鉄を主体と
する金属磁性粉末およびコバルト、ニッケルなどの金属
磁性粉末、さらにこれらの合金磁性粉末などが広く包含
される。

また、磁性層の形成に際して使用される結合剤成分とし
ては、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、繊維素系樹
脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリウレタン系樹脂
、ポリエステル系樹脂、イソシアネート化合物、放射線
硬化型樹脂など、通常、金属磁性粉末の結合剤成分とし
て使用されるものが広く使用される。

有機溶剤としては、メチルイソブチルケトン、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、トルエン
など、一般に使用される有機溶剤がそれぞれ単独で、あ
るいは２種以上混合して使用される。

なお、磁性塗料中には、通常、使用されている各種添加
剤、たとえば、分散剤、研磨剤、帯電防止剤などを任意
に添加使用してもよい。

〔実施例〕

次ぎに、この発明の実施例について説明する。

実施例工 α−Ｆｅ磁性粉末（保磁力１６００　　８０重量部エル
ステンド、飽和磁化１３５ ｅｍｕ　／　ｇ　） ＭＲＩＩＯ（日本ゼオン社製、　　工Ｏ〃塩化ビニル樹
脂） Ｎ２３０１（日本ポリウレタン　　６　〃工業社製、ウ
レタン樹脂） アルミナ　　　　　　　　　　　　　５　〃ベンガラ　
　　　　　　　　　　　　　３　〃ステアリン酸亜鉛　
　　　　　　　５　〃カーボンブラック　　　　　　　
　３　“ミリスチン酸　　　　　　　　　　３　〃トリ
デシルステアレート　　　　　　１　〃イソトリデシル
ステアレート　　　　１　〃メチルエチルケトン　　　
　　　　９０〃シクロヘキサノン　　　　　　　　９０
〃トルエン　　　　　　　　　　　９０〃この組成物を
サンドミルで２５時間混合分散した後、さらにコロネー
）Ｌ（日本ポリウレタン工業社製、三官能性低分子量イ
ソシアネート化合物）を４重量部加え、１時間混合分散
して磁性塗料を調整した。この磁性塗料を厚さ１０μｍ
のポリエステルフィルム上に、乾燥厚が２．５μｍとな
るように塗布、乾燥し、鏡面加工を施した後、所定の幅
に裁断して磁気テープをつくった。

実施例２ 実施例１における磁性塗料の組成において、トリデシル
ステアレートに代えてトリデシルパルミテートを同量使
用し、イソトリデシルステアレトに代えてイソデシルパ
ル主テートを同量使用した以外は、実施例１と同様にし
て磁気テープをつく　った。

実施例３ 実施例１における磁性塗料組成において、ミリスチン酸
に代えてステアリン酸を同量使用した以外は、実施例１
と同様にして磁気テープをつくった。

比較例１ 実施例１における磁性塗料組成において、トリデシルス
テアレートを省き、さらにイソトリデシルステアレート
を省いた以外は、実施例１と同様にして磁気テープをつ
くった。

比較例２ 実施例１における磁性塗料の組成において、ミリスチン
酸を省き、さらにイソトリデシルステアレートを省いた
以外は、実施例１と同様にして磁気テープをつくった。

各実施例および比較例で得られた各磁気テープについて
、ドロップアウト数の変化を調べ、磁気ヘッドの汚れを
観察した。ドロップアウト数の変化は、富士通社製、Ｆ
６１３Ａドライブを用いて往復走行させた後、アサ力社
製：エバリュエータを用いて調べ、ドロップアウト数が
１０個／１０ｍ以上になったときの走行回数を測定して
評価した。

下記第１表はその結果である。

第１表 〔発明の効果〕 上記第１表から明らかなように、この発明で得られた磁
気テープ（実施例１ないし３）は、比較例１および２で
得られた磁気テープに比し、いずれもドロップアウト数
が１０個／１０ｍ以上になったときの走行回数が多くて
、磁気ヘッドの汚れもなく、このことからこの発明によ
って得られる磁気記録媒体は、走行安定性および耐久性
が一段と向上されていることがわかる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、金属磁性粉末を含む磁性層中に、トリデシルステア
   レート、イソトリデシルステアレート、トリデシルパル
   ミテート、イソトリデシルパルミテートから選ばれる少
   なくとも一種以上のエステルと、炭素数が１２〜１８の
   飽和脂肪酸とを含有させたことを特徴とする磁気記録媒
   体