JPH0325624Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、収納家具に関する。収納家具には、
箪笥、食器棚、本棚、キヤビネツト、ロツカー等
を広く含むものとする。

従来の技術及びその問題点 収納家具は、大きく且つ重いものが多く、一旦
設置された後は移動に困難を伴う場合が多い。収
納家具によつては、下端にキヤスターを設けたも
のもあるが、これでは設置状態が不安定となり、
また設置面が畳やじゆうたんである場合には不向
きである。

本考案はこのような従来の問題点を解決し、任
意の設置面に安定した状態で設置でき、且つ必要
な場合には容易に移動することができる収納家具
を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 本考案の前記目的は、収納家具の左右両側にお
ける下端部空所内に取付けられ収納家具前端部及
び後端部に各々垂直孔を有したフレームと、上部
に垂直軸を有し該垂直軸を前記垂直孔に通されて
上下動可能に支持された移動用部材と、前記垂直
孔近傍において前記フレームに係合して支点を形
成し該支点まわりに上下方向に回動せしめられる
ことにより前記垂直軸に係合して前記移動用部材
を上下動させうるてこ棒と、前記移動用部材の下
降位置において該移動用部材と前記フレームとに
係止して戻止めをなす係止部材とを備えているこ
とを特徴とする収納家具により達成される。

実施例 以下、本考案の実施例を添付図面と共に説明す
る。

第１図は、洋服だんすの下部の縦断側面図であ
る。この洋服だんすは台輪１内の左右両側（図に
はその一方のみを示す）に移動装置２を備えてい
る。移動装置２は、フレーム３、移動用部材４、
てこ棒５及び係止部材６を備えている。フレーム
３は平面視Ｌ字状をなす取付け部３０と取付け部
３０から水平方向に延びた支持部３１とを備え支
持部３１には垂直孔３１０が設けられている。こ
のフレーム３は台輪１内の前端部及び後端部に
各々独立して設けられるが、両者を一体的に連続
して形成することもできる。移動用部材４は上部
に垂直軸４０を備え、該垂直軸４０がフレーム３
の垂直孔３１０に通されて上下動可能になつてい
る。移動用部材４の下部はこの例では自在キヤス
ター４１とされているが、この他底面をフツ素樹
脂コーテイング面、平滑な金属面等とした滑り板
としたもの等、適宜採用し得る。移動用部材４
は、上昇位置においてキヤスター４１が台輪１内
に没入し、下降位置においてキヤスター４１が台
輪１下面から突出するように配設されており、い
ずれの場合にも垂直軸４０はフレームの保持部３
１より上方へ突出している。フレームの取付部３
０には下降位置にある垂直軸４０の上端と略同じ
高さに係合穴３００が設けられている。てこ棒５
は必要な強度を有する金属棒であり、先端を係合
穴３００に挿入し上下方向に回動することにより
先端よりやや中央寄り部分が移動用部材の垂直軸
４０上端に当接し、該移動用部材を上下動させう
る。フレームの支持部３１には垂直孔３１０に通
じる水平孔３１１がさらに設けられ、移動用部材
の垂直軸４０にはその下降位置において水平孔３
１１に対応する係止穴４００が設けられている。
係止部材６はこれらの孔に通るピンであり、移動
用部材４の下降時に水平孔３１１及び係止穴４０
０に通されることにより、該移動用部材を下降位
置に保持するようにされている。

したがつて、このたんすは、通常は移動用部材
４を上昇位置として、台輪１により安定的に設置
することができ、移動時には、てこ棒５の一端側
を係合穴３００に挿入して他端側を人手により押
下げることにより移動用部材４を台輪１下面より
突出させ係止部材６により該突出状態を保持する
ようにし、たんす四隅において移動装置２にこの
操作をなすことにより、容易に移動されうること
となる。なお、てこ棒５及び係止部材６は、不使
用時には取外され適宜のたんす内収納位置に保管
される。てこ棒５をフレーム３に結合した形態と
しうること、及び係止部材６を適宜の戻り止め機
構のものとしうることは勿論である。

第２図は第１図の例と近似した実施例であり、
図上同様の部材には同一番号が付されている。た
だし、この例では、てこ棒５の支点はフレームの
取付部３０に形成された挟持片３０１により形成
されており、てこ棒５を１対の挟持片３０１間に
挿入し先端を移動用部材４の垂直軸４０上端に当
接した状態で、てこ棒５の他端側を引き上げるこ
とにより移動用部材４が台輪１下面より突出する
ようになつている。さらにこの例では、フレーム
の支持部３１と自在キヤスター４１との間に圧縮
コイルバネ７が挿入されており、該バネ力に基
き、移動用部材４を下降させるのに要するてこ棒
への加圧力が軽減されている。圧縮コイルバネ７
はたんすの自重により移動用部材４が台輪１内へ
没入せしめられる程度のバネ力とされる。かかる
バネとしては、この他ねじりコイルバネ、エアス
プリング等適宜のものを採用しうる。

本考案は前記洋服だんすの例と同様にして、他
の収納家具にも適用できる。

考案の効果 以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば次の効果を奏する収納家具を提供することがで
きる。即ち、収納家具の下端部空所内には、該空
所内への収納位置と収納家具下面より下方へ突出
した位置とを取り得る移動用部材が備えられてい
るため、通常は該移動用部材を収納して任意の設
置面に安定的に設置することができ、移動の際に
は該移動用部材を下方へ突出させれば該移動用部
材に基づき容易に収納家具移動をすることができ
る。

移動用部材を突出させるための操作はてこ棒を
フレームに係合して上下方向に回動し係止部材で
戻り止めをなすだけであるので極めて容易であ
り、てこ棒のてこ作用により必要な人手の力は大
きく軽減されている。

また移動用部材はフレームの垂直孔に案内され
て垂直方向に出入りするので、自在キヤスターの
如く使用時の姿勢の一定性が要求される場合であ
つても荷重に伴なう傾斜が防止され安定的に機能
が発揮される。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すもので、第１図は洋
服だんすの１例の縦断側面図、第２図は洋服だん
すの他の例の縦断側面図である。 １……台輪、３……フレーム、４……移動用部
材、５……てこ棒、６……係止部材、４０……垂
直軸、３１０……垂直孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 収納家具の左右両側における下端部空所内に取
   付けられ収納家具前端部及び後端部に各々垂直孔
   を有したフレームと、上部に垂直軸を有し該垂直
   軸を前記垂直孔に通されて上下動可能に支持され
   た移動用部材と、前記垂直孔近傍において前記フ
   レームに係合して支点を形成し該支点まわりに上
   下方向に回動せしめられることにより前記垂直軸
   に係合して前記移動用部材を上下動させうるてこ
   棒と、前記移動用部材の下降位置において該移動
   用部材と前記フレームとに係止して戻止めをなす
   係止部材とを備えていることを特徴とする収納家
   具。