JPH0325619B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は燃料噴射制御装置、さらに詳しくいえ
ば小型自動車のエンジンの燃料噴射制御に適した
燃料噴射制御装置に関する。

自動車の走行状態に関する種々のパラメータに
基づいて燃料の噴射量を調節する装置が数多く提
案されている。

現在中型または大型の自動車において用いられ
ている最も一般的な構成は、エンジンの吸入空気
量を計測し、その計測量とエンジンの回転速度、
気筒数等から基本噴射量を算出し、その他対応す
るパラメータを考慮し補正量を決定し、最適混合
比が得られる一回当たりの噴射量を決定しようと
するものである。前述した吸入空気量の検出のた
めにエンジンの吸入管のスロツトル弁の上流に吸
入空気量を検出する空気量計測羽根を配置して、
その羽根の角度偏位を検出するセンサが用いられ
ている。前記吸入量には脈動があるが、４気筒を
越える多気筒のエンジンではかなり平滑化される
ので前記センサにより計測量を用いても実際上問
題は生じない。しかし小数気筒のエンジンでは前
記脈動が無視できない程度の影響を与える。特に
回転数の低い領域で著るしい過度の指示が行なわ
れる。

特開昭52−31228号に示されている「燃料噴射
装置」では、この脈動に着目してスロツトル弁の
上流側の吸入管内に生じる吸気脈動を検出し、し
その吸気脈動に応じて制御手段の調量特性を捕正
するように構成されている。しかしながら、脈動
自体を検出しようとすると検出手段が若干複雑に
なるという問題がある。

本発明の目的は、極めて簡単な構成でエンジン
の全動作範囲でほぼ満足できる気液混合比を得る
ことができる燃料噴射制御装置を提供することに
ある。

前記目的を達成するために、本発明による燃料
噴射制御装置は、４気筒以下のエンジンで吸気量
センサの出力により算出される吸気量とエンジン
の回転数により基本噴射量を決定し、噴射量の増
量補正を行なつて総噴射量を決定する形式の燃料
噴射制御装置において、 吸入空気流路中の圧力が一定の負圧に達したこ
とを検出して負圧信号を発生する負圧センサと、 開度弁が所定量駆動されたことを検出して開度
信号を発生する開度弁センサとを設け、 前記増量補正を前記負圧信号と前記開度信号の
論理積が成立しているときのみ許容するように構
成して、 低回転領域では前記増量補正が行われないよう
にしたことを特徴とするものである。

前記構成によれば、本発明の目的を完全に達成
できる。

以下、図面等を参照して、本発明をさらに詳し
く説明する。

第１図は本発明による燃料噴射制御装置の実施
例を示す略図である。燃料は燃料タンク７から燃
料ポンプ８により送出され、燃料分配管１０を介
して各気筒の燃料噴射弁１４に供給される。１１
は燃料圧力調整装置であつて集合タンク３と吸気
負圧導管で接続されている。１２は燃料戻りパイ
プである。開度弁４は図示しないアクセルペタル
等によりその開度が調節される。エアクリーナ６
からの吸気は、開度弁４の上流に回転可能に枢止
されている流量計測羽根５を吸入量に対応して押
し回し、集合タンク３、各吸管２を介してエンジ
ン１に吸入される。前記流量計測羽根の軸には流
量ポテンシオメータ５ａが連動させられており、
流量に対応する情報がポテンシオメータ５ａから
CPUを含む制御回路１６に入力される。開度弁
４の下流に位置する集合タンク３には、吸入の圧
力を検出する負圧センサ１５が接続されている。

次に第２図を参照して負圧センサ１５と開度弁
４の軸に連動して制御される開度位置センサの構
成を説明する。負圧センサ１５の内部はダイヤフ
ラム１５で分割されており、ダイヤフラム１５ｂ
の中心に一方の空間内に固定されているマイクロ
スイツチ１５ｄを操作するプツシユロツド１５ｃ
が設けられている。第２図において上側の空間は
負圧導入管により集合タンク３に連通させられて
いる。負圧導入管１５ｆにはオリフイス１５ｇが
設けられており、これにより負圧センサ１５の応
答、マイクロスイツチ１５ｄの閉成時点の遅れを
調節している。

なおダイヤフラム１５ｂはばね１５ａにより第
２図中下方に付勢されており、このばね１５ａに
よりマイクロスイツチ１５ｄが閉成されるときの
圧力（作動圧力）が決定されている。ガイドカム
４ｂの軸は開度弁４の回転により回動させられ
る。開度弁４がアクセルペダルにより所定量回動
させられるとガイドカム４ｂは図中反時計方向に
回動し接片４ｅと接触していた接片４ｄが移動し
て接片４ｃと４ｄを閉成する。接片４ｃ，４ｄに
より形成されるスイツチをパワスイツチ、接片４
ｄと４ｅにより形成されるスイツチをアイドルス
イツチということにする。

制御回路１６は演算回路とインターフエースを
含み車体の各所に配置されているスイツチ、セン
サからの各種の情報が入力され、定められた手続
に従つて演算された結果を出力し制御する。

第３図に制御回路１６中の噴射制御に関連する
制御回路を示してある。第３図において、基本噴
射量設定器１６ａには吸入空気量信号Qaとエン
ジンの回転数信号Ｎが接続され、ここで基本噴射
量が演算され、噴射量補正設定器１６ｃには吸気
温度信号Ta、冷却水温信号Tw等が接続され、
前記基本噴射量に対する補正量が決定される。最
終噴射量設定器１６ｂでは前記１６ｃからの信号
による増量補正を前述した開度弁センサ４ａおよ
び負圧センサ１５からの信号に依存させ制御す
る。

すなわち開度弁センサ４ａでパワースイツチが
閉成されており、かつ負圧センサ１５のマイクロ
スイツチ１５ｄが閉成されているときにのみ前記
増量補正を許容し、基本噴射量を増量補正した噴
射量に対応する電磁弁開時間に対応するパルス幅
のパルスを出力する。このパルスは増幅器１６ｄ
で増幅されて燃料噴射弁１４に接続される。

前記以外の場合、すなわち負圧センサ１５のマ
イクロスイツチ１５ｄが開成されているとき（低
負荷時）には基本噴射量に対応するパルス幅のパ
ルスが増幅され燃料噴射弁１４に供給される。

次に上記構成に係る燃料噴射量制御装置の動作
を第４図を参照して説明する。

第４図Ａ，Ｂは縦軸をＡ／Ｆ比（空燃比）にし
て横軸に回転数を示してある。第４図Ａは制御回
路への入力情報、特に吸入空気量センサの指示が
正しいとした場合の特性を示したグラフであり、
ａの示す実線は基本噴射量の射出が行なわれた場
合のＡ／Ｆ比を、ｂの示す破線は一定の増量補正
が行なわれた場合のＡ／Ｆ比を示してある。前述
したように、特に少気筒数のエンジンでは回転数
の低い領域ｃでQaの過度の指示が行なわれ、現
実には低回転領域ｃでは破線の示すｂに相当する
Ａ／Ｆ比が得られている。

本発明では第４図Ｃに示すように開度弁信号、
すなわちパワースイツチが開でも負圧センサ１５
のマイクロスイツチ１５ｄがオフの場合は増量補
正を行なわないようにしてあるので従来過濃気味
であつた第４図Ｂのｃ領域では、増量なしで実線
の特性が得られ、ｄの領域では増量が許容され、
一定の増量を行なつたときは実線ｂの示す特性が
得られる。

以上詳しく説明したように本発明によれば吸入
気通路中に負圧センサを設け、この情報により、
増量補正を制限するようにしてあるので、簡単な
負圧センサを追加しただけで過濃空燃比領域がな
くなり、燃費の増大、大気汚染を防止できる。

吸入空気量の測定手段とした空気流量計測羽根
とポテンシオメータの組合せの例を示したが、熱
線式の測定、カルマン渦の原理を用いた測定の場
合も空気流に脈動があるときは同様な過剰測定の
問題も生じる。

本発明はそのような測定を利用する場合にも同
様に適用できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による燃料噴射制御装置の実施
例を示す略図、第２図は負圧センサと開度弁位置
センサの関係を拡大して示した図、第３図は噴射
制御に関する制御回路を示すブロツク図、第４図
は噴射制御の特性を示すグラフである。 １：エンジン、２：吸気管、３：集合タンク、
４：開度弁、４ａ：開度弁位置センサ、５：空気
流量計測羽根、５ａ：流量ポテンシオメータ、
６：エアクリーナ、７：燃料タンク、８：燃料ポ
ンプ、９：燃料フイルタ、１０：燃料分配管、１
１：燃料圧力調整装置、１２：燃料戻りパイプ、
１３：吸気負圧導管、１４：燃料噴射弁、１５：
負圧センサ、１６：制御回路、１７：制御回路へ
の入出力線。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ４気筒以下のエンジンで吸気量センサの出力
   により算出される吸気量とエンジンの回転数によ
   り基本噴射量を決定し、噴射量の増量補正を行な
   つて総噴射量を決定する形式の燃料噴射制御装置
   において、 吸入空気流路中の圧力が一定の負圧に達したこ
   とを検出して負圧信号を発生する負圧センサと、 開度弁が所定量駆動されたことを検出して開度
   信号を発生する開度弁センサとを設け、 前記増量補正を前記負圧信号と前記開度信号の
   論理積が成立しているときのみ許容するように構
   成して、 低回転領域では前記増量補正が行われないよう
   にしたことを特徴とする燃料噴射制御装置。