JPH0325389Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車などの内燃機関の燃料を火花放
電で着火するために高電圧を発生する閉磁路型モ
ールド点火コイルに関する。

（従来の技術） このようなモールド型点火コイルは本出願人が
提案した、例えば実開昭59−89518号公報で公知
である。

従来のモールド型点火コイルでは、鉄心を挿通
する一次コイルボビンの内形を、鉄心寸法自体の
バラツキや、一次ボビンチユーブ自体の成型時の
寸法誤差を考慮し、又、鉄心の挿入作業を容易に
するため、鉄心の断面積より大きく作成してい
る。

（考案が解決しようとする問題点） このため鉄心と一次ボビンチユーブの間には、
隙間が生じて、その隙間には空気が封じ込まれ
る。そして、この空気は点火コイルの使用中、温
度の上昇で膨脹し、ボビンチユーブ自体やケー
ス、熱硬化性樹脂等にクラツクを発生させ点火コ
イルを不良化させることがあり、品質上の問題点
になつている。

又、一次ボビンチユーブが大きく作成されるの
で、点火コイル全体の外形寸法が大きくなる。

又、鉄心を一次ボビンチユーブに挿入する際、
積層した鉄心板が崩れるのを防ぐ為、予め鉄心を
ビス止め、カシメなどをする必要があり、製造工
程が増えると言う問題点がある。

（問題点を解決するための手段） そこで本考案は、内外に嵌合した一次コイルと
二次コイルを収納したケース内に熱硬化性樹脂を
注型、硬化して両コイルを埋没固定すると共に、
前記一次コイルのボビンチユーブの内周に鉄心が
挿通されている閉磁路型モールド点火コイルにお
いて、上記一次コイルのボビンチユーブを鉄心の
外に成形して鉄心と一体化したことを特徴とす
る。

（作用） 本考案によれば一次ボビンチユーブは鉄心の外
に、鉄心と一体に成形されるので鉄心とチユーブ
の間には隙間が生ぜず、空気がその間に封じ込ま
れる余地は無くなる。

（実施例） 図面において、１は一次コイル、１′はそのボ
ビンチユーブで、上記ボビンチユーブ１′はＬ形
鉄心２の外に第１図に示す様にインサートモール
ドでプラスチツクにより一体に成形されている。

点火コイルを組立るには上記ボビンチユーブ
１′上に一次コイル１を巻装し、プラスチツクで
成形したケース３の中に二次コイル４と、鉄心２
上に設けた一次コイル１を同心上に収容し、二次
コイルの巻終端を高圧端子５に、一次コイルの各
端を低圧端子６，６に接続し、二次コイルの巻始
端は一次コイルの巻終端の低圧端子か、アース用
端子（図示せず）に接続する。そして、一次コイ
ルのボビンチユーブ１′の下端部でケース３の底
の開口を塞ぎ、ケース内に熱硬化性樹脂７を注型
して硬化させ、両コイル１，４をケース中に埋
没、固定し、ケースの外にもう一つのＬ形鉄心８
を配置して前記鉄心２と閉磁路を構成させ、ケー
ス３と鉄心２，８を熱可塑性樹脂の被覆層９で被
覆する。

（考案の効果） 一次ボビンチユーブの内周と鉄心との間に空気
の存在を許す隙間が無いので、封入された空気に
原因するクラツクなどの不良化の原因が除かれ
て、品質が向上する。

又、一次ボビンチユーブが小さくなるので、そ
の分製品が小形化する。

又、鉄心を一次ボビンチユーブに挿通するため
のビス止めやカシメ作業が不要になり、製造工程
が短縮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の要部の一部を断面にした側面
図、第２図は同上を用いて組立てた本案の点火コ
イルの一実施例の断面図で、 図中、１は一次コイル、１′はそのボビンチユ
ーブ、２は鉄心、３はケース、４は二次コイル、
７は熱硬化性樹脂を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内外に嵌合した一次コイルと二次コイルを収納
   したケース内に熱硬化性樹脂を注型、硬化して両
   コイルを埋没固定すると共に、前記一次コイルの
   ボビンチユーブの内周に鉄心が挿通されている閉
   磁路型モールド点火コイルにおいて、 上記一次コイルのボビンチユーブを鉄心の外に
   成形して鉄心と一体化したことを特徴とする閉磁
   路型モールド点火コイル。