JP3056289U

JP3056289U - 内燃機関用点火コイル

Info

Publication number: JP3056289U
Application number: JP1998005709U
Authority: JP
Inventors: 雅晶堀
Original assignee: 阪神エレクトリック株式会社
Priority date: 1998-07-30
Filing date: 1998-07-30
Publication date: 1999-02-12
Anticipated expiration: 2004-07-30

Abstract

(57)【要約】【課題】治具による位置決めを不要とし、部品製造の
時間を短縮でき、点火コイルの製造コストも低減できる
ようにする。【解決手段】一次コイルの外に二次コイルを同心状に
嵌合して絶縁ケース２内に収容固定し、その一次コイル
のボビン６の内周に閉磁路を構成する鉄心３の一部３１
ａを貫通させて成る内燃機関用点火コイル１において、
一次コイルのボビン６の一端部であって、閉磁路を構成
する鉄心３の内面が臨む部分に突状部６１を突設し、鉄
心組み立て時には、その突状部６１に鉄心３の内面を当
接させて組み立てるようにしたことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、例えば自動車のエンジンの点火プラグに火花を発生させるために、点火プラグに高電圧を供給するモールド形の内燃機関用点火コイルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

内燃機関用点火コイル（以下、「点火コイル」という。）をエンジンブロックに搭載する場合は、図４に示すように、点火コイル１０１の鉄心１０３に穿設した取り付け用穴１０３ａをエンジンブロック２０側の雌ねじ穴２０ａに合わせ、また高圧端子用の高圧端子座１０４（図５）をエンジンブロック２０側のプラグホール２０ｂに挿入し、取り付け用穴１０３ａにボルトを入れて締め付け固定している。すなわち、点火コイル１０１をエンジンに搭載する場合は、図５に示す点火コイル１０１の取り付け用穴１０３ａと高圧端子座１０４との間の距離Ｌが、エンジンブロック２０側の二つの穴２０ａ，２０ｂの間の距離に高精度で一致している必要がある。

【０００３】一方、点火コイル１０１の鉄心１０３は、図６に示すように、その一方の脚部１３１が一次コイルボビン１０６の内周面に、また他方の脚部１３２が、一次コイルボビン１０１近傍の絶縁ケース１０２の周壁から成る筒部１２１の内周面に、それぞれ摺動可能に嵌入しており、鉄心１０３の位置は絶縁ケース１０２に対して多少変動する。一方、高圧端子座１０４は絶縁ケース１０２に一体に突設してある。したがって、上記の取り付け用穴１０３ａと高圧端子座１０４との間の距離Ｌも、鉄心１０３の位置に応じて変動することとなり、点火コイル１０１をエンジンに搭載する際には、鉄心１０３の絶縁ケース１０１に対する高精度の位置決めが重要となる。

【０００４】そこで、従来の点火コイル１０１では、治具１５０を用いて鉄心１０３の位置決めを行っている。すなわち、図５および図６に示すように、この治具１５０に鉄心１０３の下端と絶縁ケース１０２の下端とを当接させ、それにより両者の位置決めを行い、その位置で鉄心１０３を絶縁ケース１０２に対して固定している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記従来の点火コイル１０１のように、鉄心１０３と絶縁ケース１０２との位置決めを治具１５０を用いて行っていると、治具１５０そのものが必要となり、部品点数が増えてしまう。また、治具１５０による位置決め作業という工程が入るため、工程が煩雑化する。さらには、取り付け用穴１０３ａと高圧端子座１０４との間の距離Ｌには、絶縁ケース１０２、鉄心１０３、および治具１５０の各々の寸法公差が含まれ、このため、これら全ての部品に高度の寸法精度が要求され、その要求される精度を出すために、各部品の製造に時間を要してしまう、といった種々の問題点が発生していた。そして、これら種々の問題点は、点火コイル１０１の製造コストを引き上げる要因ともなっていた。

【０００６】この考案は上記に鑑み提案されたもので、治具による位置決めを不要とし、部品製造の時間を短縮でき、点火コイルの製造コストも低減できる内燃機関用点火コイルを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、この考案の請求項１では、一次コイルの外に二次コイルを同心状に嵌合して絶縁ケース内に収容固定し、その一次コイルのボビンの内周に閉磁路を構成する鉄心の一方の脚部を貫通させ、他方の脚部を絶縁ケースの周壁に沿わせるようにした内燃機関用点火コイルにおいて、上記一次コイルのボビンの一端部であって、鉄心の内面が臨む部分に突状部を突設し、鉄心組み立て時には、その突状部に鉄心の内面を当接させて組み立てるようにしたことを特徴としている。

【０００８】また、この考案の請求項２では、上記請求項１の構成に加えて、上記絶縁ケースの周壁の一端部であって、鉄心の内面が臨む部分に突状部を突設し、鉄心組み立て時には、その突状部に鉄心の内面を当接させて組み立てるようにしたことを特徴としている。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下にこの考案の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。

【００１０】図１はこの考案の点火コイルを示す斜視図、図２は図１のＡ−Ａ線での要部断面図である。これらの図において、この考案の点火コイル１は、エンジンの点火プラグに高電圧を供給し火花放電を発生させるものであり、外周に一次コイル（図示省略）が巻回された一次コイルボビン６を、その一次コイルとは同心状外側に配設されている二次コイル（図示省略）とともに、絶縁ケース２に収容して、その一次コイルボビン６の他端部６ｍで絶縁ケース２の底の開口を塞ぐように嵌着し、絶縁ケース２に注型して硬化した熱硬化性樹脂で、その一次コイルボビン６等を絶縁ケース２中に固定して構成したものである。

【００１１】また、絶縁ケース２の外壁には、高圧端子を嵌入させる高圧端子座４を絶縁ケース２と一体に突設してある。

【００１２】そして、例えばＣ形の２つの積層鉄心３１，３２を、閉磁路を構成するように向かい合わせ、その一方の脚３１ａ，３２ａを一次コイルボビン６の内周に上下の各端部から挿入し突き合わせて接着し、他方の脚３１ｂ，３２ｂは、一次コイルボビン６近傍の絶縁ケース２の周壁から成る筒部２１の内周に上下の各端部から挿入し、エアギャップＧを保って対向させる。この二つの積層鉄心３１，３２から成る鉄心部３により上記の閉磁路が構成される。

【００１３】積層鉄心３２の下部には、上記したエンジンブロック２０側の雌ねじ穴２０ａに一致させて、取り付け用ボルトを挿着する取り付け用穴３ａを穿設してある。

【００１４】さらに、この実施形態では、図２に示すように、一次コイルボビン６の一端部であって、積層鉄心３１の内周面が臨む部分にリブ状の突状部６１を突設し、鉄心組み立て時には、その突状部６１に積層鉄心３１の内周面を当接させて組み立てるようにしてある。

【００１５】このため、鉄心部３の内側には上下方向の遊びは全くなくなり、従来のように、一次コイルボビン６や絶縁ケース筒部２１の長さ方向に沿って鉄心部３を摺動させようとしても、鉄心部３は変動しなくなっている。したがって、鉄心部３と絶縁ケース２との位置関係も固定したものとなり、それに応じて、取り付け用穴３ａと高圧端子座４との間の距離Ｌ（図５参照）も、固定したものとなり、そのままエンジンブロック２０に装着することができる。

【００１６】このように、点火コイル１を組み立てた時点で、取り付け用穴３ａと高圧端子座４との間の距離Ｌは固定したものとなるので、従来のような治具による鉄心部３と絶縁ケース２との位置決めを行う必要はなく、その治具による位置決め工程を省略することができる。

【００１７】また、治具を用いて位置決めを行っていると、上記したように、高度の寸法精度の要求される部品点数が多くなるが、この実施形態では治具を用いないため、そのような部品の点数を減らすことができ、したがって、部品製造に要する時間を短縮することができる。そして、このような、工程の省略化や部品製造時間の短縮、さらには治具を不要とするといった諸効果により点火コイル１の製造コストも低減することができる。

【００１８】図３は第２の実施形態における点火コイルの要部断面図である。上記第１の実施形態の構成要素と同じ構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。上記第１の実施形態では、一次コイルボビン６の一端部に突状部６１を設けるようにしたが、この実施形態では、上記筒部２１の一側壁端部（絶縁ケース２の周壁の一端部）であって、鉄心部３の内面が臨む部分にリブ状の突状部２１ａを突設し、鉄心部３の組み立て時には、その突状部２１ａに鉄心部３の内面を当接させて組み立てる。このため、鉄心部３の内側には上下方向の遊びは全くなくなり、したがって、この場合も、上記第１の実施形態の場合と同様に、治具による位置決め工程の省略化、部品製造時間の短縮、さらには製造コスト低減を実現することができる。

【００１９】上記の説明では、突状部６１，２１ａの形状をリブ状としたが、リブ状に限らず、任意の形状に形成してもよい。

【００２０】また、突状部２１ａを絶縁ケース２の周壁から成る筒部２１に設けるようにしたが、筒部でなく、単なる絶縁ケース２の外壁一端部であって、鉄心部３の内面が臨む部分に設けるように構成してもよい。

【００２１】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案の内燃機関用点火コイルによれば、一次コイルボビンの一端部や絶縁ケース周壁の一端部に突状部を設けたので、鉄心の内側には上下方向の遊びは全くなくなり、取り付け用穴と高圧端子座との間の距離も固定したものとなり、そのままエンジンブロックに装着することができる。したがって、従来のような治具による鉄心と絶縁ケースとの位置決めを行う必要はなく、その治具による位置決め工程を省略することができる。

【００２２】また、治具を用いないため、高精度を要する部品の点数を減らすことができ、したがって、部品製造に要する時間を短縮することができる。そして、このような、工程の省略化や部品製造時間の短縮、さらには治具を不要とするといった諸効果により製造コストも低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の点火コイルを示す斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線での要部断面図である。

【図３】第２の実施形態における点火コイルの要部断面
図である。

【図４】従来の点火コイルをエンジンに搭載した状態を
示す図である。

【図５】従来の点火コイルの側面図と治具とを示す図で
ある。

【図６】従来の点火コイルの要部断面を治具とを示す図
である。

【符号の説明】

１点火コイル２絶縁ケース３鉄心部３ａ取り付け用穴４高圧端子座６一次コイルボビン２０エンジンブロック２０ａ雌ねじ穴２０ｂプラグホール２１絶縁ケースの筒部２１ａ突状部３１，３２積層鉄心３１ａ，３２ａ脚３１ｂ，３２ｂ脚６１突状部Ｌ取り付け用穴と高圧端子座との距離

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】一次コイルの外に二次コイルを同心状に
嵌合して絶縁ケース内に収容固定し、その一次コイルの
ボビンの内周に閉磁路を構成する鉄心の一方の脚部を貫
通させ、他方の脚部を絶縁ケースの周壁に沿わせるよう
にした内燃機関用点火コイルにおいて、上記一次コイルのボビンの一端部であって、鉄心の内面
が臨む部分に突状部を突設し、鉄心組み立て時には、そ
の突状部に鉄心の内面を当接させて組み立てるようにし
たことを特徴とする内燃機関用点火コイル。
【請求項２】上記絶縁ケースの周壁の一端部であっ
て、鉄心の内面が臨む部分に突状部を突設し、鉄心組み
立て時には、その突状部に鉄心の内面を当接させて組み
立てるようにしたことを特徴とする内燃機関用点火コイ
ル。