JPH0325349Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、デジタルオーデイオデイスクプレー
ヤやビデオデイスクプレーヤ等に用いられ、光ピ
ツクアツプをラジアル方向へ案内するガイドバー
をシヤーシへ取付ける光ピツクアツプ用ガイドバ
ー取付構造に関する。

〔背景技術〕

コンパクトデイスクプレーヤ等では、コンパク
トデイスクがその軸心の回りを回転しておりトラ
ツクを追つてデータを読取るには光ピツクアツプ
をラジアル方向へ移動させる必要がある。

この移動は、一般にシヤーシへ取付けられた２
本の平行なガイドバーに光ピツクアツプが案内さ
れることによつて行われる。ここで、光ピツクア
ツプからデイスクへ放射された光の反射光の強度
や強度分布によつて音響データやトラツキングエ
ラー、フオーカスエラーなどの情報が読取られる
ので、光スポツトの径（約1.6μm）を一定に維持
し、かつ光軸をデイスク面と垂直にしなければな
らない。そこで、光ピツクアツプをシヤーシへ取
付けた場合、予めフオーカス調整、トラツキング
調整（光軸をデイスクのトラツク方向に直交させ
ること）、ラジアル調整（光軸をデイスクの半径
方向と直交させること）を行つておく必要があ
る。

ところが、板金をプレス加工した後のシヤーシ
の平面度には限度があり、ガイドバーをこれに取
付けた場合に、２本のガイドバーは平行でなくね
じれた状態にある。このため、ガイドバーのトラ
ツク始点側で光ピツクアツプについて前記調整を
行つても、その終点側では光軸やフオーカスがず
れることになり、デイスクから正確な情報を得る
ことができなくなるおそれが生ずる。

そこで、従来では、ダイカストにより平面度の
高いシヤーシを用いたりしているが、これはコス
ト高の原因となる。

〔考案の目的〕

本考案は上記事実を考慮し、シヤーシの平面度
が充分でなくても、簡単な構成で上記調整をより
完全なものとすることが可能な光ピツクアツプ用
ガイドバー取付構造を得ることが目的である。

〔考案の構成〕

本考案に係わる光ピツクアツプ用ガイドバー取
付構造では、シヤーシ上に可繞性のシートと、ガ
イドバーとを押圧保持片を介してねじによつて締
着し、該押圧保持片の頭部中央にねじ穴を穿孔
し、且つ該ねじ穴に調整用ねじを螺合して、可繞
性シートの弾性力に抗して前記調整用ねじが前記
ガイドバーを押圧するよう構成される取付部を少
なくとも１個持つている。

したがつて、シヤーシの平面度が充分でなくて
も、該調整によりみかけ上シヤーシの平面度を高
めることができ、光ピツクアツプがガイドバーに
案内されて移動することによつて光軸やフオーカ
スがずれるのを防止可能となつている。また、弾
性体でガイドバーを押圧しているので、ガイドバ
ーについてがたが生じないようになつている。

〔考案の実施例〕

図面に従つて本考案に係る光ピツクアツプ用ガ
イドバー取付構造の実施例を説明する。

第１図に示すように、シヤーシ１０へガイドバ
ー１２，１４が互いに平行状に取付けられてお
り、このガイドバー１２，１４に案内されて光ピ
ツクアツプ１６がラジアル方向（デイスクの半径
方向）へ移動可能となつている。

この光ピツクアツプ１６は、小孔１８からレー
ザ光を放射し、図示されないコンパクトデイスク
からの反射光の強度及び強度分布を読取つて電気
信号に変換して出力するようになつており、この
電気信号によつて音響データ、フオーカスエラ
ー、及びトラツキングエラー等の情報が得られる
ようになつている。

音響データはデイスクへ横幅が約0.8μmのピツ
トとして記録されており、このピツトに放射され
るレーザ光の光スポツトの径は約1.6μmに保持し
なければならず、正確な情報を得るには光ピツク
アツプの光軸及びフオーカスを微調整しておく必
要がある。すなわち、光軸をデイスク面に直交さ
せ、かつ、光スポツトが約1.6μmとなるように微
調整しておく必要がある。

シヤーシ１０は板金をプレス加工したものであ
り、その中央部が矩形状に刳貫かれて光ピツクア
ツプ１６がこの穴２０内を移動可能となつてい
る。

穴２０の角部付近には、ガイドバー１２，１４
を支持するための支持部２２，２４及び２６，２
８がそれぞれ対向してシヤーシ１０の表面３０へ
ビス止されている。支持部２２，２４，２６はプ
ラスチツク製で皆同一形状であり、その円柱状の
孔へ円柱状のガイドバー１２の両端部及びガイド
バー１４の一端を嵌入するようになつている。

また、ガイドバー１４の一端を支持する支持部
２８は、第２図に示すように、シヤーシ１０に可
繞性シート６０（例えば、ゴム性のシートなど）
ガイドバー１４を順次搭載し、押圧保持片３８で
前記シート６０と前記ガイドバー１４の側面を包
囲している。押圧保持片３８はねじ６４でシヤー
シ１０へ締着されており、また、前記押圧保持片
３８の上面には調整用ねじ４４が螺合貫通してい
る。該調整用ねじ４４によつて、前記シート６０
の弾性力に抗して前記調整用ねじ４４がガイドバ
ー１４を押圧している。

次に、第１図に示すように、光ピツクアツプ１
６は、図示されない手段によつてフオーカス調
整、タンジエンシヤル調整、ラジアル調整を行え
るように、移動フレーム４８に搭載されている。
移動フレーム４８の一方の側壁５０にはシリンダ
５２が固着されており、シリンダ５２内をガイド
バー１２が貫通している。移動フレーム４８の側
壁５０と対向する側壁５４上端は折曲されて耳片
５６が形成されている。耳片５６はシヤーシ１０
と平行状になつており、ガイドバー１４に搭載さ
れている。側壁５４にシリンダを設ける代りに耳
片５６を設けたのは、２ケ所でシリンダとガイド
バーの軸芯を一致させるのが困難であり、光ピツ
クアツプ１６がスムーズに移動できなくなるから
である。

次に、上記の如く構成された実施例の作用を説
明する。

まず、ガイドバー１２と１４が略平行状となる
ように支持部２８の調整用ねじ４４を回転させ
る。これは、ガイドバー１２と１４を目視しなが
ら、又は支持部２８のトンネル部４０とシヤーシ
１０との位置関係等を目視しながら行う。

次いで、光ピツクアツプ１６を支持部２２，２
６側、すなわち図示されないデイスクのトラツク
始点側へ移動させ、この位置で前記図示されない
手段によりフオーカス調整、タンジエンシヤル調
整及びラジアル調整を行う。この調整は、光ピツ
クアツプ１６の小孔１８からレーザ光を放射さ
せ、図示されないデイスクからの反射光の強度及
び強度分布を読取りながら行う。

次いで、光ピツクアツプ１６を支持部２４，２
８側、すなわちトラツク終点側へ移動させる。こ
の移動は、シリンダ５２がガイドバー１２に案内
され、ガイドバー１２に対しシリンダ５２内壁
が、及びガイドバー１４に対し耳片５６が摺動す
ることによつて行われる。この位置では、もしガ
イドバー１２，１４がデイスクと完全に平行であ
れば既にトラツク始点側で調整されているので光
軸及びフオーカスのずれがほとんど生じない。し
かし通常は完全な平行となつていないので調整用
ビス４４を回転させて光軸及びフオーカスのずれ
を無くすようにする。この調整は前記同様にデイ
スクからの反射光の強度及び強度分布を読取りな
がら行う。この調整は一本の調整用ビスで行うこ
とができるので簡単に行うことができる。

調整用ビス４４を回転させたときの作用は次の
とうりである。

調整用ねじ４４を締付ける方向に回転させる
と、可繞性シートの弾性力に抗して、前記調整用
ねじ４４はガイドバー１４を押圧して下方向へ移
動させる。この移動量は僅かであるので、実際の
調整範囲内では常に前記シート６０が押圧された
状態となる様になつており、前記ガイドバー１４
が不用意に移動することはない。この実施例では
シヤーシ１０の平面部自体が受部となつている。

なお、上記実施例では、調整可能な支持部が１
個所である場合を説明したが、本考案は１個所以
上あればよく、例えば４個所とも調整可能とした
場合には、他に調整手段を設けることなく、これ
のみでフオーカス調整、タンジエンシヤル調整、
ラジアル調整をも行うことが可能となる。

〔考案の効果〕

本考案に係る光ピツクアツプ用ガイドバー取付
構造では、少なくとも１個所以上のガイドバー取
付部が簡単な構成でガイドバーをシヤーシと直交
する方向へ調整可能となつており、シヤーシの平
面度が充分でなくても光軸及びフオーカスの調整
をより完全なものとすることが可能である。ま
た、弾性体でガイドバーを押圧しているので、調
整後に調整点を固定するための特別なねじが必要
でなく調整が容易であり、しかもガイドバーにつ
いてがたが生じないという優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る光ピツクアツプ用ガイド
バー取付構造の実施例の全体を示す斜視図、第２
図は第１図の部分拡大−線断面図である。 １０……シヤーシ、１２，１４……ガイドバ
ー、２２２，２４，２６，２８……支持部、３２
……舌片、３８……押圧保持片、４４……調整用
ねじ、６０……可繞性シート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 光ピツクアツプをラジアル方向へ案内するガイ
   ドバーをシヤーシへ取付ける光ピツクアツプ用ガ
   イドバー取付構造において、シヤーシ上に可繞性
   のシートと、ガイドバーとを押圧保持片を介して
   ねじによつて締着し、該押圧保持片の頭部中央に
   ねじ穴を穿孔し、且つ該ねじ穴に調整用ねじを螺
   合して、可繞性シートの弾性力に抗して前記調整
   用ねじが前記ガイドバーを押圧するよう構成され
   る取付部を少なくとも１個所有することを特徴と
   する光ピツクアツプ用ガイドバー取付装置。