JPH03249199A - 自動車車体の塗装方法 - Google Patents

自動車車体の塗装方法

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JPH03249199A
JPH03249199A JP4557890A JP4557890A JPH03249199A JP H03249199 A JPH03249199 A JP H03249199A JP 4557890 A JP4557890 A JP 4557890A JP 4557890 A JP4557890 A JP 4557890A JP H03249199 A JPH03249199 A JP H03249199A
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JP
Japan
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electrodeposition
coating
outer panel
door
film
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JP4557890A
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Yoshinobu Tamura
吉宣 田村
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、自動車車体の塗装方法に関し、特に鋼板のエ
ツジ防錆と塗面の平滑性とを同時に向上させ得る塗装方
法に関する。
(従来の技術) 従来の自動車の塗装は、車体の組立工程(溶接工程)の
後であって、部品の組付工程の前に行われている。
第6図を参照して自動車車体を構成する部品のうちドア
を例にとって説明すれば、まず、ドアインナパネルとド
アアウタパネル用にそれぞれ切断した鋼板(ブランク材
)1,2をプレス工程3,4にてプレス加工する。つい
で、車体の組立工程(溶接工程)5にて、これらドアイ
ンナパネルとドアアウタパネルのいづれか一方の外周縁
に接着剤を塗布し、この外周縁をヘミング加工すること
により両者を結合した後、組立を完了したドアアッシを
ヒンジを介して車体にボルト締結し、この状態で塗装工
程6の第1工程である前処理工程7に搬送する。塗装工
程内においては、ドアアッシを取り付けた車体に電着塗
装置、中塗り塗装9および上塗り塗装置0を順次施こし
、塗装工程が完了すると部品の組付工程11に搬送し、
所定の部品を組み付けて製品が完成する。
このように従来の自動車車体の製造工程においては、上
述した工程設計によるのが生産性、品質、コストの面で
最もバランスのとれた方法であると考えられていた。
ところで、自動車用外板塗膜は、防錆を目的とした電着
塗膜(下塗り塗膜)と中塗り塗膜、及び商品性を高める
ための上塗り塗膜により構成されている。すなわち、自
動車の塗装目的を大きく分類すると、防錆と外観品質の
2つに分けることができる。
外観品質については、新規な色彩の開発もさることなが
ら、最近特に上塗り塗膜の表面状態の向上が希求されて
いる。ここで、顧客が感じる塗面状態の善し悪しを定量
的に評価する一手法として鮮映値(PGD値)が広く用
いられている。このPGD値は、上塗り塗面の「平滑性
」と「光沢」を日本色彩研究新製の鮮映性測定装置によ
り測定した値であるが、現在、当業界においては、光沢
は使用される上塗り塗料の性能に大きく依存しており、
−万事滑性は、上塗り塗膜だけでなく、下塗り塗膜及び
中塗り塗膜の平滑性の影響を大きく受けるものとして理
解されている。また、この平滑性と光沢との相違は、平
滑性が塗面の凹凸のうち比較的長波長の凹凸状態を表現
するのに対し、光沢は比較的短波長の凹凸状態を表現す
るものとも考えられている。したがって、上塗り塗料の
フロー性を向上させた塗装条件により上塗り塗膜を形成
しても、下塗り塗膜あるいは中塗り塗膜の平滑性を向ト
させないかぎり、PGD値は向トしないことは種々の実
験結果からも明らかな事実であった。
このような実情に鑑みて、最近では電着塗膜の平滑性を
高めることができる電着塗料か種々開発されており、こ
れらは、焼き付は時の塗膜溶融粘度を下げることによっ
て電着塗料のフロー性を高め、上塗り塗膜への影響を抑
制するようにしている。すなわち、電着塗面の平滑性を
向上させ、かつ中塗り塗布の平滑性を向上させることに
よって上塗り塗面の平滑性を向上させるというのが最近
の当業界における外観品質向上への指針となっている。
なお、塗面状態を定量的に評価する手法として、rNs
Ic値」、あるいはrNSIC値」も用いられるように
なってきた。
一方、防錆の面においては、自動車を構成する鋼板エツ
ジ部の錆が市場において深刻な問題となっている。これ
は、電着・中塗り・上塗りの各塗料を焼き付ける際に、
鋼板エツジ部における塗料の表面張力が低下し、エツジ
部に塗膜が形成され難いからである。
従来のエツジ防錆は、防結用シーリング材などを塗布し
て鋼板エツジを覆うことにより対処してきた。しかしな
がら、この方法によると生産性およびコスト面で好まし
くないため、在来工程を利用したエツジ防錆を前提とし
た工程設計および塗料開発が検討され、現在電着塗装に
よるエツジ防錆が定着しつつある。
電着塗料によってエツジ耐蝕性を向上させる手法として
は、電着塗料の顔料濃度を高める方法、レオロジーコン
トロール剤を添加する方法、硬化温度を低下させ架橋反
応により溶融時の流動を制御する方法等が考えられ、電
着塗料のフロー性を抑えることによってエツジ部におけ
る表面張力を高め、エツジ防錆を達成することができる
。しかも、このような電着塗料を採用すれは、同時に電
着塗膜の厚膜化を図ることができ、鋼板−膜面の防結性
能の向上に加えて、中塗り塗装を廃止した、いわゆる電
着と上塗りのみによる2コート化の実現への布石となる
効果をも有している。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、エツジ防錆を重視してフロー性を抑えた
電着塗料を採用すると、鋼板−膜面の平滑性が低下し、
これが中塗り塗面、ひいては上塗り塗面の平滑性にまで
悪影響を及ぼすという不具合があった。したがって、外
観品質の点では好ましくなかった。
さりとて、外観品質を重視してフロー性を高めた電着塗
料を採用しても、エツジ部における電着塗料の表面張力
が低下するためエツジ防錆の向上を満足することができ
なかった。
このように、個々に外観品質とエツジ防錆を向上させる
ことができる電着塗料が開発されているにも拘らず、両
目的を同時に達成することができる塗料は現在のところ
存在せず、結局、外観品質とエツジ耐蝕性とを両立させ
た塗膜は、現在の塗装技術では達成することができない
とするのが当業界における知見であった。
そこで、本発明者らは、外観品質の向上と防錆性能の向
上という2つの目的を同時に満足する塗装技術を開発す
べく鋭意研究した結果、塗装工程は組立溶接工程の後に
設定するものとの固定概念を打破し、しかも、車体を構
成する部品を平滑性の観点から眺めるとエツジ防錆は要
求されるが高平滑性はさほど要求されない部位があるこ
とに着目して、本発明を完成させるに至った。
このように本発明は、従来技術の問題点に鑑みてなされ
たものであり、鋼板のエツジ耐蝕性を高めると同時に、
塗面の平滑性をも向上させることができる塗装方法を提
供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するための本発明は、プレス成形した板
金により構成される構造体の少なくとも外板側に、予め
リン酸亜鉛被膜と電着塗膜及び中塗り塗膜を施こし、つ
いて各構成部品を結合した後に、振子式粘度測定器にお
いて塗膜の対数減衰率測定から求められる塗膜硬化時の
最低溶融粘度が0.2以上のエツジカバー率を有する電
着塗装を施こすことを特徴とする自動車車体の塗装方法
である。
(作用) このように構成した本発明にあっては、高平滑性が要求
される構造体の少なくとも外板側に、予めリン酸亜鉛被
膜と電着塗膜及び中塗り塗膜を施こしているため、電着
塗膜および中塗り塗膜の平滑性を高めることができ、こ
れによって上塗り塗膜の平滑性を向上させることができ
る。
一方、予めリン酸亜鉛被膜と電着塗膜及び中塗り塗膜を
施こし、各構成部品を結合した後に、振子式粘度測定器
において塗膜の対数減衰率測定から求められる塗膜硬化
時の最低溶融粘度が0.2以上のエツジカバー率を有す
る電着塗装を施こすため、鋼板のエツジ耐蝕性をこの電
着塗膜により向上させることができる。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明の実施例を示す工程図、第2図は本実施
例を適用した車体の構造体を示す分解斜視図、第3図は
同実施例の塗膜構成であって第2図の■−■線に沿う断
面図である。
第2図に示すように、本実施例の塗装方法は、車体30
を構成する種々の構造体の内、ドア31、フード32、
トランクリッド33、ルーフ34、クォータパネル35
、フェンダ36、シルアウタ37(図中、斜線にて示す
部位)に適用した具体例であり、さらに第3図に示す断
面図は、ドアアウタパネル20とドアインナパネル21
とを組み立ててドアアッシ31を構成する具体例にて本
実施例を説明したものである。
このドアアッシ31においては、完成車として外板を構
成する部品はドアアウタパネル20であることから、第
1図に示すように、ドアアウタパネル20についてはプ
レス加工4を行なう前に予め前処理13、電着14およ
び中塗り15を施しておき(以下、ブリペイント工程1
6という)、一方、ドアインナパネル21については通
常の工程と同社に塗装を行なわない状態でプレス工程3
に供するように構成している。
プリペイント鋼板の製造 上述したブリペイント工程16にて用いられる鋼板のヰ
」質は、冷間圧延鋼板、レーサーダル鋼板、亜鉛メツキ
鋼板等を用いることかできる。このような所定の祠質、
板厚の鋼板コイル12を、水平状態で前処理工程13に
投入し、鋼板表面にリン酸亜鉛被膜を形成する。このよ
うな前処理工程13は、鋼板コイル製造の最終工程であ
る圧延工程後に連続して設けることも可能である。リン
酸亜鉛被膜を形成するための前処理剤としては、例えば
日本パーカーライジング(株)社製のPBL3020を
用いることができ、所定の温度にて乾燥することにより
被膜が形成される。
ついで、鋼板コイルを水平状態で電着槽に浸漬し、所定
の塗装条件にて膜厚5〜30μmの電着塗膜を形成する
(電着工程14)。本実施例にて用いる電着塗料は、焼
き付は時の塗膜溶融粘度を下げることによって電着塗料
のフロー性を高めたものが好ましい。この電着塗料を焼
き付けると電着塗膜が形成される。
さらに、電着塗膜が形成された鋼板コイルを水平状態を
維持しつつ、表面に膜厚15〜45μmで中塗り塗料を
スプレー塗装する(中塗り工程15)。本実施例にて用
いる中塗り塗料は、ポリエステル系樹脂にて構成するこ
とが好ましいがこれに限定されない。また、塗料の微粒
化を高め、高平滑性の中塗り塗膜を得るためにレオロジ
ーコントロール剤を添加した中塗り塗料を用いることが
好ましい。さらに、塗装条件においては、鋼板コイルを
水平状態にて塗装することから、タレ防止対策を塗料側
で行なう必要がなく、容易にフロー性を高めることがで
きる。この中塗り塗料は、140℃×20分の条件で焼
き付けられて中塗り塗膜を形成する。
なお、」二連した実施例においては鋼板をコイル状態で
前処理13、電着14、中塗り15を施したが、前処理
13を行なう前に、予めドアアウタに対応した大きさに
切断してブランク材を得、このブランク材を前処理13
、電着14、中塗り15の各工程に搬入することもでき
る。また、上述した実施例においてはプレス加工4を行
なう前の鋼板に前処理13、電着14、中塗り15を施
したが、プレス加工4を行なった後に前処理13、電着
14、中塗り15の各塗膜を形成しても良い。
また、リン酸亜鉛被膜、電着塗膜および中塗り塗膜は、
車体に取り付けた際に外板側となる部位のみに形成して
も良い。
以下本明細書においては、上述したプリペイント工程1
6に基づいて予め前処理・電着・中塗りの各塗膜を形成
した鋼板を「プリペイント鋼板」と称する。
プレス加工 第1図に示すように、上述したプリペイント鋼板と通常
の鋼板とをそれぞれプレス加工し、ドアアウタパネルと
ドアインナパネルとを形成する(プレス加工工程3,4
)。本実施例に係るプリペイント鋼板は、車体30を構
成するパネルの中でも、特に外板パネルに適用すること
が好ましいため、ドアサツシ31以外の例によれば、前
述したようにフードアウタパネル32、トランクリッド
アウタパネル33、ルーフアウタパネル34、クォータ
パネル35、フェンダパネル36、シルアウタパネル3
7等に用いることができる。
鋼板コイル状態でプリペイント鋼板を形成した場合にあ
っては、予めドアアウタパネル20の大きさに応じた形
状に切断しブランク材を得る。またこれに対してブラン
ク材の状態でプリペイント鋼板を形成した場合には、こ
のままの状態でプレス加工4を行なうが、何れの場合に
あっても、プレス加工4の過程でトリム加工されること
から、ドアアウタパネル20のエツジ25については鋼
板が露出することとなる。
組立 溶接 前述したプレス加工4にて所定形状に成形されたドアア
ウタパネル20の外周縁近傍に構造接着剤を塗布し、こ
れにドアインナパネル21を合わせた後、ドアアウタパ
ネル20の外周縁を折り曲げる(ヘミング加工)ことに
より両者を接合する。このヘミング加工は通常行われて
いるh法により達成することができる。また、ドアサツ
シュ等の付属部品も同時に溶接する。ついで、このよう
にして組み立てたドアアッシ31をヒンジを介して車体
30にボルト締結する。なお、本発明に係るプリペイン
ト鋼板をドア31以外の部品に適用した場合にあっても
、ドア31の場合と同様に車体30に組み付けた状態で
後工程に搬送する。
このとき、第3図に示すように、ドアアウタパネル20
とドアインナパネル21とのヘミング部26のドアイン
ナパネル21側には、後述するエツジカバー用電着17
を施しても塗膜は形成されないが、構造接着剤およびド
アアウタパネル20に形成したプリペイント塗膜22に
よって、この合せ面26の防錆力が向上することとなる
前処理、電着、上塗り 上記組立、溶接工程5にてドアサツシュ1等を取り付け
た車体30を塗装用ハンガに搭載して前処理工程7に搬
送する。この前処理工程7は、プレス工程3,4にて塗
布した防錆油や、溶接工程5にて付着した塵埃等を除去
する洗浄工程と、この洗浄工程にて清浄にされた鋼板表
面にリン酸亜鉛被膜を形成する化成処理工程、およびこ
のリン酸亜鉛被膜を強制的に乾燥させる乾燥工程とから
構成されている。本実施例の化成処理工程における前処
理剤としては、例えば日本パーカーライジング(株)社
製のPBL3020を用いることができるが、特にこの
薬品に限定されることはない。
次に、このようにして形成されたリン酸亜鉛被膜上に電
着塗膜を形成する(電着工程17)。なお、本実施例に
て用いることができる電着塗料については後述する。
この電着塗料は、プリペイントを施していない、いわゆ
る鋼板露出部に塗着する。すなわち、第3図に示すよう
に、プリペイント鋼板により構成されたドアアウタ20
のエツジ部25と、通常の鋼板により構成されたドアイ
ンナパネル21等の一般面およびエツジ部とをカバーす
る。この電着塗料は、焼き付けられて電着塗膜23を形
成する。第2図における車体30にあっては、この電着
塗装置7を終了した状態において、プリペイント鋼板に
より構成したドアアウタ、フードアウタ、トランクリッ
ドアウタ、クォータアウタ、フェンダ、ルーフ等外板部
品は予め形成されたプリペイント22(リン酸亜鉛被膜
、電着塗膜、および中塗り塗膜)が最外表面を構成して
おり、一方、それ以外の部品は上述した電着塗膜23が
最外表面を構成することとなる。つまり、第3図に示す
ドアアッシ31の例で詳述すれば、ドアアウタパネル2
0はエツジ部25を除いてリン酸亜鉛被膜、電着および
中塗り塗膜からなるプリペイント塗膜22が形成されて
おり、一方、ドアインナパネル21はドアアウタパネル
20とのヘミング部分26を除いて上述した電着塗膜2
3が形成されることとなる。そして、この電着塗膜23
を形成する際に、プリペイント塗膜22が形成されてい
ないエツジ部25(プレス工程4にて切断された切断面
)にも、この電着塗膜23が形成されることとなる。
ついで、この車体30全体に上塗り塗料をスプレー塗装
する(上塗り工程10)。本実施例においては、予め電
着塗膜および中塗り塗膜を形成したプリペイント鋼板に
より外板部品を構成しているため、中塗り工程を省略す
ることができるが、本発明はこれに限定されることなく
、中塗り塗装を施すことも可能である。この上塗り工程
IOにおいては、上塗り塗料は、通常用いられている外
板用塗料、例えはポリエステル系樹脂、メラミナルキッ
ド系樹脂、アクリル系樹脂等を用いることができる。上
塗り塗料は、塗装膜厚15〜40μmにて塗装され、乾
燥条件140℃×20分にて乾燥されて上塗り塗膜24
を形成する。なお、第3図に示すように、ドアインナパ
ネル21の一部に上塗り塗膜24が形成されていない部
位が示されているが、これは、後工程である部品組付工
程11にてドアトリム等が取り付けられて隠れる部分で
あり、しかも室内であるため防錆上上塗り塗装を必要と
しない部分だからである。
エツジカバー用電着塗料 本実施例において、塗装工程18内の電着工程17にて
用いる電着塗料は、鋼板のエツジ防錆を向上させるため
に、電着塗料の最低溶融粘度が0.2以上であることが
必要である。最低溶融粘度が0.2未満の電着塗料を用
いるとエツジ防錆に劣る。最低溶融粘度が0.2未満の
電着塗料を用いて電着塗膜E1を形成した場合と、最低
溶融粘度か0.2以上の電着塗料を用いて電着塗膜E2
を形成した場合との塗膜断面を観察した様子を第5A図
および第5B図に示す。この断面図より、最低溶融粘度
が0.2未満の電着塗料の場合(第5A図)にはエツジ
部25の被覆が不完全であるのに対し、最低溶融粘度が
0.2以上の電着塗料の方(第5B図)は、−膜面と同
様の膜厚でエツジ部25が被覆されていることが解る。
このような条件を満足する電着塗料を本明細書において
エツジカバー用電着塗料と称する。
電着塗料の最低溶融粘度λminは、東洋ボールドウィ
ン製レオパイブロンDDV−OPA ’fff振子式粘
弾外測定器を用い、重量 22 g・慣性モーメント8
59g−cn?の振子にて20℃/minの昇温速度で
測定したときに、第4図に示すように、対数減衰率が最
も低下したときの値を最低溶融粘度(λmin )とし
て求めることができる。
このように、 最低溶融粘度λmin≧0.2 を満足するエツジカバー用電着塗料の一例を挙げれば、
後述する水性塗料組成物Aおよび部分架橋樹脂Bからな
る組成物であり、A(!:Bとの配合割合は、Aの固形
分換算で50〜85重世部に対して、Bを固形分換算で
50〜15重量部である。
また、A/Hの固形分比は110.18以上であること
が好ましい。これは、部分架橋樹脂Bが0.18未満で
は外観性能は向上するもののエツジ防錆が十分でなくな
るからである。さらにA/Hの固形分比は、1/1〜1
10.18であることが好ましいが、これは部分架橋樹
脂Bが1より大きい場合にはエツジ防錆は向上するもの
の塗面の平滑性が著しく低下することから、ブリペイン
ト鋼板を多用して車体の外板を全てブリペイント鋼板に
より形成した場合には特に問題とならないが、このブリ
ペイント鋼板を局所に適用して通常の鋼板を外板部品に
使用した車体にあっては局部的に平滑性が低下するとい
う理由に基つく。
[水性塗料組成物Aコ エツジ力バー電着塗料を構成する水性塗料組成物Aは、
A(1)成分のカチオン樹脂と、A(2)成分のブロッ
クイソシアネート架橋剤とからなり、A(1)成分のカ
チオン樹脂は、数平均分子量1000〜3000て1分
子当り平均1個以上のエポキシ樹脂を有するビスフェノ
ールA残基含有エポキシ樹脂、例えば、シェル化学(株
)社製のエピコート#1001.#1002.#100
4およびそれらのエステル化物、エーテル化物、イミド
化物と、1価の第2級アミンと、の反応生成物であるア
ミノ基含有ポリマー(酸にて可溶化されたもの)である
。このカチオン樹脂の配合量は、固形分換算で60重舌
部未満では耐蝕性が低下し、80重量部を越えると塗膜
の硬化が不足することから、60〜80重世部とするこ
とが好ましい。
一方、A(2)成分のブロックイソシアネート架橋剤と
しては、2,4−または2.6トリレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、■−または、p
−フェニレンジイソシアネート等のような芳香族イソシ
アネートまたは脂肪族イソシアネート等を挙げることが
できる。イソシアネートのブロック剤としては、メタノ
ール、エタノール、ブタノール、2−エチルヘキサノー
ル、ベンジルアルコール等の脂肪族または芳香族のモノ
アルコール類を挙げることができる。このブロックイソ
シアネートの配合量は、固形分換算で20重量部未満で
は塗膜の硬化が不足し、40重量部を越えると水溶性の
不足による塗料安定性が低下することから、20〜40
重口部とすることが好ましい。
[部分架橋剤B] エツジカバー電着を構成する部分架橋樹脂Bは、B(1
)成分のメチロールフェノール化合物と、B(2)成分
のアミン付加ポリブタジェン樹脂からなり、メチロール
フェノール化合物としては、レゾール型フェノール樹脂
、例えば荒用化学工業(株)社製のタマノール720,
721 、群栄化学工業(株)社製のWP581.WP
201およびフェノールエーテル化合物を挙げることが
できる。このメチロールフェノール化合物の配合量は、
固形分換算で20重歯部未満では塗膜の硬化が不足し、
50重足部を越えると耐蝕性が低下することから、20
〜50重世部とすることが好ましい。
一方、アミン付加ポリブタジェン樹脂としては、数平均
分子量1000〜3000.1,2結合が30〜100
%のポリブタジェン樹脂を過酢酸によりエポキシ化し、
アミンを付加させたもの、例えば日本石油化学工業(株
)社製のC−1800−6,5を挙げることができる。
このアミン付加ポリブタジェン樹脂の配合量は固形分換
算で50重量部未満では水溶性不足によるゲル粒子の安
定性が低下し、80重量部を越えると粒子内部のゲル化
不足によるエツジ被覆性が低下することから、80〜5
0重量部とすることが好ましい。
本発明をさらに具体的な実施例により説明するが、本発
明はこれに限定されることなく、本発明の要旨を越えな
い限りにおいて種々に変形することができる。
実施例1 冷間圧延鋼板表面に、日本パーカライジング(株)社製
の前処理剤PBL3020にてリン酸亜鉛被膜を形成し
、電着塗料として日本ペイント(株)社製U−600を
用いて平均膜厚7μmの電着塗膜を形成した。ついで、
高分子ポリエステル系中塗り塗料をスプレー塗装するこ
とにより、この電着塗膜上に平均膜厚18μmの中塗り
塗膜を形成した。
このようにして得られたブリペイント鋼板を水平に維持
した状態で、その表面に日本油脂(株)社製の上塗り塗
料505(ブラック)を平均膜厚40μm塗布し、上塗
り塗膜を形成した。この上塗り塗板のN5IC値を測定
し、その結果を表に示す。なお、ここにいうN5IC値
とは、塗面に縞模様を映写しこの像の乱れを解析して数
値化した鮮映性の測定値であって、N5IC値が大きい
ほど平滑性が良好であることを示す。
実施例2 実施例1と同一条件にて作成したブリペイント鋼板を用
い、これを垂直に維持した状態で実施例1と同一の上塗
り塗料505(ブラック)を塗装した。この上塗り塗板
のN5IC値を測定し、その結果を表に示す。
比較例1 表面粗度Ra=0.99. Wca−0,48のレーザ
ーダル鋼板表面に、日本パーカライジング(株)社製の
前処理剤PBL3020にてリン酸亜鉛被膜を形成し、
エツジカバー用電着塗料として日本ペイント(株)社製
NS−226を用いて平均膜厚20μmの電着塗膜を形
成した。ついで、高分子ポリエステル系中塗り塗料をス
プレー塗装することにより、この電着塗膜上に平均膜厚
35μmの中塗り塗膜を形成した。
このようにして得られた中塗り塗板を垂直に維持した状
態で、その表面に実施例1および2と同し日本油脂(株
)社製の上塗り塗料505(ブラック)を平均膜厚35
μm塗布し、上塗り塗膜を形成した。この上塗り塗板の
N5IC値を測定し、その結果を表に示す。
比較例2 比較例1と同様の塗装条件により中塗り塗板を作成し、
これを水平に維持した状態で比較例1と同一の条件によ
り上塗り塗装を行なった。この上塗り塗板のN5IC値
を測定し、その結果を表に示す。
比較例3 比較例1において中塗り塗膜を省略し、電着塗膜および
上塗り塗膜からなる2コートとした以外は比較例1と同
一条件にて塗装し、上塗り塗板を作成した。この上塗り
塗板のN5IC値を測定し、その結果を表に示す。
比較例4 比較例2において中塗り塗膜を省略し、電着塗膜および
上塗り塗膜からなる2コートとした以外は比較例1と同
一条件にて塗装し、上塗り塗板を作成した。この上塗り
塗板のN5IC値を1H11定し、その結果を表に示す
表 N5IC値 実施例1       98 実施例2       93 比較例1       65 比較例2       90 比較例3       18 比較例4       30 本実施例から明らかなように、ブリペイント鋼板を用い
て形成した塗膜は、エツジカバー用電着を用いて従来の
塗装工程にて形成した塗膜に対して、平滑性が格段に向
上する。
(発明の効果) 以上述べたように本発明によれば、プレス成形した板金
により構成される構造体の少なくとも外板側に、予めリ
ン酸亜鉛被膜と電着塗膜及び中塗り塗膜を施こし、つい
で各構成部品を結合した後に、振子式粘度測定器におい
て塗膜の対数減衰率測定から求められる塗膜硬化時の最
低溶融粘度が0.2以上のエツジカバー率を有する電着
塗装を施こすように構成したため、鋼板のエツジ耐蝕性
を高めると同時に、塗膜表面の平滑性をも向上させるこ
とができる。また、各構造体の合せ面の耐蝕性をも向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す工程図、第2図は本実施
例を適用した車体の構造体を示す分解斜視図、第3図は
同実施例の塗膜構成であって第2図の■−■線に沿う断
面図、第4図は最低溶融粘度を求める方法を説明するグ
ラフ、第5A、5B図は電着塗膜のエツジカバー状態を
示す断面図、第6図は従来の工程図である。 0・・・ドアアウタ(板金)、 1・・・ドアインナ(板金)、 2・・・ブリペイント塗膜、 3・・・エツジカバー用電着塗膜、 4・・・上塗り塗膜、   25・・ エツジ部、 31・・・ドアアッシ (構造体)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1.  プレス成形した板金により構成される構造体の少なく
    とも外板側に、予めリン酸亜鉛被膜と電着塗膜及び中塗
    り塗膜を施こし、ついで各構成部品を結合した後に、振
    子式粘度測定器において塗膜の対数減衰率測定から求め
    られる塗膜硬化時の最低溶融粘度が0.2以上のエッジ
    カバー率を有する電着塗装を施こすことを特徴とする自
    動車車体の塗装方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007246968A (ja) * 2006-03-15 2007-09-27 Mitsubishi Motors Corp 車体パネルの電着塗装方法
JP2009183916A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Asahi Rubber Kk 車体の組立方法

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JP2007246968A (ja) * 2006-03-15 2007-09-27 Mitsubishi Motors Corp 車体パネルの電着塗装方法
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